
クリスマスの朝、ハーブが、長く辛い癌との闘いから解放された。
28日の午後、お別れ会があった。
彼が教えた生徒達が来ていた。
『芸術家は決して死なない』。ハーブが亡くなった知らせを聞いたクリスマスの朝、青い絵の具でそう描いた生徒がいた。
彼は絵だけではなく、彼はさり気なく、いろんな話をしながら、生きることを教えてくれた。
教室に行って、そこでハーブや仲間と一緒に過ごすことが楽しくて、それはもう生活の一部になっていた。
そんなふうに、涙を堪えながら話をするティーンの男の子や女の子。
ハーブの思い出を語る人が後を絶たなかった。
破天荒で無邪気であたたかで、時には周りを振り回すこともあったハーブ。
ハーブが作ってくれたUFOのようなオムレツのことや、動物園からペンギンを盗んだことや、彼が好んで話した数々の人生経験のことを、皆、泣き笑いしながら、しみじみと話してくれた。
彼は、すばらしい教師であり、絵描きであり、創造者であった。
彼の芸術は評価され、国からも認められていた。
とてもいいお別れ会だった。
わたしが死んでも、こんなふうに、かつて教えた生徒達が来てくれて、思い出を語ってくれるだろうか。
いや、これはきっとハーブだからこその光景なのだと思う。
さよならハーブ。
ちょっと早かったけど、すごく穏やかに命を終えたあなたに、もっと生きて欲しかったなんて言わない。
あなたは、あなたの作品とともに、あなたと共に時間を過ごした人達の心の中で、ずっとずっと生き続けるんだから。




