池田氏のレッスンの後、コネチカットからマンハッタンに戻ってサラを家まで送り、旦那とウェストヴィレッジで待ち合わせをした。
どちらも車で来ているので、路上駐車が大変!
最近、日曜以外は無料で停められる通りが激減したので、余計に難しい。
しかも、待ち合わせ場所は、超がつく迷路で有名なウェストヴィレッジ……。
すでに場所を見つけた旦那に、スピーカーフォンにした携帯を通話状態にして、今わたしがどこを走っているのか、通りの名前を叫びながら運転をした。
ラッキーなことに、とりあえず偶然に、彼が待っている通りに着いた時にゃ、思わず神さんにお礼を言った。
近くのフレンチレストランで軽い食事をして、それでもまた考え込んでしまうわたしに、
「今日はワシントン・スクエアに、例のウォール街のデモが移動してるらいしよ。行く?」と旦那が聞いてきた。
もちろん!
「9月の17日に始まったこのデモは、それからずっと毎日、どこかで続けられ、今や全国、世界中にまで広がりを見せている。
このデモをまとめているサイトに行ってみると、来年、いや多分再来年までもの、ミーティングやデモの予定が組まれているのがわかる。
それも、毎日なのだ。
この本気度はすごいと思う。
だから、強烈に伝わるのだと思う。
どこからか集まってきた老若男女の思いが、インターネットを駆使した、時代に合った伝達方法によって広がっていく。
見事だと思う。
単発でない、マイクや鳴りものもない、人間の声だけの集会。
これは本物だ。
集会の端っこのベンチの上に立ちながら、そう思った」
スクエア近くの歩道のど真ん中でくつろぐ、かなり恰幅の良い猫。
まだ公園の入り口だけど、かすかに人の声が聞こえてきた。
うわぁ~いるいる!
公園の警備員さん。かなり孤独っぽい。
大勢の人にぐるりと囲まれた中央にも、ものすごい数の人達が座っている。
前に立った若い女性が短い言葉を言い、それをまず中央の人達が、そしてそれを周りの人達が繰り返す、という方法。
マイクもスピーカーも無い。鳴りものも無い。人の声の力を感じた。
今日はインディアンサマーと呼ばれる、秋に突然やってくる夏日の初日。日差しがきつい。
皆、思い思いのメッセージを掲げている。
違う角度から。
なんちゅう青空!
より良い世界を求める手、手、手!
中央の人達も立ち上がった!
集会が終わって。
少し離れたベンチでもデモ!
ワンちゃんもデモ!
派手なスニーカーのおばちゃんもデモ!
ワシントン・スクエアの名物、チェスゲームの達人達。
カメラで撮ったビデオなので、画質も音質も良く無いけれど、熱気を感じてもらえたら。
息子Tが休日出勤をしているというので、会社見学をさせてもらいに、ミッドタウンの近くの通りまで移動した。
世界120カ国に450のオフィスを持つこの会社を、あのデモの後で目の当たりにすると、少し違和感を感じた。
入り口を開けてもらい、受付でサインをし、
息子の指紋で無事入館。
いつも利用しているカフェテラスとジム。
緊張しながらプロジェクトを発表する部屋。
オフィスからの景観(ハドソン河方面)
面白い椅子を見つけて、さっそく座り心地を調べる旦那。付き合う息子。
突き当たり奥は図書室らしい。本棚のデザインがおもしろい。
こちらは東側の景観。
仕事場のあれこれ。
誰やねん?!こんなとこでドラム叩いてるんは?!
誰やねん?!このおっさんは?!
壁がちょっとおしゃれ。
社員全員にあてがわれている椅子。なにやら一脚900ドル近くもするらしい。
無事見学も終わり、
クレジットカードを紛失して、現金が底をついた息子に、夕飯をおごる心優しい父と母。
いろんな世界を見た、インディアン・サマー初日のマンハッタンだった。