焼成では、釉を掛けた施釉陶磁器と、釉を掛けない陶磁器があり、その窯詰め方法が異なります。
後者は、素焼きの時と焼き締め陶器の場合です。
施釉陶磁器は、釉が熔着しない様に、作品同士が接触させないで並べますが、施釉していない場合は
作品同士が接触しても大きな問題には成りません。但し、焼き締め陶器の本焼きでは、接触を嫌う
場合と、備前焼の様に、逆に積極的に接触させて、景色を出す焼成方法(牡丹餅など)も多いです。
素焼きや焼き締め陶器に付いては、後日お話します。
6) 炎の通り道を想定して作品を並べる事に成ります。
③ 釉の種類分けが済んだら、作品の背の高さに応じて、更にグループ分けを行います。
一つの棚板には、なるべく高さが揃った作品を並べる事で、効率良く窯のスペースを使う事が
出来ます。
④ 横方向から作品を出し入れする場合には、下段奥の方から作品を並べます。
) 最初に奥の隅二箇所に支柱を立てます。支柱の高さは、窯詰めしようとする作品より
数ミリ以上高くします。本焼きすると、作品の高さも6~8%程度低くなりますので、最高
温度で天井との隙間は1cm以上になります。
)最下段には背の高い作品を並べる方法と、背の低い皿などを並べる方法があります。
陶芸雑誌や、陶芸窯の窯詰めを行っている写真や、ビデオを見ると、背の低い作品が多く
並んでいる様に見えます。即ち、上段には空間を多くとり、下段に行くに従い隙間が小さく
なる並べ方をしています。これは、上部の熱を下に伝え易くし、下段を密にする事で熱が
外部に逃げない様にする為と思われます。
) 逆に、下に空間を多く(疎)し、上段を空間を狭め(密)にす方法を取る人もいます。
上段を密にするのは、高温部である上部の熱を、なるべく閉じ込める役目をさせる方法です。
当然、下段には高温の炎が通り難いですが、下段には熔け易い釉を使う事で対処します。
) 即ち、)の方法が窯の中の温度を均一にするのに対し、)の方法は、窯の温度の
均一性を有る程度犠牲にして、必要な釉に熱を集中させる方法とも言えます。
) 作品の間は、指一本程度の隙間を空けて並べます。
ある程度の隙間がないと、熱が作品全体に行き渡りません。
) 作品の中には不安定な物もあります。安定して下に置けずに、「ぐらぐら」している
場合には、底と棚板の間に、素焼きしたスペーサーを入れて安定させます。
手捻りで作った脚の付いた平皿や、角皿などは脚の着け方で、脚間で下に落ち込む場合が
あります。これは素地が高温で若干弱くなる為で、平らに支えきれない時に起きます。その為
前もって危険性があると判断した場合、脚と脚の間に粘土を詰めた貝殻等で下から支えます。
) 窯詰めで注意する事は、銅を使った釉(織部、辰砂、青銅釉など)の場合です。金属の銅
は、高温で蒸発しますので、隣の作品に銅の蒸気が掛り、作品に汚れた色を移してしまう事
です。その為、特に白っぽい釉が掛かった作品は織部釉等の近くに置かないことです。
) 作品は出来るだけ、棚板の外に出ない様にします。外に出るとその部分に他の物が「ぶつ
かる」危険性があるからです。
) 最後に手前側の辺の中央部に、同じ高さの支柱を一個立てます。
その上に、棚板を慎重に載せます。棚板は真上から置くようにします。良くある失敗に棚板を
上に載せる際、支柱を倒してしまい勝ちです。特に狭いスペースの場所では、倒れた支柱が
他の作品に当たり、作品を破損させる事も多いです。上手に棚板を載せることが出来れば、
支柱も安定します。尚、三本の支柱で支える理由は、三本では棚板から離れる支柱はなく
棚板が安定する事と、棚板を広く使える為です。
) 複数敷きの場合には、隣同士の棚板間も指一本程度の隙間を設けます。
更に、隣同士の高さに差を設ける場合と、差を設けない方法があります。当然差を設けた方が
炎の流れは良くなります。
) 天井に丸みのある窯では、その丸みを上手く利用します。即ち中央部に背の高い作品を
置き、左右に行くに従い、背の低い作品を並べます。
◎ 最後に、窯の上部はある程度広い隙間を設ける事です。目いっぱ詰めると炎の流れを阻害し、
温度が上昇してくれません。天井まで上った炎が下に落ちる為には、結構広い空間が必要な
