ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

「ありえない比喩、前言撤回、ふっかけ、涙、脅し、言い訳……」まだまだありまっせ橋下閣下!ど~ん!

2013年01月16日 | 日本とわたし
これは、2011年の11月に書かれていた古い記事です。
今朝、ツィッターを読んでた時に、フォローさせてもろてる想田監督のツィートで教えてもらいました。
読んでみたら、なるほど、うんうん、そやそやと、納得しまくりの分析やったもんで、ここに載っけさせてもらいます。

大好きなネットマガジン『マガジン9』に連載されてたものです。


中島岳志の
希望は、商店街! 
- 札幌・カフェ・ハチャムの挑戦 -


橋下徹の言論テクニックを解剖する

11月27日に実施される大阪のW選挙に際して、橋下徹氏の言動に注目が集まっています。
大阪都構想を実現すればすべてがうまくいくかのような幻想をふりまき、既得権益を徹底的にバッシングすることで支持を獲得するあり方は、非常に危険だと言わざるを得ません。
また、そのような独断的で断言型の政治家を「救世主」と見なす社会のあり方も問題だと思います。
(「ハシズムを支える社会」の問題については『創』12月号で詳しく論じています。)
 
多くの人は、橋下氏の言論術に翻弄されています。
彼は「ありえない比喩」を駆使し、「前言撤回」を繰り返しながら、人々の心をひきつけて行きます。
私たちは、一歩引いたところから、橋下氏の言論戦術を解剖し、冷めた目で客体視する必要があります。
 
その時に、非常に参考になる本があります。
2005年に出版された『図説・心理戦で絶対に負けない交渉術』(日本文芸社)という本です。
これは、さまざまな交渉の場面での実践テクニックを提示したものですが、著者はなんと弁護士時代の橋下氏本人です。
橋下氏自身が自分の言論テクニックを披露し、手の内を明かしているのです。
 
橋下氏の言論のあり方を分析するには、この本が最も役に立ちます。
私たちは、今や日本で最も危険な政治家となった橋下氏の言行を、冷静に解剖する必要があります。
以下では、彼の言論を客体化するために、彼自身が提示する「交渉術」を読み解いていきたいと思います。

*******       *******       *******

橋下氏が本書の中で最も強調するのが「仮装の利益」という概念です。彼は次のように言います。

交渉において相手を思い通りに動かし、説得していくには、はっきり言って三通りの方法しかない。
“合法的に脅す”“利益を与える”“ひたすらお願いする”の三つだ。
そのなかで、最も有効なのは“利益を与える”ことである。
 

この場合の利益には二通りある。
一つは文字通り相手方の利益。
もう一つは、実際には存在しないレトリックによる利益だ。
不利益の回避によって感じさせる“実在しない利益”とも言える(6頁)。

 

橋下氏は「実際には存在しないレトリックによる利益」を作為的に創出することによって、相手に要求を飲ませるべきであると述べています。
そして、この「仮装の利益」をより有効に起動させるためには、「譲歩の演出法」が重要になると説きます。

 
相手方に利益を与えるということはこちらの譲歩を示すということだ。
譲歩とそれに伴う苦労は、徹底的に強調し、演出すべきだ。
譲歩とはよべない些細なことであっても、さも大きな譲歩であるように仕立て上げるのである。
そうすることで、相手方の得る利益が大きいものであると錯覚させることができるからだ。
これも交渉の技術である(10頁)。

 

橋下氏は、譲歩に伴う苦労を徹底的に演出せよと説きます。
相手に譲歩するために、多大な労力と努力を伴ったことを強調することが重要で、本当に苦労したかどうかは別問題だといいます。

 
大きな利益を得た、と相手方に感じさせるように、こちら側の苦労を強調するのである。
その演出に、タフネゴシエーターは腕をふるっている。
詐欺にならない程度に、ではあるが(10頁)。

 

さらに橋下氏は、交渉に際して「譲れるもの・譲れないものを明確に分別しておく」ことが重要であると説きます。
彼は、あらゆる主張を「譲歩できるもの」と「譲歩できないもの」の二種類に徹底的に分別し、「二者択一の法則で自己の利益を絞り込む」必要があると言います。

