ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

おかあさん、だからわたしはわるいにほんじんなの?政府公報『日本の子供達に本当の歴史を教えよう!』

2014年03月07日 | 日本とわたし
ツィッターで知らせていただいたので、追記しておきます。

http://yongohingo.blogspot.jp/2013/04/blog-post_16.html

↑この記事中に掲載されている写真のポスターには、
ごぜんぞさまは』と書かれてあり、誤字探しとして使われたということでした。

そして、ポスター内のピンクのランドセルを背負った女の子の写真は、 http://pacific8.net/2011/11/から抜き取られたということです。

このポスターが、ネット内で出回ったのは、去年の4月の中旬で、その後も多分、わたしが見つけたように、ちょこちょこと流されているのだと思います。

いずれにせよ、今回は、『ごぜんぞ』が『ごせんぞ』と、正しい平仮名に変わっており、誰かがわざわざ変えて再度流しているものをわたしは見て、驚いて記事にしたということです。

出所をきちんと調べずに、とりあえず疑問の形で書いたとはいえ、偽物を取り上げ記事に書き、公表したことは軽卒でした。
すみませんでした。

↓以下は、元々の記事です。

これは、誰かがいたずらで作ったものでしょうか?

それとも、本当に、政府が広報として作成したものでしょうか?

わたしはまず、それが知りたいです。

そしてもし、万が一、これが本物であるのなら……。

いったい政府は、日本の国民に、何を言いたいのでしょうか。

いったい政府は、日本の国民に、何を言わせたいのでしょうか。

まともな教育(例えば歴史の時間など)も与えずに、まんべんなく、うっすらと、幻想と嘘をしみ込ませて、

気づかないよう、気づかれないよう、現実を誤摩化してきたくせに。

そしてもうひとつ、言わせてもらいます。

この、稚拙極まりない、物事に対する問いかけと書き方は、
今の政府の、もしかすると今までの政府の、まさに姿そのものであるので、
軽い吐き気を覚えます。

もしこれが、いたずらではなく、実際に、日本政府の広報として出されているのなら。




わたしのごせんぞさまは

わるいことをしたの?

おかあさん、だからわたしは

わるいにほんじんなの?

あなたは、お子様にどう答えますか?


政府広報
日本の子供達に本当の歴史をおしえよう!
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「特攻は美しいことではなく、残酷で、二度とあってはいけないこと」大竹しのぶさん

2014年03月05日 | 日本とわたし


特攻隊の人たちは、自分が死ぬことで、(戦争を)やめてくれ、という思いだったと思う。

安倍総理は、『御霊をねぎらうのがなぜいけないのですか』ということをおっしゃっていた。

しかし、特攻は、美しいことではなく、残酷で、二度とあってはいけないこと。

それを、もっともっと知らせることのほうが、大切なのではないでしょうか。

無知な人間の妄想ほど、おそろしいものはないわ。

私たちが、どんな思いで生きてきたか、
どこで間違って、どこでその間違いから出直したか、

今のうちに書いておかなくてはね。

私たちが、自分で地獄をつくったということを。


大竹しのぶ


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「戦争しても損」と理性に訴え説得する器量もなく、戦争ゴッコをやりたくて仕方がない首相は誰でせう?

2014年03月05日 | 日本とわたし
金吾さんから教えてもらった、2分でわかる!『集団的自衛権』
この動画は実は、ぜんぶで6分です。
6分だって余裕がない!という超多忙の方は、動画の下に書き起こした内容を載せましたので、ササッと読んでみてください。
そして後で、時間を見つけて、その次に載せた『集団的自衛権を考える超党派の議員と市民の勉強会』においての、
元内閣官房副長官補・柳澤協二氏による解説を、じっくり読んでみてください。

日本が、いかに愚かな、戦争オタクの男に振り回されているかが、よぉ~く分かります。




最近ニュースで、『集団的自衛権』って言葉をよく聞くんだけど……。
必要なのかしら?
総理大臣はなんて言ってるの?

『個別的自衛権だけで、国民の生存を守り、国家の存立を全うできるのか。
弾道ミサイルなどの脅威が、容易に国境を乗り越え、瞬時にわが国にやってくる時に、集団的自衛権が必要ないのか』
(2013年12月17日安倍首相の発言)


ほら、北朝鮮とか怖いし、安倍首相も必要だって言っているし、やぱり必要なんじゃない?みたいな。

いやいや、もう少し詳しく知っておきたいよ。
わたしたち、一応主権者だし。
テキトーに政治家に任せて、取り返しがつかなくなったら、子どもの世代に申し訳ないし。
私たちとは関係なさそうで、でも本当は、予防接種どうする?とかと同じくらい、身近な話だと思うの~。

そんなあなたと、集団的自衛権の、ほぼA to Z、見てみましょう!

①個別的自衛権
個別的自衛権とは?
国家が、自国に対する武力攻撃を、実力をもって阻止する権利
(日本国憲法の下で、個別的自衛権を行使できるかについて、意見は分かれています)

②集団的自衛権
集団的自衛権とは?
自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利
(政府見解)

Q1. 尖閣諸島を守ったり、北朝鮮から攻撃されたりした時に、集団的自衛権が行使できなきゃ、何もできないんでしょう?

いやいや、日本が直接攻撃された場合には、集団的自衛権なんて関係のない話だよ。
日本が反撃するかどうか、という(個別的自衛権の)問題だよ。

Q2. 北朝鮮からアメリカに、ミサイルが発射されたら、日本は同盟国だし、上空を飛ぶミサイルは撃ち落とすべきなんじゃない?

地球儀を見てみて。
万が一そんなミサイルが発射されても、日本の上空はかすめないんだ。
そもそも、ものすごいスピードで飛んでるミサイルを、迎撃するなんていう技術は、開発できてないしね。
技術的にとても困難なんだ。

Q3. 集団的自衛権を行使するのは、同盟国がひどい侵略をうけて、国連とか国際社会全体が、非難しているような時なんでしょう?

自民党が提案している『国家安全保障基本法』案では、集団的自衛権の行使の場面は、そんな限定的なケースだけではなく、いくらでも拡大できる文章になっているの。
だから、国連や国際社会から、批判されるような軍事行動に、日本が集団的自衛権の名の下に、参加することも有り得るんだよ。

Q4. 集団的自衛権って、今までだと、外国はどんな時に行使しているの?

国際的には批判の多い、アメリカのベトナム戦争や、ソ連のチェコ侵攻は、集団的自衛権行使が名目だし、
アフガン戦争では、侵略行為もしていないアフガンに、NATOが、集団的自衛権を理由に、武力行使したし。
結局、集団的自衛権は、『戦争を始めるための口実』になっているんだ。

Q5. 集団的自衛権の行使は、憲法9条(戦争放棄)があっても認められるとか、政府の人が最近言ってなかった?

戦後68年間ずーっと、政府は、
「戦争放棄を宣言している、憲法第9条がある以上、集団的自衛権の行使は認められない」って考えてきた。
でも、安倍さんが首相になってから、自民党は突然、「その考えを変える」って言い出したんだ。
だから、「集団的自衛権の行使を認める」ということは、実質的には、憲法を変えるのと同じことなの。
9条は、意味がなくなるってこと。

いろいろ詳しく見てくと、なんか思ってたのと違うよね。
っていうか……私たちにとって必要なの、これ?

これって、震災復興とかを後回しにしてまで、急ぐことなの?
それに、憲法を変えるってことなら、きちんと改正の手続きを踏むべきじゃないかしら?

『戦争できる国』

人が殺されたり、殺したりする国にするのか。
私たちがみんなで、じっくり議論して決めるべきこと
じゃないかしら。

イラスト・大島史子
監修・浦田一郎(明治大学教授)


「安倍総理が集団的自衛権の行使をしたいのは、単に『やりたいから』」元内閣官房副長官補・柳澤協二氏
2014/02/28


安倍内閣が、閣議決定で、「集団的自衛権の行使」を容認できるよう、憲法解釈を変更しようとしている問題で、
これに反対する超党派の議員らが、2月27日、第二回目となる「集団的自衛権を考える超党派の議員と市民の勉強会」を開催した。
この日、講師として招かれた、元内閣官房副長官補の柳澤協二氏は、
「日本がこれからどういう道を歩むべきか。安倍さんから粗雑な問題提起を受けた」と安倍総理を批判。
元防衛官僚としての経験を踏まえ、集団的自衛権をめぐる米国、アジアの動きを解説した。


■安倍総理が、集団的自衛権の行使をしたいのは、単に「やりたいから」

「安倍さんは一体、なにをしたいんですかね」――。

改憲や集団的自衛権の行使に前向きな、安倍総理の思考について、記者からよく聞かれるという柳澤氏。
「考えてみた結果、行き着いた結論は、ようするに『やりたいから』ってことでしか説明できないんです」。

では、なぜ、そんなことを「やりたい」のか。
2004年に出版された、安倍晋三・岡崎久彦著『この国を守る決意(扶桑社)』の中で、
「岸総理は、米国の防衛義務を書き込んだ、今の安保条約の改訂をやった。
では、私の世代の歴史的使命は何かというと、集団的自衛権によって、米国との双務性を、完全なものにしていくことだ」と説明している。
この記述を見たときに、「これが理由だ」と悟った、と柳澤氏は言う。

「つまり、やはり、『やりたいから』
『尖閣が』、『日本の防衛が』というが、そういう理由はなんであれ、その時々にとってつければいいので、
結局、これ(集団的自衛権の行使容認)をやりたい、というのが本命なんだろう」

「個別的自衛権」で、日本を防衛できるにも関わらず、なぜ「集団的自衛権」を行使する必要があるのか
この点について、安倍総理が、合理的な動機を持ち合わせているとは思えず、ただ「やりたいからだ」と、柳澤氏は繰り返し強調した。



■日本の集団的自衛権の行使容認について、米国は

日本の「集団的自衛権の行使」は、米国の期待ともそぐわない可能性もある。
「アメリカの注文に応じてやっているのだろうか。私の防衛官僚としての実務経験から言っても、ピンとこない」と柳澤氏は語る。
1997年に、審議官として、自身が直接担当した「日米防衛協力のための指針の改訂」の際のやりとりを振り返った。

「この時の前提は、日本の憲法解釈を変えない、という前提で作業していた。
戦闘している地域とは、一線を画す後方地域で、戦闘行為でない支援をやる、ということで項目を整備した。
これについて米国の人たちは、
集団的自衛権に踏み込んではいないが、大変これで満足している。
日本が何をしてくれるかが具体的にわかったから、米国はなにを準備すればいいかわかった
』と言って評価してくれた。
当面、同盟協力に困ることはないと思った」

その後、アフガン戦争、イラク戦争が起こった。
当時、柳澤氏は、「内閣官房副長官補」として対応にあたった。
自衛隊は、インド洋で、米軍の艦船に対して、洋上で補給支援をし、復興支援活動をするため、イラクにも派遣された。
「同じ軍事的リスクを共有するという意味で、『ようやく本格的な同盟になってきた』と評価された。
日米同盟は『Better than ever』、過去のどんな時代よりもいい関係になる、と言われていた」と当時を振り返った。

