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独自開発のテクニカル指標で株式市場の先行きを読む!

ビッグ3は何に挫折したのか?

2008-12-12 22:27:58 | 折々の随想
最大140億ドルのつなぎ融資法案が事実上廃案になることで、アメリカのビッグ3の命運が尽きかけております。

GMのワゴナー会長は、今回の経営危機は金融恐慌のためだとしておりますが、これは間違いでしょう。それは、これまで数年間に亘り、債務はふくらみ続け、GMに至っては430億ドルにも達していたことからも言えます。この債務超過状態が各社の格付の低下を招き、社債すら発行できなくなった末に、政府支援を求めざるを得なくなっただけと言えます。

では、なぜ債務は膨らみ続けたのか、理由ははっきりとしております。売れるクルマを作れなくなったためです。

例えばフォードのベストセラーのピックアップトラックFシリーズは、今年10月までの累計生産台数は、昨年の3分の2の49万3千台です。

稼ぎ頭のベストセラー車がこれでは会社が苦しくなるのは当たり前です。しかし、これまでビッグ3は、こうしたピックアップトラックやSUVそしてミニバンといったクルマに経営を大きく依存してきました。共通プラットフォームで倍以上の値段を付けて売れるという、非常においしいビジネスだったからです。(日経ビジネスオンライン、ビッグスリーが儲けてきた理由参照。)

しかし、プラットフォームの共通化・集約化なら日本車でも欧州車でも採用している戦略です。ビッグ3が異なるのは、共通プラットフォームの設計を、いわば大味なクルマ作りをしても、それなりにトラック野郎に対してはかつては人気があった、これらピックアップトラック、SUV、そしてミニバンにしか展開できなかったという点にあります。

「かつては人気があった」と過去形にしたのは理由があります。それは2年ほど前の、まだガソリンがうんと安い時でも、映画のアカデミー賞の受賞会場に、名だたる俳優がプリウスで乗り付けたということに象徴的に現れております。

つまり、アメリカ人と言えども、クルマに対する好みが、かつてのトラック野郎の時代から大きく変化していたのです。

しかし、ビッグ3はこれらの大味なクルマ作りによる旨いビジネスにすっかり依存した、ある種の麻薬中毒患者になっておりました。今更、日本車を上回る上質で繊細なクルマを作りたくても、それを実現する技術力が元来ありませんでした。

それは何故なのかを今日は少し紐解いてみたいと思います。

「日本のもの造り哲学」(藤本隆宏著)という本が2004年6月に発売されております。その中で著者は、世の製品をアーキテクチャ(設計思想)によって次の3つのパターンに分けております。

1.クローズド・インテグラル型(閉鎖型摺り合わせ製品)
2.クローズド・モジュラー型(閉鎖型標準製品)
3.オープン・モジュラー型(開放型標準製品)

自動車やオートバイ、軽薄短小の小型家電、ゲームソフトなどが1に該当します。2に該当するのはメインフレーム、工作機械、レゴなどです。3に該当するのがパソコン、自転車、インターネット製品、そしてある種の新金融商品です。

これらの例で、3つのアーキテクチャの違いがお分かりになった方は多いことでしょう。
アメリカは、どちらかというと3のオープン・モジュラー型の製品に強みを発揮するようです。

例えばHPやデルが市場を支配しているパソコンは、コモディティ製品と呼ばれておりますが、汎用CPUが載ったマザーボードと、MSのOS、シャーシーケース、キーボード、そしてディスプレイ等を市場から集めてくれば、誰でも造れます。

クルマなどはその逆で、構成部品はほとんどがクルマのサイズや設計に合わせての特注品です。外観デザインは差別化の大きなポイントです。そして、シャーシー(上述のプラットフォーム)と各部品、そして組み込まれた特殊な制御ソフトウェアなどと、運転性能、ドライビングフィールとのマッチング(摺り合わせ)技術が、そのクルマが売れるのかどうかを大きく左右します。

