

今日は午前中はお客様と会っていたので午後からエンジンを作っていた。
今回のエンジンはカブ90のフルオーバーホールなんだが、
3速ミッションからデヤンの4速に変更してトップクロス化して、
走行中に4速からニュートラルに入るようにストッパープレートも取り外す。
走行中にニュートラルに入ると危ないんでないの?と思われそうだが、
自分でシフトポジションを覚えておけば良いだけだし、
4速のスピードで幻の5速に入れようとする人もおらんとは思うよ。
ちなみにロックプレートを外す利点なんだが信号待ちの前にニュートラルに入れておけるし、
スピードが緩ければ1速にいれてスタンバイも出来るから、
自分用のカブを作るならプレートは取り外すと思う。
あと前も書いたようにデヤンの4速をトップクロスにする場合、
カウンター側の23丁の径が少し大きいためカブ100の物に交換する必要がある。
ちなみに部品番号は 23481-GB4-771 となっているから真似したい方は買っておいてね。
それと今回のクランクケースはカブ90のだからディスタンスカラーの必要は無いです。

お次は腰上なんだけどシリンダーの黒い塗装は剥離してもらっちゃったので、
自分で耐熱塗装を施してヒートガンで塗装を炙ってて固着させ、
これを何回か繰り返して冷えたらホーニングと平面研磨をして取り付ける。
ただ耐熱塗装は溶剤に弱いからガソリンなどを垂らすと溶けてしまうため、
走り出してシリンダーにしっかり熱を入れるまでは気を付けていただきたいんだが、
溶けてしまっても耐熱ねスプレーで吹いて補修するのは簡単だ。

このエンジンはハイカム化の要望もあったから何にしようか悩んだが、
GPX125のカムが使えれば安く済むため試してみて、
もしダメそうなら補修部品として保管する予定だった。
写真の左側が純正で右側かGPXのノーマルカムなんだが、
このカムは武川さんのR-10カムのコピー品と言われてるくらいのカムで、
価格は本家の半額くらいだったからかなり安い。

ただ問題もあってカブ90のヘッドに無加工のまま組んだら、
オーバーラップでバルブが開き過ぎて当たってしまうため、
いつものようにバルブを旋盤でそろばんの駒のような菱形に加工して取り付けた。
あとはこの加工をするヘッドやカムの場合はバルブスプリングの内側のサブスプリングが縮み切ってしまうため、
サブは抜いてメインスプリングだけにしてある。
これを行うとサージングを気にされる方も多いと思うが、
ニュートラルに入れて悪意ある空吹かしでもしない限りサージングの心配は無く、
無理して引っ張らずちゃんとギアチェンジしてればブローとは無縁だ。
しかしカブ90のヘッドにGPXのカムって無加工では入らないのは分かったんだが、
バルブ加工してしまえばマニアックさんの過激カムより過激なんでないかなぁ。
そして今回は圧縮は上げないからガソリンもレギュラーで大丈夫だし中回転から伸びていく特性のエンジンになると思う。
しかしカブ90エンジンを4速とトップクロス化もしてハイカムを入れる仕様は、
ちょっと贅沢なんだがパワーも増えるし伝達系も最適化されているから、
ある程度安価で不満の出にくい仕様なんでないかと思う。
乗ると分かるがカブ90ってちゃんとパワーはあるんだが3速ミッションってチグハグで使い難く、
不満を抱えて使うくらいなら4速にしてトップクロス化してみていただきたい。
自画自賛も良いところだがカブ100やデヤンのミッションのトップクロス化って、
カブ4速の早矢仕クロス化みたいなもんだから、
鈍臭いイメージのカブの乗り味がガラっと変わるはずだよ。