しかし、小泉純一郎氏から安倍晋三氏へ総理が代わった06年。
自衛隊がサマワから撤収し、「Better than ever」の関係を続けるためにも、
「カタチ」ばかりの協力でなく、もっと本気で協力してくれ、という話が、非公式で米国からあった。
これを受け、第一次安倍内閣は、安保法制懇を立ち上げた。
「ここまでは、『対テロ戦争』を掲げた当時の米国の利害にもマッチし、論理的な整合性はあった」と柳澤氏はいう。

しかし今では、米国は、オバマ政権に変わり、「対テロ戦争」から完全撤退しようとしている
そして米中は、新たな大国関係を模索している。
星条旗新聞は、尖閣をめぐる日中韓の紛争を指し、「無人の岩をめぐる争いに、巻き込まないでくれ」と苦言を呈した。
「これが米軍の本音だと思う。こういう状況下で、以前と同じ議論が出てきているのは不思議だ」と柳澤氏は述べ、
「集団的自衛権の行使」の容認は、米国との利害関係にも矛盾すると指摘した。


■日本が期待されているのは「アジアの軍事的リーダー」ではない

「集団的自衛権」とは、主に米国やソ連が行使してきた、いわば大国による中小国への軍事介入の口実である。

安倍総理は、前述の、『この国を守る決意』の中で、
アジア諸国は、安全保障についても役割を果たし、中国の進出というプレッシャーの中で、日本が存在感を示すことでバランスを取るよう期待している」
といった旨の見解を示している。
しかし、現実に、アジア諸国は、日本にそのように求めているのか。 

柳沢氏は、
「今、中国と、領土問題で対決しているフィリピンは、日本や米国の船に、もっと来てくれるよう求めているが、
アジア諸国が、日本に求めるのは何か
日本自身、3つの領土問題を抱えており、これをどうやって軍事的衝突なしで解決していくか、というお手本になることを期待されているのだと思う」と述べ、
安倍総理の狙いは、現実と食い違っているとの見解を示した。


■安倍総理の想定する「集団的自衛権の発動シーン」は、どれも非現実的

集団的自衛権の行使の必要性を訴えるため、安倍総理は、いくつかの具体例を提示している。

2月10日の衆院予算委員会では、北朝鮮を例に、
1.「北朝鮮が米国を攻撃した際、北朝鮮に武器弾薬が運ばれているのを阻止できるのに、阻止しなくていいのか」
2.「将来、技術的に可能になった場合、グアムやハワイに向かっていくミサイルを撃ち落とす能力があるのに、撃ち落とすことができないのか」
などと述べ、
「(集団的自衛権が行使)できないということの中で、日米同盟が危うくなる」とした。


柳沢氏は、
1.の場合、北朝鮮への武器や弾薬が運ばれるのは「中国経由」であり、搬入を阻止することは困難であるとし、
2.の場合も、そもそも米国には、抑止力が備わっており
そうでなくても、グアムやハワイへミサイルが飛んで行く前に、在日米軍基地が攻撃され、日本国内は「有事」になっているだろうと指摘。

安倍総理の具体例は、「非現実的」であると一蹴した。


■国民のコンセンサスを取るのは、民主主義国家のコスト

講演で柳沢氏は、自身の立憲主義の解釈も語った。

「憲法というのは、『国民が政府に与えた権限は、ここまでだよ』と例示することが役割だ。
政府が、自分を縛る方向に解釈を見直すことができても、政府が、自らより自由にやれるように拡大する解釈、広げる見直しは、近代国家の立憲主義として許されない

こうした柳沢氏のような意見に対し、「それでは有事に間に合わない」と話す識者もいる、と柳沢氏は紹介。
これについて、
「憲法96条には、(改憲には)『3分の2発議』、という手続きがある。
国民のコンセンサスを取るのは、民主主義国家のコストだ。
それを覚悟なく、『国は守るが、民主主義は守らない』などと言っていたのでは、民主主義の根幹に関わる問題だ」
と反論し、
民主主義国家における手続きの重要性をもって強調した。


■政府は、国家の理性の代弁者。国民の熱狂をいかに沈めるを考えなければいけない

「日本がこれから、どういう道を歩むべきか。安倍さんから、粗雑な問題提起を受けた」

最後に柳沢氏は、安倍総理をこう皮肉り、今後の日本の取るべき道を示した。

『戦争論』を執筆した、ドイツの軍事学者カール・フォン・クラウゼヴィッツ氏は、
「政府」、「軍隊」、「国民の熱狂」の三位一体が揃った時に、戦争が始まる、と論じた。

柳沢氏は、
政府が、国家の理性の代弁者でなければならない
国民の熱狂を、いかに沈めるかを考えなければいけないのに、日中両政府は、国民を煽ることしかやっていない」と批判した。

国土を防衛できる程度の抑止力は必要だが、抑止力を維持するためには、常に相手より強くならなければならず、上を目指せば際限がない。
これを「安全保障のジレンマ」という。
そう柳沢氏は説明し、
「抑止が必要でも、どこかでコントロール必要。
抑止だけが安保戦略ではない
『戦争しても損だ』と理性に訴え、説得するのも重要な手段だ。
そして、『妥協』というのも立派な戦略だ。
北方領土を巡ってソ連とやっているのは、妥協。
負けたふりをして、勝てばいい
こうしたやり方を、安全保障の戦略として、取り入れていく必要あるのではないか」
と提案した。
(IWJ 原佑介)
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わたしたちは、これまで通りこれからも、金の亡者らが作った神話にずっとずっとだまされ続けたいのか?

2014年03月04日 | 日本とわたし
原発の再稼働?
この3つのビデオ↓を観てもなお、そう言える、そう思える人は、もう救い様がないほどに病んでいる!


2年前の今頃、このビデオを見つけました。
観てみて、あまりの内容に胸を突き動かされ、一日かけて文字起こしをしました。
それを、『原子力ムラに閉じ込められ、不安と恐怖を身ごもったまま人生を終わりとうなかったら、知れ!闘え!』という記事にして載せました。

つい先日、金吾さんが、この続きのビデオを、文字起こしとともに、彼のブログに掲載してくれていたのを知りました。
続きだけを載せようかと思ったのですが、これはやはり、はじめのものから続けて、何度でも観てもらいたいと思い直し、もう一度、パート1から載せさせてもらいます。





映像の中に、3月11日に起きた地震と津波の映像が含まれています。
数分間ですが、もし観ることで体調や心に負担がかかると思われる方は、その間だけ画像から目を離すなどしていただければと思います。
ごめんなさい。

以下、文字起こし。

『我々は放射能から身を守り、警察から外人と見破られないよう、防護服を着こんだ。
汚染され、破壊した原発が立っているのは、立ち入り禁止区域だ。
そこに連れて行ってくれることになっている、男性と落ち合った。
なにが本当にそこで起きているか、彼に見せてもらうためだ。
ナカ・ユキテル氏は原子力分野のエンジニア会社の社長で、もう何十年間も、原発サイトに出向いて働いてきた。
フクシマでも、だ。
私たちは見破られず、無事チェックポイントを通過した。
作業員たちが作業を終え、原発から戻ってきたところだった。
3月11日に起こったことは、これから日本が遭遇するかもしれぬことの、前兆に過ぎないのかもしれないことが、次第にわかってきた。
そして、その危険を理解するには、過去を理解することが必要だ。
 
私たちは、立ち入り禁止区域の中、事故の起きた原発から、約7キロ離れたところにいる。
ナカ氏は、ここで生活をし、福島第一と、福島第二の間を、股にかけて仕事をしてきた。
ナカ氏と彼の部下は、何年も前から、原発の安全性における重大な欠陥について、注意を喚起してきた。
しかし、誰も耳を貸そうとしなかった。

ナカ氏
「私の話を聞いてくれた人はほんのわずかな有識者だけで、その人たちの言うことなど、誰も本気にしません。
日本では、その影響力の強いグループを、呼ぶ名前があります。
原子力ムラ、というのです。
彼らの哲学は、経済性優先です。
この原子力ムラは、東電、政府、そして大学の学者たちでできています。
彼らが、重要な決定を、すべて下すのです。


私たちは、東京で、菅直人と独占インタビューした。
彼は、事故当時首相で、第二次世界大戦以来、初の危機に遭遇した日本を、リードしなければならなかった。
彼は、唖然とするような内容を、次々に語った。
たとえば、首相の彼にさえ、事実を知らせなかったネットワークが、存在することを。
マスメディアでは、彼に対する嘘がばらまかれ、彼は辞任に追い込まれた。
彼が、原子力ムラに対抗しようとしたからである。

菅氏
最大の問題点は、3月11日が起こるずっと前に、しておかなければいけないものがあったのに、何もしなかったことです。
原発事故を起こした引き金は、津波だったかもしれないが、当然しておくべき対策をしなかったことが、問題なのです。
この過失は、責任者にあります。
つまり、必要であったことをしなかった、という責任
です」

では、原発事故の原因は、地震と津波ではなかったのか?
原子力ムラの足跡を辿っていくと、嘘、仲間意識と犯罪的エネルギーの、網の目に遭遇する。
調査は、2つの大陸にまたがった。
まず、カリフォルニアに飛んだ。
目的地は、サン・フランシスコである。
私たちは、ある男性と、話を聞く約束をしていた。
彼は長年、原子炉のメンテナンスの仕事で、フクシマにも何度も来ており、かなり深刻なミスや事故を、東電が隠蔽するのに遭遇した。
フクシマの第1号原子炉は、70年代初めに、アメリカのジェネラルエレクトリック社が建設し、それ以来、アメリカのエンジニアが、点検を行ってきた。
そして、フクシマでは、何度も問題があった。

ドイツZDF記者
「東電は、点検後、なにをあなたに求めたのですか?」

スガオカ氏
「亀裂を発見した後、彼らが私に言いたかったことは、簡単です。
つまり、黙れ、ですよ。
何も話すな、黙ってろ、というわけです。
問題があるなど許されない。
日本の原発に、問題など想定されていない


アメリカのエンジニア、ケイ・スガオカ氏も、それを変えようとすることは、許されなかった。

スガオカ氏
「1989年のことです。
蒸気乾燥機で、ビデオ点検をしていて、そこで、今まで見たこともないほど大きい、亀裂を発見しました」

スガオカ氏と同僚が発見したのは、それだけではない。

スガオカ氏
原子炉を点検している同僚の目が、みるみる大きくなったと思うと、彼がこう言いました。
蒸気乾燥機の向きが、反対に取り付けられているぞ、と


もともと、この原発の中心部材には、重大な欠陥があったのだ。
スガオカ氏は、点検の主任だったので、正しく点検を行い、処理をする責任があったのだが、彼の報告は、東電の気に入らなかった。

