海洋汚染については、こちらでもかなり深刻な問題として伝えられ始めてきた。
2年半経っての、やっとやっとのことやけど。
東電の法的な破綻処理をせずに、ごまかしごまかしここまできた。
その間に、すさまじい汚染を抱えた水が、一日欠かさずダダ漏れしてた。
今朝、こちらの新聞で、西海岸で獲れたまぐろは100%、セシウム134と137の汚染が確認されたと書いた記事を読んだ。
今後は、この手のニュースでにぎわうようになるんやろか……。
汚染だけでもえらいことやけど、汚染水でズブズブになってる敷地の地盤もほんまに心配。
大きな地震やのうても、地盤が弱ってたら恐ろしい。
これが緊急やのうていったいなにが緊急や?
まずは収束宣言を取り消し、緊急措置がとれるよう、世界に向けて緊急事態発令を出さなあかんのとちゃうのか?
↓以下、転載はじめ
━━━━━━━━━━
◆ 福島原発を巡る叡智と強欲 ◆
━━━━━━━━━━
原発事故は失政である。
為政者は、失政を隠す言葉に長けている。
だから、原発の「事故」とはいわずに「事象」といい、「老朽化」とはいわずに「高経年化」という。
汚染水の「投棄」とはいわずに「漏洩」という。
「地震」は問題にせず、「津波」や「活断層」を問題にする。
このように、絶えざる洗脳と誘導が、権力とマスメディアからなされているので、油断しているとすぐにだまされる。
あるいは、ちょっと聞いただけではわからない複雑な言葉を、権力が使い出したときも、
国民をだます権力の狡知が働いているので、注意する必要がある。
「敗戦」とはいわずに「終戦」というのも、同じである。
犬HKや御用学者が、しきりに、東電は国有化された、と発言している。
ここに、この紛らわしい名前をつけた、権力の狙いがある。
東電問題の処理の仕方には、ふたつあった。
ひとつは、一時国有化。
法的な破綻処理である。
消費税増税をしなくても、東電の法的な破綻処理(一時国有化)でも、財源はできたのである。
東電の法的な破綻処理をやれば、数兆円が浮いた。
しかし、菅直人(民主党・財務省)はやらなかった。
東電の救済に官僚が考えていたことは、日本政策投資銀行の救済であった。
それは、財務省の、最大の天下り先だったからである。
菅直人なる政治家に、まだ幻想をもっている人がいるが、
彼の市民主義は真っ赤な偽りで、この男は単なる対米隷属で、官僚隷属の権力亡者にすぎない。
もっとわたしたちは、その政治家が、選挙のときに何を言ったかではなくて、何をしたか、で評価する物差しを持たねばならない。
言葉では消費税増税反対といい、行動では逆に、消費税増税を通したのが菅直人であり、野田佳彦であった。
この行動を見て判断すれば、間違わないのである。
もうひとつは、実質国有化。
これは、公的資金(税金)投入による、東電の救済である。
税金を投入して、経営者も株主も銀行も、責任を問われない。
福島県民は放射能汚染地帯に封じ込め、東電は税金で救済する。
これが、実質国有化である。
国民の不満が出ないように、言葉を「実質」の縫箔で覆った。
ふたつの名詞は非常に似ているが、処理の仕方はまったく違っていた。
実質国有化で菅直人がやろうとしたことは、次の2点である。
1. 国民の血税で、東電大株主の東京都や、財務官僚天下り先の日本政策投資銀行、それに、外国の株主を救済する。
2. 原発の事故処理と責任を東電におしつけ、菅直人(政府)は逃げる。
つまり、菅直人が事故直後に東電に乗り込んだとき、実は、事故処理や責任問題から必死に逃げていたのは、菅直人だったのである。
へたをすると、北半球の人類の生存に関わる福島原発事故処理を、一民間会社に押しつけて逃げた、無責任と見識のなさは、今や世界から非難されている。
ところで、水俣病患者の診療に尽力してきた医者で、熊本学園大水俣学研究センター顧問の原田正純が、昨年12月3日の『毎日新聞』で、
「水俣病の失敗に学ぶ原発事故対策とは」として、大切なことを語っている。
そのポイントは、次の9点だ。
1水俣で何をやったかではなく、何を失敗したかを学ぶことが大切。
2福島県で、放射線の健康調査は、10年、20年とやらねばならない。
