ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

とりあえず『AS IS』、それから明日

2009年04月14日 | お家狂想曲
細かいことはまあ、運を天に任せて、買い手側でなんとかしよう。
けれども、家として基本的に必要な、屋根、床、お湯の配管、オイルタンク、電気の配線などに問題があった場合は、お互いによく話し合って、どういうふうに、どちらが何割、責任を持つか、その都度決めていこう。

という風なニュアンスの手紙が、ステュアートから売り手側に送られました。

わたし達は、彼からのゴーサインを待ち(多分明日中に出る予定です)、インスペクターのビルにお願いして、家の内外を調べてもらうことになっています。
ビルは、一度引退して、なにやら政府の仕事に転職していたのですが、けれどもやっぱりインスペクター魂がむくむくと蘇ってきて、また何年か前から、ゆっくりとしたテンポで仕事をしているおじいさんです。
年季が違う、見所が渋い、講釈が長い、下手すると、大学の講義かなんかを聞いているような気分になる、なかなかにユニークなインスペクターさんです。
また逢えるのかと思うと嬉しくなります。旦那も同じことを言っていました。
彼があの家でなにを見つけるか、どういう判断を下すか、それによって契約に向かうか立ち去るかが決まります。わくわくドキドキの3日間です。


さて、今日はほんっとに忙しい日でした。
ちょっと時間が空いて一休み、という暇が全く無いまま、朝の8時半から夜の9時過ぎまでギュウギュウ詰めの予定が入っていました。
天気は雨。風も冷やっこくて冷たく、日本の夏日が羨ましい一日でした。今も気温は5℃ぐらい。明日も雨で気温は8℃。春ぅ~!おぉ~い!どこやね~ん!

明日は、わたしと息子達のアメリカ生活が始まって丸9年の記念日です。そうしてついでに、わたしの52才の誕生日でもあります。
満開の桜並木を、JRの電車の窓から眺めたあの日。電車が起こした風に吹かれて、花びらの帯が窓の向こうに流れ去るのを見ながら、ちょっと涙ぐんだあの日。
さよならを言ってくれているのか、忘れるなよと言ってくれてるのか、桜はわたしの心の花なので、とても別れ難い思いがしました。



ここのこの時期は、とてもじゃないけれど春爛漫という気分にはなれません。
けれども、わたしの心にはいつも、15日が来ると、あの満開の桜がパアッと咲いてくれます

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くせもの『AS IS』

2009年04月13日 | お家狂想曲
始まりました!弁護士ステュアートとリンダの、静かで熱い手紙バトル。

わたし達が気に入った家は、エステートセールといって、住んでいた人が亡くなって空家になった家を、相続した人達によって売られている物件です。
(えぇ~!またぁ~!と呆れているお方は、このブログを最初っから読んでくださっている健気な方達です。毎度ありがとうございます
売ろうとしている人達は、相続しただけの家なので、息子や娘だったら、とりあえず子供の頃に住んでいた記憶ぐらいはあるでしょうけど、それだけのことで、
最近の詳しい家の事情とか問題とかを知らずに売ることになるので、よく『AS IS』という言葉がリスト上に書かれています。
ありのまま、そのままの状態でという意味で、要するに、どんな問題があるか分からんけど、今のまんまで買っておくれ、ということです。

そこで、我らがステュアートの今の段階での腕の見せ所は、その『AS IS』をどこまで崩せるかということにかかっています。
彼は、向こうに送った最初の手紙の中で、ものすご~く細かな、発生しうる問題を書き出し、それについての責任をどちらが持つのかを尋ねてくれました。
そしてその答の手紙が今日、相手側の弁護士リンダの方から送られてきました。
質問条項1から30まで、そして仮契約書の中の何百という条項への答が、まあそりゃそれが仕事なんだろうけど、細かぁ~くゴチャゴチャ書いてありまして、
それを大胆に要約すると……、
『AS IS』ったら『AS IS』なのよ!ったく……という感じ、がっびぃ~ん

最初の3日間で、買うか買わないか、それを決めなければなりません。なのに、こういう答が返ってきたのでは、到底買うぞという気にはなれません。
なので、明日中に意思をはっきりしなければならないのだけど、ステュアートに作戦を練ってもらうことにしました。

