ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

寂しくてやりきれない

2013年01月12日 | ひとりごと
まったく自分でも、中学生やないんやから、なに寂しがってるねん?と思う。
けど、けど、いきなりやってくるこの寂しさはなんやろう。
寂しいったら寂しい。
息をしても寂しい。
なんか見ても寂しい。
聞こえてくる音すべてが寂しい。

空気が寂しいから、だんだん息苦しくなってくる。
吸うたら吸うほど、肺の中が寂しなる。
肺が寂しなったら胸が苦しなる。
そんなふうに、すっかり寂しい繭の中に閉じこもって、体をよじっているところに、旦那とわたしの共通の友人がやって来た。

彼はアメリカ人で、日本人の女性と結婚し、娘がひとりいる。
いろいろ話してる間に、旅行の話になって、彼らの旅行予定を聞いたりした。

日本人の女性とアメリカ人の男性が結婚してるカップル。
そんな何組ものカップルを知ってる。
仲の良い友だちもいる。
みんなそれぞれに、ええ味出しながら暮らしてる。
事情も環境も年令も違う。

けど、その人たちに共通してることがある。
夏休みの、最低6週間、長くて2ヵ月は、子どもと一緒に日本に帰る。
それが当たり前という感覚。
それが当たり前にできる経済力。
そして、妻と子ども(子どもたち)が帰省してる間、こちらに残って働く会社員の夫。
旦那は必ず、ひとりで残ってる友人たちのことを心配して、一緒にどっかに行ったり飲みに誘ったりする。

息子たちがまだ中学生やった頃、自分には、何週間も日本に滞在できると思えんかった。
それだけの経済力もなかった。
夏には必ず減るレッスンやけど、それでもコツコツ教え続け、足らん分はバイトに行ったりした。
そうせんと、たちまち家賃が払えんようになった。
それになによりも、わたしには、気軽に帰れる実家というものが無い。
故郷というものが無い。
逢いたい人はおっても、甘えられるかというとそうでもない。
親が離婚したり、一家離散したりした子の行く末には、どうしようもない寂しさがつきまとう。
それを知ってて自分も離婚した。
そやから、息子らにも多分、大なり小なり、この種類の寂しさがつきまとう。

そんなことをうだうだ考えては寂しがってる日に、旦那の大学時代からの友人カップルからのお誘いで、プリンストン大学とペンシルバニア大学のバスケットチームの試合を観に行った。
行きの道中、車の中で黙ったまんまのわたしを、持て余してる旦那に申し訳なく思うのやけど、口から出てくるのはため息とあくびばっかり。
待ち合わせの時間ギリギリに、プリンストンにある彼らの家に着き、そこから彼らの車に乗っけてもらい、プリンストン大学へ。

友人カップルと旦那は、アイビー大学のひとつ、ペンシルバニア大学出身。
友人は、ベルギーで電話会社を設立し、そこで大成した後こちらに戻り、ここでもまた、巨大企業の長となった成功者。
プリンストンが故郷で、ふたりともに、親兄弟姉妹が近くに住んでいる。
絵に描いたようなハッピー家族やけれども、友人は数年前に、とても厄介な癌が耳の後ろにでき、そのために危うく命を奪われてしまうとこやった。
けれども、財力を惜しみなく使い、最高の医療を受け、右側の頬をえぐり取るという過酷な選択はあったものの、治療は成功した。

ふたりとも、ほんまにええ人たち。
そやけど、3人が一緒になるとやっぱり、懐かしい話でもちきりになる。
大学時代の話、幼馴染みの話、家族の話、その当時のアメリカの話……それらのことが、あって当たり前、覚えてて当たり前の人たち。
他事を考えてるわたしに気がついて、気を遣わせてしまうのがいや。
その瞬間に、空気の質が変わるのがいや。
そやから笑う。
いろんなことを話す。
わたしでも知ってるようなこと、知りたいと思うことを、できるだけ間をあけんようにしてしゃべる。


プリンストン大学の体育館。


中ではおなじみのグッズ販売。


プリンストン大学のチアガールさんたち。


オレンジがプリンストンカラー。試合はもう始まってた。


天井。


ベンチは古き良き時代の木製。


ベンチの後ろでは、室内陸上競技もできる。


一等席に陣取ってノリノリの、プリンストン大学マーチングバンド♪


学生の応援もノリノリ♪


チアガールズもノリノリ♪


それに比べて、二階の、それもえらい隅っこの暗がりに追いやられて演奏する、ペンシルバニア大学のマーチングバンド……ちょっとあからさま過ぎません?


