今夜もまた『ざまあみやがれい』さんがコツコツ文字起こしをしてくださったものを転載させていただきます。
長い記事ですが、新聞記事と合わせて掲載します。
知ってもらいたい現実だから。
「文部科学省による東京都及び神奈川県の航空機モニタリングの測定結果について(PDF:1705KB)」(10月6日発表)より、以下の汚染マップを紹介します。
■東京都内の地表面へのセシウム134、137の沈着量の合計を示す汚染マップ

■東京都の高さ1メートルの空間線量率を示す汚染マップ

東京・多摩地区で高濃度セシウム!“チェルノブイリ基準”上回る
2011.10.07 zakzak
『福島第1原発事故を受け、文部科学省が県単位で公表を続ける、土壌に蓄積された放射性セシウムの汚染マップ。
国内で人口トップ2の東京都、神奈川県分が6日、初めて発表された。
都内は葛飾区柴又などで高い数値が出たほか、多摩地区ではチェルノブイリ原発事故で「汚染地域」とされる基準を上回るなど、深刻な事態が浮き彫りとなった。
調査によると、セシウム134と137の合計蓄積量は、東京都の大半は、土壌1平方メートルあたり1万ベクレル以下だった。
しかし、奥多摩町など多摩地区で、10万~30万ベクレル。
23区内では、葛飾区柴又、東金町、水元公園や江戸川区北小岩の一部で、3万~6万ベクレルと、周囲より高い地域があった。
神奈川県でも、ほとんどの地域は1万ベクレル以下ながら、山北町など県西部の一部で、6万~10万ベクレルが検出された。
汚染マップ上には、2本の帯がみてとれる。
福島から栃木、群馬に流れたものと、茨城から千葉北西部を経て、都内に至る2本だ。
文科省は、風の影響で、原発から北西方向に広がった放射性物質が、福島市西部の山間部で南西に方向を変え、群馬県西部まで汚染が広がったと分析。
原発の南方では、茨城県北部で、風がいったん海側に向きを変えた後、再び陸地側に方向を変え、葛飾区まで到達したとみている。
セシウムは、体内に入ると筋肉などにたまり、がんの原因になる。
半減期は、セシウム134が2年、137が30年。
チェルノブイリ原発事故では影響が長期間にわたる137について、3万7000ベクレル以上が「汚染地域」とされた。
今回の調査で、137は葛飾区周辺では、1万~3万ベクレルだったものの、奥多摩町北部の山間部では6万~10万ベクレルと、「汚染地域」基準を上回っている。
ただ、強制避難の基準となる55万ベクレルは、大幅に下回った。
結果を受け、都保健局では「健康面において、直ちに影響を与えるようなレベルではないが、汚染マップは航空モニタリングでの結果なので、(地上の)地点ごとの測定をきちんと進めていく」としている』
小出裕章が語る、東京の奥多摩町山間部セシウム10万Bq汚染について 10/11(1)
水野「まずですね。セシウムの汚染について伺いますが」
小出「はい」
水野「文部科学省が、放射性セシウムが土壌にどれだけ蓄積されているかと、いうことをずうっと調べておりますね」
小出「はい」
水野「東日本について各県ごとに次々に発表してきて、先日東京都の値も公表されました」
小出「はい」
水野「そのマップをみて、わたくしもびっくりしたんですがねえ」
小出「はい」
水野「奥多摩町の山間部、一部ですけれども。6万ベクレルから10万ベクレル検出されたという話なんですね」
小出「はい」
水野「ただ、奥多摩町って、250キロも福島第一原発から離れているそうで」
小出「はい」
水野「こんな遠い東京都で、最大10万ベクレルという数値について、どうお感じになりますか」
小出「まあ、ようするに、風向きがどうであったかということ、だけに寄っている、のですね。
で……、奥多摩を襲った放射物質というのは、始め北西に流れて、飯舘村などを猛烈な汚染地帯にしたその風だったと思います。
それが、福島県の中通りを通って、まあ山に挟まれた谷あいですね、そこをずうっと汚染をしながら栃木県群馬県まで汚染を広げて、
その一部が、東京都を回りこむような形で奥多摩まで届いたという、道もそのように見えます」
水野「はあー……。葛飾区や江戸川区の一部ではですね、1万ベクレルから3万ベクレルという数値も出てきています」
小出「はい」
水野「これたしか、チェルノブイリでは汚染地域に指定されるのが……どれからでしたっけ?」
小出「えー……、強制避難させられたのは55万ベクレル、です。
それで、本来法律的に、無人にしなかればいけないのは、当時ですと1平方メートルあたり3万7000、現在はそれを丸めて4万という数字です」
