わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素朴な疑問 18 水漏れ防止剤と撥水剤 2?

2014-11-04 22:12:52 | 素朴な疑問
2) 撥水剤に付いて。

水漏れ防止剤が焼成後の作品に使用するのに対し、撥水剤は素焼き後に施釉する際、使用します。

 即ち、水を弾く事を利用した、一種の蝋抜きとして利用するものです。

 釉は水に溶かして使うのが一般的ですので、水を弾く事は釉を弾く事になります。

 それ故、施釉したくない部分、筆で描いた文様や、蓋物の身と蓋の間、底(高台)等に塗ることに

 なります。

 ① 水漏れ防止剤と撥水剤は、見た目も明らかに違います。

  ) 水漏れ防止剤が無色透明であるのに対し、撥水剤には赤色などの色が付けられています。

  ) 防止剤は水溶性で、水の様に「サラサラ」していますが、撥水剤は油性で、粘性があり

   ます。

  ) 防止剤が無臭なのに対し、撥水剤は強烈な臭いが付けられています。

  ) 筆を使う場合は、防止剤は使用後に水で洗う事が出来ますが、撥水剤は石鹸水などで

   洗わなければ成りません。

 ② 撥水剤の使い方。

  ) 絵柄など文様を抜く場合には、鉛筆などで下書きを施してから、筆で撥水剤を塗る事に

    成ります。鉛筆で描いた部分は焼成で綺麗に消失しますので、安心です。

  ) 蓋物の身と蓋の合わせ部分に、撥水剤を塗ると後で釉を落とす作業が省略できます。

    平皿などの広い「ベタ高台」の場合、底に撥水剤を塗ると釉が掛からず、釉を落とす手間が

    省けます。

 ③ 撥水剤の注意点。

  ) 撥水剤は強力です。一度素焼きした作品に施すと、素地に浸み込みますので、取り除く

   事は困難です。「紙やすり」でこすっても取れません。それ故、必要最小限の範囲内で使用

   する事です。塗らない部分は当然釉が掛かってしまいますが、取り除くには、「シュロの

   釉剥がしブラシ」等で簡単に剥ぎ取る事が出来ます

  ) 失敗した撥水剤は素焼きする事で、綺麗に取り除く事が出来ます。

   それ以外では、難しいです。

  ) 一般に筆や刷毛で塗る事が多いのですが、筆などのカスレ模様もそのまま現れます。

    意図的に残す場合を除いて、丁寧に塗る必要があります。但し厚く塗ると乾燥に時間が

    掛かります。

3) ラッテックス(陶画のり)による蝋抜き。

  実際に蝋抜きは、パラフィンを湯煎して溶かしてから使用します。この面倒な代わりに陶画のり

  を使う方法があります。材料は「生ゴム」の一種です。

  かなり粘りのある黄色掛かった溶液で、「スッパイ臭い」がします。

  ① 使い方は、筆などで線や面を塗ります。直ぐに乾燥して素地に密着します。その上から

   釉を掛けます。釉が定着したら、針やピンセットを用いて「陶画のり」を剥がします。

   剥がした部分には釉が掛かっていません。

  ②  筆や刷毛で塗り終えたら、直ぐに筆に付いた「のり」を石鹸水で洗います。

   この作業が遅れると、「のり」が固まり筆が使い物に成らなくなりますので、迅速に洗う事

   です。

 以上の様に蝋抜きを行う方法は幾つかの方法がありますが、ご自分に合った方法を選ぶ事です。

  
コメント
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