わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

現代の陶芸235(三輪龍作1)

2012-11-10 21:34:39 | 現代陶芸と工芸家達

伝統ある山口県の萩焼の窯元に生まれ、十二代 三輪休雪を襲名した三輪龍作氏には、萩焼の

伝統である茶道具や食器を作る使命と、オブジェの作者としての二つの顔があります。

特に、龍作氏はエロチシズム溢れるオブジェの焼き物で著名な方です。

1) 三輪龍作(みわ りゅうさく): 1940年(昭和15) ~

  ① 経歴

      1940年 山口県萩市に十一代三輪休雪(人間国宝)の長男として生まれます。

   1959年 画家を志望し、絵画を始めます。ムンクや谷崎潤一郎、太宰治の文学に惹かれます。

   1966年 東京芸術大学 大学院陶芸科を卒業し、 処女作「ハイヒール」を作ります。

   1970年 「現代の陶芸ーヨーロッパと日本展」に出品: 京都国立近代美術館

   1973年 「日本陶芸展」(毎日新聞社主催)に入選。

   1974年 「日本国際美術展」に出品:東京都美術館。 萩市上野に窯を築きます。

   1977年 イタリア「ファエンツァ国際陶芸展」にて受賞。

   1979年  「第8回現代日本彫刻展」(宇部市野外彫刻美術館)に「古代の人」を出品。    

          国際陶芸アカデミー会員になります。

   1981年 「世界の現代陶芸展」に出品: 九州陶磁文化館

   1982年 「現代の陶芸ー伝統と前衛展」に出品:サントリー美術館

   1983年 「今日の日本陶芸展」:米国・ワシントン、英国・ロンドン

         「全日本伝統工芸選抜展」:毎日新聞社主催

   1988年 「サントリー美術館大賞展」に出品。

   1989年 日本陶磁協会賞を受賞。

   1991年  「国際現代陶芸展」:滋賀県立陶芸の森陶芸館

   1994年 「国際現代陶芸展」:愛知県陶磁資料館

   2001年 「世界現代陶磁展」:世界陶磁器エキスポ、2001韓国

   2002年 「現代陶芸の100年」:岐阜県現代陶芸美術館

   2003年 「現代陶芸の華」に出品:茨城県陶芸美術館。

         「十二代 三輪休雪襲名記念」の個展を開催します。

  ② 三輪氏の陶芸

   ) 三輪氏のオブジェの作品の特徴は、女性の唇や女性器を表すエロチシズムある造形と

     深い繋がりがある事です。即ち、丸い頭の中央に真っ赤な唇のみを持つ像や、大股を広げた

     女性の下半身像などで、見る方にも強い刺激を与える作品群が多いです。

   ) この様な作品を作る動機は、萩市より勉学の為、東京に出て来た学生時代に、銀座で

     遭遇した出来事が切っ掛けになります。

     三輪氏が銀座を歩いていた時、白い外車が横切ったそうです。その際、唇の口紅を押さえた

     ほのかな「キスマーク」の付いた、ピンクのテッシュペーパーが足元に落ち、彼の方に向いて

     いたそうです。当時はピンクのてテッシュを見た事も無く、更にキ「スマーク」は、開き加減の

     女陰を見てしまった卑猥(ひわい)な感覚に囚われ、その場に立ち竦んだとの事です。

     (エッセイ集『僕と炎と唇と』より:1985年求龍堂)。

     それ以来、「女性的なるもの」、「エロス的なるもの」を深く意識する様になります。

   ) 彼は単に「エロスチシズムを賛歌する」作家ではなく、エロスと死は表裏一体のものと捕らえ

      エロスの一方(裏側)に死の不安を感じとります。

   ) 初期の作品は、「エロスと死」が混在する青春期の「不安の感情」を、自己告白的に形象化

       しているものと言われています。

    a) 処女作の「ハイヒール」は、その後も「愛の為に」と題し1980年に多数発表しています。

       靴の先端が長い「ドリルの刃」の様に、渦を巻いて先細りに成っています。

       作品には全体に金彩が施されています。 

       サイズは(h x w x d): 19.5 x 32.4 x 9.4 cm

    b) 初期の個展には、「三輪龍作の優雅な欲望展」、「三輪龍作の愛液展」などの刺激的な

       題名が付けられています。  

      1969年の「LOVE」と題する作品は、細長い徳利状の白い容器から、ドロドロした赤い

      液体が流れ出しています。容器は原色の白の他、赤、黄色、黒があり、液体も赤、白、茶色と

      多彩です。サイズ: 90 x 84 x 103 cm など。

     ・ この作品は男性の性器(男根)から、生命の根源である精液が止め処も無く流れ出して

      いる様にも見えます。更に、 見方によっては、容器の白は白人(コーカソイド)を、黄色は

      黄色人種(モンゴロイド)を、黒は黒人(ニグトイド)を表しているとも見えます。

     ・ 題名の「LAVE」(愛)は、誰に対しての「愛」を意味するのでしょうか、男女間の「愛」や

      「人類愛」に限らず、「全ての生物の生命への愛」を意味するとも見る事ができます。

    c) 「紳士の為に」(1969年)の作品。

以下次回(三輪龍作2)に続きます。    

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