今日は2月10日。父の命日です。
父は日本で亡くなったので、正確に言うと、もうとっくに過ぎてしまっていますが……。
毎年、命日には海老の天婦羅を揚げて、他のおかずと日本酒と一緒にお供えしているのですが、
今日は急な嬉しい予定変更などがあって、その後すぐに仕事、コミュニティバンドの練習が続き、とうとうお供えをすることができませんでした。
父は、悪性で急性のスキルス性胃癌にかかり、体調を崩して病院に救急車で運ばれた時点で、すでに手遅れの状態でした。
結局4ヶ月しか闘病できずに、モルヒネ投与を増やされ、意識が朦朧となったまま亡くなってしまいました。
意識が混濁する直前まで、父は夜になると、「上六の天婦羅食いに行こ」と言い出し、体に入ったチューブを引き抜こうとしました。
仕方がないので、車椅子に乗せ、消灯後の病棟の廊下を何周かしながら、「しっかり治そな。今この辛い時を堪えたら、絶対に天婦羅屋で乾杯しよな」と話しかけたりしました。
けれども、日によっては、そんな誤摩化しがきかず、廊下で大声を出したり愚図ったりする父を、夜勤の医師や看護士が厳しく注意したりしました。
もう口からは食べ物を受け付けられなくなっている、弱り切ってガイコツみたいに痩せ細った父が、目だけをギラギラさせて「天婦羅、天婦羅」とうわ言のように繰り返すのを見ているのは、とても切なく辛いことでした。
なので、命日と誕生日には必ず、天婦羅をお供えしようと決めました。
息を引き取る間際に、綿に湿した日本酒を唇に塗ると、下顎呼吸が始まって苦しい時だったというのに、ニッコリと微笑んだ父。
いっぱい笑わされたり、困らされたり、泣かされたりしたけれど、やっぱり大好きな父でした。わたしを本気で愛してくれた父でした。
たまらなくなって、父の首根っこにしがみついて叫びました。
「パパの娘で楽しかった。幸せやった。ありがとう。もうええよ。こんなに頑張ったんやもん、もうええよ。わたしのパパになってくれてありがとう」
明日、父が時々思い出したように心配していたS子が来てくれるので、S子と一緒に1日遅れのお供えをしようと思っています。
きっと、「ま、そういうことなら待ったるわ」って、父もそう言ってくれると思います。
父は日本で亡くなったので、正確に言うと、もうとっくに過ぎてしまっていますが……。
毎年、命日には海老の天婦羅を揚げて、他のおかずと日本酒と一緒にお供えしているのですが、
今日は急な嬉しい予定変更などがあって、その後すぐに仕事、コミュニティバンドの練習が続き、とうとうお供えをすることができませんでした。
父は、悪性で急性のスキルス性胃癌にかかり、体調を崩して病院に救急車で運ばれた時点で、すでに手遅れの状態でした。
結局4ヶ月しか闘病できずに、モルヒネ投与を増やされ、意識が朦朧となったまま亡くなってしまいました。
意識が混濁する直前まで、父は夜になると、「上六の天婦羅食いに行こ」と言い出し、体に入ったチューブを引き抜こうとしました。
仕方がないので、車椅子に乗せ、消灯後の病棟の廊下を何周かしながら、「しっかり治そな。今この辛い時を堪えたら、絶対に天婦羅屋で乾杯しよな」と話しかけたりしました。
けれども、日によっては、そんな誤摩化しがきかず、廊下で大声を出したり愚図ったりする父を、夜勤の医師や看護士が厳しく注意したりしました。
もう口からは食べ物を受け付けられなくなっている、弱り切ってガイコツみたいに痩せ細った父が、目だけをギラギラさせて「天婦羅、天婦羅」とうわ言のように繰り返すのを見ているのは、とても切なく辛いことでした。
なので、命日と誕生日には必ず、天婦羅をお供えしようと決めました。
息を引き取る間際に、綿に湿した日本酒を唇に塗ると、下顎呼吸が始まって苦しい時だったというのに、ニッコリと微笑んだ父。
いっぱい笑わされたり、困らされたり、泣かされたりしたけれど、やっぱり大好きな父でした。わたしを本気で愛してくれた父でした。
たまらなくなって、父の首根っこにしがみついて叫びました。
「パパの娘で楽しかった。幸せやった。ありがとう。もうええよ。こんなに頑張ったんやもん、もうええよ。わたしのパパになってくれてありがとう」
明日、父が時々思い出したように心配していたS子が来てくれるので、S子と一緒に1日遅れのお供えをしようと思っています。
きっと、「ま、そういうことなら待ったるわ」って、父もそう言ってくれると思います。