 
物々交換の基本にのっとって、自分の主張を絞り込んでいく。
どうしても通したい主張と、譲歩できる主張を明確に区別する必要がある。
できることならこの主張も通したい、交渉の流れのなかで判断しよう、そんなグレーゾーンを持ったままで交渉に臨むことだけは避けたい。
それが交渉をこじらせ、長期化させる原因にもなるのだ(12頁)。

 

以上のような「交渉テクニック」から見えてくる政治手法は、どのようなものでしょうか。
 
橋下氏は、はじめにハードルを高く設定した提案を掲げます。
もちろん、この提案の中には「譲歩できるもの」と「譲歩できないもの」が含まれています。
 
突然、提案を突き付けられた利害関係者は、当然反発します。
そして、橋下氏が提示した提案に依拠しながら、問題点を列挙し抵抗します。
 
しかし、この時点ですでに勝負は決しています。
それは橋下氏の舞台に乗ってしまっているからです。
橋下氏の提案に基づいて交渉がスタートさせることこそが、彼の「交渉テクニック」だからです。
 
橋下氏は、ここから「譲歩できるもの」のカードを切っていきます。
そして、このカードの付与によって「仮装の利益」を分配していきます。
「実際には存在しないレトリックによる利益」のため、橋下氏側にダメージはありません。
「譲歩の演出」によって相手が利益を得たと錯覚させることが目的であり、この錯覚を駆使することによって「本当の利益」を獲得していくのです。
 
結果、相手はあたかも「利益を得たかのような感覚」を持ちながら、実際は重要なものを損なっているという結果が生じます。こ
れが、橋下氏が繰り返し用いる政治手法です。

*******       *******       *******

私は、橋下氏がこのテクニックを駆使する貴重な瞬間を、目の前で目撃しました。
私は大阪の朝日放送(ABC)が制作する夕方の報道番組にレギュラー出演しているのですが、そのスタジオで橋下氏と二度、議論を交える機会がありました。
 
一度目の議論の時(10月11日)です。
この時は、橋下氏と大阪維新の会が提出した「教育基本条例案」が議論の中心でした。
ゲストには、この条例案に反発する教育委員の陰山英男氏がお越しになり、橋下氏と激しい論争を繰り広げました。
 
陰山氏は、橋下氏自身が選任した大阪府の現職の教育委員です。
橋下氏は、そんな陰山氏とさえ議論せず、9月21日、いきなり頭ごなしに条例案を府議会に提出しました。
怒ったのは陰山氏をはじめとした教育委員たちです。
特に陰山氏は強い反発を示し、教育委員の辞任も示唆しました。

教育基本条例には、いくつかのポイントがあります。
 
まず一つは「教育行政における政治主導」です。
教育が時の権力者によって左右されることを防ぐため、政治が教育に介入することには極めて厳しい制限が加えられてきました。
橋下氏はこの制限にメスを入れ、「教育現場に民意を反映させる」と説きながら、教員人事などへの政治介入を模索します。
 
2つ目は、教育現場への競争原理の導入です。
「学区制の廃止」「3年連続定員割れの高校は統廃合」「学力テストの学校別成績公表」などがそれにあたります。
 
3つ目は、教員人事システムの見直しです。
「全校長の公募制」「教員に対する相対評価による免職」「学校運営協議会による学校評価と教員評価」などが提示されています。
 
特に重要なのは「教員の相対評価」という問題です。
「絶対評価」と異なり「相対評価」では、特定の評価に対する割合が定められます。
条例案では5段階の最低ランクのD評定を、全体の5%必ずつけなければならないとされています。
そして、このD評定が2年連続となった教員は研修を受けなければならず、そこでも評価されなければ免職になります。
 
この教員評定を行うのは校長です。
しかし、校長は独自の判断だけで教員の評価を行うのではありません。
保護者を中心とする学校運営協議会の教員評価を基に、評価を下すというのです。
この人事評定のあり方を、橋下氏は「教育現場に対する民意の反映」と主張します。