水野「4万。3万7000から4万という数字」
小出「はい」
水野「今、申し上げた葛飾区や江戸川区の一部で、ま、最大3万ベクレル、という数値もでてきておりますが。
東京都は健康に影響があるレベルではない、というふうに言ってます」
小出「はい」
水野「これはどう受け取ったらよろしいですか?」
小出「えー……、呆れた話だと思います」
水野「はあー……」
平野「先生あの、これからですね、行楽の紅葉シーズンですねえ……。
その奥多摩だとまあ秩父に近くて。
まああの、私も東京に住んでたこともあってこのへんよくハイキングにいったりですね」
水野「そういう場所ですか」
平野「行くんですけれども。これはあの、行楽客への注意喚起というのも必要ですよねえ」
小出「山の中には入らないほうがいいだろうと思います」
平野「そうですよねえ。だけど、今、まあ遠く離れたこちらから見ても、そういうなんか、警戒情報が出てる気配がないですよねえ」
小出「そうですね。もう日本の国というのは、その程度の汚染はなんでもないと言って、知らん顔をしろと決めたようなのですね」
平野「恐ろしいことですねえ」
小出「はい」
水野「山が汚染されると、水が汚染されますでしょ?」
小出「次第にそうなりますね」
水野「河川が汚染されるってことになってきて。結局じゃあ、飲料水が大丈夫なのかっていうことにも行き着きませんか」
平野「きのこなんかもありますよねえ。あの、ちょっと離れてるから大丈夫だと思ってねえ。」
小出「はい。きのこ狩りは少なくとも奥多摩は今はやらないほうがいいと思います」
平野「そうですねえ」
水野「まあ、環境省の除染の方針がね、1ミリシーベルト以上とすると、いう話になってきてるのはお伝えもしてるんですけれども。
それに基づいて考えますとね、これ朝日新聞が集計した数字ですけど。
えー、なんと、除染しなければいけない面積が、日本の面積のおよそ3%に達すると」
小出「はい」
水野「この数字はどうでしょう」
年1ミリシーベルト超す汚染、8都県で国土の3%
2011年10月11日15時0分 朝日新聞
航空機からの測定による汚染地図

『東京電力福島第一原発の事故で、放出された放射性物質による被曝(ひばく)線量が、年1ミリシーベルト以上の地域は、
8都県で、約1万3千平方キロ(日本の面積の約3%)に及ぶことが、朝日新聞社の集計で分かった。
環境省は10日に、国の責任による除染地域を、年1ミリシーベルト以上とする基本方針案を決めた。
同省は当初、年5ミリシーベルト以上を基準とし、範囲を福島県内約1800平方キロとしてきたが、7倍に膨らむ計算だ。
航空機による文部科学省の放射線量の測定結果を基に、環境省が、事故による追加の被曝量が年1~5ミリ(毎時0.19~0.95マイクロシーベルト)の地域の分布図を作製。
福島県は8月28日、他の地域は9月18日現在の、線量別の面積を、朝日新聞社で計算した。
その結果、福島県は、5ミリ以上の約1800平方キロに加え、1~5ミリの地域が約6200平方キロ。
同県の面積(1万3782平方キロ)の6割にあたる、約8千平方キロが除染の対象となる。
残る7都県に、5ミリ以上の地域はなかったが、
1~5ミリは、
群馬県・約2100平方キロ、
栃木・約1700平方キロ、
宮城、茨城・各約440平方キロ、
千葉・180平方キロと続き、
東京、埼玉・20平方キロ前後だった。
山形、神奈川・1ミリ以上の地域は分布図になかった』
小出裕章が語る、1mSv以上の除染必要 10/11(2)
小出「要するに、私はずっと言ってきましたが、福島県全域に匹敵するほどの面積を、放射線の管理区域、つまり、無人にしなければいけない。ほぼそういう広さです」
水野「はあー……。そういうのはまあ、当初から、小出先生おっしゃってたので」
小出「はい。私は別に自分で知ったわけではなくて、政府の公表した地図を見れば、それ以外ないと思ったのでそう言ってきたわけで。
えー、政府の方は始めから承知の上だったと思います」
水野「あ、わかっていたわけですよね。そりゃもちろん」
小出「はい」
平野「では今回、住民の方々のその抗議の声で、下げたんですよね」
小出「そうですよね」
水野「最初、年5ミリシーベルトって言ったんですからねえ」
小出「はい」
水野「だからやっぱり、皆さんが正しい知識を持って、抗議の声をあげなければ、できるだけその、事故のあとを小さく見せるというのは、今も続いていると思われますか?」
小出「どうもこの国はそういう国のようですね」