水俣病は、この追跡調査が実施されなかったため、後にさまざまな問題が起きた。
原発事故では、
「みなさんの不安を取り除くために調査をやりました。異常はありませんでした」と、調査が幕引きに利用されないよう、用心すべきだ。
3健康調査は、きちんとしたデータを基礎に、将来に影響が出た場合、行政が救済する条件とセットでなければならない。
そうしないと、かえって住民の不安をあおることになる。
4行政の方が、問題が起こらないようにどうすればいいか、教訓をよく研究している。
例えば、1970年代に、土呂久鉱山(宮崎県)一帯で、ヒ素中毒事件が問題になった途端、
医師会を動員して調査し、問題はなかったと結論づけた。
栃木、群馬県の渡良瀬川流域などで、明治に起きた足尾鉱毒事件は、
見舞金と引き換えに、被害者は、「子々孫々まで文句はいいません」という契約内容で、水俣病はまるで、そのコピーだった。
5放射線の「安全基準」という言い方は、間違い。
人間にプラスでないのだから、どこまで我慢するかという、「我慢基準」である。
6絶対安全、ということはありえない。
常に、最悪の事態を想定するのが専門家。
「想定外」ということは、科学者が自らの無能を認めることで、責任逃れだ。
7水俣病患者は、病気のせいで差別されると思っていた。
ところが、世界の公害現場を歩くうちに、弱者に対する差別のあるところに、公害というしわ寄せが来ると分かった。
原発も、都会で使う電気が地方でつくられ、廃棄物まで押しつけられる。
8大学や学会は、何なのか。
さらにいえば、学会や専門家を容認してきた国民は何なのか、ということにもつながる。
技術にはプラス面もあるが、廃棄物が出るといったマイナス面も必ずある。
それなのに、札束を使って安全性を振りまいてきた。
政治と科学が一体化して、反対派を抹殺してはならない。
9水俣病は、社会的、経済的、政治的側面があり、極めて複合的な事件だが、「病気だから」と、医学者に丸投げされた。
カナダの水俣病の補償委員会は、医者がいて、被害者代表、法律家、行政が入っている。
日本の審査会は、医者だけだ。
足尾鉱毒事件以降、専門家の委員会が、行政にうまく利用されてきた。
ポイントをまとめたが、以上の9点は、いずれも、今後のわたしたちの脱原発の闘いや運動に、参考になるものばかりだ。
最後の「9」について、わたしの考えを補足する。
再稼働の是非は、原発の地元が決める。
放射能汚染と病気との因果関係は、医者が判断する。
汚染水の海洋投棄は、福島の漁民が判断する。
これまで、このようにして、権力は自分たちの利権を守ってきた。
地元、医者、漁民の頬を金でひっぱたけば、好きなように利権を守ってこられたのだ。
このシステムを、改める必要がある。
再稼働の是非については、たとえば、福井で原発事故が起きれば、琵琶湖が汚染され、それは滋賀、大阪、兵庫の飲み水に関係してくる。
潤沢な利権で、冷静で客観的な判断力を失った地元だけで決めさせるのは、間違っているのだ。
また、被爆者と病気との問題も、行政や医者のほかに、関係の研究機関、医事評論家、法律家、教育者、脱原発の市民活動家を含めて、因果関係を究明する必要がある。
汚染水の海洋投棄については、行政や福島の漁民の他に、消費者団体、放射能汚染と海産物との研究団体、その分野の研究者、法律家、脱原発の市民活動家などの意見を、幅広く聞く必要がある。
一度集まって議論すれば、その大切さがすぐにわかる筈だ。
原発地元は、再稼働賛成。
医者は、被爆者とガンとの因果関係なし。
福島漁民は、汚染水の海洋投棄やむなし。
だから権力は、地元や、利権が絡んだ専門家に決めさせるのである。
現在、わが国の緊急の問題は間違いなく、福島原発の汚染水の問題である。
これについては、わたしたちは、認識を改めなければならないことがある。
それは、福島原発事故直後の、2011年3月の段階で、すでに10万トンも溜まっていた汚染水が、
4月の初めには、その一部が、ピットから海に向かって投棄されていた、ということだ。
これは、テレビでも放映されたので、覚えておられる人も多いと思う。
