ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

『エートス福島』を、遠く離れた海の向こうから眺めて思たこと

2012年08月01日 | 日本とわたし
長いこと留守してしもた。
日にちにしたらほんの1週間弱なんやけど、毎日必ず、を信条としてたから、こんだけ空くのはかなんかった。
かなんかったけど、どうしても、なにかやろうっちゅう気になれんかった。
ツィッターやフェイスブックを覗いて、その日に起こったことがバァッと目に入ってきても、
それがまた、めちゃくちゃ大事なことやっても、自分としても、これは調べなあかんことやと思ても、
まるで水をたっぷり含んだ砂が、身体中に詰まってしもたみたいに重うて、文字を追うことしかできんままの日が続いた。

どないなってしまうんやろう。
そういや、右腕の怠い痛みも、なんやしらん、腕全体に広がってきてへんか?
これって、もしかしたら、骨になんか異常が生じてるんちゃうんかな?
と、ここに至って、先日、日本に戻る母を空港まで送った時の、母が言うた言葉を思い出した。
「ちょっと、やっぱり膝がカックンカックンするわ。もしかして骨腫瘍かいな」
その時彼女の膝がカックンカックンしたのは、前日に無理してやった気功の体操のやり過ぎが原因である。
いやもう、なににつけても超現実的な母やけど、たまにこんなふうに、想像が遠い彼方にぶっ飛ぶことがある。
それをわたしはいっつも、「なんでそうなるん?」と、笑い飛ばしてるのに、やっぱ遺伝というのは恐ろしい。
おんなじ思考パターンがしっかり組み込まれてる。
そう気がついて笑えてきた。
ほんで、自分に言うてみた。
「なんでそうなるん?」

普段、なかなか、体調が悪いことを旦那に言えへん。
だって、なんで体調が悪なるか、その原因がわかってるから。
その原因がわかってるのに、どうしてもやりたい事があって、それをやめることはもちろんのこと、コントロールすることすら難しいから。
そんなわたしと、同じ家の中でずっと暮らしてる旦那にとっては、呆れてモノも言えんはずやから。

けど、いつものパターンで、とことん困ったり、落ち込んだりした時は、藁の代わりに旦那にすがる。
説教食ろたり、治療してもろたりして、しばらくはよう言う事も聞いて自制する。


さて、前置きがだらだらと長なってしもた。
とにかく、そんなこんなで、まだイマイチ調子が良うない。
けども、それでもずっと考えてたことがある。
それは、『エートス福島』のこと。ちょっと前に記事を書いた。

調子がじわじわ下り坂になってくる間に、気分直しにヤンキーズスタジアムに行ってイチローを観て、
その後、山口県の知事選挙があって、国会包囲抗議集会があって、
どのことも記事に書きとうてしょうがなかったのに、書けんまま日が過ぎた。
そんな間もずっと、頭の中にあったのは『エートス福島』。
一応、字を追うことぐらいはできたから、手に入れられる情報はすべて、意見や立場の相違があるのも全部、目を通してきた。
ほんで、自分の中でどうまとまったかというと……それがまだまとまらへん。

そんな状態やけど、とりあえず、その中でも、自分の思いに一番近い人の意見をここに、途中経過ではあるけど、載っけておこうと思う。
その人は、『来世牧童になるために』というブログを書いてはるmanukaさんという方。
『福島エートスを眺める』という記事から、部分的に転載させてもらう。
この記事はまず、7月の19日から『エートス福島』たるものを眺め始めたmanukaさんが、いろいろなソースを検索し、読み、考え続け、それを、コツコツとまとめながら書かれてる。
記事の中に掲載されている情報は、偶然にもわたしが読み聞きしたものとほぼ同じで、受けた印象もとても近しいものやった。
同じぐらいの時間に、同じぐらいの期間、同じ問題についてじっくり考えてたのやけど、
わたしの体力も気力も、それを文字にするまでには至らんかった。
なので、今回は、manukaさんの力を貸していただくことにした。


ここから以下は転載文章。

7-20

わたしがエートス関連を眺めてみようと思ったのは、双葉町の町長さんの声を あの音楽イベントで聴いたからだ。
なにかとても引き裂かれているような困難さを感じた。

汚染によって生活の場を奪われた人たちへの賠償が今もってほとんどなされていない現実、裁判に訴えざるをえない状況。

そもそも、すみやかに賠償されるべき人たちが放置され、自らを「棄民」と訴えることの異常さ。

そんな中で、あきらかに賠償を避けよう、汚染基準をゆるくしようとしてきた人物が、原子力規制の委員長候補になるという、原子力ムラの横暴。

こういうことをよく見ようとすることは「陰謀論」でも何でもない。
当然の watch だろう。

そもそも「エートス」と名付けた以上、チェルノブイリでの反省と比較されるのは当然だし、警告がでるのはやむを得ないと感じる。
それを「陰謀論」とバカにしたような言い方で封じようとしなくてもいいだろう。