平野「うーん……これどの地域まで、どれくらいのレベルのところまで除染するかっていう話はこうやってあるんですけれども。
じゃあ実際に除染して、どの数値にまで下げますよと、で、下げたら、どこまで下げたら、住民に戻ってもらうかという議論がない、と私は思うんですよ」
小出「そうですね。少なくともこの日本という国では、1年間に1ミリシーベルト以上被曝はさせない、というのが法律であったわけですから。
もしそれが守れないようであるなら、そういう土地に住んでいて移住を希望する人には、必ず移住を保証するということを、国家がやるべきだと私は思います。
そうしてしまえば、日本の国土の3%に相当する地域に住んでいる人たち全てに、其の権利を与える、ということになりますので。
もちろん、東京電力は倒産でしょうし、日本の国も、国家財政が底をつくぐらいのことになるだろう、と私は思いますが、やるべきだと思います」
平野「そうですねえ。今度の除染費用、当初に見込みは1兆2千億という、計上してたみたいだけど。
これ7倍だとですね、その、とんでもない数字で、国家財政そのものが維持できないぐらいの金額になりますよね。
そのへんの覚悟は全く政府は見えない」
小出「そうですね。で、やったところで、ろくに綺麗にならないのです」
平野「ええ……」
水野「そうか。小出さんの今日お写真がですね、新聞に出ていて」
小出「えっ?」
水野「スポーツ報知に小出さんのお写真で輝のご存じないですか」
小出「いや、頂きました。えーと、たね蒔きジャーナルの例の本のですね、取材をしていただいて。えー、もう9月の13日でしたから、ほぼ、ひと月ぐらい前でしたね。えーようやくなんか、出してくださったよう、です」
水野「ええ。小出さんのご本、『知りたくないけれど知っておかねばならない原発の真実』。
この本の取材をした記者が、また小出さんにインタビューをしてらして、そのインタビュー記事がまとまってるんですが。
そこに、小出さんの言葉として、こういうことをお書きになってるんですね。
『事実として二度と戻れない土地がすでに生じている。そのことを言わないまま、あたかも、人々が戻れるというような幻想を振りまいている』」
小出「はい」
水野「この、幻想、であるという、所ですよね」
小出「はい」
水野「これは、なかなか受け入れるのは難しいところではないかと思うんです」
小出「はい……。皆さん、帰りたいんですよ。
それは私だって、自分が長い間住んでいた土地を奪われて、どっか避難所にいけ、と言われても、なんとか帰りたいなと思うと思います。
多分皆さん、帰りたいと思って、今、避難所とかですね、仮設住宅にいるわけですね。
でも、帰れないのです。
私は大変言いにくいし、こんなことは言いたくないけれども、残念ながら、帰れないのです。
ですから、早く次の生活設計ができるように、きちっと情報を出すというのが、政府の責任だと私は思います。」
水野「ええ……。しかしながら細野原発大臣は、警戒区域20キロ以内、圏内のところも、解除出来る場所があるんではないか、という発言をしております」
小出「細野さんに住んでほしいです」
平野「んー……」
水野「そうですねえ。まずはね。」
小出「はい」
ストロンチウム検出 市が採取物検査開始
2011年10月12日 東京新聞
『横浜市港北区の、マンション屋上の堆積物から、放射性物質のストロンチウム90が、民間の調査機関によって検出されたことを受け、
横浜市は今月に入り、区内の3カ所から採取した堆積物の検査を開始したことが分かった。
これまで、ストロンチウムは検査方法が難しいことなどから、検査を実施してこなかった。
結果は、週内にも出る見込みとしている。
市健康福祉局によると、検査を実施しているのは、9月に公表した、同区内の比較的高い放射線量を検出した2地点と、情報提供した、男性の自宅マンション屋上の計3地点。
民間検査機関に、委託している。
2地点は、港北土木事務所近くの側溝1カ所(同区大倉山五)と、横浜アリーナ近くの噴水底部(同区新横浜三)で、
それぞれ1キログラム当たり40200ベクレルと、35000ベクレルの、高濃度の放射性セシウムを検出している。
男性は自宅マンション屋上から、ストロンチウム90を同195ベクレル検出したことも、市に連絡したという。
市の担当者は「徹底的に調べることにした。高い濃度の放射性セシウムが検出されたので、ストロンチウムが検出されるのは、織り込み済み。
(除染などの)対応は、セシウムの場合と同じになる」と説明した。(荒井六貴)』
小出裕章が語る、プルトニウム・ストロンチウムが引き起こす病気。「最大の脅威はセシウム」 10/11(3)