東電は、一応そこを塞いだのだが、目に見えなくても、地下で汚染水はもう、ダダ漏れだったのである。
このことは、小出裕章も指摘しているので、まだ聞いていない方は、わたしのブログで聞いてほしい。
「報道するラジオ「福島第一原発事故 汚染水の問題」小出裕章」
http://bit.ly/172ti6E
つまり、もう2年半にわたって、汚染水は「漏れてきていた」のである。
急に「漏れだした」のではない。
ブログでも指摘したが、この「ダダ漏れ」であるが、東電の現場は、当然それを知っていたのである。
彼らは毎日、現場にいる人々である。
そして朝から晩まで、現場の状況変化に、気を配る生活を繰り返している。
しかも、事故直後には、韓国などから抗議を受け、外交問題にまで発展した汚染水の投棄である。
東電が、「ダダ漏れ」の継続に、気付かぬ筈はない。
どれほどいい加減な連中かといえば、福島原発のタンクから、300トンの汚染水が「漏れた」問題が、如実に物語る。
東電は、ほとんどのタンク群の周りに、漏水を止めるコンクリート製の堰を作っていた。
そして、その堰に排水弁を作り、その排水弁をすべて開けていたのである。
したがってタンクから漏れ出た汚染水は、排水弁から堰の外に漏れ、その外回りの土のうを越え、海に流れ出た。
おわかりだろうか。
窓を開けっ放しにしてエアコンをつけるようなものだ。
排水弁が開いているのだから、堰を作った意味がないのだ。
東電の社員が、これほどバカであるとは思われない。
わたしはすさまじい汚染水が溜まっても、もはや保管が限界にきていることから、
意図的に排水弁を開けっ放しにして、海に投棄したのだと思っている。
検察が東電に入らなかったので、東電は恐いものなしになっている。
海洋汚染とか、それに関して逮捕者が出るなど、毫も考えていないだろう。
安倍晋三が原発に関して何も語らず、むしろ、海外への原発輸出に積極的なことから、足元を見られているのだ。
結論をいおう。
放射能汚染された地下水の投棄と、タンクからの「漏洩」とは、正確にいえば投棄のことである。
彼らは、皿を割っていて「割りました」とは言わずに、「割れました」と言う人種である。
現在、福島原発の敷地は、「放射能の沼」のような状態になっていると、小出裕章は指摘している。
阪神・淡路大震災でも、ビルが倒壊したり、亀裂の激しかった敷地は、昔、河川があったり、沼や池があった場所である。
つまり、地盤が軟弱なところでは、ビルが転がる。
地震を問題にせず、津波を問題にして、原子力村の利権を守る。
地震を問題にせず、活断層の有無を再稼働の条件にして、原子力村の利権を守る。
どうやら日本のカタストロフィは、1%の人間が、利権確保のために小さく括った地震によって、もたらされることになりそうだ。
その人間の強欲をあざ笑うかのように、福島4号基共用プールは、日夜、不気味な湯気を立てている。
0∞∞0∞∞0∞∞0∞∞0∞∞0∞∞0∞∞0∞∞0∞∞0
あとがき
ご意見、ご感想はツイッターやフェイスブックでください。
お待ちしています。
0∞∞0∞∞0∞∞0∞∞0∞∞0∞∞0∞∞0∞∞0∞∞0
メルマガ『兵頭正俊の知らなきゃ滅ぶニュースの真相』
(無料・ほぼ週刊)
http://bit.ly/n3i2Oc
ブログ「兵頭に訊こう」
URL : http://m-hyodo.com/
E-Mail : novel@muf.biglobe.ne.jp
発行人 :兵頭正俊
↑以上、転載おわり
2年半経っての、やっとやっとのことやけど。
東電の法的な破綻処理をせずに、ごまかしごまかしここまできた。
その間に、すさまじい汚染を抱えた水が、一日欠かさずダダ漏れしてた。
今朝、こちらの新聞で、西海岸で獲れたまぐろは100%、セシウム134と137の汚染が確認されたと書いた記事を読んだ。
今後は、この手のニュースでにぎわうようになるんやろか……。
汚染だけでもえらいことやけど、汚染水でズブズブになってる敷地の地盤もほんまに心配。
大きな地震やのうても、地盤が弱ってたら恐ろしい。
これが緊急やのうていったいなにが緊急や?