陰山氏はまず、この教員評価のあり方に疑問を呈しました。
彼は「民間企業でこんなことをやってうまくいったところがあるのか?」と問い、相対評価では誰かに無理やり「貧乏くじ」を押しつけることになると批判しました。
また、こんなことをしていては「教員の志願者は減る」と論じ、学校現場にける優秀な人材の確保が困難になると主張しました。
また、「全校長の公募制」については、「これまでの経験上、公募で優れた校長を確保するのは難しい」とし、売名や名誉職を求める人物の排除は困難であると論じました。
陰山氏の批判は、ツイッター上でなされました。
そして、この書き込みの後、スタジオでの対論となったのです。

橋下氏は、スタジオでの討論の中で、突然、「譲歩」を示しました。
彼は急に、「教員評価は必ずしも相対評価でなくてもいい」と発言し、「相対評価」の部分を撤回しました。
また、「校長の公募」を「必ずしも全校長でなくてもよい」と発言し、「全」の部分を撤回しました。
 
突然の「譲歩」に対して、陰山氏は驚きと戸惑いの表情を浮かべました。
そして、勢いに押される形で橋下氏の提案に同意し、橋下氏も「これが本当の熟議ですよ」と誇らしげに語りました。
番組終了後、陰山氏は番組スタッフと私に「まだ課題はあるが、重要な譲歩を引き出せた」と満足そうな表情を浮かべ、「橋下氏はやっぱりどこか可愛げがあって憎めない」と笑顔を見せていました。

のちに陰山氏は冷静になったのでしょう。
結局、大阪府の教育委員会は、「教育基本条例案」の全面撤回を求め、その要求に応じなければ全員辞職することを発表しました。
教育委員会は、橋下氏の舞台に上がること自体を拒否したのです。
これは条例案そのものを議論の俎上に載せないとすることで、橋下氏側にイニシアティブを握らせない方針と見ることができるでしょう。
橋下テクニックに乗らない賢明な判断だと、私は思います。

もうお分かりだと思いますが、橋下氏の一連の政治行動・言論は、彼自身が示す教科書通りの策略によって組み立てられています。
 
まず「教育基本条例案」というハードルの高い提案を行い、そこから「相対評価」「全校長」といった一部分を突然譲歩することによって、相手に「仮装の利益」を与えます。
その時、自分たちの側が相手の主張に応じて、重要な部分を譲歩したかのように「演出」し、「仮装の利益」の効果を最大化します。
相手は「実際には存在しないレトリックによる利益」を真の利益と思い込み、その譲歩に応じて、自分も譲歩しなければならないと「錯覚」してしまいます。
結果、橋下氏が事前に設定した「譲歩できるもの」と「譲歩できないもの」の二分法にはまりこみ、彼の思い描いた結末が落とし所となるのです。

私たちは、橋下氏の手法やテクニック、交渉術を熟知する必要があります。
そして、この「術」を客体化することを通じて、橋下氏の巧みな操作を見破らなければなりません。
テレビを見ながら、「今は○○というテクニックを使ったな」と冷静に分析することができれば、彼の主張の「おかしさ」を的確に見抜くことができるようになります。


-ありえない比喩、前言撤回、ふっかけ、涙、脅し、言い訳……

■「たとえ話で論理をすり替える」

橋下徹氏の著書『図説・心理戦で絶対に負けない交渉術』(日本文芸社)の第2章のタイトルは「相手を言いくるめる詭弁の極意」。
以下で検討する橋下氏のテクニックは、本人が「詭弁」であることを認識し、「相手を言いくるめる」ことを目的として提示しています。
まずはこのことを、はじめに確認しておきたいと思います。

橋下氏は、ここで次のように言います。


絶対に自分の意見を通したいときに、ありえない比喩を使うことがある。(40頁)
たとえ話で論理をすり替え相手を錯覚させる!(41頁)

 

たしかに橋下氏は、比喩を多用します。
しかし、これは主張を適切に多くの人に理解してもらうためというよりも、自分の意見を通すための「詭弁」であり、「論理のすり替え」を行うテクニックなのです。