こうした、いわば細部に神を宿らせるような摺り合わせ製品は、いわゆる「統合型もの造り」と言われているものです。これを成功させるための条件は、

1.摺り合わせを忍耐強く行い、根気よく良いものに仕上げていく技術の錬磨と、止まることのない改善システムの構築。
2.自動車メーカー内の各部門はいうまでもなく、外注企業との間のシームレス連携。
3.世の中の変化、お客さんの変化を的確に捉え、それを自社の競争力の向上につなげていく心構えと実践力。

この3つに尽きます。

ビッグ3は、クルマ生産という分野に不可欠のこうした基本動作が、かつても今もほとんど出来ていなかったのです。

唯一、トラック野郎がまだまだ多かった時代に彼らに提供したピックアップトラック、SUV、そしてミニバンといった、現代の恐竜になりかかっているセグメントにだけ、しかもアメリカという風土においてのみ、優位性を発揮できていたに過ぎません。しかし、上の1、2項が弱い上に、最も難易度が高い3項の「心構えと実践力」がなかったものですから、このセグメントの縮小に対して、何らの対策をこれまでに取ってこれなかったのです。トヨタですら、この3項には今回タンドラで失敗しております。

従って今回、議会がつなぎ融資を承認するにあたり、しつこくビック3の経営陣に迫ったという、「それでどうやって競争力あるクルマをこれから出せるのか?」という素朴な疑問に対して、経営陣は説得力ある説明を展開できなかったに相違ありません。

こうしたことを考える時、これ以上ビッグ3を延命させることは、元来、無駄なことであると言うことが出来ます。

この意味では、1929年の世界恐慌時に、やはり当時の自動車メーカーが窮地に陥ったことが、その後の経済の悪化に心理的にも追い打ちをかけたとされておりますが、当時と今とでは、アメリカにおける自動車産業の社会におけるかけがえのなさは、大きく異なっていることに留意しておく必要がありそうです。

意外と、粛々と破綻処理をしても、アメリカ社会は以前ほどの動揺をみせないのかも知れません。

ビッグ3の救済に対する否定的な評価が、一般アメリカ人の6割にも達していたことからも、それは言えそうですね。
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市場概況(12.12.08)

2008-12-12 15:45:57 | 市場概況
テクニカル用語の簡単解説 赤字部は13日朝更新

12月12日(金)の市場概況です。

◆日経先物:8290円(-390円)、OSC58%(+4%)12月5日の42%へ収斂に転じる
◆日経平均:8236円(-485円)、OSC55%(-10%)12月11日の65%から下落に転じる。
◆日経平均指数値倍率:121(+6)数字が増えるほど下降傾向を示します。
◆TOPIX:813.37(-36)、OSC54%(-9%)12月11日の63%から下落に転じる。
◆マザーズ指数:308.31(-5.55)、OSC50%(-1%)12月10日の52%から下落に転じる。
◆ヘラクレス指数:483.08(-6.76)、OSC45%(-4%)12月10日の56%から下落に転じる。
◆国債先物:139.42円(+77銭)OSC44%(+2%)12月10日の41%から切り返しに転じる。
◆ドル・円:91.03円(40銭円高)OSC44%(+6%)11月28日の52%から下落中。(円高へ)更新
◆日経先物イーブニングセッション:8260円(大証終値比-30円)
◆シカゴCME日経先物:8715円(大証終値比+425円)更新
◆NYダウ:8630ドル(+65ドル)OSC57%(-2%)12月10日の63%より下落中。更新

いやはや、凄い光景でした。

後場の先物の気配値がドンドンと下降しているので、何か変だと思っておりましたら、いきなりの大幅ギャップダウンで始まりました。一瞬切り返しの動きを挟んで、その後は、ドル・円の動きに合わせて、また米株価先物の急落に合わせて、それこそナイヤガラの滝のように一直線に落下。

12時過ぎぐらいから、円高傾向を示しており、にもかかわらず、個別株は、結構前場終了段階の値段で売買の気配値をつけておりました。三井物産などセミプロ級が集まる銘柄は先物に合わせて気配値を切り下げてはおりました。この後場の寄り付きに、全力で空売りをかけたお方が今日の後場の勝者でしたね。