まずは収束宣言を取り消し、緊急措置がとれるよう、世界に向けて緊急事態発令を出さなあかんのとちゃうのか?
↓以下、転載はじめ
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◆ 福島原発を巡る叡智と強欲 ◆
━━━━━━━━━━
原発事故は失政である。
為政者は、失政を隠す言葉に長けている。
だから、原発の「事故」とはいわずに「事象」といい、「老朽化」とはいわずに「高経年化」という。
汚染水の「投棄」とはいわずに「漏洩」という。
「地震」は問題にせず、「津波」や「活断層」を問題にする。
このように、絶えざる洗脳と誘導が、権力とマスメディアからなされているので、油断しているとすぐにだまされる。
あるいは、ちょっと聞いただけではわからない複雑な言葉を、権力が使い出したときも、
国民をだます権力の狡知が働いているので、注意する必要がある。
「敗戦」とはいわずに「終戦」というのも、同じである。
犬HKや御用学者が、しきりに、東電は国有化された、と発言している。
ここに、この紛らわしい名前をつけた、権力の狙いがある。
東電問題の処理の仕方には、ふたつあった。
ひとつは、一時国有化。
法的な破綻処理である。
消費税増税をしなくても、東電の法的な破綻処理(一時国有化)でも、財源はできたのである。
東電の法的な破綻処理をやれば、数兆円が浮いた。
しかし、菅直人(民主党・財務省)はやらなかった。
東電の救済に官僚が考えていたことは、日本政策投資銀行の救済であった。
それは、財務省の、最大の天下り先だったからである。
菅直人なる政治家に、まだ幻想をもっている人がいるが、
彼の市民主義は真っ赤な偽りで、この男は単なる対米隷属で、官僚隷属の権力亡者にすぎない。
もっとわたしたちは、その政治家が、選挙のときに何を言ったかではなくて、何をしたか、で評価する物差しを持たねばならない。
言葉では消費税増税反対といい、行動では逆に、消費税増税を通したのが菅直人であり、野田佳彦であった。
この行動を見て判断すれば、間違わないのである。
もうひとつは、実質国有化。
これは、公的資金(税金)投入による、東電の救済である。
税金を投入して、経営者も株主も銀行も、責任を問われない。
福島県民は放射能汚染地帯に封じ込め、東電は税金で救済する。
これが、実質国有化である。
国民の不満が出ないように、言葉を「実質」の縫箔で覆った。
ふたつの名詞は非常に似ているが、処理の仕方はまったく違っていた。
実質国有化で菅直人がやろうとしたことは、次の2点である。
1. 国民の血税で、東電大株主の東京都や、財務官僚天下り先の日本政策投資銀行、それに、外国の株主を救済する。
2. 原発の事故処理と責任を東電におしつけ、菅直人(政府)は逃げる。
つまり、菅直人が事故直後に東電に乗り込んだとき、実は、事故処理や責任問題から必死に逃げていたのは、菅直人だったのである。
へたをすると、北半球の人類の生存に関わる福島原発事故処理を、一民間会社に押しつけて逃げた、無責任と見識のなさは、今や世界から非難されている。
ところで、水俣病患者の診療に尽力してきた医者で、熊本学園大水俣学研究センター顧問の原田正純が、昨年12月3日の『毎日新聞』で、
「水俣病の失敗に学ぶ原発事故対策とは」として、大切なことを語っている。
そのポイントは、次の9点だ。
1水俣で何をやったかではなく、何を失敗したかを学ぶことが大切。
2福島県で、放射線の健康調査は、10年、20年とやらねばならない。
水俣病は、この追跡調査が実施されなかったため、後にさまざまな問題が起きた。
原発事故では、