地中に、昔使っていたオイルタンクが埋もれているか、もし埋もれていたら、それを撤去して、撤去する際にもし漏れる事故が生じた場合は浄化も……、
という、やらなければならない者にとって1番面倒で1番お金と時間がかかる事についても、
そんなもんあるかどうか知らんもんねぇ~っぽい答が返ってきたので、こちらも気を引き締めて、強気でかからなければならないようです。

でも……前回の家でたっぷり学んだわたし達。いくら気に入ったといえど、向こうの態度があまりにもいい加減だったり常識に欠けてたりしたら、
別にその家しかないわけでもないし、これからもいろんな家との出会いがあるのだし、潔くあっさりと、その交渉の場から立ち去ろうと思っています。
もちろん、今の時点では、一等賞の家なのだから、粘れるだけ粘って、できるだけいい条件で買えるようにしたいとは思っていますが……。

今回も、なかなかに手強そうな売り手さん。前回の経験が生かせるかどうか、買い手の我々は試されているようですね。
さぁて、今回は降って地固まるでしょうか?
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イースターディナーと洪水

2009年04月12日 | 家族とわたし
今日は旦那とわたしだけで、フィラデルフィアまで行ってきました。
旦那のいとこが住む家に皆が集まって、ポットラックイースターディナーをいただきました。
皆というのは、旦那の両親、旦那姉一家(夫婦と4才娘)、旦那叔母家族(両親と息子&ガールフレンド、娘&ボーイフレンド)という構成です。
旦那のおばあちゃんは筋金入りの敬虔なクリスチャンで、ふたりの娘達はそれぞれその意思を受け継ぎ、クリスチャンのイタリア人と結婚しましたが、
息子(旦那の父)だけはちょいと外れて、もちろんクリスチャンではあるけれど教会には行かないと決め、旦那も教会とは全く縁がありません。
食事がテーブルに揃い、2年前まで、98才のおばあちゃんが先導していたお祈りを娘のジョアンが引き継ぎ、十字を切ってさあいただこうという時に、我が親族ではお馴染みの「いただきまぁ~す!」が大声で合唱されます。

さあて、食べるぞぉ~と手作りハムにナイフを入れたところに、わたしの携帯がやかましく鳴り始めました。
無視しようとしたのだけど、こんな休日にかけてくるのはTかKぐらいだし、それもなにか困った時が多いので、心配になって旦那に出てもらいました。
スピーカーフォンにして、皆とひとしきり「ハッピーイースター!」と言い合った後「ほんでなに?」と旦那が尋ねると、

「あのさ、さっき起きてキッチンに行ったら洪水になってた」
「はぁ~~~!?」

Kの話では埒があかないので、二階の大家さんに電話をかけてみると、洪水ではないけれど、かなりの量の濁水が天井から流れ落ちたそうな。
「まあ、こっちでちゃんとしとくから、食事楽しんできてよ」とジム。

この台所天井からの水漏れは、ここに住んでいる9年の間に少なくともこれで5回目です。
大したことのないものから、掃除に半日かかったものまでいろいろですが、今回のは大したことのないバージョンとは違うようないや~な予感が胸いっぱいに広がりそうなのを抑え、とにかく楽しく食事をいただこうと思いました。

オーガスタのマスターズ・トーナメントの最終戦を観戦しながら、皆のそれぞれの近況やら面白いエピソードやらに花が咲き、
4才の姪っ子の「マウミィ~、ウミィ~」(←彼女はわたしを原則的にウミと呼びます)の可愛いコールにホイホイついて行き、
気がついたらもう夕方?!ねえねえ、ちょっと早めに戻って掃除せんとあかんやんと旦那の脇腹をこっそり突きました。

ところがところが、帰りの道はどこも渋滞。3時間半(ほとんど倍)もかかってしまい、家に着いた頃にはもうくたくた。
キッチンは、まあ大体は予想していた程度だったけれど、テーブルの下のごっついラグは半分ドロドロ、カウンター周りのあらゆる物と所に水跳ねの痕。
なんでこんなもんまで……と思う物にまで点々と痕がついていました。
がっくり肩を落としながら掃除をし始めたわたしに、「今夜はちょっとだけにするんやろ」と旦那が一言。
いつもこういう状況に陥ると、いつもこの台詞を言う旦那。なぜか?
疲れているのに、こんな時に掃除なんかしたくない。けど、意地になってし始める者がいて、そうすると大人的に手伝った方がいいような状況なのだけど、
でもやっぱり自分はしたくないので、やってる者に一言、そんなにしたかったらしたらいいけど、ちょっとだけにしといたら?と声かけしておく。
まあ、いわゆる自己弁護と擁護っつう感じでしょうか?