ペンシルバニア大学のチアガールズさんも頑張る!


ペンシルバニア危うし!


作戦タイム!


ハーフタイムに、いきなり出てきたバーガーさん。スポンサーに、町のバーガー屋さんがいるらしい。


フリースローもあり、


最初のうちは、ちょいと固かった選手達も、だいぶ動きが出てきた。
みんな、近くで見たらデカイ。


ハーフタイムには、バンジージャンプがあるという情報があり、いったいどこからジャンプするんかいな?と訝ってたら、なんとチビッコたちによる縄跳びの演技披露。


これがまたすごかった。
日本では当たり前の縄跳びやけど、こちらの小学校では、縄跳びの練習など一切無し。
そやから、跳び方を知らんまんま大人になった人が多い。
だからこの子たちは、町の縄跳びクラブに入り、いろんな跳び方を習ってる。
ビデオに撮れんかったのがめちゃくちゃ残念!
なんでそんなことできるん?という、スーパー縄跳びが続出した。

試合は、残念ながら、ペンシルバニア大学の負け。会場は大いに盛り上がる。


お、ペンシルバニアも踏ん張ってる。


などと、写真を撮って気を紛らわしてるわたしを、心配そうにチラチラと観察する旦那。

かんにんね。
悪いなあと思てるのやけど、寂し病にかかったら、しばらくは放っといて。
これはわたしの心の問題やから。
気が済むだけ寂しがったら、ごめんなって言うから。
コメント (4)
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2013年01月12日 | 日本とわたし

東京・永田町で、毎週金曜夜に続けられている脱原発の抗議活動が11日夜、今年初めて行われ、約1万3千人(主催者発表)が集まった。
自民政権下での原発推進に懸念を抱く人々が、あらためて脱原発を訴えた=淡路久喜撮影

脱原発デモ 参加者増の兆し 自民政権に危機感
【東京新聞】2013年1月12日 朝刊

東京・永田町で、毎週金曜夜に続けられている脱原発の抗議活動が11日夜、今年初めて行われた。
主催者発表で、夏場は10万~20万人に上った「官邸前デモ」は、秋以降縮小したが、原発再稼働に積極的な自民党への政権交代を機に、再び人波が増えているという。 
 
主催する首都圏反原発連合によると、11月末~12月初めは最も参加者が少なく5千人ほど。
増加傾向に転じたことに、スタッフの戸原貴子さん(35)は「政権交代に危機感があるのでは」と推測する。
「全員が毎回来るのではなく、ライフスタイルにあわせて入れ代わりに参加する形になってきた。初めて来たという人もまだおり、これまで届いていない層を開拓する方法を考えたい」と話す。
 
8月以降、夫とともにほぼ毎回参加している東京都目黒区の渥美澄子さん(73)は、
「二人で来れば月数千円かかるし、日々の暮らしで精いっぱいの人は来られないでしょう。どんな思いで来ているのか、首相や議員に想像してほしい」と訴えた。
 
主催者発表で、この日の参加者は約1万3千人。
警察関係者は800人ほどとみている。



東京に在住してた友人一家が、先日こちらに戻ってきた。
自主的に、被ばくが心配で移住した、というのじゃない。
たまたま、こちらにある本社に栄転する、という事態に合わせての引っ越し。

けど、わたしは心からホッとした。
彼らには、まだ4才の息子がいる。
彼らだって、これから40代を迎えるばかりの、わたしからしたら若者で、子育てや仕事にまだまだ励まんとあかん。

