わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

現代の陶芸246(森岡成好、由利子)

2012-11-27 21:52:09 | 現代陶芸と工芸家達

和歌山県の山中で、夫は主に無釉の焼き締め陶器を、妻は白磁を制作し、個展を中心に活躍

しているのが、森岡成好・由利子夫妻です。

1) 森岡成好(もろおか しげよし): 1948年(昭和23)~

  ① 経歴

    1948年 奈良県に生まれ、和歌山県で育ちます。

                幼児より山に親しみ高校、大学時代山岳部に入部し、登山に没頭します。

    1973年 高野山で陶芸を学びます。

    1974年 和歌山県伊都郡かつらぎ町下天野に築窯し、種子島を訪れ南蛮焼き締めと出会い、

        沖縄の窯場を訪ねます。以後、焼き締めを中心に作陶を続け、国内はもとより、外国の

        窯場に出掛け陶器や、土器作りの実際を学びます。

        北、中米。韓国。東南アジア、タイ。インドネシア。インド、スリランカ。台湾、沖縄などで

        陶芸を学びます。

    2000年 バンコクにてグループ展

    2001年 ニューヨーク、コネチカットにて個展    

    2010年 八重山古陶復活を目指し、石垣島に工房と鉄砲窯(薪窯)を築きます。

          ここでは、八重山焼き、南蛮焼き締め、黒釉、灰釉、透明釉などの作品を作ります。

    2012年 石垣島での初窯の作品は、ギャラリー夢雲(奈良県) で「南蛮と白磁展」を

          発表しています。

  ・ 個展: 東京、南青山グリーンギャラリー。ニュウヨーク、アーロン・フェイバーギャラリー。

      渋谷西武百貨店、池袋西武百貨店。熊谷守一美術館ギャラリーなど多数開催しています。

  ・ ニュウヨーク近代美術館パーマネントコレクションとして大壷をお買い上げと成っています。

  ② 森岡氏の陶芸

       彼は主に、南蛮焼締め、南蛮黒釉、南蛮灰釉の陶器を手掛けています。

   ) 作品は、鶴首の器、徳利、ぐい呑み、壷、どら鉢、お椀等の器や、急須、土瓶、丸皿、

      角皿、葉皿などの日常雑器が多い様です。

   ) 別のジャンルとして、遊び心満載の置物などの作品を作っています。

     ・ 「やまのかみ」や「かんき」と題する家の模型と、その中に住む男女の浮き彫りや、道祖神を

       思わせる作品、更には、「とり」と題する作品では、糸で吊るされた、グロテスクな鳥が

       宙に浮いています。

     ・ 「さかな」と題する作品は、見慣れない平べったい大きな魚や、頭部の大きな深海魚らしき

       作品もあります。これらの一部は皿としての役目があるかも知れません。

     ・ 「はととっくり」と題する徳利は、脚と尻尾があり、斜めに置く徳利に成っています。

       注: 彼の作品名はほとんどが、「ひらがな表記」と成っています。

    ) 作品の種類に応じて数基の窯を使い分けています。

     ・ 和歌山県天野での鉄砲窯(薪窯)は、南蛮焼き締めを主に焼いています。

     ・ 同所にあるスコタイ窯は、南蛮焼き締め、南蛮黒釉、南蛮灰釉、南蛮白化粧釉などを

       焼いています。

     ・ 天野の倒炎式窯は、白磁、灰釉などの施釉した作品を焼いています。

2) 森岡 由利子(もりおか ゆりこ): 1955年(昭和30) ~

 ① 経歴

   1955 年 岩手県に生まれます。

   1978年 早池峯(はやちね)に登り、以来山登りをする様になります。(日本山岳会会員)

   1982年 焼き締め、土器制作を経て、白磁制作を始めます。  韓国の窯場を訪れ陶器作りの

         実際を学びます。

   1985年 李朝の陶器に魅かれ、薪窯での磁器制作を続け、現在に至っています。

   2012年 「森岡成好・由利子展」を、あるぴぃの銀花ギャラリー(埼玉・大宮)で開催。

          その他、国内外で多数個展を開催しています。 

次回(大嶺 實清氏)に続きます。

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