このパターンで、今までどぉ~んだけの重労働や力仕事をわたし独りでやって、フツフツと沸きたつ怒りを押さえきれずに大喧嘩してきたことか……。
でもね、もうわたしも50過ぎました。だいぶ丸くもなりました。悟りも開きました。諦めもしました。
これはわたしがしたいと思ってやることだからと、自分で自分を嗜めることもできるまでに成長もしました(ほんまかいな?)。

天井から濁水が落ちてきたのは誰のせいでもありません。まあ、前に水漏れした時に、もっときちんと直しといてよ大家さん!と言えないこともないけれど、
大家さんだって、築200年の家のオーナーとして、毎月のようにあちこち修理しなければならないのだから、仕方が無いっちゃあ仕方が無い。
薄茶色のテンテンがいろんな所や物にダァ~ッとついてても平気な旦那と、それがどうにもイヤで、スポンジと布巾持って鬼のように磨くわたし。

水の汚れってほんとにすごいです。どんな細かい所にまでちゃんとついてます。包丁立てのちっちゃな隙間にも、食器置きの網にも。
炊飯器も浄水器も包丁もお箸も、たまたま出してあったお鍋や薬缶も、ガスコンロやオーブンや引き出しの表面も、そしてシンクの前の窓ガラスも?!

やっとついさっき終わったのでありました……とぉ~っても疲れました。

旦那の寝室からは、健やかでデカいイビキが聞こえてきます。
んにゃろぉ~!あ、そうだった、怒らない怒らない。ひとやすみひとやすみ
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Red Square on Houston St.

2009年04月11日 | 友達とわたし
今日は月一恒例のACMAの演奏ミーティングの日。今回は聞きに行くだけだったのでとても気楽でした。
10月のカーネギーでの演奏会に出演したい旨を申し込む締め切りが迫っていたので、パートナーのジェーンと会って話を煮詰めました。
どれだけの人達が申し出るのか分からないけれど、回を重ねる毎に10人以上の新しいメンバーが増えている今日この頃、かなり熾烈な争いになる可能性が濃厚です。
ウィーンのS子、ピアノの師匠に頼ったり、YouTubeなどを聞きながらいろいろと連弾曲を探していたのですが、
離婚直前の、わたしとしてはこれまでの人生に区切りをつけるための演奏会に、2台ピアノで弾いたことのあるラヴェルの『ラ・ヴァルス』の連弾版にトライしてみることに決めました。その演奏会で一緒に演奏してくださった師匠のお勧めです。
さて、この曲が10月の演奏会のプログラムにうまくハマるかどうか、わたし達の演奏を入れてもいいと思ってもらえるかどうか、わくわくドキドキです


そして今日は、ミーティングの後にスポウドと逢おうということになっていて、さて、どこのレストランがいいべか?と悩んでいたら、
「今日は僕が料理するからさ、僕のアパートにおいでよ」とスポウド。
ええぇ~スポウドが料理ぃ~うっそぉ~

旦那と彼が大学で知り合ってから早20年以上の月日が経ちましたが、彼が料理するなんて……なんと初めてだそうで……。
「あ、来る時にさ、ワインとお米買ってきて」うむ……。

彼は今、ハウストンストリートにある、『赤の広場』というニックネームのついたアパートに、弁護士のルームメイトと一緒に住んでいます。
アパートのロビーに入った途端、わぁ~、へぇ~と思わず見回したくなるような、とてもアーティスティックな壁にびっくり
とっても面白かったので写真を撮ったのだけど、如何せん、携帯で撮ったのでパソコンにどうやって引っ張ったらいいのか分かりません……トホホ。
また息子に教えてもらって、後でここに載せます。しばらくのお待ちをば。
エレベーターの中は水族館の様相。もちろんお水無し。8階の彼の部屋までの廊下にも、遊び心満載のアートがいっぱい。
角部屋を囲んだ大きな窓の向こうには、やっと晴れ間を覗かせた夕方の空がパノラマ状に広がっていました。
大失恋でズタズタに傷ついて故郷のロンドンに雲隠れした後、やっとまたこちらに戻ってきた彼を、こんな開放感のある部屋が迎えてくれたのかと思うと、なんだかそれだけでとても嬉しくなりました。