昨日の日曜日、家族でうちに遊びに来てくれた。
水の話が出た。
彼らは、息子の飲み水を心配し、とんでもなく高価なフィルターを取り付けたのやそうな。
そのフィルターは、4つの、各々に優れた濾過高価のあるものを内蔵していて、どんなフィルターにもできない放射性物質が取りつきやすい粒子を除去するのやそうな。
それで、取り付け後に、フィルターで漉された水、普通の水を、ガイガーカウンターで測ってみたら、
フィルターの方はしーん……普通の方はピッピッピッとうるさく鳴り続けていたそうな。

そんな高価なフィルターをつける決心ができた人は、せめて飲み水だけでも、内部被ばくから逃れられる。
できひん人は、ピッピッピッの水を飲み続ける。
お風呂はどない?
ピッピッピッの水に数分、数十分、自分の肌をつけるの?
シャンプーしてリンスして、そのリンス剤は放射性物質を取り込みやすい性質があるから、リンスはやめるか、やっても即、しっかり洗い流さなあかんって前に聞いたことがあるのやけど、
頭皮って、がっちりしてるようでも脳に近い。
そやから、パーマや毛染めも、ほんまはめちゃくちゃ危険やと、これも前にどっかで聞いて、それから一切やらんと決めたわたしのような恐がりには、
この水のピッピッピッと、毎日朝から晩まで付き合うて暮らす勇気なんて全くわいてけえへん。

東京と、ひと言で言うことはできひんとは思う。
福島も宮城も茨城も栃木も岩手も群馬も千葉も埼玉も、いや、もっと他の県でも、汚染量の高低は地域によって違うし、雨風の動きや山や川からの戻りやなんかで、汚染は移動し続ける。
汚染があるとわかってて、そこに留まり続ける人たちには、それぞれに違う思いが存在してると思う。
避難に対する考え方も、人の数だけ違うのやろう。
人生がかかってるのやから当たり前やと思う。

避難という漢字があかん。
難を避ける。難から我が身を守る。これが我がままやという印象を持つ人が多過ぎる。
どこが我がままか。
どこが身勝手か。
自分のことも守れんような、無責任で、人任せで、弱ったらしい大人が多い国は、そら弱って当たり前で、先は知れてる。
自衛は一番の攻め手。
国なんて、少数の、極めて歪んだ思想を持つ、権力と金を自在に操れる人間らが操ってるただの幻想。
その国に存在する制度や憲法や法律によって、世界の他の国と比較すると、幸運やったり不運やったりする。
けどその運も、その人の考え方によって変わるのやから、なにが良くてなにが悪いのかも、誰もが納得するような回答はない。
たまたまその国の土の上に生まれたから、◯◯人として生きてはいるけど、なんで生きてるかっていうと、親や自分自身に守られてるから。
国のおかげなんかとちゃう。
それを、おかげやと思い込ませ、従うように洗脳し、従わんもんは非国民やというレッテルを貼るのがマスコミの仕事。
領土や権利や資源を奪い合うこと。他の誰よりも、どこよりも肥えること。
そんな意味のない、限りのない欲に駆られた人間らは、暴力ともいえる愚行のために、国という名刺を使う。
 
難を避け、我が身を守る。

東京の中にも、高い線量の地域がある。
そんなとこに人が住んでたらあかんと、すでに何十年も前に重大事故を起こした国の人間は警告を発してる。
過去に学ぶよりも、これまでの人生が続くことを選ぶ。
選んだ事情も理由も、生きてきた分だけてんこ盛りにある。
そやからわたしには、どの人にもお願いすることはできひん。
そやからわたしは、お願いやのうて、わたし自身の思いとして、日本の人たちのひとりでも多くが、誰のためでもない、自分のために闘う気持ちに目覚めて欲しいと思う。
もし自分の周りが危ないと知ってるのなら、まずはそこから脱出して、週に一回、デモにだけ参加しに行く。
デモに参加する余裕なんかなかったら、デモを応援する情報を流す。

どんなやり方でもええと思う。
自分を大切にできる人は、自分以外の人も大切にできる。
そんな大人が、日本にたくさん増えてくることを、毎日祈ってる。
コメント (2)
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