スガオカ氏
私たちは、点検で、亀裂を発見しましたが、東電は私たちに、ビデオでその部分を消すよう、注文しました。
報告書も書くな、と言うのです。
私は、サインしか、させてもらえませんでした。
私が報告書を書けば、180度反対に付けられている、蒸気乾燥機のことも、報告するに決まっている、と知っていたからです


ドイツZDF記者
「では、嘘の文書を書くよう、求めたわけですか?」

スガオカ氏
「そうです、彼らは我々に、文書の改竄を要求しました

スガオカ氏は、仕事を失うのを怖れて、10年間黙秘した。
GE社に解雇されて初めて、彼は沈黙を破り、日本の担当官庁に、告発した。
ところが、不思議なことに、告発後何年間も、なにも起こらなかった。
日本の原発監督官庁は、それをもみ消そうとした
のだ。

2001年になってやっと、スガオカ氏は、「同士」を見つけた。
それも、日本のフクシマで、である。
18年間、福島県知事を務めた、佐藤栄佐久氏は、当時の日本の与党、保守的な自民党所属だ。
佐藤氏は、古典的政治家で、皇太子夫妻の旅に、随行したこともある。
始めは彼も、原発は、住民になんの危険ももたらさない、と確信していた。
だが後に、その信頼を、どんどん失っていった。

佐藤氏
福島県の、原発で働く情報提供者から、約20通ファックスが届き、その中には、スガオカ氏の告発も入っていました。
経産省は、その内部告発の内容を確かめずに、これら密告者の名を、東電に明かしました。

それからわかったことは、私も、初めは信じられませんでした。
東電は、報告書を改ざんしていた、というのです。
それで私は、新聞に記事を書きました。
そんなことをしていると、この先、必ず大事故が起きる、と」

それでやっと、官僚たちも、なにもしないわけにはいかなくなり、17基の原発が、一時停止に追い込まれた。
調査委員会は、東電が、何十年も前から、重大な事故を隠蔽し、安全点検報告で、データを改竄してきたことを、明らかにした。
それどころか、フクシマでは、30年も、臨界事故を隠してきた
という。
社長・幹部は、辞任に追い込まれ、社員は懲戒を受けたが、皆新しいポストをもらい、誰も起訴されなかった。
一番の責任者であった、勝俣恒久氏は、代表取締役に任命された。
彼らは、佐藤氏に、報告書の改竄に対し謝罪したが、佐藤氏は安心できず、原発がどんどん建設されることを懸念した。
そこで佐藤氏は、日本の原発政策という、「暗黙のルール」に違反してしまった。

2004年に、復讐が始まった。
佐藤氏「12月に、不正な土地取引の疑いがある、という記事が、新聞に載りました。
この記事を書いたのは、本来は、原発政策担当の記者でした。
この疑惑は、完全にでっち上げでした。
弟が逮捕され、首相官邸担当の検察官が、一時的に福島に送られて、検事を務めていた。
彼の名は、ノリモトという名で、『遅かれ早かれ、お前の兄の知事を抹殺してやる』と、弟に言ったそうです。
事態は更に進み、県庁で働く200人の職員に、圧力がかかり始めました。

少し、私の悪口を言うだけでいいから、と。
中には2、3人、圧力に耐え切れずに、自殺をする者さえ出ました。
私の下で働いていた、ある部長は、いまだ意識不明のままです


それで、同僚や友人を守るため、佐藤氏は辞任した。
裁判で、彼の無罪は確定されるが、しかし、沈黙を破ろうとした「邪魔者」は、こうして消された。
これが、日本の社会を牛耳る、大きなグループの復讐だった。
そしてこれこそが、日本で、『原子力ムラ』と呼ばれるグループである。

菅氏
ここ10~20年の間、ことに、原子力の危険を訴える人間に対する、あらゆる形での圧力が、非常に増えています。
大学の研究者が『原発には危険が伴う』などとでも言おうものなら、出世のチャンスは、絶対に回ってきません。
政治家は、あらゆる援助を、電力会社などから受けています。
しかし、彼らが、原発の危険性などを問題にすれば、そうした援助は、すぐに受けられなくなります。
反対に、原発を推進すれば、多額の献金が入り込みます。
それは、文化に関しても同じで、スポーツやマスコミも含みます。
このように、網の目が細かく張りめぐらされて、原発に対する批判が、まったくなされない環境が、作り上げられてしまいました。
ですから、原子力ムラというのは、決して小さい領域ではなくて、国全体にはびこる問題なのです。
誰もが、この原子力ムラに、閉じ込められているのです


東電から、献金を受け取っている、100人以上の議員に、菅首相は立ち向かった。
その中には、前の首相もいる。
やはり、彼と同じ、政党所属だ。
ネットワークは、思う以上に大きい。
多くの官僚は、定年退職すると、電事業関連の会社に、再就職する。
1962年以来、東電の副社長のポストは、原発の監査を行うエネルギー庁の、トップ官僚の指定席だ。
これを、日本では、『天下り』と呼んでいる。
しかし、反対の例もある。
東電副社長だった、加納時男氏は、当時与党だった自民党に入党し、12年間、日本のエネルギー政策を担当し、それからまた、東電に戻った。
このネットワークについて、衆議院議員の、河野太郎氏と話した。
河野氏の家族は、代々政治家で、彼の父も外相を務めた。
彼は、第二次世界大戦後、日本を約60年間に渡り支配した、自民党に所属している。
原発をあれだけ、政策として推進してきたのは、自民党である。

河野氏
誰も、日本で、原発事故など起こるはずがない、と言い続けてきました。
だから、万が一のことがあったらどうすべきか、という準備も、一切してこなかったのです。
それだけでなく、原発を立地する地方の行政にも、危険に対する情報を、なにひとつ与えてこなかった。
いつでも、お前たちは、なにも心配しなくていい。万が一のことなど、起こるはずがないのだから、と。
彼らはずっと、この幻想をばらまき、事実を歪曲してきた。

そして今やっと、すべて嘘だったことを、認めざるを得なくなったのです」

この雰囲気(虚構?)が、2011年3月11日に壊れた。
日本が、これまでに遭遇したことのない、大事故が起きたからだ。
14時46分に、これまでの中で最大規模の、地震が襲った。
マグニチュード9だった。
しかし、地震は、太平洋沖で始まった、その後のホラーの引き金に過ぎなかった。
時速数百キロという、激しい波が、津波となって、日本の東部沿岸を襲った。
津波は、場所によっては、30メートルの高さがあり、町や村をのみこみ、消滅させてしまった。
約2万人の人々が、この津波で、命を失った。

そして、福島第一にも、津波が押し寄せた。
ここの防波堤は、6メートルしかなかった。
津波の警告を本気にせず、処置を取らなかった、東電や原発を監査する当局は、警告を無視しただけでなく、立地場所すら、変更していたのだ。

菅氏
「もともとは、原発は、35mの高さに建てられる予定でした。
しかし、標高10mの位置で、掘削整地し、そこに、原発を建設したのです。
低いところの方が、冷却に必要な海水をくみ上げやすい、という理由で。
東電がはっきり、この方が、経済的に効率が高い、と書いています

巨大な津波が、地震で損傷を受けた福島第一を、完全ノックアウトした。
まず電源が切れ、それから非常用発電機が、津波で流されてしまった。
あまりに低い場所に、置いてあったからである。
電気がなければ、原子炉冷却はできない。

菅氏
「法律では、どの原発も、非常用電源センターを用意することが、義務付けられています。
福島第一では、その電源センターが、原発から5キロ離れたところにあります。
これは、津波の後、1分と機能しなかった。
それは、職員が、地震があったために、そこにすぐたどりつけなかったからです。
それで、電源は失われたままでした。
こうして、送電に必要な器具は、すべて作動しませんでした。
つまり、非常用電源センターは、本当の非常時に、なんの機能も果たさなかった、ということです。
法律では、原発事故と地震が、同時に起こるということすら、想定していなかったのです」

菅直人はこの時、原発で起こりつつある非常事態について、ほとんど情報を得ていなかった。
首相である彼は、テレビの報道で初めて、福島第一で、爆発があったことを、知ることになる。

菅氏
「東電からは、その事故の報道があって、1時間以上経っても、なにが原因で、どういう爆発があったのかという説明が、一切なかった。
あの状況では、確かに、詳しく究明することは、難しかったのかもしれないが、
それでも東電は、状況を判断し、それを説明しなければいけなかったはずです。
しかし、それを彼らは、充分に努力しませんでした」

2011年3月15日、災害から4日経ってもまだ、東電と保安院は、事故の危険を、過小評価し続けていた
しかし東電は、菅首相に内密で会い、職員を、福島第一から撤退させてもいいか、打診した。
「今撤退させなければ、全員死ぬことになる」、というのだ。


菅氏
「それで私は、まず、東電の社長に来てもらい、『撤退はぜったい認められない』と伝えた。
誰もいなくなれば、メルトダウンが起き、そうすれば、莫大な量の放射能が、大気に出ることになってしまう。
そうなってしまえば、広大な土地が、住めない状態になってしまいます」

菅は初めから、東電を信用できず、自分の目で確かめるため、ヘリコプターで視察した。
しかし、首相である彼にも、当時伝えられていなかったことがあった。
フクシマの、3つの原子炉で、すでにメルトダウンが起きていた、ということだ。
それも、災害の起きた、3月11日の夜にすでに。

菅氏
東電の報告にも、東電を監査していた保安院の報告にも、燃料棒が損傷しているとか、メルトダウンに至った、などということは、一言も書かれていなかった。
3月15日には、そのような状況には、まだ至っていない、という報告が、私に上がっていました


事故から、ほぼ1年が経った、東京。
世界中で、あらゆる専門家が予想していた、メルトダウンの事実を東電が認めるまで、なぜ2ヶ月も要したのか、私たちは聞こうと思った。
自然災害が起きてからすぐに、この原発の大事故は、起きていたのである。

ドイツZDF記者
原子炉1号機、2号機そして3号機で、メルトダウンになったことを、東電はいつ知ったのですか

東電・松本氏
私どもは、目で見るわけにはいきませんが、上がってきましたデータをもとに、事態を推定し、
燃料棒が溶け、おそらく圧力容器の底に溜まっているだろう、という認識に達したのは、5月の初め
でした」

膨大なデータに、身を隠そうとする態度は、今日も変わらない。
東電は、毎日行う記者会見で、これらのデータを見せながら、事態はコントロール下にある、と言い続けている。
しかし、これらのデータの中には、本当に、責任者たちはなにをしているのかわかっているのかと、疑いたくなるような情報がある。
たとえば、スポークスマンは、ついでのことのように、放射能で汚染された冷却水が、「消えてしまった」と説明した。 
理由は、「原発施設ではびこる雑草で、ホースが穴だらけになっている」という。

ドイツZDF記者
放射能で汚染された水を運ぶホースが、雑草で穴が開くような材料で、できているというのですか?