いやあ、初めてだし、味見とかも全然してないし、ええと、お米お米、どうやって作るんだっけ……なになに、水が……、お~い、大丈夫かぁ~

ラム肉とひよこ豆を使った、とても美味しいインディ料理を作ってくれたスポウド。それと、どうやって口に入れるねん?サイズのレタスとビーツのサラダ。
ビーツは驚くことに、生のままチーズおろし金でガリガリ!大のビーツ好きを自称している旦那とわたしでも、生をいただいたのは今夜が初めてでした


夕暮れから青紫に、そして薄墨から漆黒に移り変わる空を見ながら、昔話や音楽の話、家の話、偶然にも同じぐらいの時期に始めたヨガの話で盛り上がりました。
大胆にも、プロの歌手さんの前でギターを弾きながら歌い始めた旦那と、それを目を細めて聞いているスポウド。ほのかに揺れるロウソクの灯り。
やっぱ友達ってええよな……、ほのぼのと心の芯から温まった夜
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ありんこといえば……私の懺悔

2009年04月11日 | ひとりごと
昨日のアリさん記事にコメントしてくださったししははちゃんとPSママ。なぜだかそこには、彼女達の懺悔の言葉が……。
しみじみと、な~んや、みんなもやってたんや……と同情と安堵が入り乱れた気持ちで読みました。

わたしもここで、正直に、昨日のようなええカッコしぃ言わんと、一気に懺悔ぇ~!

その一。
山を削った新興住宅街に住んでたわたし。周りにはまだ、田んぼがいっぱい残っていました。そのあぜ道の横の溝にザリガニがわんさか!小さなプラスチックのバケツにいっぱい釣って、それをわざわざ家のベランダの日よけの無い所に放置。容赦の無い太陽熱に焼かれてカピカピになっていく哀れなザリちゃん達。

その二。
なぜだかカエルを平気で掴めたわたし。比較的大きめのを捕まえては、お尻の穴(多分)からストローを突っ込んで風船のように……後はご想像にお任せします。たまぁ~にパンッ!という音も聞こえたような記憶が……。

その三。
アリを数匹一所に集めて、学研の『科学の本』の付録で手に入れた虫眼鏡でチリチリと……その付録には、良い子はそ~ゆ~ことをしてはいけませんっていうそ~ゆ~ことをしっかりしていたわたし……。


あのですね、これはまあ、言い訳にしかならないのですけど、その頃のわたし、かなりストレス溜まってたんですよね。
なんていうのか、親の期待が重かったというか、天真爛漫&無邪気王子の弟とは正反対に、いい子で当たり前、良く出来て当たり前、1番で当たり前、
そういう漬物石みたいなクソ重たい期待がいっつも両肩にのしかかっていて、自分もまあ、期待に添えることができると思い込んでたりもして、
昭和30年代にはまだ珍しかった、英才教育の先端を歩む将来非常に楽しみな子としてちょっと注目もされてたし……。
だけど、家庭内では早くも崩壊の兆しがそこかしこにチラチラ見え出して、まあ、そんなこんなのいろんな理由と、わたしの中に歴然と存在する残酷な性分が重なり合って、あ~ゆ~、非常に由々しい行為が生まれたのでありましょう。

な~んて、ちょっと自己弁護なんかをさせてもらいましたが、うちの息子達、自分の母親の聞くに堪えない愚行の数々をしっかり覚えておりまして、
たま~に、まあ、今回のようにちっちゃなアリさんを駆除しようかどうしようか、などと迷っているわたしの横に静かに立ち、
「あんなことしたくせに……」と、非常にニヒルな声でポツリと言うのであります。

ほんと、あんなことしたくせに……みんな!かんにんしておくれ~

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アリ地獄

2009年04月10日 | ひとりごと


なんの写真?



だからなんの写真っつぅに!


