皆さんこんにちは。
恐らく日本で1番GPXエンジンを作って来たであろう南信州のりもの倶楽部です。
今日はちゃんとベッドで寝たので身体の調子は良く、
よって腰下まで組んであったGPXを完成させた。
今回の仕様はジェネレーター以外フルオプションなんだけど、
ここでGPX用超ハイコンプピストンがウチでも在庫切れとなり、
ここからは今月の再販を待つしかなくなった。
よって次のエンジンは修理物となる。
このGPXはどこかの誰かが初期オーバーホールしたエンジンみたいなんだが、
ミッションの入りが悪くクラッチの感触も良くないって事でウチに入庫された。
どうやら一度はクレームで診てもらったみたいなんだが組んだ方はお手上げみたいで、
しかし私も原因が分からなかった場合はかなり恥ずかしいので、
先ずはバラす前にチェックしていくんだが、
いきなりカウンターシャフトが手で回らないくらい硬かったのでまぁミッションに原因があると感じた。
あとミッションはボトムニュートラルみたいなんだが、
1速に入れてもシャフトは回らないしガタが全く無いからいよいよミッションだなぁ、って感じ。
まぁ中を見れば分かるはずだからさっさとバラして行く。
出た!中華の超絶低品質ローラーロッカーアーム。
ワタクシはこのローラーロッカーをかなり強くお勧めしないので、
出来ればと言うか絶対ノーマルのスリッパータイプに戻したい。
と言うのもツレの山ちゃんが使ってたんだけど低走行で簡単にベアリングが砕けてしまったから、
こんなクソみたいな物使うよりオイルのグレードを上げるなりして、
スリッパー面にかかる負荷を減らしてあげた方がよっぽど安全だ。
そもそも私、この部品付けて遠出しようって気に全くならないし、
もし出先で砕けたロードサービスになるし、
デイトナアニマのハイカムだってノーマルはローラーロッカーなのに、
ハイカムを買うとスリッパータイプにするよう指定されているため、
変な所で必要の無い無謀なチャレンジをする事は無いよ。
クラッチのオイルスルーなんだが内側にオイルスルーをカバーに押しつけるためのバネが入っているはずなんだけど、
なぜかオイルスルーしか入ってなかったから、
簡単に言うとクランク内部にオイルが行っておらず、
跳ね上がったオイルのみで潤滑していた事になる。
そしてこのスプリングって代えが効かないためどうしようかと思っていたが、
後でクランクケースを割ったら中からコロンと出て来ました。
まぁ何のバネかは知らないらしくクランクケース内に放置したみたいで
この部品を無視出来るって有頂天が過ぎてるわ。
よってこのエンジン作った人はGPXエンジンを知らないズブの素人と言う事が分かった。
そもそも構造が全く理解出来てないし、
でも私のブログ読んでたらまぁ自分でも出来そうかな♪
みたく軽い気持ちで作られたかもだが、
残念ながらクランクにオイルが行ってなかった場合のクランクの寿命ってかなり低くなり、
さらに走行中にもしクランクがロックしたらライダーさんの命に関わる事だからね。
まぁクランクがロックはしないだろうが、
大端部のピンとベアリングは無潤滑だったはずだから、
走行距離に応じてはクランクの交換をお勧めしたいかなぁと思う。
と言うか私なら無潤滑だったクランクはクランクブローで直ぐ交換になるため再利用しないし、
GPXのクランクって1万円しないからどう修理するかだろうなぁ。
これは中華エンジンで素人が1番ミスしやすいクラッチバスケット裏のストッパーワッシャーと爪付きワッシャーなんだが、
一応はストッパーワッシャーの使い方は理解出来ていたみたいだが、
爪付きワッシャーの使い方が分からなかったのかまさかの部品無し状態。
そしてだ、爪が付いたワッシャーとストッパーのワッシャーって国内販売が無く、
組んだ本人も「変な部品が余ったな」くらいの程度だろうが、
もしまだ持ってるならウチに封筒に入れて送ってもらいたい。
ただストッパーワッシャーだけ有れば位置を固定して組む事も可能だから、
部品が無いならそうするしかないのかなぁ、と思う。
と言うかどうにかするしかないんだけどね。
とりあえずケースを割ったんだがサッとみた感じ組み間違いは無いみたいなんだが、
ミッションが全く外れなくて外側から軽く叩きながらはずしたんだがこの原因は、
カウンターシャフトのオイルシールの中にスプリングが入ってるのを見たことある方はいるはずだが、
その中のバネが外れてシールのリップを潰してしまい、
そのスプリングがシャフトに絡みついて書回転していたっぽい。
ちなみにオイルシールは見た感じPOSHさんの物みたいだ。
よってカウンターシャフトに過剰な抵抗がかかっていたためチェンジ不良になっていたみたいで、
しかしこんな簡単な事でも快適には走れないはずだから、
オーナーさんはかなり不思議に思っていたんではないかな。
そしてだ、エンジンを組む際は確認作業がかなり重要で、
カウンターシャフトが手で回らないのに「まぁいっか♪」となるはずは無いから、
いかに作動確認しながら組んでなかったってのも分かるね。
あとはまだまだあってジェネレーターの2ヶ所に入ってる小さいOリングが入っておらずひたすら探してしまったし、
ボルトのほとんどがキャップスクリューに交換されていたが長さが合ってないのがかなり多く、
ボルト長が足りないとケースの剛性低下になるし、
そもそもネジ山に負担がかかるからカッコのみで適当な事するのは本当にやめていただきたい。
もうね、色々な所を元に戻してあげたいとしか言えないくらい超絶酷い組み方だったが、
クランクケースのボルトくらいはちゃんとした物にしたいし、
ミッションだってわざわざボトムニュートラルにする事は無く、
リターンの4速をセミクロスにすればギア比の問題解決だし、
あとジェネレーターの小さいOリングは在庫があるので無料で足してあげますw
とりあえず全バラは終わったんだがここからが私の本番だから、
とりあえずはオーナーさんにメールを送ってどう製作し直すかの話し合いが必要になると思うが、
無い部品は有るし直したい所だらけだしで、
交換しなきゃ良かった部品もまた必要になりそうだねぇ。