東電・松本氏
草地に配管するのは、私たちも初めてのことですが、穴があくなどのことについては、知見が不十分だった、と思っています

しかし、原発の廃墟を、さらに危険にしているのは、雑草だけではない。
私たちは、富岡町に向かった。
ゴーストタウンだ。
原発廃墟の福島第一から、7キロのところにある。
私たちは、ナカ氏に便乗した。
彼のような住民は、個人的な物を取りに行くためだけに、短時間だけ、帰ることが許されている。
彼は、地震に見舞われた状態のまま放り出された会社を、見せてくれた。
今では、放射能のため、ここに暮らすことはできない。

ナカ氏
「この木造の建物は、とても快適でした。
とても静かで、夏は涼しく、冬は暖かかった。
私たちは、皆ここで、幸せに暮らしていました」

80人の、原発専門のエンジニアが、彼のもとで働いており、原発事故後も、事故をできるだけ早く収束しようと、努力している。
ナカ氏と、彼の社員は、原発廃墟で、今本当に、なにが起きているのか、知っている。

ナカ氏
私たちの、最大の不安は、近い将来、廃墟の原発で働いてくれる専門家が、いなくなってしまうことです。
あそこで働く者は、誰でも、大量の放射能を浴びています。
どこから、充分な数の、専門家を集めればいいか、わかりません


しかし、まだ被爆していない、原発の専門家を集めなければ、事故を収束するのは、不可能だ。
例え、これから40年間、充分な専門家を集められたとしても、日本も、世界をも、変えてしまうことになるかもしれない、一つの問題が残る

ドイツZDF記者
「今、原発は安全なのですか?」

ナカ氏
そう、東電と政府は言っていますが、働いている職員は、そんなことは思っていません。
とても危険な状態です。
私が一番心配しているのは、4号機です。
この建物は、地震でかなり損傷しているだけでなく、この4階にある、使用済み燃料プールには、約1300の、使用済み燃料が、冷却されています。
その上の階には、新しい燃料棒が保管されていて、非常に重い機械類が、置いてあります。
なにもかも、とても重いのです。
もう一度、大地震が来れば、建物は崩壊してしまうはずです。
そういうことになれば、また新たな臨界が、起こるでしょう


このような臨界が、青空の下で起これば、日本にとって、致命的なものとなるだろう。
放射能は、すぐに致死量に達し、原発サイトで働くことは、不可能となる。
そうすれば、高い確率で、第1、2、3、 5、 6号機も、すべてが抑制できなくなり、まさに、この世の終わりとなってしまうだろう。


東京で、著名な地震学者の、島村英紀氏に会った。
2月に、東大地震研が、地震予知を発表したが、それによれば、75%の確率で4年以内に、首都を、直下型地震が襲う、と予測されている。

ドイツZDF記者
「このような地震があった場合に、原発が壊滅する確率は、どのくらいだとお考えですか?」

島村氏
「はい、確率はとても高いです」

ドイツZDF記者
「どうしてですか?」

島村氏
「計測している、地震揺れ速度が、これまでの予測より、ずっと速まってきています。
私たちは、ここ数年千以上の、特別測定器を配置して、調査してきましたが、想像以上に地震波が強まり、速度も増していることが、わかったのです」

これは、日本の建築物にとって、大変な意味を持つだけでなく、原発にとっても、重大な問題となることを、島村氏は説明する。

島村氏
「これが、原発の設計計算です。
将来、加速度300~450ガルの、地震が来ることを想定しています。
そして、高確率で発生しないだろう地震として、600ガルまでを想定していますが、
この大きさに耐えられる設計は、原子炉の格納容器だけで、原発のほかの構造は、それだけの耐震設計が、されていないのです。
しかし、私たちの調査では、最近の地震の加速度が、なんと4000ガルまで達したことが、わかっています。
想定されている値より、ずっと高いのです」

ドイツZDF記者
「電気会社は、それを知って、増強をしなかったのですか?」

島村氏
今のところ、何もしていません、不十分であることは確かです。
これだけの地震に、耐えられるだけの設計をしよう、などというのは、ほとんど不可能
でしょう」

ここは、原発廃墟から、60キロ離れた場所だ。
フクシマ災害対策本部では、東電、保安院、福島県庁が共同で、原発の、地獄の炎を鎮火するための、闘いの調整をはかっている。
私たちは、東電の災害対策部責任者に、インタビューした。
ことに、彼に訊きたいのは、どうやって今後、これだけ損傷している原発を、大地震から守るつもりなのか、ということだ。
ことに、危ぶまれている、4号機について訊いた。

東電・白井氏
「4号機の使用済み燃料プールには、夥しい量の、使用済み燃料が入っています。
これを、すべて安全に保つためには、燃料プールの増強が必要です。
燃料プールのある、階の真下に、新しい梁をつけました

ドイツZDF記者
原発は、ほとんど破壊した、といってもいいわけですが、
原発が健在だった1年前ですら、大地震に耐えられなかった構造で、どうやって、次の地震に備えるつもりなのでしょうか?


東電・白井氏
我々は、耐震調査を、4号機に限らず、全体で行いました。
その結果、問題ない、という判断が出ています


ドイツZDF記者「でも、地震学者たちは、4000ガルまでの地震加速度が測定されていて、これだけの地震に耐えられるだけの原発構造はない、と言っています。
半壊状態のフクシマの原発の真下で、そのような地震が来ても、全壊することはないと、なぜ確信がもてるのですか?


東電・白井氏その、4000ガルという計算は、別の調査ではないでしょうか?
それに関しては、私は何とも言いかねます


ドイツZDF記者
原発を、日本で稼動させるだけの心構えが、東電にできている、とお考えですか?

東電・白井氏
……(長い長い沈黙の後)それは、答えるのが難しいですね

線量計のピッピッピッという音。3.36という数値。
 
ナカ氏
「これが、やってきたことの結果です。
この結果を、人類は、ちゃんと知るべきだと思います。
一緒に、未来の政策を、つくっていくことができるように」』




上のビデオを、金吾さんが文字起こしをしてくださいました。
このブログの字数制限のため、文字の強調ができませんが、とても判り易くまとめてくださっているので、動画を観ながら読んでみてください。

フクシマの嘘 其の弐(隠ぺい・詭弁・脅迫) 翻訳全文

福島第一原発事故発生から三年が過ぎたが、今でも緊急事態である
2020年日本はオリンピックを開催する
日本政府は世界を安心させようとした
「みなさんに保証しましょう 事故はコントロールされております」
首相の宣言がどこまで信用できるのか、われわれは調べることにした
調査はわれわれを犯罪社会の心臓部に導く…
「ヤクザの手先が人を集めて福島に派遣しています」
われわれは惨事の真の大きさが隠ぺいされていることを突きとめた
事故現場から遠い場所の調査を科学者に見せてもらった
「高濃度に汚染されたホットスポットや放射能が集積する場所を発見しました」
すべてコントロールされているのか?
「残念ながらアウト・オヴ・コントロール…」
「…ですから放射能は環境に漏れ、汚染が毎日広がっている状況です」

双葉町は 福島第一原発と目と鼻の先にある
特別許可を得て 数時間だけ滞在が許される
いわゆる“閉鎖区域”だ
ここに住むこととは、おそらく永遠に誰にも許されない
町のキャッチフレーズは、「原子力 明るい未来のエネルギー」
それは別の時代のことだった

元双葉町町長 井戸川克隆さん
古いサムライの家系出身だ
五百年以上この地に続いた家系である
名誉 誠実 責任感が、家訓として代々伝えられてきた
「子孫の私は井戸川家の墓守です」
「ご先祖様の墓を守り世話をする義務があります」
「そして次の世代に伝えなければなりません」
「しかしこの状態では引き継ぐ人は誰もいません」
「一生の間 ご先祖さまに妻としての誇りを伝えたいと思ってました」
「それができないなんて胸が引き裂かれる思いです」
戦争、地震、津波を乗り越えた井戸川家の歴史が、今 双葉で終わろうとしている
「誰も原発事故の責任を取らない恥知らずばかりだ…」
「電気会社がこんなに勝手にふるまえるのは日本だけです」
「彼らは自分のことしか考えていません」
「政府はやりたい放題やらせ政治家は原発ロビーのいいなりです」
「それを世界中の人々に知っていただきたい」

京都大学の原子炉実験所
小出裕章と会える約束だ
40年間 原子力物理を研究している小出氏は、事故発生当時から福島の状況を見守っている
なぜ福島がコントロールされていないか彼は説明してくれた
「一号基から三号基の溶けた燃料がどこにあるのか誰もわかりません」
「けれど冷却は必要なので建て屋に送水を続けています」
「溶けた燃料のせいで水は汚染されます」
「建て屋は割れ目だらけなので地下水が流れ込みます」
「東電はこの水を循環させると言ってタンクに一時貯蔵しています」
「けれど全部の水は回収できません」
「原発敷地一帯が放射性の泥沼のような状態になってしまいました」
「周辺の井戸水からは高濃度の放射能が検出されました」
「もちろん一部は海に流れています」

全面水浸しのフロア
どこかこの下に溶けた燃料がある
最新ニュースによれば 井戸水から500万ベクレル/リットルのストロンチウムを発見していたことを東電は半年間隠していた
今でさえ毎日200トン以上の高濃度汚染した地下水が海に流れている
さらに回収される汚染水40万リットルを毎日タンクに貯蔵しないといけない
総量は今では四億リットルを超えたひどい事故も多い
東電が経費を削減したタンクは放射能に耐えられず、始終水漏れをするからだ
「政府は これまで放出された放射能は、広島原爆たった168発分だと言っています」
「チェルノブイリの五分の一です」
「しかし福島からは常に汚染水が海に流れています」
「私はこれまで環境に放出された放射能は、チェルノブイリと同じ量だと思います」
「しかも福島は現在も進行中です」
しかし何故ここまで放っておかれたのか?
われわれは東京で馬渕澄夫を訪ねる
事故当時の大臣で事故応対担当官だった
事故発生後すぐ 東電が事故の大きさを隠ぺいしていると疑った
「汚染水が流出しているかと聞くと東電はしていないと答えました」
「地下水は? と聞くと心配する必要ないと東電は答えました」
「私は疑惑をもったので専門家に地下水の調査を命じました」
たちまち東電の嘘は明らかになった
馬渕が集めた企業や科学の専門家チームは、一日に10万リットルの地下水が、原発に向って流れることを突き止めた
原発で放射能汚染したその水が太平洋に流れる恐れがある
「早急に阻止しなければなりませんでした」
「時間がない」
「すぐに遮水壁を建設しなければ…」
事故発生から3ヵ月後の六月十四日
馬渕氏は記者会見を行なって、計画を発表する予定だった
原発地下に粘土製の遮水壁を建設する計画だ
しかし東電が反対した
ZDFは記者会見の前日に書かれた東電の機密書類を入手した