水野「それからですねえ。このかた、ラジオネームで、さいとうさん、とおっしゃるリスナーの方からの質問でございます」
小出「はい」
水野「福島県の子供たちの、甲状腺の検査が始まった、と聞きました。
しかしながら、こうした症状というのは、潜伏期間があって、すぐ現れないんじゃないんですか?」
小出「そうです。ですから、長い間調査をしなければいけません」
水野「生涯チェックしなければいけないんですね。この検査は」
小出「はい。そうですね。ただ、チェルノブイリの経験などをみると、甲状腺癌は比較的早めに、数年後から発生してきていますので。
今からとにかく、数年間みっちりと調べて、もし甲状腺癌が出るようであれば、早めに子供たちを手術をするなりして、手当をする、という必要はあると思います」
水野「ただ、先ほどの話ですとね。除染を必要とする地域は、福島県以外にもたくさんあります」
小出「そうです」
水野「8つの都県にまたがっているわけです。福島の子供たちの検査だけでいいんですか」
小出「いけません。本来であれば、放射線の管理区域に指定しなければいけない、という地域が、今水野さんおっしゃったように、8つの都府県に渡っているわけで。
そういうところの子供たちは全て、本来であれば、検査をすべきだと私は思います」
水野「うーん……。あの、このさいとうさんってかた、もう1つ聞いていらっしゃるのは、甲状腺の異常に対して治療法はあるんでしょうか」
小出「はい。私は医者ではありませんので、あんまり正確でないかも知れませんが。
チェルノブイリの子供たちも、甲状腺癌が多発して、それを手術をして取り除くというようなことはたくさん行われましたし。
日本からも、菅谷さんという、今現在松本市長をやっておられる方が、甲状腺癌の専門家でしたので、ベラルーシまで行って、子供たちの手術を担当する、というようなことをやりました。
これから日本で、それをやらなければいけなくなると思います」
水野「うーん……平野さんも私も、チェルノブイリハートという映画を見ましたが」
平野「ええ、そうですねえ。心臓に、寝室の間の隔膜に穴があく事を、チェルノブイリハートですね。
ずらっと、子供たちの、こう、あの、情景がならんでましてねえ」
小出「はい」
平野「ほんと、痛ましい姿で、その、涙が出てきたんですけれども。
この甲状腺癌ばっかりに注目されてるんですけれども。
あの、ストロンチウムとかプルトニウムとかですねえ、広がってるというような、こないだデータが出ましたけれども。
これは、その、そういう核種による病気は、甲状腺癌だけじゃなくて、他の病気なども引き起こす可能性はあるんですか」
小出「もちろんです。」
平野「これは、どんな病気なのですかね」
小出「例えば、甲状腺癌を引き起こす元凶は、ヨウ素という放射性核種です。
それで、今問題になっているのは、プルトニウム、ストロンチウムとかいうようなものが出てきた、と言っているわけですけれども。
プルトニウムもストロンチウムも骨にたまります。ですから、骨の癌であるとか、白血病であるとか」
平野「白血病ですよねえ」
小出「はい。そういうものを引き起こすと思いますし。
プルトニウムの場合には、もし吸い込んだ場合には、まず肺に引っかかってしまって、肺癌をひきおこすという、それが一番の猛毒ですので。
これを調べる必要があると思います。
ただし、私はこの番組でもなんども言ったと思いますが、プルトニウムもストロンチウムもヨウ素も、もちろん問題ですけれども。
今現在私たちの最大の脅威は、セシウムだと思います」
平野「うーん……」
水野「あの、こうした子どもたちの現状を考えますとね。
先程、小出さんおっしゃった、今、戻れるという、故郷に戻れるという幻想を振りまく状況が続くとですね、
ますます子どもの被害の確率が高まる、とわたし思うんですが」
小出「そうです。」
水野「ここのところ、どう考えますか」
小出「えー、計画的避難区域に戻った人達がいて。
今日たしか、保育所だとか幼稚園だかなんだかが再開した、というようなニュースを聞きました。
私としては、なんとも痛ましいと思いました」
水野「うーん……再開できたときの子供たちの笑顔を見れば、わたしたち、周りの者は嬉しくはなるんですが、一時は。もちろんそうですよね」
小出「はい」
水野「しかしながら、その幻想がどう言った状況を招くかということを、やっぱり私たちは見つめなきゃいけないってことですね」
小出「そうです」
水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺いました」
