東京新聞・中日新聞特別報道部記者の佐藤圭が、大阪市のがれき試験焼却問題について、ものすごくわかりやすくまとめてくれてはりました。
それを、昨年の12月2日、朝の10時半から12時半の、2時間を費やして、
13回のツィートでつぶやいてはるのを、ここにまとめて載せさせてもらいます。
↓以下、転載はじめ
12月2日付の東京新聞特報面に、大阪市の震災がれき試験焼却の記事を書きました。
見出しは、
「がれき焼却見切り発車 橋下大阪市長が衆院選で多忙の中 反対派『本格受け入れ 絶対阻止』」
記事のリードは、
「大阪市が11月29、30両日、東日本大震災で発生した岩手県のがれきを試験焼却した。
日本維新の会代表代行の橋下徹大阪市長が、衆院選の応援で東奔西走する中、市議会や市民団体の反対論を押し切った格好だ」
大阪市のがれき問題で特徴的なのは、市議会に、反対・慎重論が多いことです。
推進派は、橋下市長率いる大阪維新の会だが、維新だけでは過半数に届かない。
公明は中立的ですが、維新と一緒に市長与党を形成、過半数を確保している。
自民、共産、民主は反対・慎重です。
がれき受け入れ関連予算を盛り込んだ補正予算は、維新、公明の賛成多数で可決、成立した。
公明は、反対市民向けに、「安全性が確認されるまでは、試験焼却及び本格受け入れは行わない」との付帯決議を付けた。
自民などは、今回の試験焼却は、付帯決議に反すると批判的です。
橋下市長が衆院選で大忙しの中、がれきの試験焼却が断行されたことも特徴的。
11月16日に衆院が解散されると、会期を繰り上げて、11月20日に閉会した。
記事では触れる余裕がなかったが、自民は、市の責任を明確化する条例案を提出したが、棚上げになった。
行政側が、反対運動を力ずくでねじ伏せようとするのは、どこも一緒ですね。
大阪市でも、市民説明会会場で、建造物侵入などの疑いで、4人が現行犯逮捕されている。
「ごみ焼却工場の近くに立っているだけで、逮捕されかねない」との声も聞いた。
市民団体は、ルールを守って、自制的に行動しているようですが、少しでも隙を見せれば、行政は一転突破で攻めてくる。
行政や一部マスコミは、がれきに反対している住民は、「一部の過激派」との印象操作をしたがります。
そもそも、広域処理の必要性がなくなっている。
大阪市が受け入れを決定した6月の時点で、当初想定した401万トンから、4割減の247万トンに激減。
現在は、さらに減って136万トン。
これは、震災前の宮城、岩手両県の年間ごみ量よりも、若干少ない程度です。
国は当初、岩手は通常の11年分、宮城は19年分の震災がれき全部を、広域処理しなければならないかのような説明をしていた。
それが、現在は1年分に満たない136万トン。
放射能の問題を持ち出すまでもなく、必要性、経済性の観点から、広域処理が「失敗」なのは明らか。
大阪市のスケジュール通りに進めば、来年2月には、本格焼却に入る。
2014年3月までに、3万6千トンを処理する計画だ。
放射性物質の問題にとどまらず、アスベストなどの有害物質も検出されているようだが、市の対応は、「焼却ありき」「安全ありき」に見える。
「被災地復興」「絆」の美名のもと、全国各地で、とにかくがれきを燃やしたい人たちがいる。
復興予算の流用と同じだ。
ダシに使われた被災地は、いい迷惑ではないか。
愚策中の愚策である広域処理は、被災地と被災地以外で「対立構図」をつくっただけだ。
それにしても、自民党大阪市議団が、がれき受け入れに反対とは意外でした(失礼)。
維新と自民の対立が背景にあるのでしょうが、記事にも登場していただいた、北野妙子・自民党市議の力が大きかったようです。
女性の力ですね。
私が、広域処理について取材を始めた今年1月ごろ、国・地方を問わず、批判的な立場で発言する議員はなかなかいなかった。
そんな中で出会ったのが、奈須りえ大田区議でした。
そして今回の北野妙子大阪市議。
311以降、あらゆる場面で、女性の活躍が目立ちます。
↑以上、転載おわり
そしてこれは、半年以上も前のニュースやけれども、『鎮魂の森公園』について書かれたもの。
↓以下、転載はじめ
がれき」という発想からの転換を 処理方法で全国初の取り組み【岩手・大槌発】
2012/6/ 5
『「
現場から法律を変えるという意気込みで取り組みたい」
3日、大槌町中央公民館で開かれたシンポジウム「大槌町の復興を考える」(岩手まちづくりネットワーク主催)で、
碇川豊町長が、約250人の参加者を前に、「鎮魂の森公園」事業の実現に向けての決意を表明した。
木材や土砂などの瓦礫(がれき)で盛土した土地に、防潮林を整備するもので、瓦礫処理の方法としては、全国で初めての取り組みになる。
同町が共催し、岩手日報社、遠野まごころネット、いわてゆいっこ花巻などが後援したシンポジウムには、
発題者として、室崎益輝・日本災害復興学会長(関西学院大教授)、山形孝夫・元宮城学院女子大学長(宗教人類学)、碇川町長の3人が出席。
竹沢尚一郎・国立民族学博物館教授が、コーディネーターを務めた。
また、花巻に避難している、被災者約15人も参加、故郷の復興の行く末に耳を傾けた。
この中で室崎さんは、
「
巨大災害は、その時代や社会が持つ矛盾を、前倒しする形で顕在化させる。真の復興は、世直しなどを伴う『改革復興』でなければならない」と話し、
山形さんは、
「
瓦礫という発想を転換しなければならない。それは失われた街の肖像であり、家族の形見であり、死者たちの生きた証しでもある」とし、
大槌町が進めようとしている「鎮魂の森公園」事業の意義を強調した。
これを受けて、碇川町長は、8日に開会する町議会に、「基金設置条例」を提案し、全国的に寄付金を募って、事業を進める考えを明らかにした。
目標額は約10億円で、用地交渉が合意に達すれば、平成25年秋にも着工したい、という意向を示した。
この構想は、
震災の記憶と教訓を、後世に伝え残すだけではなく、防潮林を整備することによって、津波の力を軽減させることも期待される。
しかし、その一方で、瓦礫の中に含まれている可能性のある有害物質の処理など、法的にクリアしなければならない問題も立ちはだかる。
「
全国の賛同者が復興に関わる形で、東日本大震災の記憶の風化を防ぎたい。
法律が妨害するなら、その法律を変えれば良い。
鎮魂の森公園を、死者と生者がともに生きる場として、永遠に残したい」と、碇川町長は不退転の決意を示した。
↑以上、転載おわり
おなじ物事やのに、人の質が違うと、考えることもやることも、ここまで違てくる。
ほんで、その人間が、自治体の長なんかしてたら、その質の良し悪しによって、住民がえらい被害を受けなあかんかったりする。
しゃあないがな、もう選んでしもてんから。
こんなこと言うてるだけでええのやろか。
あかんと思う。
質が極めて悪い人間を長にしてしもた地域の住民は、ご苦労なこっちゃけど、そいつを引きずり下ろすか、さもなくば闘うかせな、
自分の人生の質を著しく低下させてまう可能性がおっきい。
のんきに他人事やと思てたら、後で痛い目に遭うのとちゃうかなあ。