ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

La Rondine

2009年02月19日 | 音楽とわたし
はっきり言って、あんさん、好きなようにしなはれ!って思わず最後に立ち上がって説教こきたくなるようなお話でした。

オペラ通というより、まさにその世界の第一線で仕事をしているS子でも、まだ1回も観たことが無いから選んだ、というオペラ、
お話を一言で言うと、あるお妾さんの夢に振り回されたある若者の嘆き、ですね。
いっぺんは燃え上がるような恋をしたかったけれど、結婚して子供を産んで、なんてのは論外だった女性に振り回された若者、さっさと旦那の元に戻るお妾。
ほんとにこれっきりのお話です。

でも、さすがにプッチーニ、音楽が素晴らしかったです。
彼の東洋的な旋律が、じわじわと盛り上がっていくのにつれて、心がキュウンと切なくなります。さすがだなあ。

舞台の上では、恋人になってラブラブで暮らすお妾さんと若者のキスシーンが何回も何回も(ちょっと珍しいくらい)あって、
それにすっかり感化されたのか、左横に座っていたレズビアンのカップルも、すっかり盛り上がってキスしまくり。
なかなかワイルドなオペラ鑑賞と相成りました。


さて……オペラの前に、S子&W氏と待ち合わせしたイタリアンレストランに向かって急いでいた時、
丁度ニュージャージーとマンハッタンを隔てるハドソン川を横切るリンカーントンネルに、今まさに入るぞぉ~という時、
列に対面して停車していたパトカーのおまわりさん、いやあ、ああいう仕事って退屈やろなあ、お気の毒に……とついついジロジロ見てしまったわたし……、
目が合ってしまいました。かなり自分の仕事に嫌気がさしているような表情です。その時、なにかいや~~~な予感がしたので、慌てて目をそらしました。
おまわりさん、ドアをおもむろに開けて外に出ると、真っすぐにわたし達の車の方に向かってスタスタと歩いて来ます。
あ~あ、見るんやなかった……。別に、わたしにはなんの意図もあらしまへんだのに。お気を悪されたんやったらかんにんでっせ。

運転している旦那が窓を開けると、再車検のステッカーを指差さして、「これってどういうこと?」って聞かれてしまいました。
話が長くなるので説明は省きますが、再車検をしなければならなかったのに、それをすっかり忘れてしまっていたのでした。
必死に説明をする旦那。しおらしくうつむくわたし。かなりしつっこく説明を求めるおまわりさん。
この罰金って高いのかなあ……100ドル超えたら痛いなあ……。わたしの頭の中では、ドルがグルグル回っていました。
待ち合わせに急いでいるけど、そんなこと言っておまわりさんの機嫌をこれ以上損ねることは、自分の首を絞めることと同じです。ぐっと堪えました。
おまわりさんはパトカーに戻り、しばらくすると戻ってきて、
「あのね、今回はまあ、警告扱いってことにしといてあげるから、さっさと行っときなさいよ」と言ってくれるじゃありませんか?!
おおぉ~、いい人や~。彼の背中に羽根が生えているように見えました。人間なんて勝手なもんです。

こちらに来てから、警察に呼び止められるのはわたしの専売特許でしたが、今夜はとうとう、旦那も呼び止められてしまいました。や~いや~い!
まあ、横にわたしも乗ってたんですけどね。

今夜のイタリアンのご馳走(魚介類パスタと前菜のマッシュルーム、デザートのこってりチョコケーキ)もオペラも、S子&W氏からのプレゼントでした。
めっちゃ楽しかった。ありがとうね~!

2人は今、向かいの部屋の、エアベッドで寝ています。明日の朝、また一緒に朝ご飯を食べて、昼過ぎまでゆっくり話などしながら過ごす予定です。
コメント (6)
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