長い記事ですが、新聞記事と合わせて掲載します。
知ってもらいたい現実だから。
「文部科学省による東京都及び神奈川県の航空機モニタリングの測定結果について(PDF:1705KB)」(10月6日発表)より、以下の汚染マップを紹介します。
■東京都内の地表面へのセシウム134、137の沈着量の合計を示す汚染マップ

■東京都の高さ1メートルの空間線量率を示す汚染マップ

東京・多摩地区で高濃度セシウム!“チェルノブイリ基準”上回る
2011.10.07 zakzak
『福島第1原発事故を受け、文部科学省が県単位で公表を続ける、土壌に蓄積された放射性セシウムの汚染マップ。
国内で人口トップ2の東京都、神奈川県分が6日、初めて発表された。
都内は葛飾区柴又などで高い数値が出たほか、多摩地区ではチェルノブイリ原発事故で「汚染地域」とされる基準を上回るなど、深刻な事態が浮き彫りとなった。
調査によると、セシウム134と137の合計蓄積量は、東京都の大半は、土壌1平方メートルあたり1万ベクレル以下だった。
しかし、奥多摩町など多摩地区で、10万~30万ベクレル。
23区内では、葛飾区柴又、東金町、水元公園や江戸川区北小岩の一部で、3万~6万ベクレルと、周囲より高い地域があった。
神奈川県でも、ほとんどの地域は1万ベクレル以下ながら、山北町など県西部の一部で、6万~10万ベクレルが検出された。
汚染マップ上には、2本の帯がみてとれる。
福島から栃木、群馬に流れたものと、茨城から千葉北西部を経て、都内に至る2本だ。
文科省は、風の影響で、原発から北西方向に広がった放射性物質が、福島市西部の山間部で南西に方向を変え、群馬県西部まで汚染が広がったと分析。
原発の南方では、茨城県北部で、風がいったん海側に向きを変えた後、再び陸地側に方向を変え、葛飾区まで到達したとみている。
セシウムは、体内に入ると筋肉などにたまり、がんの原因になる。
半減期は、セシウム134が2年、137が30年。
チェルノブイリ原発事故では影響が長期間にわたる137について、3万7000ベクレル以上が「汚染地域」とされた。
今回の調査で、137は葛飾区周辺では、1万~3万ベクレルだったものの、奥多摩町北部の山間部では6万~10万ベクレルと、「汚染地域」基準を上回っている。
ただ、強制避難の基準となる55万ベクレルは、大幅に下回った。
結果を受け、都保健局では「健康面において、直ちに影響を与えるようなレベルではないが、汚染マップは航空モニタリングでの結果なので、(地上の)地点ごとの測定をきちんと進めていく」としている』
小出裕章が語る、東京の奥多摩町山間部セシウム10万Bq汚染について 10/11(1)
水野「まずですね。セシウムの汚染について伺いますが」
小出「はい」
水野「文部科学省が、放射性セシウムが土壌にどれだけ蓄積されているかと、いうことをずうっと調べておりますね」
小出「はい」
水野「東日本について各県ごとに次々に発表してきて、先日東京都の値も公表されました」
小出「はい」
水野「そのマップをみて、わたくしもびっくりしたんですがねえ」
小出「はい」
水野「奥多摩町の山間部、一部ですけれども。6万ベクレルから10万ベクレル検出されたという話なんですね」
小出「はい」
水野「ただ、奥多摩町って、250キロも福島第一原発から離れているそうで」
小出「はい」
水野「こんな遠い東京都で、最大10万ベクレルという数値について、どうお感じになりますか」
小出「まあ、ようするに、風向きがどうであったかということ、だけに寄っている、のですね。
で……、奥多摩を襲った放射物質というのは、始め北西に流れて、飯舘村などを猛烈な汚染地帯にしたその風だったと思います。
それが、福島県の中通りを通って、まあ山に挟まれた谷あいですね、そこをずうっと汚染をしながら栃木県群馬県まで汚染を広げて、
その一部が、東京都を回りこむような形で奥多摩まで届いたという、道もそのように見えます」
水野「はあー……。葛飾区や江戸川区の一部ではですね、1万ベクレルから3万ベクレルという数値も出てきています」
小出「はい」
水野「これたしか、チェルノブイリでは汚染地域に指定されるのが……どれからでしたっけ?」
小出「えー……、強制避難させられたのは55万ベクレル、です。
それで、本来法律的に、無人にしなかればいけないのは、当時ですと1平方メートルあたり3万7000、現在はそれを丸めて4万という数字です」
水野「4万。3万7000から4万という数字」