黒い点々、見えますか?
アリさんなんですね。とっても小型の。
去年の春頃は、ミツバチさんが台所に遊びに来る現象が起こり、秋頃には、洋服でも着せたいぐらいの特大アリさんが台所のシンク周りをお散歩。
そして今年は、どうしてだかバスルームだけに出現する彼ら……。
ミツバチはともかく、アリはやっぱり白蟻との関連も考えられるので、大家さんに伝えておいた方がいいかもしれません。

でも……ゴキブリとかだと当たり前のようにバチンとぶっ叩けるのに、アリだとどうしてちょっとためらってしまうのでしょ。
君達、別に悪気があってここに居るんじゃないのにねえ、ごめんね、でもさ、やっぱそんなに寄り集まられると困るのよ、だから、許して、エイッ
ものすご~くたくさんの言い訳しながら、お水でジャ~ッと流しています。
これがもしゴキちゃんだったら……いや、想像するのもおぞましいけど、もう髪の毛逆立てまくりながら一心不乱に……。

人間ってほんと、勝手な生き物
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あともう一息

2009年04月09日 | お家狂想曲
で、いつもの元気に戻れそうです。かなりいい感じですが、鼻の奥にキュンと切ない風邪の匂いが残っていて、咳もしつっこく出てきます。


今日ぐらいからYMCAのクラスに復帰しようかな~なんて企んでいましたが、あともう1日延ばすことにしました。
すると、その時間がぽっかり空いたので、フム、どうしたもんかと辺りを見回すと……ゲッ、あんた達、まだいたん……。
もうずぅ~~~いぶん前に買った白菜とカボチャが、勝手口のドアの外で静かに化石化しています。
もちろん、ずうっと目の端っこには入っていたんですが、タイミングが合わなかったり献立に合わなかったりで、ついつい後回しにされていたお二方。

いつまで放っとくのよ、わたしたち……ブスッとした声が聞こえてきそうです。

せっかく時間もできたんだし、冷蔵庫の中に大量のホールトマト缶の使い残しもあるし、おっしゃ~!待たせてごめんよメニューを考えるかんね~。
……といっても、なんせアバウトなわたし。鍋を二つドカンと置いて、その中にまずトマト缶を入れ、そこに白菜一個全部(もちろん切りましたが)投入。
なによそれ、そのまんまじゃん……いやはや、すんません、おっしゃる通りでございます。
ニンニク3かけと赤唐辛子を1本入れ、ブイヨンで味を整え、同じく冷蔵庫で拗ねてた椎茸と三度豆も入れ、食べる直前に白身魚の切り身を入れておしまい。
もう一方の鍋では、玉ねぎとニンニクを炒め、そこにカボチャを適当に切ったのを入れ、カボチャスープの下ごしらえ。

ということで、赤と黄色の、春らしいおかず(←強引?)になったので、今夜はカリッと軽く焼いたフランスパンと一緒にいただこうと思います。


今日は教える生徒も少なくて、お料理の他に、来週から始まる高校の伴奏バイトの曲の練習もいっぱいできました。
来週から5月の終わりまで、夏休み前の修羅場が始まります。
今のところ渡された曲は14曲。とりあえず全部弾けるようにしなければならないのだけれど、変更や追加や削除が入り乱れ、油断も隙もありません。
終わり頃が近づくと、毎回、もう次はやらんぞぉ~と息も切れ切れに思うのだけど、夏のスカスカな仕事スケジュールを補ってくれるありがたいバイトでもあるので、なかなか断ることができそうにありません。


お料理と練習を、いつもよりもゆったりとした気分でできた良い日でした

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そぉっとまずは一歩

2009年04月08日 | お家狂想曲
今日は変なお天気でした。
空気が今日は冷たいね、なんて話しながら朝のお茶碗を洗っていると、目の前の窓の外では雪がハラハラと舞い降りていました。
やっと雨が上がったと思ったら雪?
けれどもやっぱり春。雪はすぐに降り止み、冷たい風だけが残りました。

そんな今日の夕方に、家のオーナーがわたし達に購入の権利を与えることに決めたという連絡が入りました

旦那は早速、前回お世話になった弁護士ステュアートに連絡し、契約に必要な書類を揃えてもらえるようにお願いしました。
こちらの家の売買は、物件自体古い物が多いので、値段を決めてそれじゃいただきます、というふうに簡単にはいきません。
特に、わたし達のような、かなり古いタイプの家好きの買い手が惚れ込むのは、普通に古いのではなく、築100年、またはそれ以上の家です。
目に見える所から見えない所まで、家が抱えている問題はもちろん山積み。