“現在有価証券報告書の監査期間中であり
会計監査人が建設の見積もりの記載を
求める可能性が高い“

さらには:

“…市場が厳しい反応を示すことになりかねない。
市場は当社が債務超過に一歩近づくと評価するだろう。
これは是非回避したい。“
裏で工作が行なわれ記者会見は立ち消えた
原発には今も遮水壁はない
「金を出したくなかったのですね」
「私はうるさく要求を続けたので間もなく解任されました」
「私を切れば 私だけでなく専門家チームも全員いなくなりますから」
舞台裏で糸を引く目に見えない強大な原発ロビーとは
企業、銀行、政治家、官僚、科学者、そしてマスコミから成る
この“原子力ムラ“に反抗すると首相でさえ退任に追い込まれる
彼に浴びせられた中傷は、後にすべて嘘だったことがわかった
事故から3年たった今、彼は批判の声をあげる
「背景にあったのは原子力ムラの要求です」
「菅直人を早急に首相の座からおろせという」
「陰謀でした」
「そう思っています」
そして原子力ムラは、この男を担ぎ出した
現在の首相安倍だ
2020年オリンピック開催地を選考する会場で、安倍は日本の新たな信条を世界に向けて宣言した
「福島の心配をされる方もいらっしゃるようですが」
「現場はコントロールされていると保証させていただきましょう」
「現政権は原子力ムラの人員を諮問委員会に登用しています」
「新しい原発の建設を推進する人たちです」
「彼らは今 反撃を始めています」
とあるホテルで放射能汚染の専門家に会えることになった
大きな研究所の責任者だ
しかし大学やホテル、町の名は極秘だ
研究内容も放映できない、素性がバレる手掛りは、いっさい放送しない約束だ
「去年の十月初旬までは普通に話すことができました」
「ところがその後 行政からの指示で、テレビに出たり マスコミと接触することを禁じられました」
「オリンピック開催地の選考で、安倍首相は宣言しました」
「“福島はコントロールされている”と」
「その後に出た指令で私たちは調査結果をマスコミに発表することを禁止されたのです」
「どのような調査なのですか?」
「福島第一原発事故後の現場のあらゆる基礎データです」
「私たちは現場でサンプル採取し汚染を検査しています」
「本当はコントロールなどされていません」
指示に従わなければ 予算は停止し同僚はみんな失業する
それを恐れている
「どっちみち日本のマスコミは、このテーマを避けてます」
と彼は言い足した

われわれを案内するのは、京大防災研究所の山敷庸亮氏
山敷氏たちは海や河川の放射能汚染を調査している
東電や政府の主張では 汚染は原発に隣接する水域に限定されている
山敷氏たちは仙台湾の海水と土を採取する
福島第一原発からは、80キロ離れている
原発から遠い場所の取材は、われわれにとって初めてではない
調査結果は衝撃的だった
「汚染は直接フォールアウトがあった所や原発が水漏れしている所だけだと最初は考えていました」
「しかし阿武隈川流域一帯が、汚染していることがわかったのです」
「私たちの試算では毎年10テラベクレルのセシウムが川から海に運ばれています」
「事故当初に原発から海に流出した量とほぼ同じです」
阿武隈川は原発から遠いだけに、この結果は衝撃的だ
それでも河床は高濃度のセシウムに汚染されているのだ
原因は 雨や雪が降下した放射性物質を洗い流すことだ
それが小川や支流に運ばれて、阿武隈川に集積する
そして川から海に注ぐ
つまり食物連鎖は 今後何十年もセシウム汚染され得るということだ
誰も注意しない汚染源から…
「この二、三年誰もこのテーマに注目しませんでした」
「国や地方行政は市町村の除染に夢中です」
「でも海に汚染が流出してることには、注意を払いません」
「この事実は無視されてるわけです」
日本政府は原発周辺の海では、漁業を禁止した
しかし80キロ北の海域は関係ない
一週間後 京都近畿大学で河口の泥土サンプル分析結果を山敷博士が見せてくれた
海流や地形に応じて太平洋のセシウム汚染レベルは異なるが、場所によって汚染値は、はっきり上昇している
「状況はコントロールされてるのですか?」
「難しい質問ですね…」
「調査結果はいったん置きましょう」
「これは許容基準値の問題だからです」
「日本政府は基準値を改定しました」
「新しい基準値では8000Bq/Kg 以下は危険ではないんですよ」
「でも事故前の基準値は、100Bq/Kgでしたから驚きです」
「調査結果をもう一度確かめましょう」
「どれも8000ベクレル以下でしょう?」
「するとみんな大丈夫だと安心して、忘れてしまうのです」
「でも私とってこれは、とても高い汚染値です」
「人々はもっと注意するべきですね」
「誰もこの結果に注目しなければ、政府は何もしません」
こんな簡単なトリックで政府は窮地を脱しているのだ
許容基準値さえ引き上げれば、問題は解決し 対策もいらない
“臭いものにはフタ”というわけだ

畜産農家吉沢正巳さん
牧場には350頭の牛がいる
視界には原発も見える
閉鎖区域の端だ
かつて畜産は繁盛していた
しかし2011年3月の原子炉爆発で、すべては終わった
牛はもう売れない
そのワケは…
「こういうところの草を食べてるから」
「放射能汚染した草を一年中食べている」
「そのせいで 皮膚に白斑が出るのだと思います」
「牛は外部被曝と内部被曝の両方をしてるんです」
「犬だって被曝してます」
吉沢さんは生き物を見捨てられず、外からエサを入手して与えている
-寄付金も寄せられるが牛には足りない…
牛たちを調査すれば、放射能の影響が突き止められる
すでに影響は確認できると、吉沢さんは信じている
「こんな風な…こういう斑点です」
「昔はなかったのですか?」
「40年牛を飼ってますが、こういうのは初めてです」
「原因は何でしょう?」
「獣医も皮膚病ではないと言いました」
「皮膚病ではないのに、こういう白斑が出るんです」
「どうしてなのか、私にはわかりません」
「昔から牛を飼ってますが…」
「こんなことは初めてです」
「放射能の影響を考慮せずには、原因は突き止められません」
近所の農家の家畜にも同じナゾの現象が現われている
行政から検査チームが派遣された
その結果 緊急指示が出た
「政府は 二度検査を行ないました」
「科学者がたくさん来て何もかも調べました」
「その結果 殺処分せよという指示が出たんです」
「生かしておくと困ることになるから、だから殺処分しろと」
「でも私は殺しません」
「政府が牛が生きていると困るのは、証拠が残るからだと思います」
「だから牛を処分しろと」
しかし汚染しているのは、牛だけではない

双葉町に戻る
かつては住民一万人
ほとんどが原発で働いていた
町は今では原発事故閉鎖区域だ
原子炉が爆発した時、多くの住民が高い被爆をした
井戸川町長もその一人だ
「ちょうど病院を避難中で、患者さんや職員が車に乗ろうとしてました」
「その時 凄まじい爆音がしたのです」
「最初の爆発です」
「直後に灰が降ってきました」
「とても強い放射能だったと思います」
「みんな死ぬのだと思いました」
事故後初めて井戸川夫妻は、双葉町の家に帰る
除草剤を持参した
二度とここに住めないと、まだ受け入れられないのだ
首都圏のこの学校が、つい最近まで二人の仮住居だった
原発事故被害者およそ千人と一緒に…
井戸川さんは死の灰を吸って以来、喉の痛み 頻発する鼻血 目や胃の痛み 疲労感に苦しんでいる
爆発後 行政は内部被曝の検査を実施した
放射性ヨウ素とセシウムが、何十万ベクレルも測定された
しかしその影響については、何も教えてもらえない
「福島医大は 事故の放射能で健康被害の出た人はいないと言っています」
「でも直接被ばくをした私たちは未だに何の検査も受けていないのです」
「真実を知り きちんと治療してほしいと私は思います」
2011年に福島で行なわれた説明会のビデオを見れば
日本政府が健康被害をどのように扱っているか はっきりわかる

福島の医療トップアドバイザー山下教授
彼を任命したのは日本政府
“放射能の被害はニコニコしている人には来ません“
“しかしクヨクヨしていると来ます“
“これは動物実験でも証明されています”
「日本政府は非人間的です」
「それがはっきりわかりました」
「私たちはバカにされているのです」
「色々な思いがありますが…非常に激しい怒りを持ってます」

(テロップ)仙台駅 福島原発から100Km
仙台駅
除染作業員がここで集められていると聞いた
ようやく接触に成功するまで三晩かかった
取材を受け付けてもらうのはとても難しい
身の危険につながるからだ
「もちろん危険ですよ」
「ヤクザの儲けにかかわるから」
「彼らの商売に影響を与えるから…」
地方一帯を除染するという作業は、何十億という利権にかかわる
福島県の大きな面積がフォールアウトで、居住が不可能になってしまった
政府は除染をして、住民を帰還させようとしている
そのために何百万m3 もの土を除去するのだ
県内いたる所で土が掘り返される
多くの労働力が必要だ
しかし仕事は危険だ
そこでヤクザの出番になるのだ
「どういうビジネスなんですか?」
「ヤクザは現場の仕事には関係ない」
「ヤクザの手先が人を集めて福島に派遣するんだ」
「どこで? どうやって?」
「借金のある人や失業者が相手だ」
「稼ぐ口があると声を掛けてくる」
「だが実際に給料をもらってみるといくらもない」
「どれくらい?」
「日当四千から七千円」
「その10~20%がヤクザにピンハネされる」
ホームレスは特に好んでターゲットにされる
それにはワケがあると、今井誠司牧師が教えてくれた
彼は昔から仙台のホームレスの面倒を見ている
震災後ホームレスの数は、明らかに増えた
震災と原発事故で何十万人が、家財一切を失ったからだ

(テロップ 今井誠司・牧師・ホームレス支援者)
「ホームレスは住所も定職もないので、普通の仕事につけません」
「ところが原発産業では働けるのです」
「除染ですとか 原子炉の収束作業です」
「危険で誰もやりたがらないので
一番弱い人間が使われるのです」
ヤクザに雇われた彼らは、下請け会社を通して
危険地域に送られそこで単純作業をさせられる
住所不定で 家族もなく、次の仕事を逃してしまう不安から
福島で働いたことを彼らは隠す
つまり原発産業にとって、これほど好都合なことはない ―
― と今井牧師は言う
「実際に病気になっても何の証拠も残りません」
「“福島には行ってない”と彼らは言いますから」
「嘘をつかざるを得ないのです」
「福島にいたという証拠は何もない」
「ひどいです」
「金が一番大事で、人はどうでもいいんです」
「金だけの世の中です」
われわれの情報提供者も、ヤクザの手先として働いていたが、福島での仕事をやめたくて足を洗った
しかし情報を洩らしたことは、非常に危険だ
「声や顔を出すのは、ものすごく危険だ」
「どんなことが起こりますか?」
「恐ろしい目に遭わされます」
「殺されなかったとしても ―
酷いミセシメに遭うでしょう」
「身柄拘束して拷問とか…」
危険な仕事を請け負ったホームレスは、後に癌で死んでも闇に葬られる
原子力ムラに逆らった首相や大臣は 辞任に追い込まれる
事故の本当の規模は、科学者に圧力をかけてごまかす
何故こんなことが起こるのか?