最近、橋下氏は堺屋太一氏との共著『体制維新-大阪都』(文春新書)を出版しましたが、この中で彼は次のような比喩を使います。


僕は、大阪都構想と教育基本条例、職員基本条例はワンセットの戦略だと考えています。
これは単純な話で、運送会社やバス会社経営における自動車とドライバーの関係と同じなんです。
(中略)ドライバーの話が職員基本条例なのです。
ドライバーがどれだけスピード違反をしようが、信号無視をしようが、飲酒運転をしようが、身分になっていると、運転手の交替はない。それが今の日本の公務員制度です。



これが適切な比喩かどうか、もう一度、考えながら読んでみてください。
じっくりと読み直すと、大きな「すり替え」があることに気付きます。
 
橋下氏は運送会社・バス会社のドライバーを、地方自治体の職員にたとえています。
そして、「スピード違反」「信号無視」「飲酒運転」という法律違反を列挙しています。
そのうえで、職務中の違法行為の責任を問われたドライバーが「交替」を命じられるという話を提示し、「日本の公務員制度」では「身分」保障によって「交替はない」としています。

これは明らかに飛躍に満ちた不的確な比喩です。
日本の公務員が職務中に違法行為を犯した場合、当然ですが「免職」を含む処分が下されます。
職場の「交替」という処分もあります。
しかし、橋下氏はこのたとえ話を公務員や教員の身分保障問題に拡大し、あたかも違法行為を犯した公務員が全く処分されないかのように「すり替え」ています。

これはどう考えても、「詭弁」としか言いようがありません。
しかし、たとえ話には、「飛躍」や「すり替え」が含まれていても、「錯覚」によって納得させる効果があります。
しかも、「わかりやすい」と感じさせる効果まであります。

よく知られるように、橋下氏は大阪府知事就任直後の職員訓示で次のように述べました。


「皆さま方は、破産会社の従業員であるという点だけは確認してください。
民間会社で破産、倒産という状態なら、職員の半数や3分の2カットなんて当たり前です。
お給料が半分に減るなんていうことも当たり前です」(2008年2月6日、府議会本会議場)

 

しかし、先日の知事退任時(10月31日)には、前言を撤回し「皆さんは優良会社の従業員、3年9カ月、ありがとうございました」と述べています。
 
この「破産会社の従業員」「優良会社の従業員」も、極めて恣意的な表現です。
私は2008年の大阪府を「破産」とするのは適切でないと思いますが、仮にそれを受け入れたとしても、それから約4年たった今日、大阪府の地方債残高は橋下氏の知事就任時よりも増加しており(逆に大阪市の地方債残高は減少)、「破産会社」から「優良会社」になったという「たとえ話」は、成り立ちません。

橋下氏は言います。


よく聞けばおかしな話も交渉では有効に作用する。(36頁)
 

橋下氏は、自分でおかしいと分かっていながら、恣意的な比喩表現を用いて、話を有利に進めようとするのです。
橋下氏がたとえ話を用いたときは、立ち止まって考えてみる必要がありそうです。


■前言を撤回する「ずるいやり方」

橋下氏は「相手を言いくるめる詭弁の極意」として「一度オーケーしたことを覆す技術」を挙げます。
彼は「タフな交渉現場ではずるいやり方も必要」と言ったうえで、次のように説きます。

 
交渉において非常に重要なのが、こちらが一度はオーケーした内容を、ノーとひっくり返していく過程ではないだろうか。
まさに、詭弁を弄してでも黒いものを白いと言わせる技術である。
"ずるいやり方"とお思いになるかもしれないが、実際の交渉現場ではかなりの威力を発揮するのだ。(32頁)

一度なされた約束ごとを覆す方法論は、交渉の流れを優位に運ぶ重要なものだと考えている。(32頁)