あるがままでお買いください。と紹介リストには書かれてあっても、あるがままで済むことと済まないことがあるので、そこのところの線引きを、双方の弁護士が腕によりをかけて駆け引きします。
その駆け引きはメールで行われるのだけれど、その全文がわたし達の方にも送られてきて、文章を読んでいるだけでかなりドキドキします。
もちろん彼らはその道のプロなので、当たり前なのかもしれないけれど、へぇ~、こんなふうに話を持ってくのかぁ~みたいなことがいっぱい。

線引きのおおよそが決まり、双方の書類が交換されるのが今日から3日間。

そして相手からの書類を手にしてから10日の間に、買い手の方は、インスペクターの力を借りて、購入する家の内情を徹底的に調べ、
そこで見つかった問題について、売り手側に責任があること、買い手側が責任を持つことを明確にし、その上で最終的な支払い価格が決まります。
それをもとに、わたし達は大急ぎでローンを組まなければならないのですが、それも今回は準備万端、前と同じ担当者のマイケルにお願いしてあります。

お互いに、すべての事項に納得できた時点で、本決まりの契約書が作製され、そこにサインをしてめでたく三三七拍子。かんぱぁ~い!


前回は、インスペクターのおじさんがいろいろ調べて見つけてくれた問題を、誰が責任持つかってところでもめた……というより、もめようが無く(夏休みでみんなバケーションに出かけちゃって、質問→答がいちいち時間かかり過ぎ!)、
いい加減ダレるよな~ってブツクサ言っているうちに夏が終わり、問題の1番トップにあったオイルタンクの撤去やらが始まった途端に金融カオス?!

今回の家にも、やっぱりございますオイルタンク。しかも、とぉ~っても古いです。地下に埋もれているのがあったら最悪!

けれども、旦那もわたしも、それからチームリーダーのステュアートもインスペクターのおじさんビルも、そしてローン担当者のマイケルも、前の物件で長い長~い間、同じ釜の飯を食った(食わされた)仲間なので、しっかりできてますよ、心の準備が。

なので今回は、静かぁ~に、慎重ぉ~に、けれどもせっかくなので楽しみながら、もしかしたら引っ越しできるかもしれない、という夢を抱っこしながら、
そぉっとそぉっと、まずは一歩、前に進みます





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息子から母へ、母からみなさんへ、

2009年04月07日 | ひとりごと
息子Tから、いきなりこんなメールが送られてきました。

タイトルに、KORE WA TSUKAERU(これは使える)と書かれてありました。

http://www.youtube.com/watch?v=NcGWRIp8qdk&feature=related

なにかと思い、早速そのhttpをクリックしてみると、『伊東家の食卓』の裏技紹介のビデオなのでした。
『伊東家の食卓』は、日本に住んでいた頃の、息子達とわたしのお気に入りの番組で、特に裏技紹介のコーナーには3人で見入っていたものでした。
気に入った裏技はとりあえず試してみたいTとK。
いろいろとやってうまくいったりうまくいかなかったり、おかげで随分たくさんのゆで卵を食べなければいけなかったり、針金ハンガーがいくつか犠牲になったりしたけれど、今なお暮らしの中に役立っていることもいくつかあります。

このTシャツ簡単たたみ裏技、わたしも早速試してみました。ちゃんとできましたよ。なかなか楽しいので、みなさんにもお裾分け。

大学の卒業を控え、遠く離れて独り苦戦している息子から、こんなほっこりしたメールをもらい、昔の小学生だったふたりを懐かしく思い出しています。
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まだちょっとふらついているのに、

2009年04月06日 | お家狂想曲
いきなりですが、もしかしたら家を買うことになるかもしれません?!

4月1日のエイプリルフールの日に、エージェントのデブラから送られてきた、いつもの家物件リストにあった1軒の家。
レンガ造りの3階建て、100年前に建てられたコロニアル調の家で、12部屋のうちの6部屋が寝室、1階と2階にキッチンがあります。
地下も家の大きさ分だけあるのだけれど、まさに100年前からの空気を漂わせている、陽が暮れてからは下りたくないな~の雰囲気満載!
とりあえず、値段も手頃だし、中を一度見せてもらおっか~と、とても軽~い気持ちで家見物をしたのが3日前の金曜日。
その次の日の夜は、デブラの家に遊びに行って、彼女の手料理をご馳走になり、すでに多分風邪気味だったわたしはその晩からダウン。
日曜はただただ休息に勤め、旦那も久しぶりに予定の無い休日をゆっくり過ごし、

