窯の分類には、幾つかの、方法が有りますが、焔(炎)の移動方向によって、分ける方法が有ります。
熱を帯びた焔(空気)は、軽く成る為、下から上に移動します。この移動の仕方によって、窯の熱効率が、
大きく変化します。その為、この焔をコントロールする方法が、色々考え出されます。
① 横焔式窯: 前回お話した、「窖窯」がこの方法です。
即ち、焚口で発生した焔は、燃成室に入り、作品を暖めますが、焔は、斜面の窯床と、ほぼ平行に
進み、煙突や、煙出し部から、外に排出される、構造の窯です。
② 昇焔(直焔)式窯: 作品を焼く燃成室が、焚口の真上に有り、焔が真っ直ぐ上昇し、最上部の
煙突から、排出される、構造の窯です。我が国では、余り使われていません。
③ 倒焔式窯: 焚口で発生した焔が、側壁と火盾の間を通り、天井に達した後、作品を暖めながら、
下降して、窯床の穴に吸い込まれ、煙道から煙突に、抜ける構造の窯です。
「登窯」や、「現代の窯」は、ほとんどが、この構造の窯です。
4) 割竹式窯と 蛇窯 (初期の登窯)
登窯は、10世紀頃に、中国の福建省の徳化窯(とっかかま)が、起源とされています。
丘陵地帯の、斜面に築かれた、連房階段式の窯です。宋の時代に、一段と発展します。
それ故、登窯を英語で、東洋の窯(orienntal kiln)と、言います。
・ 但し、この窯の技術は、桃山時代に、唐津に伝わりますが、これが我が国の、「登窯」の元祖には、
成りませんでした。
・ 我が国では、熱を有効利用する為、窯の構造は、「窖窯」から、「割竹式窯」へ、更に「蛇窯」を
経て、「登窯」へと発展したと、言われています。
次いで、工業化へ移行する、「連続トンネル窯」へと、進歩してきました。
① 割竹式窯(わりたけしきかま)
) 半地下式の、筒抜けの窖窯に、竹を割って伏せた様(蒲鉾状)な、仕切りが、天井にあります。
「窖窯」では、熱を帯びた空気は、天井近くを通り、煙出し部から、排出します。
その為、窯床近くは、焼き不足に成ってしまいます。そこで、天井を這う熱気を、下に下げる
様に、天井を丸くすると供に、要所要所に、「くびれ」を入れ、壁状の仕切りを、設けました。
この形が、外から見ると、割り竹を並べた様に、見えました。
② 蛇窯(じゃがま、又は、へびかま)
丹波で割竹式窯が、発展した物で、兵庫県の立杭の、蛇窯は、登窯としては、最も素朴な形です。
) 蛇が山肌に、這っている様に、見える為、この名前が有ります。
人がやっと入れる程度の、高さの低い窯です。窯詰めには、苦労した事と、思われます。
) 間仕切りはなく、窯の片側に、出入り口が設けられ、天井側面に、一列に薪を投入する穴が、
開けられています。煙出し部には、沢山の穴が開けられ、この穴を、粘土で詰めて、開閉し
火の引き加減を、調整します。
) 「窖窯」に比べて、焼成時間が短く成ります。
背が低い為、天井を伝わって、流れる熱が、少なく成る為と、側面から、薪が投入できる為です。
) 30~40mと、長く築かれ、間仕切りや、煙突は有りません。
その為、多くの製品を、焼成する事が出来る事から、大量生産が可能となります。
以下次回に続きます。
割竹式窯 蛇窯
熱を帯びた焔(空気)は、軽く成る為、下から上に移動します。この移動の仕方によって、窯の熱効率が、
大きく変化します。その為、この焔をコントロールする方法が、色々考え出されます。
① 横焔式窯: 前回お話した、「窖窯」がこの方法です。
即ち、焚口で発生した焔は、燃成室に入り、作品を暖めますが、焔は、斜面の窯床と、ほぼ平行に
進み、煙突や、煙出し部から、外に排出される、構造の窯です。
② 昇焔(直焔)式窯: 作品を焼く燃成室が、焚口の真上に有り、焔が真っ直ぐ上昇し、最上部の
煙突から、排出される、構造の窯です。我が国では、余り使われていません。
③ 倒焔式窯: 焚口で発生した焔が、側壁と火盾の間を通り、天井に達した後、作品を暖めながら、
下降して、窯床の穴に吸い込まれ、煙道から煙突に、抜ける構造の窯です。
「登窯」や、「現代の窯」は、ほとんどが、この構造の窯です。
4) 割竹式窯と 蛇窯 (初期の登窯)
登窯は、10世紀頃に、中国の福建省の徳化窯(とっかかま)が、起源とされています。
丘陵地帯の、斜面に築かれた、連房階段式の窯です。宋の時代に、一段と発展します。
それ故、登窯を英語で、東洋の窯(orienntal kiln)と、言います。
・ 但し、この窯の技術は、桃山時代に、唐津に伝わりますが、これが我が国の、「登窯」の元祖には、
成りませんでした。
・ 我が国では、熱を有効利用する為、窯の構造は、「窖窯」から、「割竹式窯」へ、更に「蛇窯」を
経て、「登窯」へと発展したと、言われています。
次いで、工業化へ移行する、「連続トンネル窯」へと、進歩してきました。
① 割竹式窯(わりたけしきかま)
) 半地下式の、筒抜けの窖窯に、竹を割って伏せた様(蒲鉾状)な、仕切りが、天井にあります。
「窖窯」では、熱を帯びた空気は、天井近くを通り、煙出し部から、排出します。
その為、窯床近くは、焼き不足に成ってしまいます。そこで、天井を這う熱気を、下に下げる
様に、天井を丸くすると供に、要所要所に、「くびれ」を入れ、壁状の仕切りを、設けました。
この形が、外から見ると、割り竹を並べた様に、見えました。
② 蛇窯(じゃがま、又は、へびかま)
丹波で割竹式窯が、発展した物で、兵庫県の立杭の、蛇窯は、登窯としては、最も素朴な形です。
) 蛇が山肌に、這っている様に、見える為、この名前が有ります。
人がやっと入れる程度の、高さの低い窯です。窯詰めには、苦労した事と、思われます。
) 間仕切りはなく、窯の片側に、出入り口が設けられ、天井側面に、一列に薪を投入する穴が、
開けられています。煙出し部には、沢山の穴が開けられ、この穴を、粘土で詰めて、開閉し
火の引き加減を、調整します。
) 「窖窯」に比べて、焼成時間が短く成ります。
背が低い為、天井を伝わって、流れる熱が、少なく成る為と、側面から、薪が投入できる為です。
) 30~40mと、長く築かれ、間仕切りや、煙突は有りません。
その為、多くの製品を、焼成する事が出来る事から、大量生産が可能となります。
以下次回に続きます。
割竹式窯 蛇窯