では、どのようにして前言撤回を行うのが有効な方法なのでしょうか。

橋下氏は言います。


具体的には自分の言ったことに前提条件を無理やり付けるのである。
(中略)前提条件は、相手がその時点で満たしていないもの、満たしようがないものをわざとつくる。
いわば仮装の条件である。
満たされないような条件をわざと付け、今、満たされていないのだから、一応オーケーしたことでもこちらは約束を果たせないという論法で逃げる。(32頁)

 

これは、ちょっとした詐欺行為と言っていい類の「詭弁」です。
一度、約束したことに対して、あとから無理やり「満たしようがない前提条件」を付与し、相手に責任をかぶせて逃げ切るというのです。
彼は、これによって「合意」を「無効」にできると言います。
 
さらに橋下氏は、次のような「手法」も提示します。


前提条件を無理やりつくるという他に、オーケーした意味内容を狭めるという方法もある。(34頁)
 

この「意味内容を強引に狭める」という方法は、橋下氏が何度も繰り返し使う代表的なテクニックです。
最近では、「独裁こそ必要」という発言が話題になり、対抗馬の平松氏をはじめとする多くの人から、厳しい批判を投げかけられました。
この発言に危うさを感じた大阪市住民も多いようで、庶民レベルでの橋下氏への警戒が高まりました。
 
すると、橋下氏はツイッター上で「独裁発言」の意味内容を「強引に狭める」発言を行いました。


(独裁発言は)権力を有している体制と対峙するには、こちらにも力が必要という現実的な認識を示したまでです。(10月31日)
 

これは「独裁」の定義に全くなっていません。
あとから無理やり意味を狭め、まずい発言の漂白を図っているだけです。
橋下氏自身が提起するところの「詭弁」「ずるいやり方」なのでしょう。

橋下氏は、繰り返し「前言撤回」を行い、「一度オーケーしたことを覆す」ことから、メディア関係者から「クルクル王子」と名付けられ、批判されています。
水道事業の統合問題では、大阪市側との合意事項を撤回し、責任を平松氏に転嫁しました。
「約束の反故」は、彼の交渉術に含まれる常套手段なのです。


■「不毛な議論をふっかける」・「涙のお願い」

他にも、橋下氏は数々のテクニックを提示しています。
すべて丁寧に追っているときりがないので、あとはダイジェストで紹介していきます。


交渉の流れが不利になってきたら、不毛な議論をふっかけて煙に巻く。(90頁)
 

橋下氏は、議論の過程で「自分の発言の不当性や矛盾に気づくこと」があるといいます。
そんな時には「心の中では"しまった"と思っても」「ポーカーフェイスで押し通」し、矛盾を指摘されれば「相手方に無益で感情的な論争をわざとふっかけるのだ」と説きます(90頁)。

橋下氏は2008年10月、私学助成の大幅削減に際して、削減反対の高校生と府庁で議論しました。
ここで高校生は橋下氏が選挙で「子どもに笑顔を」というスローガンを掲げていたことを前提に、「税金を無駄な道路整備ではなく、教育に回してほしい」と訴えたところ、
あなたが政治家になって、そういう活動をやってください」と気色ばみました。
 
さらに「橋下さんの話は、結局は自己責任になるじゃないですか」と問い詰められると、返答に窮したのか、
今の日本は自己責任が原則、おかしいというなら国を変えるか、自己責任を求められる日本から出るしかない」と答え、女子生徒を泣かせました。
まさに「無益で感情的な論争をわざとふっかけ」て乗り切る手法が発揮された場面でした。

さて、「かけひき術」の中には「最後の手段、お願いの使い方」という項目もあります。


お願いは非論理的な手段。相手の価値観に訴える効果的な内容を考える。(27頁)
お願いをする相手はこういう泣き落としを理解してくれるような人であることが前提になる。(26頁)
 

この項目で思い起こされるのは、「知事の涙」騒動です。
就任から間もない2008年4月17日、「市町村へ御補助金削減案」をめぐる市長村長との意見交換会で厳しく追求されると、
橋下氏は「皆さんで一度……考えてもらって……是非、大阪を立ち直らせたいと思いますので、今一度、ご協力のほど、よろしくお願いします」と目を赤く腫らしながら頭を下げました。