この時ならぬ異変に、これは何かのニュースが出ていると思って、いつものひまわり証券のニュースを見たら、12時28分発のニュースで、ビック3の法案が廃案になるとの記事がありました。もっと後場の直前に見ておくべきでした。

この事実が広まるに連れ13時半までは、ドル円の90円割れも演じながら、まさしく怒濤の売りでした。途中、訳が分からず拾わされた人間の投げも更に巻き込みながらの阿鼻叫喚のの下げでした。こんな光景、久し振りに見ました。

虚をつかれた筆者は、出来高が少なくOSCがこのところ高かったある銘柄に、かなり遅れて売り参戦しましたが、結局2円と3円だけ抜いただけであり、たいして取れませんでした。

その後、一時ストップ安までつけた6594日本電産を3520円で売り参戦するも、こちらは意外な粘りを見せている最中であり、思惑とは違って上に行きそうでしたので、ほうほうの体で同値撤退。

その他、6417SANKYOが意外と下げないので、マイナスに転じたところで売りをかけようと、マウスに手を置きましたが、土壇場で取りやめました。こういう時は、今日の調子が良い株は先制攻撃以外は駄目ですね。遅れて参戦しても、先制攻撃をかけた人間に踏み倒されるのがオチです。と言う訳で、売りもピーク近くで売らない限り極めて危険と再認識した次第。あまり慣れていないので、つい安値を叩く(買いは高値に飛びつく)癖が滲みついております。心せねば。。。

後は、ドル・円の落ち着き(と言っても売り方の買い戻しでしょう)とともに、株式市場も平静を取り戻し揉み合いに転じました。

今晩のNYおよび欧州市場がどのくらい荒れるかですが、日本市場は後場にかなりの部分は織り込んでおり、更なるバッドニュースが出ない限り、月曜日はどちらに動くのか分かりません。ビック3にしても財務省の金融安定化(TARP)資金で救済するという米上院院内総務のコメントもあり、意外な展開もあり得ます。

この件の顛末はまた明朝にでも。

-------13日朝のコメント-------

朝起きてダウをチェックしたら何とプラス圏ではありませんか。金曜日あれだけ円高が進み株価は暴落し、アジア株も欧州株も下げ、当然ダウも300ドル程度は下げると思いきや、ミシガン大学消費者信頼感指数が予想より上だっとことや、11月の小売売上高が家電を中心に予想より良かったこと等好感され、また、ビッグスリーもTARPで資金提供ができるのではないかとの観測もあり、値を戻していったようです。

それにしてもUAWが賃金をトヨタなみにすることに抵抗しているようです。昨日のブログで書いたように、売れないクルマしか作れないビッグスリーは本来は淘汰されるべきですが、トヨタ車以下の付加価値しかないのなら、それ以下のプライスタグしか付けられず、本来なら、その車の付加価値分だけコストを下げるために、労賃は下げなければなりません。

それにUAWが抵抗しているとは、時代錯誤というのか、経済合理性に対する理解が全くないというのか、筆者には良く理解できません。

勘ぐれば、TARPでも何でも良いから救済資金をつぎ込み続け、詰まるところ、政府とUAWとビッグスリーは結託して、ドルの切り下げに誘導したいのではないでしょうか。

仮に無制限に資金をつぎ込み、財政赤字を膨らませ、その結果ドル価値が減価すれば、例えば3割減価(円高では60円見当)すれば、3万ドルのピックアップトラックは、270万円が180万円となります。これでも売れなければ5割減価すれば135万円です。軽自動車よりも安くなり、これなら日本でも売れるでしょう。

こうして1929年に各国が自国通貨の切り下げ競争に走り、ブロック経済化して大戦を招いてしまったと同じ効果を、ドルの大量供給で実現しようとしているのかも知れません。

しかし、5割切り下げると言うことは、輸入品は逆に5割高くなるということであり、アメリカはインフレの嵐が吹き荒れることになるでしょう。しかし、膨れあがった政府債務を合法的に減らすにはそれもまた良し、ということになるのでしょう。