上の togetter のコメント欄はまるでいじめに乗っかる集いのようで、コメントする気になれなかった。


規制委員長に名前のあがっている田中氏は、この4月の食品汚染値の引き下げを「合理性がない」として批判し、100Bq/kg超の魚介類を流通させるべきと主張しているような人だ。

怒りを復興のためのエネルギーに変えることが必要

などと平気で書く人だ。

伊達市ダイアローグセミナー 2012.2.25 pdf

怒りは東電に、そして自分たちに都合のいい制度を無理矢理維持しようとする人たちに向けるべきではないのか?????


7-20 13:34

現在、わたしがどう「福島エートス」を捉えているかをメモしておく。

この活動を支持する人は、移住を望み損害賠償を求める人たちを誹謗中傷するようなプロパガンダを広めないでほしい。

被曝覚悟で残るか、健康被害を恐れて移住するかの判断は分かれるだろう。

農業漁業で生活しようとする人に影響するなら、食品の流通にも関わってくる。
すでに大手の流通企業によって、その計画は実行されつつあるようだが…、
現状、汚染検査が十分に実施されていないので(全量検査もなく、基準値以下なら流通してしまう)、
田中俊一氏の描く福島の経済活動優先の、すなわち多少の汚染食物は気にせずに流通させる方向に大きく舵を切られることを危惧する。

この国のエネルギー政策が「多様性」という耳あたりの良い言葉を隠れ蓑にして、原発を存続させようという人たちの誘導に乗らないよう、心したい。



夜だ。

福島の汚染地域の移住問題については、住民の人の意思を尊重しないといけないな、と思って、かなり抑えめに書いてたけれど、
うえのTV映像をみていて、住民の人は弱っている…と感じた。(精神的に…自分の経験から想像するのだけど)

弱っているときは、的確な判断ができなかったりする。

どんなに汚染していても、自分はいいんだ、この土地で自給自足して早死にしても本望だ、という人の意思をわたしは認める。

でも、実際のところ、よくわからない、判断なんてできない、という人もかなりいるのではないだろうか。

それに、子供はいま実際大丈夫なのだろうか…。

双葉町の町長さんは、放射能への疑念が拭えないと話していた。
移住は実現しつつあるのだろうか。


7-22 朝

「除染もそうだが、健康管理について国は科学的な根拠に基づかない基準を設定している。食品の基準を一キロ当たり500ベクレルから100ベクレルに下げ、水は100ベクレルから10ベクレルまでに下げることとなったが、数字だけが一人歩きしている。基準を超えたものは有害にとらえられ、住民を混乱させている。風評被害や将来の不安を拡大しているように思う。専門的な知見から言えば、厳格化するばかりでは理にかなっていないことを国にしっかり認識してほしい」

田中俊一氏 2012/03/05 12:00

http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2012/03/post_3374.html

この考えは理解できない。
まるで日本中に汚染を広めようとしているように見える。

これは原子力業界の発想だ。
薄まれば大丈夫だといつも言う。

でも今回は、汚染源がとめどなく、海に地下水に流れているだろうに。
六ヶ所だってひどいのに…。

福一をはやく封じ込めないと…できるのだろうか…。



7-22 21:00 帰宅。

Jun Makino ‏@jun_makino

http://skazuyoshi.exblog.jp/18413063/ 活動に「エートス」と名前をつけたのは、私です。   ICRP もジャック・ロシャール氏も関係ありません。

星川 淳さんがリツイート

https://twitter.com/jun_makino/status/226689938387775490


http://togetter.com/li/265465



7-24 朝

大事なのは、常に、その時その場で起きていることをwatchし続けることだと思う。

つねに新しい目で、よく観察しないといけない。



18:18

後で読もうと思ってた上のリンクが消えとるがー 何でかな?