事の様に思われます。(これは私の経験です)
以下次回に続きます。
後者は、素焼きの時と焼き締め陶器の場合です。
施釉陶磁器は、釉が熔着しない様に、作品同士が接触させないで並べますが、施釉していない場合は
作品同士が接触しても大きな問題には成りません。但し、焼き締め陶器の本焼きでは、接触を嫌う
場合と、備前焼の様に、逆に積極的に接触させて、景色を出す焼成方法(牡丹餅など)も多いです。
素焼きや焼き締め陶器に付いては、後日お話します。
6) 炎の通り道を想定して作品を並べる事に成ります。
③ 釉の種類分けが済んだら、作品の背の高さに応じて、更にグループ分けを行います。
一つの棚板には、なるべく高さが揃った作品を並べる事で、効率良く窯のスペースを使う事が
出来ます。
④ 横方向から作品を出し入れする場合には、下段奥の方から作品を並べます。
) 最初に奥の隅二箇所に支柱を立てます。支柱の高さは、窯詰めしようとする作品より
数ミリ以上高くします。本焼きすると、作品の高さも6~8%程度低くなりますので、最高
温度で天井との隙間は1cm以上になります。
)最下段には背の高い作品を並べる方法と、背の低い皿などを並べる方法があります。
陶芸雑誌や、陶芸窯の窯詰めを行っている写真や、ビデオを見ると、背の低い作品が多く
並んでいる様に見えます。即ち、上段には空間を多くとり、下段に行くに従い隙間が小さく
なる並べ方をしています。これは、上部の熱を下に伝え易くし、下段を密にする事で熱が
外部に逃げない様にする為と思われます。
) 逆に、下に空間を多く(疎)し、上段を空間を狭め(密)にす方法を取る人もいます。
上段を密にするのは、高温部である上部の熱を、なるべく閉じ込める役目をさせる方法です。
当然、下段には高温の炎が通り難いですが、下段には熔け易い釉を使う事で対処します。
) 即ち、)の方法が窯の中の温度を均一にするのに対し、)の方法は、窯の温度の
均一性を有る程度犠牲にして、必要な釉に熱を集中させる方法とも言えます。
) 作品の間は、指一本程度の隙間を空けて並べます。
ある程度の隙間がないと、熱が作品全体に行き渡りません。
) 作品の中には不安定な物もあります。安定して下に置けずに、「ぐらぐら」している
場合には、底と棚板の間に、素焼きしたスペーサーを入れて安定させます。
手捻りで作った脚の付いた平皿や、角皿などは脚の着け方で、脚間で下に落ち込む場合が
あります。これは素地が高温で若干弱くなる為で、平らに支えきれない時に起きます。その為
前もって危険性があると判断した場合、脚と脚の間に粘土を詰めた貝殻等で下から支えます。
) 窯詰めで注意する事は、銅を使った釉(織部、辰砂、青銅釉など)の場合です。金属の銅
は、高温で蒸発しますので、隣の作品に銅の蒸気が掛り、作品に汚れた色を移してしまう事
です。その為、特に白っぽい釉が掛かった作品は織部釉等の近くに置かないことです。
) 作品は出来るだけ、棚板の外に出ない様にします。外に出るとその部分に他の物が「ぶつ
かる」危険性があるからです。
) 最後に手前側の辺の中央部に、同じ高さの支柱を一個立てます。
その上に、棚板を慎重に載せます。棚板は真上から置くようにします。良くある失敗に棚板を
上に載せる際、支柱を倒してしまい勝ちです。特に狭いスペースの場所では、倒れた支柱が
他の作品に当たり、作品を破損させる事も多いです。上手に棚板を載せることが出来れば、
支柱も安定します。尚、三本の支柱で支える理由は、三本では棚板から離れる支柱はなく
棚板が安定する事と、棚板を広く使える為です。
) 複数敷きの場合には、隣同士の棚板間も指一本程度の隙間を設けます。
更に、隣同士の高さに差を設ける場合と、差を設けない方法があります。当然差を設けた方が
炎の流れは良くなります。
) 天井に丸みのある窯では、その丸みを上手く利用します。即ち中央部に背の高い作品を
置き、左右に行くに従い、背の低い作品を並べます。
◎ 最後に、窯の上部はある程度広い隙間を設ける事です。目いっぱ詰めると炎の流れを阻害し、
温度が上昇してくれません。天井まで上った炎が下に落ちる為には、結構広い空間が必要な
事の様に思われます。(これは私の経験です)
以下次回に続きます。