小出「はい」
水野「今、申し上げた葛飾区や江戸川区の一部で、ま、最大3万ベクレル、という数値もでてきておりますが。
東京都は健康に影響があるレベルではない、というふうに言ってます」
小出「はい」
水野「これはどう受け取ったらよろしいですか?」
小出「えー……、呆れた話だと思います」
水野「はあー……」
平野「先生あの、これからですね、行楽の紅葉シーズンですねえ……。
その奥多摩だとまあ秩父に近くて。
まああの、私も東京に住んでたこともあってこのへんよくハイキングにいったりですね」
水野「そういう場所ですか」
平野「行くんですけれども。これはあの、行楽客への注意喚起というのも必要ですよねえ」
小出「山の中には入らないほうがいいだろうと思います」
平野「そうですよねえ。だけど、今、まあ遠く離れたこちらから見ても、そういうなんか、警戒情報が出てる気配がないですよねえ」
小出「そうですね。もう日本の国というのは、その程度の汚染はなんでもないと言って、知らん顔をしろと決めたようなのですね」
平野「恐ろしいことですねえ」
小出「はい」
水野「山が汚染されると、水が汚染されますでしょ?」
小出「次第にそうなりますね」
水野「河川が汚染されるってことになってきて。結局じゃあ、飲料水が大丈夫なのかっていうことにも行き着きませんか」
平野「きのこなんかもありますよねえ。あの、ちょっと離れてるから大丈夫だと思ってねえ。」
小出「はい。きのこ狩りは少なくとも奥多摩は今はやらないほうがいいと思います」
平野「そうですねえ」
水野「まあ、環境省の除染の方針がね、1ミリシーベルト以上とすると、いう話になってきてるのはお伝えもしてるんですけれども。
それに基づいて考えますとね、これ朝日新聞が集計した数字ですけど。
えー、なんと、除染しなければいけない面積が、日本の面積のおよそ3%に達すると」
小出「はい」
水野「この数字はどうでしょう」
年1ミリシーベルト超す汚染、8都県で国土の3%
2011年10月11日15時0分 朝日新聞
航空機からの測定による汚染地図

『東京電力福島第一原発の事故で、放出された放射性物質による被曝(ひばく)線量が、年1ミリシーベルト以上の地域は、
8都県で、約1万3千平方キロ(日本の面積の約3%)に及ぶことが、朝日新聞社の集計で分かった。
環境省は10日に、国の責任による除染地域を、年1ミリシーベルト以上とする基本方針案を決めた。
同省は当初、年5ミリシーベルト以上を基準とし、範囲を福島県内約1800平方キロとしてきたが、7倍に膨らむ計算だ。
航空機による文部科学省の放射線量の測定結果を基に、環境省が、事故による追加の被曝量が年1~5ミリ(毎時0.19~0.95マイクロシーベルト)の地域の分布図を作製。
福島県は8月28日、他の地域は9月18日現在の、線量別の面積を、朝日新聞社で計算した。
その結果、福島県は、5ミリ以上の約1800平方キロに加え、1~5ミリの地域が約6200平方キロ。
同県の面積(1万3782平方キロ)の6割にあたる、約8千平方キロが除染の対象となる。
残る7都県に、5ミリ以上の地域はなかったが、
1~5ミリは、
群馬県・約2100平方キロ、
栃木・約1700平方キロ、
宮城、茨城・各約440平方キロ、
千葉・180平方キロと続き、
東京、埼玉・20平方キロ前後だった。
山形、神奈川・1ミリ以上の地域は分布図になかった』
小出裕章が語る、1mSv以上の除染必要 10/11(2)
小出「要するに、私はずっと言ってきましたが、福島県全域に匹敵するほどの面積を、放射線の管理区域、つまり、無人にしなければいけない。ほぼそういう広さです」
水野「はあー……。そういうのはまあ、当初から、小出先生おっしゃってたので」
小出「はい。私は別に自分で知ったわけではなくて、政府の公表した地図を見れば、それ以外ないと思ったのでそう言ってきたわけで。
えー、政府の方は始めから承知の上だったと思います」
水野「あ、わかっていたわけですよね。そりゃもちろん」
小出「はい」
平野「では今回、住民の方々のその抗議の声で、下げたんですよね」
小出「そうですよね」
水野「最初、年5ミリシーベルトって言ったんですからねえ」
小出「はい」
水野「だからやっぱり、皆さんが正しい知識を持って、抗議の声をあげなければ、できるだけその、事故のあとを小さく見せるというのは、今も続いていると思われますか?」
小出「どうもこの国はそういう国のようですね」
平野「うーん……これどの地域まで、どれくらいのレベルのところまで除染するかっていう話はこうやってあるんですけれども。
