株に出会う

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GSユアサの乱高下について

2009-05-15 11:28:08 | 株に出会う
またまた後講釈で恐縮ですが、前場だけで3571万株もの出来高を誇る、6674GSユアサの決算に絡んでの、今日の寄り付きからの乱高下について、少々解説を施してみたいと思います。

決算で大事なのは最終利益ではありません。最終利益は本業以外の要因も含まれてしまいますので、通常は営業利益か経常利益で前期比を判断します。

今日の日経を飾った、前期比2.9倍とやらの最終利益ベースの伸びと言う記事については、従って警戒を要します。

一応、このGSユアサの市場コンセンサス、しかも時期の経常利益予想が、IFIS株予想に出ております。(これはブックマーク参照)

このコンセンサスによれば、来期の経常利益予想は会社予想が50億円となっておりますが、これはコンセンサスを43.2%アンダーするという、良くない結果でした。

従って、本来はこのGSユアサ、寄り付きからの売り優勢で始まるところでした。

ところが、名うての仕掛け人が陣取っているであろうこの株、寄り付きでは何と689円という前日比+15円もの高値で始まっております。

これで空売りを仕掛けていた人間の買い戻しを誘っておりますね。

しかし、ここからはまさにコンセンサス通りに一気に650円近辺まで下落しております。このトリックに引っかかった方が、いわば格好の「相場の餌食」と化した訳です。

玄人筋のひっかけにまんまと引っかかった「おいしい鴨」だったと言う訳ですね。

その後は、やはり今日の空売り筋の買い戻しがありますので、前場は2度ほど分足のボリンジャーバンドを少し下回ったレベルからは反発しております。

ところが、この株のやっかいなところは、3度目の正直がないことです。644円という前場の安値から反発して本来ならボリンジャーの-1δのところで、再度空売りが入るとアマに予想させておいて、それを地合に合わせて抜いていくところが小憎らしいプロの必殺技ですね。

これでたわいもなく、2羽目の鴨料理と相成っております。

この株で遊ぶのは結構ですが、また大損覚悟でデイトレの技を磨くのは結構ですが、その磨いた技とて、他の銘柄では返って邪魔になるぐらいの、かなり込み入った複雑骨折をしそうな値動きをしますので、アマは近寄らない方が無難かと思います。

筆者も何度かこの株に近寄りましたが、運良く勝つことはあっても通算では負けです。普通の神経では必ずやられてしまいます。

ところで、たわいもない話をしたついでに、近所の川の鴨について一言。

桜の咲く頃、近所の川で数10羽以上はいたであろう鴨が突然いなくなりました。実は、この川では鴨の繁殖を生業としている方がいらっしゃったのです。その方がどこかに連れ去ったようです。

なぜ、それを知ったかというと、隣の若者がバイクで川沿いを走っていたら、誰かさんから鴨が驚くので走らないようにと注意されたそうです。それで、これらの鴨は、実は自然に棲息しているのではなく、この方が特定の場所で毎日餌を与え繁殖していることが分かりました。

世の中、このような「利権」に充ち満ちております。まさか公共の川を使って商売として鴨の繁殖をしていたとは、筆者も知りませんでした。

このように、世の中は一瞬にして「鴨」と同様な運命になることがありますので、呉々もご注意を。

株式市場は、鴨料理を「天職」としている方々が多数集う場所ですので、うっかりとアマチュア投資家が陸に上がったきれいな鴨に近づくと、たけしの「家庭の医学」というテレビ番組ではありませんが、大変なことになりますよ。。。

前場は、筆者自身が鴨になるのを警戒するあまり、川縁に近づくのを躊躇し、下で指しすぎノートレードでした。昨日引けからノーポジです。「川に入らずんば鴨を得ず」(新ことわざ)

これが一目で飼育人のいない鴨だと分かる何らかのサインを、後場は何としても見つけねば。。。
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市場概況(5.14.09)

2009-05-15 06:15:03 | 市場概況
テクニカル用語の簡単解説  赤字部は15日朝の更新

後場も結局は寄り付きの高値を抜けず低迷した5月14日(木)の市場概況です。

◆日経先物:9130円(-230円)、OSC66%(+1%)5月12日の61%に収斂中。指数値倍率:109(+3)
◆日経平均:9094円(-247円)、OCC57%(-12%)5月13日の69%から下落へと転じたか?
◆日経平均指数値倍率:110(+3)数字が増えるほど下降傾向を示します。
◆TOPIX:862.66(-26) OSC58%(-11%)5月13日の69%から下落に転じたか?
◆マザーズ指数:352.17(-4.61)、OSC60%(-3%)5月12日の49%から停滞中。
◆ヘラクレス指数:520.56(-7.78)OSC70%(-3%)4月30日の41%から切り返し中。
◆ドル・円:95.82円。(62銭円安)OSC35%(+2%)5月13日の32%から切り返したか?更新
◆米ドルLIBOR(3ヶ月もの):0.88313%(前日比-0.0225%)5月13日現在。3月11日から下落継続中。
◆日経先物イーブニングセッション:9050円(大証終値比-80円)
◆シカゴ日経先物:9125円(円建て、大証終値比-5円)更新
◆NYダウ:8331ドル(+46ドル)OSC49%(同値)13日の49%から踏ん張るか?更新