(テロップ 新潟県 福島から西方220Km)
われわれは答えを求めて、福島の隣 新潟県に向った
世界最大の原子力発電所がここにある
日本が自慢する施設で、町の中心とは目と鼻の先の距離
福島事故の後は停止されているが、政府と東電は再稼動を望んでいる
ふたたび原発を推進する
最も重要な拠点だからだ
われわれは県知事に会った
これまでは与党自民党の支持を受けていたが、いつまで続くのか?
彼は再稼動を拒否しているからだ
「現在の再稼動プランでは事故が起こった場合、銀行も株主も責任を取らないことになっています」
「そのようにプランで決まってます」
「事故が起きたとき犠牲になるのは、またもや住民なのです」
「銀行や投資家が、被害を受けないのならば、彼らはまた危険をおかし、安全確保はないがしろにされます」
「これはモラル・リスク・プランです」
ここでも何千憶単位の利益が、かかっている
東電社長は泉田知事の懐柔をこころみた
“福島の事故はコントロールされている”
つまり事故が起きても、原発は制御できるというメッセージだ
「東電は真実を話しません」
「しかも今まで一切責任を負っていません」
「“コントロールされている”というセリフは、まったく意味を持ちません」
「嘘を繰り返してるだけでなく対処しなければいけない問題とまったく向き合っていません」
「原発ロビーによる嘘や隠ぺいには、理由があります」
と泉田知事は言う
「日本には安全神話がありました」
「日本の原発は絶対安全で、他国のような事故は絶対起こらない」
「それが神話でした」
「今再稼動のための議論を聞くと彼らが新たな安全神話づくりをしている気がします」

新たな安全神話づくり
双葉町元町長を怒らせる政策だ
「再稼動を言っている人々は、この風景を見ていません」
「特に安倍首相は何も見ていません」
「恥知らずとはこのことです」
事故原発の持ち主東電は、現場をどのように評価しているのか?
本当に現場をコントロールしてるのか?
“ウソツキだ!”という非難にどう答えるのか?
これらの質問を取材のため、東電に事前送信したところ
インタビュー予定はキャンセルされた。
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いのりよ届け!

2014年03月04日 | 音楽とわたし


音楽というのは、本当にすてきです。
そしてそれを、人間という生きものが、演奏という形で表現できることも、本当にすばらしい。
どうして世界は、こういうものが中心にならないのでしょう。
愛と喜びが、世界中をつなぐ大きな輪の中心にならないのでしょう。

ベートーヴェンのこの曲と並べて話をするなんて、なんと大胆な……。

そしてきっと、プロの作曲家の方々には、今回仕上げたわたしの曲は、幼稚な作品だと感じられるものに過ぎないのかもしれません。

この曲のテーマは、ヤマハの核講師研修という名目のもと、日吉の研修センターに隔離(という表現がピッタリのキツいスケジュールでした)された各地区から2人ずつ選ばれた講師たちが、朝から晩までしごかれた講座の中で生まれました。
中田直弘氏による作曲講座の課題として、突如「一曲作りなさい」と言われ、無我夢中で、わけも分からないままに作ったものです。
その頃のわたしは、JOCという、ヤマハの中ではかなり力を入れていた、子どもたちによる自作自演のコースを教えていて、
そのクラスの中に、ヤマハの教材に使われたり、レコードになったりする曲を、次々に生み出す子どもたちがいました。
なので、そんな子どもの担当をしているのだから、おまえだって作れるだろうが……ということだったのでしょうけれども、
とにかくあの一瞬は、本当にびっくりしましたし、しかも「僕の講義がある3日の間に仕上げろ」ということだったので、大変に焦りました。

わたしは、幼児の頃からヤマハの音楽教室に入り、2年間、オルガンを使って音符やリズムを習いました。
その後、次のクラスに進むという時に、その教室の中にあった、先生だけが弾けるアップライトのピアノの椅子に座り、楽譜立てに置いてあった先生の楽譜を眺めながら、
ああ、やっとこれからはピアノが弾ける……いつか、この楽譜みたいな曲を、自分も作れるだろうか……と思ったのです。
その時のワクワク感が、作曲しなさいと言われたあの瞬間にあざやかに蘇ってきて、だから、焦りながらもすごく興奮していました。

最初のテーマがスルスルと頭の中から出てきて、あっという間に1ページ目が出来上がりました。
それを、わたしの肩越しに、フンフンと口ずさみながら読んでいた中田氏が、
「いいねこのテーマ、いいいい」と言ったかと思うと、サッと楽譜を取り上げて、ピアノの所に行ってしまいました。
慌ててその後をついて行くと、「はい、弾いて」と言われ、好き放題に書いたばかりの、しかもかなり弾きにくい楽譜面を、四苦八苦しながら弾いていると、
「なんで弾けないんだ!」と怒鳴られてしまいました。
そんなこと言われても……と凹む間もなく、何度も何度も弾き直しを要求されては叱られ、また弾いては叱られして、とりあえずその場は終了。
それからが大変な修羅場になりました。
「とにかく明日の午後までに、この曲を仕上げて弾けるようにしなさい!」
ぎぇ~!!

練習用のピアノは、何人かと仲間で使わなければなりません。
なので、ピアノを使って作曲をする、ということができず、すべては頭と想像の中で作らねばなりませんでした。
とにかく仕上げてしまわねば!
という気持ちで仕上げたその曲を、バイオリニストの方と一緒に2回ばかりリハーサルをして、研修の最後の演奏会で発表させてもらったのですが、
それっきり推敲し直すこともなく、大変だったけれども忘れ難い思い出として、心の引き出しの中に仕舞いこんでいました。


そして……。

あの、今から3年前の3月11日の真夜中の、パソコンのモニター画面の中に映る東北を襲った大津波の惨状を、はらはらと涙を流しながら見つめていた時、あの曲のテーマがいきなり蘇ってきたのです。
あの日まで、そしてあの日からもずっと、このブログで、自分の思いや考え、それから願いを書き綴ってきました。
震災津波、そして原発の重大事故に襲われた東北地方、そして日本への思いは、書いても書いても書き尽くせません。

音にしてみようか。あの日、突然蘇ってきたあのテーマをもとに。

ふとそう思う自分に、やめておけ、またあんな大変な思いをしたいのか?と、止めようとする自分。
そんな自分同士の言い合いを聞きながら、時間がどんどんと過ぎていきました。

今から丁度1年前に、ACMAのカーネギーでの定例コンサートのオーディションを、自分の曲で挑戦することにとうとう決め、
とりあえず、オーディション分の1分半の長さ分だけを必死に書いて、パートナーを引き受けてくれたバイオリニストのサラに渡しました。
「ごめんねサラ。でも夏までには多分、最後まで書き終えて渡せると思うから、待っててね」
でも、物事は、特にわたしなどのような者にとっての作曲作業は、そう簡単にはいきませんでした。
有言実行!と、威勢よく宣言したものの、途中で何度か、やっぱり無理なのかもしれない、などと思ったりもしました。
けれども、もう公言してしまったのだし、決めてしまったのだから、やり続けるしかないのだと励まし?て、なんとか最終小節までに辿り着いた日の夜は、
自己満足の世界に過ぎないのだけれども、心地良い疲れを感じながら、書き終えた楽譜をずっと眺めていました。

そして今、わたしの机の上には、予約で手に入れたチケットが並んでいます。


そして彼らが、親愛なる演奏者協会の仲間です。


たった一ヵ月しかない、演奏のための期間を、ずっと待ってくれていたサラとふたりで、週に2回、合わせの練習をしています。
練習のたびに、サラはわたしに、「ここはどんなふうに演奏して欲しいの?」と聞いてきます。
日本で2年間、岡山で、小学校の先生をしていた彼女。

「ここは、理不尽なことを押し付けられている人たち。
そしてここは、地震や津波で、あっという間に奪われた、父や母、子や孫、家族や動物、山や川、町や村を、恋いながら叫ぶ人たち。
怒りや悲しみや諦めの感情が、抑え切れずに溢れ出てくる。
けれども、それでも人間の中の尊い部分を、最後まで失わず、強く生きようとする人たちへの、わたしの祈り」

そう言うとすぐに、うんうんと頷いて、その彼女の理解を音にして、演奏してくれるのです。

彼女の想いとわたしの祈り。
どうか届きますように。
コメント (8)
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NHK会長、百田・長谷川両経営委員は、即時辞任しなさい。辞任するまでは受信料支払いを停止します!

2014年03月03日 | 日本とわたし
NHKの受信料を払っているみなさんへ

わたしは、今は日本で暮らしていませんが、
日本で暮らしていた時、月の終わりになると、擦り切れた畳の縁やたんすの引き出しの隅っこを探しても、5円として見つからなかったぐらいに大変だった時、
NHKの受信料を集金に来る人と、払う払わないで、何度ももめたことがありました。

米国人の相方には、どうしてもこの、受信料の義務が理解できなくて、支払わなくてはならないということを説明しても、わかってもらえませんでした。
こちらでも、NHKと同じような局があります。
一切のコマーシャルがなく、良質で偏りのない報道や、ドラマや芸術の優れた番組を放映しています。
この局が、年に何度か、二日三日かけて、募金してくださぁ~いと呼びかける時があります。
経営が立ち行かなくなりそうになると、いろんな募金活動を、あの手この手の工夫をしながらするのです。
どんな金額でもいいから、あなたがこれぐらいならと思うだけ、どうか我々が今後も良い番組を放送できるよう、募金してください。
そう言いながら、画面下の電話番号を指差したり、オウムのようにくり返します。
金額によって、”ありがとうプレゼント”が、少しずついい物になっていくのも楽しいです。
とにかく、みんな観ているであろう、ということを前提に募金を頼み、それを観た視聴者からのお金が、助けたいという気持ちと共に届く。
その自主的な支え合いが当たり前の相方には、このNHKの集金の仕組みが、どうしても解せないのでした。

今回、NHKが問題になっています。
いや、問題はもう、巷に溢れかえっているのですけれども、それをひとつひとつしっかりと考え、意見を言い、行動して整えていくためにも、
この件を機会に、『放送法』について調べ、知ってもらえたらと思います。

氷山の一角に過ぎないかもしれませんが、そうやって様々な角を、大勢の大人の手で滑らかにしていくことが、
結局は、国の在り方を正しい方向に整えることにつながると信じています。