じゃあ実際に除染して、どの数値にまで下げますよと、で、下げたら、どこまで下げたら、住民に戻ってもらうかという議論がない、と私は思うんですよ」
小出「そうですね。少なくともこの日本という国では、1年間に1ミリシーベルト以上被曝はさせない、というのが法律であったわけですから。
もしそれが守れないようであるなら、そういう土地に住んでいて移住を希望する人には、必ず移住を保証するということを、国家がやるべきだと私は思います。
そうしてしまえば、日本の国土の3%に相当する地域に住んでいる人たち全てに、其の権利を与える、ということになりますので。
もちろん、東京電力は倒産でしょうし、日本の国も、国家財政が底をつくぐらいのことになるだろう、と私は思いますが、やるべきだと思います」
平野「そうですねえ。今度の除染費用、当初に見込みは1兆2千億という、計上してたみたいだけど。
これ7倍だとですね、その、とんでもない数字で、国家財政そのものが維持できないぐらいの金額になりますよね。
そのへんの覚悟は全く政府は見えない」
小出「そうですね。で、やったところで、ろくに綺麗にならないのです」
平野「ええ……」
水野「そうか。小出さんの今日お写真がですね、新聞に出ていて」
小出「えっ?」
水野「スポーツ報知に小出さんのお写真で輝のご存じないですか」
小出「いや、頂きました。えーと、たね蒔きジャーナルの例の本のですね、取材をしていただいて。えー、もう9月の13日でしたから、ほぼ、ひと月ぐらい前でしたね。えーようやくなんか、出してくださったよう、です」
水野「ええ。小出さんのご本、『知りたくないけれど知っておかねばならない原発の真実』。
この本の取材をした記者が、また小出さんにインタビューをしてらして、そのインタビュー記事がまとまってるんですが。
そこに、小出さんの言葉として、こういうことをお書きになってるんですね。
『事実として二度と戻れない土地がすでに生じている。そのことを言わないまま、あたかも、人々が戻れるというような幻想を振りまいている』」
小出「はい」
水野「この、幻想、であるという、所ですよね」
小出「はい」
水野「これは、なかなか受け入れるのは難しいところではないかと思うんです」
小出「はい……。皆さん、帰りたいんですよ。
それは私だって、自分が長い間住んでいた土地を奪われて、どっか避難所にいけ、と言われても、なんとか帰りたいなと思うと思います。
多分皆さん、帰りたいと思って、今、避難所とかですね、仮設住宅にいるわけですね。
でも、帰れないのです。
私は大変言いにくいし、こんなことは言いたくないけれども、残念ながら、帰れないのです。
ですから、早く次の生活設計ができるように、きちっと情報を出すというのが、政府の責任だと私は思います。」
水野「ええ……。しかしながら細野原発大臣は、警戒区域20キロ以内、圏内のところも、解除出来る場所があるんではないか、という発言をしております」
小出「細野さんに住んでほしいです」
平野「んー……」
水野「そうですねえ。まずはね。」
小出「はい」
ストロンチウム検出 市が採取物検査開始
2011年10月12日 東京新聞
『横浜市港北区の、マンション屋上の堆積物から、放射性物質のストロンチウム90が、民間の調査機関によって検出されたことを受け、
横浜市は今月に入り、区内の3カ所から採取した堆積物の検査を開始したことが分かった。
これまで、ストロンチウムは検査方法が難しいことなどから、検査を実施してこなかった。
結果は、週内にも出る見込みとしている。
市健康福祉局によると、検査を実施しているのは、9月に公表した、同区内の比較的高い放射線量を検出した2地点と、情報提供した、男性の自宅マンション屋上の計3地点。
民間検査機関に、委託している。
2地点は、港北土木事務所近くの側溝1カ所(同区大倉山五)と、横浜アリーナ近くの噴水底部(同区新横浜三)で、
それぞれ1キログラム当たり40200ベクレルと、35000ベクレルの、高濃度の放射性セシウムを検出している。
男性は自宅マンション屋上から、ストロンチウム90を同195ベクレル検出したことも、市に連絡したという。
市の担当者は「徹底的に調べることにした。高い濃度の放射性セシウムが検出されたので、ストロンチウムが検出されるのは、織り込み済み。
(除染などの)対応は、セシウムの場合と同じになる」と説明した。(荒井六貴)』
小出裕章が語る、プルトニウム・ストロンチウムが引き起こす病気。「最大の脅威はセシウム」 10/11(3)
