現在では、窯の内部の温度は、熱電対温度計や、ゼーゲル錐で、知る事が出来ます。
この様な物が、無かった時代には、第一に火の色を見て、判断しました。窯の各所に設けられている、
覗き穴から、火の色を見て、温度を測りました。
煙突から出る、煙の状態と色や、窯の中の、焔の状態から、酸化や還元の程度を、判別します。
当然、経験が必要に成る作業です。
5) 登窯
⑦ 登窯の種類
登窯も、用途や形によって、幾つかに分類出来ます。
即ち、本業窯、古窯(こがま)、丸窯、京窯、益子窯などです。
) 本業窯: 陶器専用の焼成窯です。
丸窯より、勾配が急で、焔の引きが強く、焼成時間が、短く成ります。
) 古窯: 磁器を焼く窯です。磁器を焼く本業窯を、古窯と呼びます。
構造的には、本業窯と同じで、2~4室の窯です。
・ 磁器を焼成する為に、各房の天井に、小さな火噴き孔を、数カ所設けたり、各房の窯床の
傾斜を、奥になるほど、緩くするなどの、改良がなされています。
・ 磁器の素地を純白にし、呉須(染付)を、鮮やかに発色させる為に、還元焼成をします。
戦後まで一部で、使用されていました。磁器などは、「さや鉢」に入れて、焼かれています。
) 丸窯: 4~11室の長大な、焼成室を持ち、大型磁器を焼く為の、非常に規模の大きな、
登窯です。天井の形が、丸くドーム形で、焼成室が、半円球の窯である為、この名があります。
a) 勾配が緩く、室が大きい為、焔の引きも、さほど強くなく、温度がゆっくりと、上昇します。
b) それ故、焼成時に、製品の歪みや、破損が少なく、大型製品を焼くのに適した窯です。
c) 江戸時代後期から、明治時代中期まで、大量に焼く瀬戸、有田などで、使用され、焼成室も
大きく、室数の多い、この丸窯を、使用していました。
) 京窯: 窯の形が、馬蹄形をしている、小型の窯です。
多品種少量用で、小物が多い京都、常滑、万古焼き等で、陶器、磁器の両方が、
焼かれています。
) 益子窯: 特に天井の低い、京窯と同様に、小型の窯です。
勾配は、比較的急で、温度の上昇は、速いです。
北関東の、益子、笠間、相馬や、東北の窯場で、使われていました。
⑧ 現存する最古の登窯として、兵庫県の上立杭の登窯が、重要民俗資料に、指定されています。
明治28年に築造された、長さ47m、室数9の窯で、良く古様を保って、使用されている、代表的な
登り窯といえます。
⑨ 大型の登窯は、共同窯として、使用されて来ましたが、昭和40年代に入る頃から、個人窯が、
普及し始め、製品の小物化と伴に、窯の規模も、2~4室と小型化して行きます。
6) 石炭窯
以下次回に続来ます。
登窯 本業窯 古窯 丸窯 京窯 益子窯
この様な物が、無かった時代には、第一に火の色を見て、判断しました。窯の各所に設けられている、
覗き穴から、火の色を見て、温度を測りました。
煙突から出る、煙の状態と色や、窯の中の、焔の状態から、酸化や還元の程度を、判別します。
当然、経験が必要に成る作業です。
5) 登窯
⑦ 登窯の種類
登窯も、用途や形によって、幾つかに分類出来ます。
即ち、本業窯、古窯(こがま)、丸窯、京窯、益子窯などです。
) 本業窯: 陶器専用の焼成窯です。
丸窯より、勾配が急で、焔の引きが強く、焼成時間が、短く成ります。
) 古窯: 磁器を焼く窯です。磁器を焼く本業窯を、古窯と呼びます。
構造的には、本業窯と同じで、2~4室の窯です。
・ 磁器を焼成する為に、各房の天井に、小さな火噴き孔を、数カ所設けたり、各房の窯床の
傾斜を、奥になるほど、緩くするなどの、改良がなされています。
・ 磁器の素地を純白にし、呉須(染付)を、鮮やかに発色させる為に、還元焼成をします。
戦後まで一部で、使用されていました。磁器などは、「さや鉢」に入れて、焼かれています。
) 丸窯: 4~11室の長大な、焼成室を持ち、大型磁器を焼く為の、非常に規模の大きな、
登窯です。天井の形が、丸くドーム形で、焼成室が、半円球の窯である為、この名があります。
a) 勾配が緩く、室が大きい為、焔の引きも、さほど強くなく、温度がゆっくりと、上昇します。
b) それ故、焼成時に、製品の歪みや、破損が少なく、大型製品を焼くのに適した窯です。
c) 江戸時代後期から、明治時代中期まで、大量に焼く瀬戸、有田などで、使用され、焼成室も
大きく、室数の多い、この丸窯を、使用していました。
) 京窯: 窯の形が、馬蹄形をしている、小型の窯です。
多品種少量用で、小物が多い京都、常滑、万古焼き等で、陶器、磁器の両方が、
焼かれています。
) 益子窯: 特に天井の低い、京窯と同様に、小型の窯です。
勾配は、比較的急で、温度の上昇は、速いです。
北関東の、益子、笠間、相馬や、東北の窯場で、使われていました。
⑧ 現存する最古の登窯として、兵庫県の上立杭の登窯が、重要民俗資料に、指定されています。
明治28年に築造された、長さ47m、室数9の窯で、良く古様を保って、使用されている、代表的な
登り窯といえます。
⑨ 大型の登窯は、共同窯として、使用されて来ましたが、昭和40年代に入る頃から、個人窯が、
普及し始め、製品の小物化と伴に、窯の規模も、2~4室と小型化して行きます。
6) 石炭窯
以下次回に続来ます。
登窯 本業窯 古窯 丸窯 京窯 益子窯