わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

窯の種類と歴史 1

2010-10-17 21:52:12 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
「窯」と言う漢字は、羊の肉を、火であぶり、蓋をした形の、象形文字だそうです。

 粘土を焼く事により、頑丈で壊れ難い物になる事を、発見して以来、焼き物(土器)が発明されました。

 如何に、高い温度を作れるか、その高温を、持続的に保持できるか、如何に燃料を、少なく出来るかを

 追求し、効率の良い窯を、造る事に苦心します。「窯」の発達と伴に、焼き物は、発展してきました。

 ・ 短時間の高温で済めば、「窯」は必要有りません。長い時間、熱を閉じ込め、保持する事が、「窯」の

   役目です。

   尚、「釜」、「竃(かまど)」の字を、当てる事が有ります。

   「釜」は朝鮮で、焼き物の「窯」の代わりに、使用されている様です。

   日本語では、「竃」は、炊事様に、煮炊きする、台所の「かまど」を指す、言葉です。

1) 「窯」の歴史

 ① 世界最古の「窯」は、紀元前数千年に、「エジプト」で土器を焼く為に、造られていた様です。

   ダルマ、ストーブの様な、円筒形で、地上に設置されていたと、言われています。

 ② その技術は、その後、ローマ、ペルシャに渡り、改良されて、規模も大きく成ります。

   更に、イギリスに渡り、改善され、初期の単独窯の「徳利窯」へと、発展し、広くヨーロッパに

   普及します。

 ③ 地中を掘って造る、窖窯(あながま)は、紀元前6世紀頃に、「アッシリヤ時代」に築かれ、

   これが周辺や、中近東、ヨーロッパに広がります。

 ④ 中国に於いて、「窯」は著しく発展を、遂げます。

   中世期に発達した「焼き物」は、唐代の「景徳鎮」で、磁器を焼く、高度な窯にまで、発展します。

 ⑤ 我が国の「窯」も、中国が基ですが、直接的には、朝鮮の影響が大きいです。

   朝鮮の「窯」は、土器を焼く、「窖窯(あながま)」、粗陶器や器(せっき)を焼く、

   「トンネル窯=隧道窯」と、磁器を焼く、「竹割式」と「丸窯式」の登窯に、分かれていました。   

    注: 「竹割式窯」については、後で説明します。

   尚、「隧道(ずいどう)窯」は、我が国では、ほとんど、定着しませんでした。

 ⑥ 窯の構造の、改良と伴に、大切な事は、燃料です。

   当時の燃料は、当然、木材(薪)です。「焼き物」が盛んに成り、窯の数も増え、より大型化するに

   つれ、大量の木が、伐採される様に成ります。その跡地は、農地として、利用されていきます。

   又、江戸時代以前より、大量の森林の伐採には、為政者によって、厳重な管理の下に、行われて

   います。 計画的に、植林も、なされていた様です。

 ⑦ 明治以降に成ると、ヨーロッパの陶器製造技術も、導入され、焼成技術と伴に、燃料も薪から、

   石炭、重油、灯油、ガス、電気と変化して行きます。

   燃料の変化は、「窯」の構造にも、大きく変化を、もたらしました。

以下次回に続来ます。

窯の歴史
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