3) 電気窯の熱の伝わり方。
① 電気窯と燃料を使う窯では、熱の伝わり方が異なります。燃料を使う窯では、炎や熱せられた
空気の対流によって作品に熱が伝わります。その為、熱せられた空気や炎は細い隙間に入り込み
ます。更に、作品の裏側にも到達し、作品全体を熱する事が出来ます。即ち、窯全体を熱する
事になります。
② 電気窯の電熱線で発生する熱は、放射熱(又は輻射熱)と呼ばれる熱です。
輻射熱は、太陽光(熱)と同じ熱線です。この熱は真空中でも伝わる性質を持っています。
) 輻射熱は直進する。
熱源より直進する為、影が出来易いです。炎や対流の熱が細い隙間に入り込むのに対し、
丁度太陽光が直進し、影が出来るのと同じ様な働きです。その為細い隙間や作品の裏側には
届きません。但し、電気窯では後述する様に、出来るだけ影が発生しない様な構造と、
窯詰めを行う必要があります。
) 太陽は1点から熱が放出される為、影が出易いですが、電気窯では、面全体で発熱させる
為に、壁一面に電熱線を張り巡らせ、影が出来に難い構造になっています。即ち左右前後の
四面の全面と、場合によっては上部(天井)面にも発熱体が取り付けられています。
一部断線すると、その部分から先は発熱せず、輻射熱が届かない場所が出来る可能性が
あります。その為、ガスバーナー等の一部故障よりも、温度上昇に大きな影響を与えます。
太陽の光が届かない影の部分では、暖かくないのと同じ原理で、周囲の熱が補ってくれる
訳ではありません。
) 輻射熱と対流熱との大きな違いは、後者が熱せられた空気や炎によって、窯内部を駆け
巡り、熱するのに対し、前者は熱線が何かの物に突き当たる事で、初めてその物が発熱する
事です。勿論窯の壁に当たれば、壁も熱を持ちます。但し空気中を通過しても、ほとんど
空気を暖める事は出来ません。
) 発熱体の直前に広い面積の作品や、背の高い作品を置かない事です。
即ち、発熱体(電熱線)は壁や扉に取り付けられていますので、窯詰めの際、壁に近い棚板
には、熱線を遮断する大きな作品は置かず、小物を置き、窯の中央に面積の大きい作品を
置く事により、作品全体に輻射熱が当たり、加熱する事になります。
) 素焼きなどで、作品を重ねた場合、重なった部分は輻射熱の影に成りますので、加熱出来
ない事に成りますが、実際には、輻射熱の当った部分は熱を持ち、その作品に接している
部分から、熱が伝わります(熱伝道現象)ので、重なった作品も加熱される事に成ります。
窯の中の空気も、電熱線ではなく、窯の壁や作品の熱によって暖められますが、空気の
対流は他の窯よりは少なくなります。その為、必ずしも窯の中の温度が、均一に成るとは
限りません。他の窯では最上部が一番高温になり、下に行くほど温度は下がる傾向が顕著
ですが、電気窯でも若干その傾向がありますが、他の窯ほど顕著ではありません。
) 当然ですが、素焼きの際、作品を重ね焼きしても、重ねた部分が黒くなる事はありま
せんので、下絵を施す際に色がしっかり載る利点があります。
① 電気窯と燃料を使う窯では、熱の伝わり方が異なります。燃料を使う窯では、炎や熱せられた
空気の対流によって作品に熱が伝わります。その為、熱せられた空気や炎は細い隙間に入り込み
ます。更に、作品の裏側にも到達し、作品全体を熱する事が出来ます。即ち、窯全体を熱する
事になります。
② 電気窯の電熱線で発生する熱は、放射熱(又は輻射熱)と呼ばれる熱です。
輻射熱は、太陽光(熱)と同じ熱線です。この熱は真空中でも伝わる性質を持っています。
) 輻射熱は直進する。
熱源より直進する為、影が出来易いです。炎や対流の熱が細い隙間に入り込むのに対し、
丁度太陽光が直進し、影が出来るのと同じ様な働きです。その為細い隙間や作品の裏側には
届きません。但し、電気窯では後述する様に、出来るだけ影が発生しない様な構造と、
窯詰めを行う必要があります。
) 太陽は1点から熱が放出される為、影が出易いですが、電気窯では、面全体で発熱させる
為に、壁一面に電熱線を張り巡らせ、影が出来に難い構造になっています。即ち左右前後の
四面の全面と、場合によっては上部(天井)面にも発熱体が取り付けられています。
一部断線すると、その部分から先は発熱せず、輻射熱が届かない場所が出来る可能性が
あります。その為、ガスバーナー等の一部故障よりも、温度上昇に大きな影響を与えます。
太陽の光が届かない影の部分では、暖かくないのと同じ原理で、周囲の熱が補ってくれる
訳ではありません。
) 輻射熱と対流熱との大きな違いは、後者が熱せられた空気や炎によって、窯内部を駆け
巡り、熱するのに対し、前者は熱線が何かの物に突き当たる事で、初めてその物が発熱する
事です。勿論窯の壁に当たれば、壁も熱を持ちます。但し空気中を通過しても、ほとんど
空気を暖める事は出来ません。
) 発熱体の直前に広い面積の作品や、背の高い作品を置かない事です。
即ち、発熱体(電熱線)は壁や扉に取り付けられていますので、窯詰めの際、壁に近い棚板
には、熱線を遮断する大きな作品は置かず、小物を置き、窯の中央に面積の大きい作品を
置く事により、作品全体に輻射熱が当たり、加熱する事になります。
) 素焼きなどで、作品を重ねた場合、重なった部分は輻射熱の影に成りますので、加熱出来
ない事に成りますが、実際には、輻射熱の当った部分は熱を持ち、その作品に接している
部分から、熱が伝わります(熱伝道現象)ので、重なった作品も加熱される事に成ります。
窯の中の空気も、電熱線ではなく、窯の壁や作品の熱によって暖められますが、空気の
対流は他の窯よりは少なくなります。その為、必ずしも窯の中の温度が、均一に成るとは
限りません。他の窯では最上部が一番高温になり、下に行くほど温度は下がる傾向が顕著
ですが、電気窯でも若干その傾向がありますが、他の窯ほど顕著ではありません。
) 当然ですが、素焼きの際、作品を重ね焼きしても、重ねた部分が黒くなる事はありま
せんので、下絵を施す際に色がしっかり載る利点があります。