一体、来年以降どういう世の中が待っているのか?いずれにしても、これまでより悪くなることはあっても、良くなることはなさそうです。これを意図的に招いてしまった元凶、グリーンスパンの罪はどこまでも重い。
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程よいバランスを演出中

2008-12-12 11:36:36 | 株に出会う
いやはや、株式相場というのは程よいバランスをいつも目指すものですね。まあ、これだけの参加者が真剣勝負のお金を投じる訳ですから、子供のゲームごっことは違うのは当たり前ですね。

そのバランスを例によって後講釈すると、

・NYダウが程よい調整
・しかし、シカゴの日経先物は8660円と30円しか下げていない。
・円高が昨日より進行中。
・米株価先物も-113ドルでスタート

こうなると、日本の市場を主導する日経先物は、当然安く始まらざるを得ません。

・8420円で開始、これはシカゴの240円安。
・9時半頃からは、ドル・円も円安基調が鮮明に。
・米株価先物も-174ドルまで悪化。

こうした状況から、一旦昨日のボトム値の8520円あたりまで戻してから、再度押し戻されます。しかし、その後は円安がサポートし、米株価先物も段々と下げ幅を縮小してくるに従い、もう一度8520円見当をトライ。ここを前場の終わりにかけてあっさりと抜くや今日の高値圏まで到達。シカゴCMEの値段に後30円ほどでした。

こうやって振り返ることができるのは、後からの解釈であって、その場その場では為替がどちらに振れるか分からず、米先物もますます下落していたかも知れません。しかし、迂闊にも、8520円あたりの昨日の日経先物の安値を2度目に抜く時の上げ方は、大きくなるであろうことを見ておりませんでした。後の祭りとはこのことです。

しかし、こうした地合の変動に素直に反応する株もあれば、そうでない株もありますので、相場はややっこしくなります。

もし、買いで入るなら、ダウが大きく上げた原因でもある石油関連、これは商社も関係、など今日の好調業種に的を絞らなければなりませんでした。

後は、完全に見落としてしまったのが、2602日清オイリオです。OSCが昨日ブレークポイントを破って終了しておりました。

しかし、同じくブレークポイントを上回っていた筈の5302日本カーボンは、前場で何故噴かなかったのか?

ここまでの問題になると、些か難題です。あえて言うなら、日本カーボンは出来高が1千万株以上をマークした10月後半から11月12日までを除いて、OSCは41%が最高値でした。昨日50%にまで達しておりましたが、出来高が増えなかったので、そのまま停滞しているとしか解釈出来ません。OSCは52%と更にコンバージェンスしておりますが、如何せん昨日よりも出来高が細っております。

日清オイリオの場合は、48%(11月27日)と50%(11月17日)がOSCとしては、直近の最高値でした。これを昨日51%のほぼ引け高で抜いていたのです。筆者が414円で買ったのが12月5日。以来OSCは上げ続け、昨日ブレークしておりました。早めに手放したのが失敗。ホールドしていても一度も買値を下回っておりませんでした。

前場は、6417SANKYOの寄り付きからの上げっぷりを見て、VWAP近辺の4740円で買い40円抜いたトレードだけ。

今日上場の2186ソーバルは500円までは我慢することにしておりますので、横目でチラリと見る程度。50円ほど公募価格を上回っておりますので、そのまま大和では800円の指し値を来週末までの期限で入れております。たったの100株ですから、多少の上げ下げは気にしないつもり。グリーの場合も3300円の公募価格に対して3000円までの下げは我慢するつもりです。上は、その代わり4000円ですね。このぐらいの糊代を持っておいてちょうど良いかと。。。
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市場概況(12.11.08)