「みなさんの不安を取り除くために調査をやりました。異常はありませんでした」と、調査が幕引きに利用されないよう、用心すべきだ。
3健康調査は、きちんとしたデータを基礎に、将来に影響が出た場合、行政が救済する条件とセットでなければならない。
そうしないと、かえって住民の不安をあおることになる。
4行政の方が、問題が起こらないようにどうすればいいか、教訓をよく研究している。
例えば、1970年代に、土呂久鉱山(宮崎県)一帯で、ヒ素中毒事件が問題になった途端、
医師会を動員して調査し、問題はなかったと結論づけた。
栃木、群馬県の渡良瀬川流域などで、明治に起きた足尾鉱毒事件は、
見舞金と引き換えに、被害者は、「子々孫々まで文句はいいません」という契約内容で、水俣病はまるで、そのコピーだった。
5放射線の「安全基準」という言い方は、間違い。
人間にプラスでないのだから、どこまで我慢するかという、「我慢基準」である。
6絶対安全、ということはありえない。
常に、最悪の事態を想定するのが専門家。
「想定外」ということは、科学者が自らの無能を認めることで、責任逃れだ。
7水俣病患者は、病気のせいで差別されると思っていた。
ところが、世界の公害現場を歩くうちに、弱者に対する差別のあるところに、公害というしわ寄せが来ると分かった。
原発も、都会で使う電気が地方でつくられ、廃棄物まで押しつけられる。
8大学や学会は、何なのか。
さらにいえば、学会や専門家を容認してきた国民は何なのか、ということにもつながる。
技術にはプラス面もあるが、廃棄物が出るといったマイナス面も必ずある。
それなのに、札束を使って安全性を振りまいてきた。
政治と科学が一体化して、反対派を抹殺してはならない。
9水俣病は、社会的、経済的、政治的側面があり、極めて複合的な事件だが、「病気だから」と、医学者に丸投げされた。
カナダの水俣病の補償委員会は、医者がいて、被害者代表、法律家、行政が入っている。
日本の審査会は、医者だけだ。
足尾鉱毒事件以降、専門家の委員会が、行政にうまく利用されてきた。
ポイントをまとめたが、以上の9点は、いずれも、今後のわたしたちの脱原発の闘いや運動に、参考になるものばかりだ。
最後の「9」について、わたしの考えを補足する。
再稼働の是非は、原発の地元が決める。
放射能汚染と病気との因果関係は、医者が判断する。
汚染水の海洋投棄は、福島の漁民が判断する。
これまで、このようにして、権力は自分たちの利権を守ってきた。
地元、医者、漁民の頬を金でひっぱたけば、好きなように利権を守ってこられたのだ。
このシステムを、改める必要がある。
再稼働の是非については、たとえば、福井で原発事故が起きれば、琵琶湖が汚染され、それは滋賀、大阪、兵庫の飲み水に関係してくる。
潤沢な利権で、冷静で客観的な判断力を失った地元だけで決めさせるのは、間違っているのだ。
また、被爆者と病気との問題も、行政や医者のほかに、関係の研究機関、医事評論家、法律家、教育者、脱原発の市民活動家を含めて、因果関係を究明する必要がある。
汚染水の海洋投棄については、行政や福島の漁民の他に、消費者団体、放射能汚染と海産物との研究団体、その分野の研究者、法律家、脱原発の市民活動家などの意見を、幅広く聞く必要がある。
一度集まって議論すれば、その大切さがすぐにわかる筈だ。
原発地元は、再稼働賛成。
医者は、被爆者とガンとの因果関係なし。
福島漁民は、汚染水の海洋投棄やむなし。
だから権力は、地元や、利権が絡んだ専門家に決めさせるのである。
現在、わが国の緊急の問題は間違いなく、福島原発の汚染水の問題である。