後場も円高が進まなかったため、上がりもしない代わりに大きく下げる局面もありませんでした。9000円の大台は何とかキープ。

なお、GMが部品メーカーへの6月2日支払い分を5月28日に前倒しで支払うとのこと。これで破産法適用の可能性が高まったと見られております。

GMやクライスラーの破綻では、部品メーカーのみならず、日本車を販売している販売チャネルも再編を余儀なくされるため、日本メーカーも大いに影響を受けるはずです。

それにこうした法的整理に伴うリストラクチャリングで、かなりの失業者も出ます。

思い出しましたが、最近のドルの弱さは、メディケアなどの医療保険制度の積立不足や、日本と同様に団塊の世代の退職に伴い年金基金が2037年には破綻するという話も背景にあります。

日本に劣らず米国も国家財政がかなり逼迫している訳ですが、そのアメリカを助けるために米国債を積極的に買うべきと、国民新党の亀井氏がのたまわっているようです。幹事長の方なのか、静香氏の方なのかは不明。どこからそうした発想が出てくるのか全く不可解。(静香氏の方でした。もっと静かにしてろよな。)

-------15日朝のコメント-------

さしたるイベントもなく、NY市場はショートカバーの動きが優勢でプラス引けしました。こうした動きが昨秋や今年春先までとは違いますね。脱兎の如く下げる、あのネガティブなムードは少なくとも影を潜めております。

米ドルLIBORの金利が低下していることがアメリカの金融株の好調の一因だとのコメントが見られるようになりました。確かに下落の一途です。これが下がっている間は銀行間のお金の融通がうまく行っている証拠ですから、相場が大きく調整することはなさそうです。

欧州株は、昨日からの要人の浮世離れした発言が功を奏したのか、やはりプラス終了でした。

目立ったところでは、ガイトナー財務長官が住宅保有者向けの新たな支援計画を発表しております。借り手の融資条件の変更を促進する政策と、住宅価格下落対策の奨励金を貸し手に拡充するものです。

これまでの住宅支援政策は、実は様々な制約条件があり、対象者の25%程度しかカバー出来ていなかったという弱点がありました。それを少しでも補強する必要性を感じたのでしょう。

ところで、あのウォルマートが1ドルショップを展開するそうです。それだけ消費者が財布の紐を締めにかかっているということであり、これでは小売売上高が伸び悩むのもやむを得ません。

失業の恐れが随分高まり、住宅価格は下落しホームエクイティ・ローンは使えず、株式の含み損も増えといった状態では、子供の養育費や自らの老後資金が足りなくなっており、人々は手取り収入以上にお金を使う訳もありません。つまり普通の倹約生活に入ってしまったのです。これが貯蓄率がゼロから4%以上にも急伸した理由ですね。2005年にはマイナス2.7%でした。

しかし、これは日本人からみても誰から見てもほぼ真っ当な考え方です。これまでのアメリカ人が異常でした。これでは環境問題も何もかも持つ訳はありませんでしたから、今回の危機は、人間がもう少しこの地球で長く生きながらえるためには、良いことではなかったのかと思います。

従って、今回の不況は単なるサイクル的なリセッションでは決してありません。あの放蕩アメリカ人が倹約生活に転換したことの意味を深く理解しておく必要があります。

その代役を中国人に求めようたって、社会福祉にもっと不安のある中国人は収入の25%を貯蓄することをお忘れなく。

日本人の貯蓄率はほぼゼロです。もう蓄えるだけの収入もなくなってきたのが我が国。それもその筈、筆者のような退職者がドンドンと増え、わずかな貯蓄を取り崩しながら、用もなく公園をたむろしております。

さあ、今日もこれからいつもの公園に行って、池で釣り糸を垂れる人間が何人いるかカウントすることとするか。。。(この池、釣っては放し、釣っては放しの、究極の持続型釣り堀なのに、いつも人が来ております。筆者には理解不能な不思議な世界。)
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