水野「それからですねえ。このかた、ラジオネームで、さいとうさん、とおっしゃるリスナーの方からの質問でございます」
小出「はい」
水野「福島県の子供たちの、甲状腺の検査が始まった、と聞きました。
しかしながら、こうした症状というのは、潜伏期間があって、すぐ現れないんじゃないんですか?」
小出「そうです。ですから、長い間調査をしなければいけません」
水野「生涯チェックしなければいけないんですね。この検査は」
小出「はい。そうですね。ただ、チェルノブイリの経験などをみると、甲状腺癌は比較的早めに、数年後から発生してきていますので。
今からとにかく、数年間みっちりと調べて、もし甲状腺癌が出るようであれば、早めに子供たちを手術をするなりして、手当をする、という必要はあると思います」
水野「ただ、先ほどの話ですとね。除染を必要とする地域は、福島県以外にもたくさんあります」
小出「そうです」
水野「8つの都県にまたがっているわけです。福島の子供たちの検査だけでいいんですか」
小出「いけません。本来であれば、放射線の管理区域に指定しなければいけない、という地域が、今水野さんおっしゃったように、8つの都府県に渡っているわけで。
そういうところの子供たちは全て、本来であれば、検査をすべきだと私は思います」
水野「うーん……。あの、このさいとうさんってかた、もう1つ聞いていらっしゃるのは、甲状腺の異常に対して治療法はあるんでしょうか」
小出「はい。私は医者ではありませんので、あんまり正確でないかも知れませんが。
チェルノブイリの子供たちも、甲状腺癌が多発して、それを手術をして取り除くというようなことはたくさん行われましたし。
日本からも、菅谷さんという、今現在松本市長をやっておられる方が、甲状腺癌の専門家でしたので、ベラルーシまで行って、子供たちの手術を担当する、というようなことをやりました。
これから日本で、それをやらなければいけなくなると思います」
水野「うーん……平野さんも私も、チェルノブイリハートという映画を見ましたが」
平野「ええ、そうですねえ。心臓に、寝室の間の隔膜に穴があく事を、チェルノブイリハートですね。
ずらっと、子供たちの、こう、あの、情景がならんでましてねえ」
小出「はい」
平野「ほんと、痛ましい姿で、その、涙が出てきたんですけれども。
この甲状腺癌ばっかりに注目されてるんですけれども。
あの、ストロンチウムとかプルトニウムとかですねえ、広がってるというような、こないだデータが出ましたけれども。
これは、その、そういう核種による病気は、甲状腺癌だけじゃなくて、他の病気なども引き起こす可能性はあるんですか」
小出「もちろんです。」
平野「これは、どんな病気なのですかね」
小出「例えば、甲状腺癌を引き起こす元凶は、ヨウ素という放射性核種です。
それで、今問題になっているのは、プルトニウム、ストロンチウムとかいうようなものが出てきた、と言っているわけですけれども。
プルトニウムもストロンチウムも骨にたまります。ですから、骨の癌であるとか、白血病であるとか」
平野「白血病ですよねえ」
小出「はい。そういうものを引き起こすと思いますし。
プルトニウムの場合には、もし吸い込んだ場合には、まず肺に引っかかってしまって、肺癌をひきおこすという、それが一番の猛毒ですので。
これを調べる必要があると思います。
ただし、私はこの番組でもなんども言ったと思いますが、プルトニウムもストロンチウムもヨウ素も、もちろん問題ですけれども。
今現在私たちの最大の脅威は、セシウムだと思います」
平野「うーん……」
水野「あの、こうした子どもたちの現状を考えますとね。
先程、小出さんおっしゃった、今、戻れるという、故郷に戻れるという幻想を振りまく状況が続くとですね、
ますます子どもの被害の確率が高まる、とわたし思うんですが」
小出「そうです。」
水野「ここのところ、どう考えますか」
小出「えー、計画的避難区域に戻った人達がいて。
今日たしか、保育所だとか幼稚園だかなんだかが再開した、というようなニュースを聞きました。
私としては、なんとも痛ましいと思いました」
水野「うーん……再開できたときの子供たちの笑顔を見れば、わたしたち、周りの者は嬉しくはなるんですが、一時は。もちろんそうですよね」
小出「はい」
水野「しかしながら、その幻想がどう言った状況を招くかということを、やっぱり私たちは見つめなきゃいけないってことですね」
小出「そうです」
水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺いました」