かなり前にGPX125エンジン用の強化クランクケースの事を書いて、
多くの方からお問い合わせがあったんだけれど、
結果的には欲しい部品がちゃんと来ないとか大型オイルポンプのドリブンギアの丁数が違い、
クランクのドライブギアを作るか、他のエンジンのギアを加工して使うなど問題が多く、
安価で安定して部品供給が難しいと思い知ったので諦めた。
そもそも安くて強化ならお得感があるけど、ケースだけでエンジン本体代に近くなったら全く意味が無いからねぇ。
ただ!今まで書かなかったけど流用強化ケースはちゃんとあって、
実際に自分のエンジンで作ったから真似してもらえればGPXを強化出来る。
GPXの強化クランクケースって実はケースが強化されてる訳じゃなく、
ピストンの裏側にオイルを吹くオイルジェットの有無でしかない。
そもそもこのエンジンのケースはキャストなんだがプライマリキックではないからケッチンでのダメージの心配が無く、
でもオイルジェットの効果って凄くてピストンの冷却と潤滑を同時にしてるから、
自分のエンジンを開けた時のダメージの少なさにビックリした。
オイル交換さえちゃんとしてれば2万キロ走ったピストンとシリンダーが無傷って考えられない。
オイルもその頃は1リッター500円の安物だったから、
身を持ってその有り難さが分かるのだ。
そのオイルジェットが最初からあるエンジンがこれ。
ロンシン125のケース。セル無しはラバーマウントだけどセル付きはリジットマウントで、
どちらもオイルジェットがありGPXの強化ケースとして使えるし、
リジッドマウントキットも発売されているからどちらのケースでも良い。
ただ、ケース単品購入は無理だがロンシン125なんてエンジンが安値で買えるからケースだけ取り出して使えば良い。
ヤフオクでエンジンが15000円で買えたとしても左右ケースがこの値段は安いし、
ピストンが焼き付いているから安いとかのジャンク品なら最高だ。
ロンシン125のオイルポンプは武川さんの強化ケースと同じで、
ポンプがGPXのクラッチカバーに当たるからポン付けは無理なんだけど、
それならクラッチカバーを大容量オイルポンプ対応にすれば良いだけの事。
よって自分のエンジンはロンシン125のケースを使い、
クラッチカバーは武川さんのスペクラカバーにして大容量オイルポンプが使えるようにした。
このクラッチカバーを使うにはクランク先端のオイルスルーやレリーズレバーに専用のクラッチワイヤーも必要だったりと出費がかさむんだけど、
サーモスタットも入れればオーバークールになる事も無いし高いだけの性能はある。
ただクラッチカバーは高額ってのが唯一最大のネックだ…
GPXをクランクケースとクラッチカバーまで交換出来ないって方の方が遥かに多いと思うけど、
その場合はオイルにはこだわって欲しい。
私の場合最低限でもワコーズさんのプロステージなんだけど、
speedHeartの4miniは横型エンジン用オイルと言っているだけあってシリンダー上部の潤滑も考えられているし、
チューナーさんによってオススメのオイルの銘柄は持っているから聞いてみると良いよ。
ウチではワコーズさんの4CR-SSなんて1ℓで5000円もするオイルも扱っているし、
カムイレーシングチームはMOTUL300Vレーシングキットなんて5ℓで3万近くする超高額なオイル使っているけど、
さすがにここまでのオイルは高額過ぎて無理だと思う…
そんな訳でGPXの強化クランクケース販売は諦めたけど、
お金に余裕がある方は是非試してみてね。