ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

贅肉と金融危機

2009年02月25日 | ひとりごと
今年の1月7日から始まったYMCAの特別イベント『The Biggest Loser』、わたしはピラテスクラスのトレーナー、メリッサのチームの一員になりました。
トレーニングが始まってからものの1週間で、リタイアするかどうかクヨクヨと悩み、チームの皆から励まされ、どうにかこうにか今も続いているわたし。
アメリカ式に、トレーニングの内容を自分で決め、自分でやり、自分で申告した事項をもとに、クラス参加ポイント、体重の減少ポイントが加算されます。
わたしの場合、ブートキャンプのような過激な運動が1時間ぶっ通しというクラスは合わないので、ヨガとピラテス、それを機械を使った運動を少し、
月曜日から金曜日まで、用事やリハーサルが入らない限り、コツコツと毎日通っています。なかなか感心でしょ?
YMCAの会員料金は月に4500円ほど。なので、通えば通うほどお得になります。
ほんの数年前までは、この4500円が払えなくて、悔しい思いをしていました。
なので、旦那の仕事が仕事として成り立ってきてくれたことは、とってもありがたいです。

チームとして集まるのは週に1回、水曜日の朝8:45。体重を計るための部屋に集合し、計り終えた者から順にその日決められた運動を開始します。
そんなこんなの、そろそろ2ヶ月になろうとしている今日、メリッサがちょっと哀し気な顔をしてこんなことを言いました。
「ジャン、スーザン、まうみ(最初7人いたチームでしたが、なんと今は我々3人だけになっています)、実は……」

昨日のオバマ大統領の施政演説はすばらしく、『米国の再生』という言葉を胸に、前向きに、勇気を持って、今の苦難に立ち向かおうと、静かに決意しながら聞いた大人は数しれないと思います。
でも実際には、辛い思いを味わいながら生きている人が急激に増え、暮らしを立て直すために、今までの生活様式を変えざるを得ない状況になりました。
そういう場合、まず1番にカットされるのは、習い事や運動に通うことで、トレーナーや先生で身を立てている者にとっては厳しい世の中になりました。
YMCAも例外ではなく、会員がこのところ減り続けているそうです。
なので、せっかくのこの特別イベントも、肝心のトレーナーに払う謝礼が滞り始め、チームの解散を強いられることになったそうな。

わたしなどは、正直なところ、心の中でホッとしていたりするのだけれど、メリッサのがっかりした顔を見ていると心が痛みました。
「なんだったら、あなたの謝礼分を、わたし達3人で割って払ってもいいよ」、と言うと、
「そんなこと絶対にしないで!わたしは謝礼なんかいらない。もちろん生活のための収入は大事だけど、それとこれとは全く別なんだから」とメリッサ。
彼女はわたしよりちっちゃくて、爆裂エネルギー全開のメチャクチャ明るいアメリカン。トレーナーとしてもgreat!
結局は、これからも、無償で彼女はわたし達のためのトレーニングをやってくれるということになりました。

大人になってからの生活で、こんなふうに運動をする毎日を送るのは、わたしにとっては初めてのこと。体重も静かぁ~に、ヒタヒタと減ってきています。
まあ、2ヶ月もかかってたったの3キロじゃん、って言われたらそれで終わっちゃうんですけど……。
でもね、さ、さ、鎖骨っちゃんがね、ちょいと浮き出てきてくれたんですよ!長い長~い間、すっかり埋もれちまってた鎖骨っちゃんが!
いやあ~、懐かしいねえ、お久しぶりぃ~なんて喜んでたら、そっからちょっと下の二つの小山が……ありり?こんなだったっけ?
哀しいです、ほんとに。贅肉が減るってのは過酷です。場所を選ばせてくれないです。減って欲しい場所がちゃいます。ここだけは減って欲しないねんっ!



そんなわたしの、哀しい乙女心を知ってか知らずか、家猫は、日だまりの中で、クウクウと気持ち良さげに眠っています。
コメント (8)
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