2008-12-12 07:29:10 | 市場概況
テクニカル用語の簡単解説 赤字部は12日朝更新

12月11日(木)の市場概況です。

◆日経先物:8690円(+60円)、OSC54%(+2%)12月5日の42%から反発に転じる。
◆日経平均:8721円(+60円)、OSC65%(+14%)12月5日の42%から反発に転じる。
◆日経平均指数値倍率:115(同値)数字が減るほど上昇傾向を示します。
◆TOPIX:849.25(+14.76)、OSC63%(+15%)12月5日の40%から反発に転じる。
◆マザーズ指数:313.86(-4.16)、OSC51%(-1%)12月4日の38%から反発に転じる。
◆ヘラクレス指数:489.84(-11.58)、OSC49%(-7%)12月10日の56%から下落に転じる。
◆国債先物:138.65円(+10銭)OSC42%(+1%)12月10日の41%から切り返しに転じたか?(09年3月限月もの)
◆ドル・円:91.43円(1円36銭円高)OSC38%(-7%)12月9日の36%に収斂するのか、それとも再度切り返すのか?RSIは29%まで急落。10月27日の26%以来の20%台。更新
◆日経先物イーブニングセッション:8640円(大証終値比-40円)09年3月限に切り替え。
◆シカゴCME日経先物:8660円(大証終値比-30円)更新
◆NYダウ:8565ドル(-196ドル)OSC59%(-4%)12月10日の63%から下落に転じたか。更新

後場は、2時過ぎから円高も進み、Globexも-23ドルまで下げるなど、外部環境は良くありませんでしたが、8600円の底値がキープされると見るや、堰を切ったように買いが湧いて出ました。主力市場がこのように活況を呈し始めると新興市場は蚊帳の外。

しかしながら、日経平均のOSCは65%にも達しました。+14%です。これはテクニカルには上げすぎですね。

これでNYダウとほぼ並びました。遅れを取っていたので誰かが合わせにかかったのでしょう。そのダウもOSCが+9%の63%です。

楽観的なシナリオでは、両市場とも38.2%戻しの日経平均が9518円、ダウが9136円までの道程を進みつつあると見てとることができますが、この高OSCですので、一旦道端ででも休憩を取らないと、おそらく半病人にとっては息が続きません。

と言う訳で持ち越しはなし。JR東日本をとんでもない値段で売り飛ばしてしまい、日本電産は早めの利確をし過ぎて、後場はチャラです。どうも腰が引けておりますね。両方とも買ってから、目をつぶって引けまで待っていれば十分に利益が乗っているはず。

気持ちは、いつ売りの体勢に入ろうかと身構えているため、渋々地合に合わせて買いに入っても、チョイ下げては投げ、チョイ上げては売りという、全く歯車を狂わせっ放しとなりました。

ところで、焼け糞で、3632グリーを申し込みました。日興で初めて当選。大和もチャンス当選とやらでした。よっぽど株が多いらしいですね。2つも当たるとは。

しかし、このグリー、時代が時代なら初値が跳ねるのでしょうね。何しろもの凄い伸び率です。これを見込んで、公募の割れしてもセカンダリーでの買いに期待したいもの。12月17日の公開日までに地合が好転しておれば良いが、果たして、ラリー・ウィリアムズのご託宣通りに年末に戻す展開になるのかどうか?更新

-------12日朝のコメント-------

NYダウは、今度こそ予想通りに反落。自動車業界の上院での可決の不透明感やら、新規失業保険件数が57.3万件と26年ぶりの悪化を記録したことなどが理由です。

欧州株は英FTを除いて下落。為替の方はドル・円が一時安値を割り込むかと思いましたが、何とか91円台はキープ。

原油が、産油国のサウジやロシアの生産量削減の動きを受けて、久し振りに10%高です。原油も今の価格水準では新規開発が凍結になってしまい、いずれ世界経済が元の軌道に戻った時、経済成長+人口増で足りなくなり、また高騰するに決まっております。時間をかけてでも70ドル程度の妥当な価格水準に戻したいのが産油国の意向でしょうが、147ドルを付けた時、何もしなかったではないか、という世間の見方にどう答えるのでしょうね。

ドル・円は何とも微妙な位置です。他のクロス円が概ね円安方向へと振れている中、ドル・円だけは円高です。これはユーロ・ドルの急騰からも分かるように、ドルインデックスが下落基調を益々強めていることが背景にあります。このドルの弱体化を受けて、ここのところゴールドが値を戻しております。

まあ、全面ドル安展開まではもう少し時間がかかるでしょうね。クリスマス休暇に入る頃までが1つの節目となるのか?
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