この意見交換会に集まったのは、ほとんどが橋下氏よりも年長の首長ばかりで、その場には多くのテレビカメラが入っていました。
彼は涙ながらにお願いすることが「相手の価値観に訴える効果的な方法」と判断したのでしょう。
この映像は、「改革派の若い知事を守旧派の年配首長が集中攻撃している」という印象を視聴者に与え、
各首長のもとには「知事をいじめるな!」という抗議の電話が殺到しました。


■脅し、言い訳、スキを与えない、味方との交渉……

あとはいくつかを列挙することにしましょう。  


"脅し"により相手を動かす。(24頁)

自分に非がある場合でも、上手な言い訳をして、ピンチを切り抜ける!(75頁)

相手が揺らぎだしたら考えるスキを与えず、一気に結論に持っていく(86頁)

本当の落としどころは、相手方はもちろん、味方にも秘密にする(42頁)

交渉の見立てを慎重にして味方とのやり取りにも勝つ(43頁)

 

最後の二つの「極意」などは、橋下氏と大阪維新の会メンバーとの関係を想起すると、大変興味深いものがあります。
 
以上、ざっとではありますが、橋下氏の著書の分析から見えてくる橋下氏の言論テクニックを検討しました。
私たちは、まず橋下氏の「手法」を知る必要があります。
彼がどのような言論テクニックを用いて政治を進めて行くのかを熟知し、冷静な眼を養ったうえで、彼が提示する政策を検討する必要があります。
私たち国民の方が熱狂に乗ってはなりません。

これからは、橋下氏の発言に接した時に、「どのテクニックを使っているのか」をじっくりと検討してみてください。
そうすると、客観的で冷静な視点を獲得することができます。
「スキを与えない」ことを「極意」とする政治家に対してもっとも有効な方法は、一呼吸入れることです。

テレビの前で、また新聞を読みながら、ぜひ実践してみてください。
これまで気付かなかった論理の飛躍や問題点が見えてくると思います。


↑以上、転載おわり


いかがですか?
わたしは、分析の中のいくつかを、ビデオで観たことがあります。
観るたんびに、なんじゃこりゃ?とか、なに言うかこのタコ!とか言いながら、カッカカッカと怒ったり呆れたりします。
特に、高校生との議論の際に出た、この国から出て行け発言は、いつものクセが出たとはいえ、中身の薄さとアホさに寒気がしたほどです。

いったいなんで、こんな男が、今だにもてはやされてるのか、どこが首長として適任なんか、わたしにはさっっっっっぱりわからんのです。

こんなウザい男、なんでクビにせえへんのですか?
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水をおそろかにする愚か者であふれかえっている、悲しい国日本

2013年01月16日 | 日本とわたし
袖ケ浦市 こどもたちと未来の会というブログに、去年の1月と9月に書かれていた記事を紹介します。
どちらも、千葉県のお水の問題です。

千葉県 水道Map

これはもう、千葉県全体の問題であると思います。

現在も、柏や県内の浄水場から出た、高濃度の放射性物質を含む汚泥、焼却灰が、君津市の処分場に埋立てられています。

この水源地は、一部地域だけでなく、千葉県全土の水道水に関係しています!

詳しくはこちらを見て下さい


埋立てが行われている産廃処分場は、小櫃川・湊川・養老川の水源地です!

小櫃川・湊川は、君津広域水道企業団。

養老川は、高滝ダムに関係しています。

高滝ダムは、千葉県水道局の水源地です。

そして、これらで作られた水は、県水道局が買上げ、千葉県全土に流通しています。

1度マップを見て、自分の飲み水が、どこからきているのか確認して下さい。

特に、千葉市にお住まいの方は、町名一覧を下部に掲載致します。

※情報提供ありがとうございます!