キャッシュからテキストコピーした。(今は一応目隠ししとく)


7-25 16:38

アクセスリンクをたどったら、こちら(アクアマリンふくしまの復興日記さま)のページからリンクがあって、みてみたら、コメントに貼られていた。
昨日、津田さんのTw.で知って読んだ蛍の話だった。
でもあのコメントは私ではないです…。


7-28

…意味のないたとえだけれど、もし自分が「福島エートス」的場所に住んでいたとしたら、移住を考えることなく、そこでの暮らしを続けるのではないかと事故直後から感じている。
どちらが正しいとかそういうこととは別に。

汚染の実態がわからないながらも事故が尋常ではないと気づいた時、自分は弱りながらもこれまでの暮らしを続けるだろうと決めていた(私には保護するべき家族がいないからだ)。

ただ、放射能管理については 今の政府はあまりにも原子力業界の発想に引きずられていると感じる。
拡げて薄めて管理責任から逃れる。
健康被害も放置。
それは国の姿勢としてやはり間違っている。

もはや管理を諦めて放置しようとしているように見える。
それは恐ろしいこと。


http://togetter.com/li/346098

こういうところを見ると、経産省発注の「不正確な情報が流れるのを防ぐ」ための広報活動なのかなと感じる。
あのGCMでははっきりと言及されていたし。

非常にまっとうな考えを馬鹿にして、貶めようという意図が見える。

こういうのもあったし…

http://labor-manabiya.news.coocan.jp/shiryoushitsu/PAhousaku.pdf

私が「病んでいる」と感じたのは、文面を読む限りでは、善意をもって、この議論がなされているということにある。
まだ、悪意が存在したほうが救いがあるとさえ思った。

現在はインターネットで「事実」が広まることをいかに防ぐか、国民の判断が脱原発に流れるのをいかに潰すかに、税金と労力が使われている。

事実やまっとうな分析を小馬鹿にして、「デマ」呼ばわりする演出作業があちこちで目につく。

冷静に観察したい。

こういった問題を自分で考えていない人は、こういうコメント欄を見るだけで、馬鹿にされている人が間違っているんだろうと誘導されるだろう。

どうか、自分でこの問題を考えてみてほしい。

これは、他人事ではないから。


7-29

コリンコバヤシさんのことを「遠くのパリから」うんぬんかんぬんと安藤さんは言うけれど、それは大事な事だろう。
日本は鎖国しているわけではない。
チェルノブイリ体験をもつフランスの、原子力ロビーに疑念をもつ人から今の福島がどう見られているかは重要だ。

この現状で、経産省が日本観光誘致PRしているらしいが、金をドブに捨てるに等しい。
政府には政策もなく、予算が欲しい役所への対応で精一杯な感じ。
忙殺されているのだろうか。



六ヶ所村のげんき君-bot ‏@genkikun_bot

フランスのルモンド紙によりますと、外国人観光客が日本へ行かない理由は、86%が「放射能汚染が怖い」、
残りの14%が「日本政府の情報を信用していない」なんだって!
なのに日本は、放射能そっちのけで外国人観光客の呼び寄せに必死!
みんなは25年前、チェルノブイリに観光に行こうと思ったかなぁ?


twitter.com/genkikun_bot/status/8…

海外から観光に来てもらえるようになるためには、政府がこの現状で「責任とるから」などと言って再稼働を強行することでないだろうに…。

今は原発を止めて、国民的議論を十分な時間をかけて行う時ではないのか???



以上、転載終わり。



『エートス福島』
ほんまに、なんでそんな名前をつけるん?
エートスは、チェルノブイリ事故の後、汚染地区に暮らす人に、被ばくの自己管理を推奨して留まらせ、
機関として居座った10年間に、結果として、ほぼ十倍もの健康被害をもたらせ、
現場で治療に当たった医師らの訴えを無視したばかりか、被害を過小発表した挙げ句に、無責任に去っていった集団なんやで。

もしほんまに、あの悪名高きエートスと全く関係が無いんなら、なんでわざわざ、そんな名前を、福島の上にのっけるん?
誤解して、と言わんばかりに。

それぞれの人のそれぞれの選択は、尊重されるべきやと思うよ。
けど、時と場合によっては、希望を持たせることが、結局は、命や精神を殺す結果につながる時もある。

そんなふうに、自分がボロボロになった時にこそ、本物の絶望がやってくる。
ならば今、まだ闘える心身があるうちに、絶望を受け止めて、そこからの脱却を図ることの方が、はるかに前向きな生き方やと思う。
今いる子供、未来の子供、それから子供を守らなあかん大人、自分らを弱らせる土地から離れることも選択のひとつやないの?
そういう人を支援する団体は、これまでにもぎょうさんあって、頑張ってはるよね。

自分が生きてるとこは、しがらみが特別強うて、他のとこで暮らしてる人にはわかってもらえへんと思てる人、
ちゃうで。間違うてるで。
しがらみを作ってるのはあんたやで。
ほんまにそこから出たいと思て、出ようと決めたら出れるんやで。
あんたをそこに留めてるのは、しがらみでも風習でも土地柄でもない、あんた自身の心やで。
コメント (3)
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