↓以下、転載はじめ

NHK会長辞任求め、受信料支払い停止へ
【iAsia】2014年3月3日  

◇法律家グループ「籾井氏に資格なし。視聴者による是正要求だ」

「政府が『右』と言っているのに我々が『左』と言うわけにはいかない」という就任記者会見での発言や、
10人の理事全員に、日付を空けた辞表を提出させていたことなどで、
強い批判を浴びているNHKの籾井勝人会長に対し、
法律家と研究者で作るグループが、受信料の支払いを停止することを決めた
期限は、籾井会長が辞任するまでで、週内にもNHKに通知する
辞任を求める世論が高まる籾井会長の「居座り」が、NHKの経営問題に発展する可能性が出てきた。(編集部)

受信料の支払い停止を決めたのは、弁護士の阪口徳雄さん、神戸学院大学大学院教授の上脇博之さんら10数名で結成した、「NHKを考える弁護士・研究者の会」
週内に、NHKに、「支払い停止」の通知書を送ることになった。

この通知書によると、籾井会長が、今年1月25日に行った会長就任会見で言った発言について、
個人的発言であっても取り返しのつかない、異常で不適切な発言であり、NHKの会長としての資質、能力、資格はないと言わざるを得ない」と批判。

また、その発言を、国会で撤回して謝罪した後に開かれた、NHKの経営委員会で、籾井会長が、
それでもなおかつ私は、大変な失言をしたのでしょうか」と発言した点などを、視聴者とNHKとの信頼を裏切るものだとしている。

更に、籾井会長が、理事10名全員に対して、日付のない辞表を提出させていた問題を、
新聞、民放テレビ各社が報じているにもかかわらず、NHKが一切伝えていない点について、
既に、NHK内で、会長の意向を忖度(そんたく)して番組を作る状況が生じており、放送内容が歪められている可能性がある、と指摘している。

受信料の支払いを停止することについては、NHK会長に対して、次のような通知を行うという。

「私たちは今まで、NHKは公平、公正、中立な報道を行うものと信頼し、受信料を支払ってきた。
貴殿の発言は、その前提となる、NHKと視聴者との間の信頼を裏切った。
その存立基盤を、貴殿は自ら破壊したのである。
もはや、公共放送の会長に貴殿が座り続けることを、視聴者として認めることはできない
NHKが、受信者から信頼を確保する道は、口先だけの謝罪、撤回ではなく、貴殿が辞任することしか残されていないと判断する。
視聴者は、制度上は、NHKの会長の「リコール権」を有していないが、
受信料を支払わないことによって、NHKにその是正請求をすることはできるし、そうせざるを得なくなった


受信料の支払いを停止する期間は、籾井会長が辞任するまでとしている。

NHKは、受信料の不払いについては、これまで、裁判所に提訴するなどして対応してきた。
これについて、グループの呼びかけ人の1人である阪口徳雄弁護士(大阪弁護士会)は、次のように話す。

「NHK側が提訴してくることは、十分覚悟している。
むしろ、裁判になって、公の場で、視聴者側の主張を展開したい。
それに対して、NHKの側がどのような反論をするのか、聴きたいというのが本音だ。

放送法は、NHKが、客観的に公正、公平、中立に報道することにより、国民の信頼を得て、初めて国民が受信料を払う関係に立つ、法的スキームになっている。
だから、既に起きているような、NHKが国民の信頼を喪失した時には、この根本関係が崩壊する

NHKの放送内容が、放送法に定める放送がなされないか、またなされない危険性がある場合は、
受信契約者は、NHKに対して、放送法に従った放送をなすまで、受信料を一時停止、又は保留する権利を有ると考えられるので、
その主張を、公開の法廷で言いたい。

そしてなぜ、このような放送法を、およそ理解できていない会長を選んだのか、会長を選んだ経営委員長を、法廷で尋問したい
また、会長の見解なども、法廷で尋問したい
私たちは、NHKに、一日も早くまっとうな公共放送に戻ってもらいたい
そのためには、籾井会長の辞任は不可欠だ。
当然、会長が辞任すれば、受信料の支払いは再開する」

 
一連の「籾井騒動」で、受信料の支払停止が顕在化するのは、今回が初めてとなる。
阪口弁護士によると、賛同者の輪は、関西から首都圏に広がっているという。
籾井会長問題は、NHKの経営の根幹を揺さぶる事態に発展する可能性が出てきた。

匿名を条件に、取材に応じたNHKのディレクターは、次のように話した。

NHKの中で、籾井さんを支えているのは、政財界にべったりの政治部と、経済部の記者くらいで、
圧倒的に多くの職員は、『早く辞めてくれ』というのが本音
だ。
ただ、出身母体の政治部をバックに、権勢を欲しいままにした海老沢勝二元会長も、受信料の不払い運動を機に辞任に追い込まれており
もし受信料の不払いが起これば、一挙に会長を変えようという動きになるだろう」

籾井会長は、騒動の発端となった1月25日に、NHKの社内誌のインタビューに応じ、次の様に話している。

「みなさんにお願いしたいのです。
コンプライアンスという言葉をよく聞かれるでしょ。
では、本当にコンプライアンスを意識しながら、業務に取り組んでいるのか、言葉で流しているところがあるのではないでしょうか。
コンプライアンスとは、不正を働かない、そういうことばかりではないんですよ。
放送法を守らない、これもコンプライアンス違反になるのです。
放送法はれっきとした法律ですから、守らなきゃいけない義務が我々にはある、ということなんです」

視聴者による受信料支払い停止という「異議申し立て」が始まったことは、NHK内部でも深刻に受け止められて、籾井会長の去就に影響する可能性がある。



そしてもう一方、同じく弁護士の澤藤統一郎氏が、辞職要求の手段を分かりやすく、氏のブログの記事に書かれています。
それを紹介させていただきます。

↓以下、転載はじめ

籾井勝人NHK会長の辞職を要求する

本日午後「放送を語る会」が主催した「緊急集会NHKの危機 今、何が必要か~籾井会長発言が問いかけるもの」に参加した。
立錐の余地のない盛会。
最高のパネラー5氏を得て、実に充実した有益な集会だった。
もっとも、集会の盛会も、参加者の熱気も、時代の危機感の表れ。
喜んでよいのやら。

現状認識では、ほぼ共通の危機意識が確認できるが、さて、どう対応するか。
やや長期的には、公共放送についての制度的な改革の、国民運動の提起が必要であり、
短期的には、籾井会長辞任を求める要請運動が必要。
多くの運動や団体を横に連ねた、連帯をつくっての署名運動が提起されたが、それ以外でもできることから手を付けようと語られた。
また、最も影響の大きな視聴者の対抗手段として、「受信料支払いの留保」の提案について、複数の発言者があった。

まずは、直ちに誰にでもできる正攻法の手段として、NHKに意見を寄せよう
NHKの人事や報道姿勢についての意見の申立は、郵便・電話・メール・ファクスの4方法で可能。
つぎのURLを開くと、意見申立先の一覧が表示されている。
http://www.nhk.or.jp/css/communication/heartplaza.html

※ 郵便の場合   〒150-8001(住所記入不要)NHK放送センター ハートプラザ行
※ 電話の場合   0570-066-066(NHKふれあいセンター)あるいは、050-3786-5000
※ ファクスの場合 03-5453-4000
※ メールの場合  http://www.nhk.or.jp/css/goiken/mail.html に送信書式

これを存分に使って、NHKに、国民の声を届けよう。

当面大切な意見の内容は、
  
籾井勝人会長は即刻辞任せよ。
経営委員会は籾井勝人会長を罷免せよ。
百田尚樹・長谷川三千子両経営委員は即時辞任せよ。
経営委員会は、百田尚樹・長谷川三千子両経営委員に辞任を勧告せよ。


という4点でよいのではないか。

私は、本日、下記の意見を送信した。
メールの書式では「400字まで」とされているので、冒頭部分だけとなった。
改めて、全文をファクス送信した。
長文は郵便かファクスで、ということになる。
なお、下記の内容は、「放送を語る会」のアピール文モデルに従ったものであることをお断りして、参考にしていただきたい。

 **********************************************************************
私は、以下の4点を強く要請いたします。

(1) 籾井勝人会長に対して、即時その職を辞任することを求めます。
(2) 経営委員会に対して、籾井勝人会長を罷免することを求めます。
(3) 経営委員である百田尚樹・長谷川三千子両氏に対して、即時その職を辞任することを求めます。
(4) 経営委員会にたいして、百田尚樹・長谷川三千子両経営委員に辞任勧告することを求めます。

その理由は、以下のとおりです。
安倍晋三政権が、日本国憲法を強く嫌悪する立ち場から、
軍事・外交・教育などの諸分野で、これまでの保守政権とは明らかに異なる、国家主義的な統制色を露わにしていることを、憂慮せざるをえません。
その安倍政権が、マスメディアの国家主義的統制に乗り出したと考えざるを得ないできごとが、昨年の特定秘密保護法の制定であり、
そして、NHK経営陣に対する、「お友だち人事」にほかなりません。

安倍政権の露骨な「お友だち人事」の中で、その不適切さにおいて際立っているのが、
籾井勝人氏の会長人事と、百田尚樹・長谷川三千子両氏の経営委員人事です。
この3名については、不適切人事であることが明確である以上、速やかに職を辞していただくよう、強く要請いたします。

大きく話題となったとおり、籾井勝人NHK新会長は、1月25日の就任記者会見で、
「従軍慰安婦は戦争地域にはどこにでもあった」
「韓国は日本だけが強制連行したみたいなことを言うからややこしい」など、
問題発言を繰り返しました。
その見識の不足に、呆れはてるとともに、怒りを感じないではいられません。
この籾井発言は、放送に不偏不党を保障するとした、放送法の精神に違反しています。
籾井氏の、日本軍『慰安婦』に関する発言は、「狭義の強制はなかった」として、
河野談話の見直しを目指す安倍政権の主張と、軌を一にしています。
安倍首相が賛同者だった、米国での意見広告は、日本軍「慰安婦」は公娼制度のもとで行われたもの、と主張しましたが、
籾井発言は、この主張とも重なります。
籾井氏の会長就任は、安倍政権の意を受けての人事、と考えざるをえません。

また、同じ会見で、籾井氏は、
「政府が右と言うことを左と言うわけにいかない」
「(NHKの姿勢が)日本政府とかけ離れたものであってはならない」とも述ぺています。
しかし、NHKは、国営報道機関でも、国策報道機関でもありません。
政府から自立した公共放送機関として、本来、
「政府がなんと言おうと影響を受けることなく、NHKは真実を語る」と言わなければならないはずではありませんか。

さらに、同会見では、「現場の制作報道で、会長の意見と食い違う意見が出た場合、どう対応するか」という質問を受けて、籾井氏は、
「最終的に会長が決めるわけですから、私の了解を取ってもらわなくては困る」と回答しています。
結局は、安倍政権の考え方を代弁する人物が、その姿勢で、NHKの番組を統制することを公言したのです。
本来あるべき、NHKの自主自立・不偏不党のあり方を突き崩す、恐るべき事態というほかはありません。
このような会長の姿勢は、多様な思想信条に基づく番組制作を抑圧し、現場を委縮させ、その活力を奪う危険を持っています。