セシウム汚泥焼却灰埋立
君津広域水道企業団関連 地域


map説明


君津広域水道企業団による配水区域

富津市 君津市 木更津市 袖ケ浦市 市原市


千葉市
青葉町・赤井町・旭町・有吉町・市場町・稲荷町・亥鼻・今井・今井町・院内町・鵜の森町・太田町・大宮台・大宮町・大森町・小倉台・生実町・おゆみ野有吉・おゆみ野中央・おゆみ野南・貝塚町・加曽利町・葛城・鎌取町・亀井町・亀岡町・蘇我町・川崎町・川戸町・北大宮台・坂月町・桜木北・桜木町・寒川町・塩田町・白旗・神明町・末広・大厳寺町・大膳野町・高品町・高田町・千葉寺町・中央港・都賀・鶴沢町・出洲港・道場北・道場南・問屋町・長洲・中西町・仁戸名町・花輪町・浜野町・東本町・平山町・古市場町・辺田町・星久喜町・誉田町・松ヶ丘町・港町・南生実町・南町・都町・宮崎町・宮崎・村田町・矢作町・祐光・若草・若松台・若松町


水源地に、放射性物質を埋めて良いはずがない!!!

県内あちこちで 、産廃処分場計画があります。

取り返しがつかなくなる前に、声をあげましょう!


驚愕!新井総合施設 第3期増設計画

千葉県民は必ず 読んで下さい。

私たち千葉県民の水道水源の話です!


初めての方は↓↓↓
千葉県水源地汚染問題
↑↑↑ こちらを読んでからお願い致します(-ω☆)


未だに(怒)、汚染物質の漏洩問題が解決できず、搬入が停止されている新井総合施設さん(-公-;)

またしても、新井総合施設 汚染物質漏れ!にも関わらず(大激怒!)

第3期増設工事を行おうとしています(-公-;)

汚染物質の漏洩を、解決できない企業が、増設?


そんなことが許されるのでしょうか???

最新の情報では、セシウムが検出! されたとの情報もあります。

8000Bqを超える放射性廃物の最終処分場が、ここに作られるんじゃないの?と、不安の声が広がっています!

それを裏付ける?ような、この図を見てください↓↓↓


デカっ!( ゜Д゜)

更に これを見てください↓↓↓


君津市議会議員 すなが和良 アルパカ日記。より引用

平成28年1月 着手・・・

平成50年12月完成だと(||゜Д゜)?

どんだけの規模でしょうか?

間違いなく 千葉県ゴミランド完成

どんなレジャー施設でしょうか?((((;゜Д゜)))

どうやら……ディズニーランドよりも巨大(怒)

上総地域や南房総の住民を、なんだと思っているのでしょうか?
こんな物を作ったら、恐ろしいツケがいつか回ってきます……。



新井総合さん 事業計画概要によると ((φ(-ω-)カキカキ

埋立期間   20年
場内埋立作業 24時間

事業区域面積:645.293㎡
施設の名称:管理型最終処分場

埋立面積:全体17000㎡ 既設87.840㎡ 増設82.160㎡
埋立容量:全体400万㎥ 既設200万㎥ 増設200万㎥ 

浸出水処理施設(処理能力) 全体600㎥/日 既設480㎥/日 増設120㎥/日

放流水質:第2期施設と同様水質で放流

千葉県内域および首都圏内で発生する廃棄物

★市原市道85号線~君津市道 福野・川谷(南)線~林道大福山線
通行車両:総重量20t以内
通行台数:片道25台/日 往復50台/日以内
通行時間:午前8:30~午後17:30

★林道戸面蔵玉線~林道大福山線
通行車両:総重量20t以内
通行台数:片道50台/日 往復100台/日以内
通行時間:午前8:30~午後17:30

★林道坂畑線
通行車両:総重量14t以内
通行台数:片道50台/日以下
通行時間:午前8:30~午後17:30

すでに環境アセスが入っているそうです。

企業がお金を投資し始めたということは、本気です

君津市議会議員 すなが和良 アルパカ日記


それからこれは、もう黙ってられない! 原発なくせ! ちばアクションというブログの書かれていた、今日(2013.1.16)の記事です。

許せない暴挙!千葉の水源地にある最終処分場・新井総合への搬入再開!

千葉県民の皆さん! とんでもない事実が明らかになりました!