これについては、わたしたちは、認識を改めなければならないことがある。
それは、福島原発事故直後の、2011年3月の段階で、すでに10万トンも溜まっていた汚染水が、
4月の初めには、その一部が、ピットから海に向かって投棄されていた、ということだ。
これは、テレビでも放映されたので、覚えておられる人も多いと思う。
東電は、一応そこを塞いだのだが、目に見えなくても、地下で汚染水はもう、ダダ漏れだったのである。
このことは、小出裕章も指摘しているので、まだ聞いていない方は、わたしのブログで聞いてほしい。
「報道するラジオ「福島第一原発事故 汚染水の問題」小出裕章」
http://bit.ly/172ti6E
つまり、もう2年半にわたって、汚染水は「漏れてきていた」のである。
急に「漏れだした」のではない。
ブログでも指摘したが、この「ダダ漏れ」であるが、東電の現場は、当然それを知っていたのである。
彼らは毎日、現場にいる人々である。
そして朝から晩まで、現場の状況変化に、気を配る生活を繰り返している。
しかも、事故直後には、韓国などから抗議を受け、外交問題にまで発展した汚染水の投棄である。
東電が、「ダダ漏れ」の継続に、気付かぬ筈はない。
どれほどいい加減な連中かといえば、福島原発のタンクから、300トンの汚染水が「漏れた」問題が、如実に物語る。
東電は、ほとんどのタンク群の周りに、漏水を止めるコンクリート製の堰を作っていた。
そして、その堰に排水弁を作り、その排水弁をすべて開けていたのである。
したがってタンクから漏れ出た汚染水は、排水弁から堰の外に漏れ、その外回りの土のうを越え、海に流れ出た。
おわかりだろうか。
窓を開けっ放しにしてエアコンをつけるようなものだ。
排水弁が開いているのだから、堰を作った意味がないのだ。
東電の社員が、これほどバカであるとは思われない。
わたしはすさまじい汚染水が溜まっても、もはや保管が限界にきていることから、
意図的に排水弁を開けっ放しにして、海に投棄したのだと思っている。
検察が東電に入らなかったので、東電は恐いものなしになっている。
海洋汚染とか、それに関して逮捕者が出るなど、毫も考えていないだろう。
安倍晋三が原発に関して何も語らず、むしろ、海外への原発輸出に積極的なことから、足元を見られているのだ。
結論をいおう。
放射能汚染された地下水の投棄と、タンクからの「漏洩」とは、正確にいえば投棄のことである。
彼らは、皿を割っていて「割りました」とは言わずに、「割れました」と言う人種である。
現在、福島原発の敷地は、「放射能の沼」のような状態になっていると、小出裕章は指摘している。
阪神・淡路大震災でも、ビルが倒壊したり、亀裂の激しかった敷地は、昔、河川があったり、沼や池があった場所である。
つまり、地盤が軟弱なところでは、ビルが転がる。
地震を問題にせず、津波を問題にして、原子力村の利権を守る。
地震を問題にせず、活断層の有無を再稼働の条件にして、原子力村の利権を守る。
どうやら日本のカタストロフィは、1%の人間が、利権確保のために小さく括った地震によって、もたらされることになりそうだ。
その人間の強欲をあざ笑うかのように、福島4号基共用プールは、日夜、不気味な湯気を立てている。
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あとがき
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お待ちしています。
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↑以上、転載おわり