今日は珍しく忙しかったんだけど、本業を頑張ってまたエンジン作り。
実は昨日クラッチカバーを剥離してブラストし、クランクの芯出しなども行ってあったから、
今日はケースを洗浄して買ってあったベアリングを入れて、
ミッションを組もうと思ったら国産エンジンには無いシフトフォークストッパーが付いていたから、
またいつものように中のスプリングを少し短くしてミッションのタッチを改善してあげる。
経験からだとエンジンが熱を持つとミッションタッチが渋くなり、
でも完全に取り払うとニュートラルが出にくかったりするから、
中のストッパーの玉が半分くらい出るようスプリングを加工してるんだけど、
でもニュートラルは出にくい感じはするかなぁ。
ここは当然無加工でも良く、逆に取り払ってしまっても大丈夫なんだが、
これはエンジンを組む人が次第かなぁと思う。
これがクランクケースの中身の全て。
気を付けるポイントはまずキックスピンドルのスプリングをかけ忘れないのと、
キックスピンドルのポンチマークが合っているか組む前に必ず確認すること。
ポンチがズレているとキックの遊びが変わってしまうし、
スプリングをかけ忘れると始動後にキックが戻らなくなるよ。
それとミッションのギア比なんだけどロンシン125やWIN120などと同じっぽくて、
1速はエンストしにくいようなギア比で2〜3速で加速して4速はオーバードライブみたいな感じかなぁ。
ただ、排気量が150ccもあればクロスミッションにしなくても、
有り余るトルクで加速してっちゃうから気にする必要は無い。
WIN120とかだと上り坂で3速か4速かで迷う事もあるんだけど、
ウチの140ccコンプリートエンジンくらいなら、
あまり気になる位ではないとは思うし、
どこを走るかによってギア比は変わるから何が1番って事もないんだけどね。
ただ、これくらいの排気量だと60キロ以下で走るのはかなりな苦痛なくらいのパワーで、
ずっと70キロ以上は出していたいくらいだから、
パワーのあり過ぎも良くはない。
私の幌車のジムニーなんて50キロ以上出したくない車だから、
速度の感じ方なんて乗る物でいくらでも変わるって話だ。
プライマリキック関係を組むとこんな感じ。
プライマリキックはクラッチを切っていても直接クラッチバスケットを通してクランクを回せる仕組みなんだけど、
このせいで繊細な始動がどうしても求められる。
だから乱暴に蹴ると中の部品をハンマーで一気にぶっ叩くくらいのトルクがかかるし、
当たり前だが2スト蹴りみたいな始動方法に耐えられる訳がない。
そりゃキックスピンドルは曲がるしケースは割れるさ。
ギア比のせいで大型ハンマーで叩いたと同じくらいのパワーが一気にかかるんだもん。
割れない方がどうかしてる。
それと始動に関してなんだがデコンプ付きカムのエンジンの方が壊れやすい事実。
デコンプってキックシャフトを救済するシステムではなく、
ただピストントップからバルブを少しだけ開けて圧縮を抜くシステムでしかないから、
必ずピストントップは出さないと作動しない機構である事に間違いはない。
だからピストン位置を無視してキックしてると必ず壊します。
2ストに乗ってた人って2スト蹴りが普通かもしれないけど、
4ストには通用しないし農機のリコイルスターターだって闇雲に紐引っ張ってると紐は伸びるし、
ストッパーが痛んでリコイルの遊びが増えたりストッパーが止まらず始動不良になる、
だからキックスピンドルを曲げる人は壊れたんでなく壊したと肝に命じてほしい。
ウチに来るエンジンのほとんどは壊されて捨てられた中華エンジンばかり。
開ければ壊れたか壊されたなんて簡単に分かるんだよ。
正しく使ってりゃ壊れないエンジンをヒューマンエラーで壊してくれて、
ベースエンジンが安値で買えるから文句は言えないが、
どうか中華エンジンの始動には細心の注意を払ってほしい。
今日は腰下を完成させて終わり。
明日は面件やヘッドの修理をすれば終わりっぽいけど、
また本業が忙しいから予定は不明で〜す。