2011年3.11から、8000ベクレル/kg超のごみ・飛灰(放射性物質)が、千葉の水源地にある処分場に、大量に搬入されている事実が明らかになり、
2012年の1月27日、ちばアクションが、千葉県庁に対して、最終処分場(新井総合)への搬入中止を求めて行動を起こしました。
俳優の山本太郎さんも駆けつけ、千葉県下からも心ある人たちが集まり、大きな行動となりました。
いつセシウムが漏れ出し、上総地域だけでなく、千葉市の水道水に、放射能や有害物質で汚染される危険性があるという危機感が広がり、マスコミにも大きく報道されました。

ちばアクションは、千葉の水道水が危ないというチラシをつくり、多くの千葉県民に危険性を訴えてきました。
また、地元の方々の3万筆を越える署名と、マスコミで大きく報道されたこと、新井総合が、実際に水漏洩を起こした事実も発覚し、実際に搬入はストップしました。

この後も、ちばアクションをはじめ多くの方々が、放射性廃棄物質の問題、とりわけ震災がれきの拡散問題などにも反対して、この水源地問題の危険性を訴え続けてきました。
突然、国の最終処分場建設地に指定された、栃木県矢板市、茨城県高萩市は共闘し、最終処分場建設に市ぐるみで、国・環境省に対して、抗議の行動を起こしています。

しかし、この民意に対し、千葉県は、新井総合に「お墨付き」をあたえ、1月16日、搬入が再開されるということが報道されています。
まさに、国民の民意を背にした、自民党新政権の暴挙です。
安倍首相の言う、20兆円規模の公共投資・バラマキ政治の姿そのものです。

私たちは、あきらめず抗議の声をあげましょう。



(写真は、君津市すなが議員のアルカパ日記より)

第二期分を使用許可 きょう搬入 君津の最終処分場 (東京新聞/千葉) 
2013年1月16日

県は15日、新井総合施設(君津市)が運営する、君津市怒田の産業廃棄物最終処分場の第二期処分場について、使用を許可したと発表した。
16日から搬入が始まる見込み。
この施設では、隣接する第一期処分場で、漏水が発生し、搬入が停止されている。
 
県によると、第二期処分場は、埋め立て容量約93万3千立方メートル
第一期に比べ、排水能力を向上させるなどの改善が施されているという。
施設使用前の検査で、機能や構造が、廃棄物処理法の許可基準に適合していたため、使用を認めた。
 
第一期処分場は、観測井戸の一部で、通常値を超える塩化物イオンが検出されていることなどから、搬入停止を続け、さらなる改善対策を実施させるとしている。(小川直人)


↑以上、転載おわり


これはもう、どういうことなんやという気持ちがいっぱい。

なんで自治体の長や、そのとりまきの人間は、住民の声をここまで無視して、勝手にお墨付きやら許可やらを与えてしまうんやろ。

聞く耳を持たず、考える脳も持たず、人としての心も持たず、ただただ上から言われたことをそのまんまやったら良し。

2012年の1月から、2013年の1月までの、ひとつの県の例をとってみても、これだけのインチキと無責任がバナナの叩き売りみたいに積まれてる。

いったい、なんちゅうこっちゃと思う。
人をなんやと思てるねんと思う。

水って、どんだけ大事か。
人は水なしでは生きていかれへん。
その水が、ここまでえらいことになってしもたこと、なんでもっときちんと伝わらへんのか。

それぞれの町単位で、緊急町内会開いて、大人は全員参加させて、ほんまのことをきちんと伝えてほしい。

みんな、必死でがんばってるのに、それが伝わらへん。

どないしたら聞くん?
誰やったら聞くん?

こんなん、多分、千葉県だけの問題やないよ。

違う県にも、東京都にも、真実はいっぱい隠れてる。

知らんと生きていきたいっちゅうのも、選択肢の中のひとつやけどな。

けど、もし、誰かの親やってるんやったら、それは許されへん。

未来を生きる子どもらに、そんな恐ろしい毒まみれの水を飲ましたらあかんのやから。
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