あまりにも不見識な発言をした人物が、NHKのトップにとどまることは、
NHKで働く人ぴとによって積み重ねられた、視聴者の信頼を掘り崩すものとならざるを得ません。
一刻も早い、自主的な辞任を求めます。

不適切極まりない会長を任命したことについては、経営委員会の責任も問われることが当然です。
会長への注意だけで済まそうとする経営委員会の姿勢には、とうてい納得できません。

放送法第55条では、経営委員会において、
「会長が、その職務の執行の任に堪えない、と認めるとき」、または、
「会長たるに適しない非行がある、と認めるとき」には、罷免することができると規定しています。
もし籾井氏が、自ら辞任しないときは、この規定にしたがって、経営委員会は会長を罷免すべきだと考え、このことを強く要請いたします。

百田尚樹氏は、先の都知事選挙で、自衛隊出身の田母神俊雄氏を応援し、『南京虐殺はなかった』などと演説しました。
また、田母神候補以外の候補を、『人間のクズ』などと攻撃しました。
氏の発言は、過去の戦争で、アジア諸国に多大な犠牲と痛苦を与えた、とする大多数の日本人の認識と異なり、アジア諸国の強い反発を招くものです。
すでに、在日米国大使館は、百田氏の一連の発言を『非常識』だとして、NHKの取材に難色を示したと伝えられています。
百田氏が経営委員にとどまることで、NHKの内外での業務に、支障が出る恐れがあることは重大です。

長谷川三千子氏は、朝日新聞本社でピストル自殺した、右翼運動家をたたえる追悼文を書いたことが、明らかになりました。
この姿勢は、異様と言わざるを得ません。
氏は、天皇が統治する「国体」を称揚し、主権在民を定めた現行憲法を、攻撃することでも知られています。
1月22日、参議院内で開かれた集会で、「私は安倍首相の応援団」と公言しました。

こうした二人の経営委員の言動は、放送に不偏不党を保障し、放送による表現の自由を確保する、という放送法の精神に抵触し、
国民の、NHKに対する信頼を損なう行為です。
両氏が経営委員であること自体が、放送の不偏不党にとって脅威となるものです。

このことは、経営委員にも思想信条の自由があるかどうか、という問題ではありません。
経営委員は、NHKの役員であり、その地位にある間は、定められた規範に従わねばなりません。
放送法に基く、「経営委員会委員の服務に関する準則」は、
「委員は、放送が公正、不偏不党な立場に立って、国民文化の向上と、健全な民主主義の発達に資するとともに、
国民に最大の効用と、福祉とをもたらすべき使命を負うものであることを自覚し、誠実にその職責を果たさなければならない」としています。
両氏はこの服務準則に、明らかに違反しています。

また、経営委員は、
「公共の福祉に関し、公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者」から選ぶとする、放送法の規定から言っても、
適格な人物とは言えないことは明らかです。

以上の理由から、百田尚樹氏、長谷川三千子の両氏は、自らその職を辞するべきですし、
仮に、その意向がなければ、NHK経営委員会において、両氏に辞任を勧告するよう、強く要請いたします。

(2014年2月22日)
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一十百千万…汚染値を指折り数えるペラッペラの軽薄な『お勉強バカ』。それが東電の広報担当!ど~ん!

2014年03月03日 | 日本とわたし
前回の記事に載せた、汚染水100トンの漏えいに関しての東電の会見について、プラントで勤務しておられた幸雄さんが、こんな意見を述べておられました。
幸雄さんはいつも、こういった、なかなか分かりにくく、だからつい見落したり聞き逃してしまう大事なことを、とても分かり易く指摘してくださるので、とてもありがたいです。
みなさんもどうか、下記の文章を読んで、考えを新たにしたり、まとめたりしてください。

↓以下、転載はじめ

福島第一原発、H6エリアN-C1タンク汚染水100t漏えいに付いての詳細資料が、東電から規制委に上がっています
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/tokutei_kanshi_wg/data/0011_01.pdf
 
気に入らないのは、杜撰な運転管理体制を棚に上げ、バルブ操作ミスの犯人捜しや、故意の妨害があったような文面が見られる事です。
妨害などの可能性が、全く無かったとは言い切れません。
 
しかし、最も大事な「なぜ起こったか?」「防ぐことはできなかったか?」
そして、「早期に対処して被害を軽減できなかったか?」などが、スコンと欠落しています
 
プラント勤務者は通常、機会ある毎に、「危険予知」や「安全衛生」に付いて学び、話し合う事が求められます。
しかし、悲しいかな、このような事故が起きた時には、再発防止の肥やしにするため
考えられる限り検証を行い、予防策を現場と管理で練り上げるのです。
そうしないと、小さな見落としや間違いから、自分や仲間の命を失う事も、あっという間に起こりうるのです。
原発の場合は、被害が施設では収まらず、周辺にも重大な被害をもたらすのですから、更に慎重でなくてはならないはずです。
 
あまり現場を責めることを、言いたくはないのですが、現場を統括する者がこのようなスタンスを保つ限り、同じようなトラブルがまた起こるでしょう。


↓そしてこれは、前回の記事に対する知見です。

まぁ、酷いです。
しかし、私はそもそも、当初(日隅さんが頑張っておられた頃)から、このデスク族の会見を、真に受けて聞いていません。
この会見にしても、写真に出ている当該バルブに付いて、「機能的な不具合があるのではと調査中」と言っています。
ですが、このバルブは、一見して電動弁ではない、人がハンドルを差し込んで開閉するタイプです。
手動バルブの機能不全ならば、弁体が壊れているか、異物が挟まっているか位しかありません。
事故後、このバルブは「閉」とされ、タンクレベルは上昇していないのですから、バルブは生きています。
これは、誰かが配管ラインを確認せずに、誤操作で開けたのです。
そして、移送元では、タンクレベルも確認しないまま、移送ポンプを運転し続けていた、それだけの事ですよ。
つまり、明らかにヒューマン・エラーです。
だから、この尾野氏は、そんな事も見て判らない机上の人か、知っていて人災を隠そうとしているか、のどちらかです。
しかし、隠蔽だとすれば、余りにもお粗末なので、彼は現場を知らないのだと思いますね。

私としては、如何に広報担当がペラッペラの軽薄な「お勉強バカ」か、判って頂ければ良いのです。
 彼らは、喋る内容や資料を吟味し、咀嚼していません。
100トン(4トントラック25台分!)の汚染水が漏れたと、シレッとした表情で言える神経は、並大抵ではないと思います。

「君は、自分の言っている意味が判っているのか?」と、言いたくなりますよね。
 
1トンは1,000キロです。
で、水1リットルが1キロですね。
そして彼は、最終的に、2億4,000万ベクレル/リットルの汚染濃度だと言いました。
つまり総量の概算は、2億4,000万ベクレル×1,000×100・・・気が遠くなります。
そんな酷い値でも、彼にとっては、指摘された後に指を折って数える程度の事なのです。
ALPSのトラブルの時にもお話しましたが、会見時の配布資料に付いてさえ、結構いい加減(記者連中は舐められています)な物が多いと思っています。
ですから私は、近い日付で、規制委に上げられている方の資料を見ています。
 
蛇足ですが、この「バルブ機能不全」については後日、人災であると、彼らも認めています



そして今日、さらに追加です。

ようやくやっと、東京新聞が東電の対応の拙さを指摘してくれました。

「東電、稚拙すぎる」 事故マニュアル 規制委調査へ
【東京新聞】2014年2月27日

東京電力福島第一原発で、タンクから約100トンの処理水があふれた事故で、原子力規制委員会は26日、
事故は容易に防げたのに、安易な対応で事故が発生・拡大した背景には、東電の企業体質があるとみて、
事故時の対応マニュアルがどうなっているかなど、安全管理体制を詳しく調べる方針を決めた。 
(清水祐樹)
 
あふれた水は、原子炉を冷やした後の水で、放射性セシウムの大半は除去されているものの、
超高濃度の放射性ストロンチウムなどが残っている
同様の水が敷地内に34万トン超と、25メートルプールに換算すると、ざっと千杯分もある。
 
タンクに付いている三つの弁のうち、一つでも閉まり、弁をロックするなどしていれば、事故は起きなかった。
仮に起きたとしても、タンクの満水警報を受けてポンプを止め、本来の移送先タンクの水位が上がらないことに気づいていれば、漏水は最小限にとどまっていた。
 
しかし、東電は、そのいずれも怠った。
 
汚れた冷却水は、日々大量に発生し、タンク増設も簡単には進まないため、現場はぎりぎりのタンク運用を迫られている。
水位の警報が鳴っても、わざと警報を切って、さらに処理水を入れることも常態化しているといい、警報への反応が鈍っていた恐れもある。
 
この日の規制委会合で、委員からは、事故が起きたことよりも、事故が起きていることすら気づかず、大幅に対応が遅れたことへの批判が噴出
「あまりにも稚拙で、企業の体質、安全管理のあり方など、根深い問題がある」
「だれがミスをしたかではなく、なぜ警報が鳴っても適切に対応できないのか、その理由を調べることが大切だ」などの声が相次いだ。
 
規制委事務局は来週にも、東電から、事故対処マニュアルや安全管理体制について報告させ、再発防止策を検討する。

↓ここからは、幸雄さんのご意見。

更に言わせて貰えるならば、東電の想定が甘い――プラント管理のセンスが実に拙い、と言う事です。
 
今までも、ボルト組上げのタンク・汎用シール材施設の貯水槽・タンクエリアの堰高が30センチ…と、枚挙に暇がないのですが、
此処へ来て、私が顎を落としたのが、タンクの雨樋の落ちどころが堰の中ではなく、外側であると言う事。
 
昨日アップした投稿 https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=290033507817480&id=100004324981204&stream_ref=10 にリンクをした資料 http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/tokutei_kanshi_wg/data/0011_01.pdf の8ページにタンクの図が載っています。
 
プラント管理の基本的な視点から、今回のケースを見れば……。

① タンクのレベル計は、水位を表示するだけであって、ポンプの起動停止とは連動していない(高水位になってもポンプは自動停止しない)。
② ポンプ運転は、タンクレベル監視・移送配管の確認を厳密に行った後に、手動で行う(ヒューマンエラーの可能性あり)。
③ 天板に、目視点検用の点検口がある(高水位になった後、ポンプが停止しなければ、漏れる可能性がある)。

 
これらの事を考慮すれば、雨樋に汚染水が流れ込む可能性を、容易に想定できる事なのです。
 
「雨樋は雨水を受けるものである。堰内のゆとり容量を考慮して、雨水は堰の外に落とす」という発想は、
「メルトダウンはしないから、デブリ(溶融した炉心)キャッチャーは不要」に連なると、私は思います。

放射能を何としても閉じ込める、と言う命題を、東電はどのように思っているのでしょうか?
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