そして今日、いきなり、デブラからこんな電話がかかってきました。
「急な話なんだけどね、あの家をどうしても買いたいっていう人が現れたので、あなた達がどうしたいか決めて欲しいんだけど」
「えぇ~?」
そりゃね、いいサイズだし、近所だって夜の散歩も大丈夫っぽいし、マンハッタン行きの電車の駅は歩いて5分もかからないし、
なによりも、その家の周りは庭、庭、庭、他所のお家の庭も含めて、三方全部、立ち木以外なんの障害物もありません。
うちはなにせ騒音作りにかけてはどこのお家にも負けないので、これはとってもありがたい環境です。
「どうする?」
「どうしよう」
それからふたりであ~でもないこ~でもないと話し合い、でもとりあえずこちらからの希望価格を決めようということになり、オファー金額の1割引いた金額で売ってもらえるんなら買おうということに決めました。
そしてふたりは各々の仕事に。わたしはまだ本調子ではなかったけれど、初めての出張レッスンを待っている女性のお宅に出かけて行きました。

レッスン直後に行く予定だったヨガのクラスは、まだそこまで回復していないので、大事をとってキャンセル。
そしてそのヨガのすぐ後にあるクラリネットの男性のレッスンは向こうからのキャンセルでお休み。そしてそのすぐ後にある予定の出張レッスンが、向こうの都合で1時間遅れに。
あらら
実は、わたし達がその家を買うチャンスをもらうための書類作りに行く時間が、旦那の仕事の合間とわたしのそれが合わないので困っていたのですが、
どういうわけか、丁度旦那の空き時間にわたしもすっぽり入り込むことができそうな気配むんむん。
とにかく、ふたりでもうちょっと落ち着いて話そうということで、旦那のオフィスのあるビルの1階にあるギリシャ料理店でランチをしました。

そして今日から丁度9ヶ月前に行ったその不動産会社の事務所にわたし達は出向き、10枚以上もの用紙×4枚にサインをし、金額をしっかり書き込み、この金額が低過ぎてダメだったら潔くあきらめようと腹を決め、再び各々の仕事に出かけました。

そして……3人の生徒を教えているところに携帯が鳴り……1回目は無視……またすぐかかってきたのでこりゃ緊急か?と番号を見ると、旦那でした。
「あの金額じゃ低過ぎて話にならんって」
「そう、じゃ、残念やったってことで」
「それが、そうじゃなくて、どっちかっていうと僕らに売りたいっぽくて、けど、その金額じゃもう一方を納得させられへんとかなんとか」
「なんじゃそれ?」
「僕もそう思うけど」
「あのさ、今話されへんから、また後で」

レッスンが終わり、家に戻って頭を整理していると、旦那も戻ってきました。
この状況をどう考えるのか。

とてもいい方に考えた場合。
デブラが売り手に、わたし達のことをかなり強くアピールしてくれたので、金額が異常に低いけれども、売り手はわたし達に売りたいと思った。
けれども、なんぼなんでもその金額ではなあ……と渋りに渋る売り手を見て、デブラがせめて売値で買うことはできないか?と聞いてきた。

とても悪い方に考えた場合。
それらの話はいろいろと作られていて、売値で買わそうとした。

でも……デブラはわたし達の友人です。いくらなんでもそんなことは無いと信じています。
こういう時の緊張は凄まじくて、普段なら絶対に出てこない猜疑心がムクムクと発生してしまいます。なかなかに情けない心境です。

結局、売値で出ていた金額と同じ数字で申し出ることにしました。それでもまあ、その家の周りの家々の評価価格よりう~んと低いのですが……。

さて、明日中に結果が出ます。家を買う権利を得た後は、3日の猶予をもらって、本当に買いたいかどうかを決めます。
買うと決めたら、10日の間に、インスペクターに家の隅から隅まで調べてもらい、問題の有無を書類にまとめてもらいます。
それをもとに、弁護士が、最終的な家の価格と、もし修理が必要ならその費用をどう折半するか、などについて相手側の弁護士と交渉に入ります。

前回は、ここの段階でもめにもめ、夏のバカンスなども重なって、手続きが延びに延びている間に、ドカ~ン!金融危機が勃発したのでした。

かなりの修行を積んだ旦那とわたし。
お家狂想曲、第二章の始まりです。って……まだ風邪がちょっと……なんでこんな日に……でも、人生、こんなもんっすかね



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