WOWOWシネマで、鈴木則文監督の1979年作品『トラック野郎 故郷(ふるさと)特急便』を見ました。
“トラック野郎10本記念映画”の字幕。雪の中を走るトラック。浅草を走るトラック。タイトル。
汽車と並行して走る桃次郎(菅原文太)とやもめのジョナサン(愛川欽也)のトラック。そこへ「よさこい喧嘩犬」「土佐龍馬号」とデコられたトラックが無理に追い越しをする。ドライブインで停まっていたそのトラックの運転手(原田大二郎)に詰め寄る桃次郎とジョナサンだったが、運転手が飼っている土佐犬が桃次郎に襲いかかり、犬が苦手な桃次郎は退散する。
“銚子港”の字幕。カップラーメンを運転席ですすりながら、荷を積むのをせかす桃次郎。ジョナサンは妻(春川ますみ)に公衆電話から長時間電話をかけ、帰るのがまた遅くなったことの言い訳をするが、欲求不満の妻は「じゃあ、トルコ風呂で働くから」と捨て台詞を吐く。
“東京湾フェリー埠頭”の字幕。“サンフラワー号”の看板。甲板で腕立て伏せをしていた桃次郎は、妻のことを心配しているジョナサンに声をかけ、「たとえトルコに行っても俺が予約を入れまくってやるから」と言って慰める。聞こえて来た歌に誘われて上甲板に桃次郎が行くと、背中を見せて歌を歌っている女性(石川さゆり)がいた。歌が終わると桃次郎は拍手をし、振り向いた彼女の顔を見て一目惚れしてしまう。女性は小野川ユカと名乗り、土佐周り中でレコードもまだ出していないという。「今のレコード業界はダメですね。私は武蔵野音大の演歌部でしたが」と言って、ベンチに二人で座り、ユカの肩に手を回す桃次郎。風でユカの楽譜が吹き飛ぶと、それを追って桃次郎は海に飛び込む。
“高知”の字幕。「南国土佐を後にして」が流れる中、かんざしを頭に当てる坊さん(由利徹)。“横浪スカイライン”の字幕。
夜。センターラインが二重に見え、車を蛇行させるジョナサンは、トラックをパトカーにぶつけて停まる。「目が変だ」とジョナサン。
昼。桃次郎が病院に電話すると、ジョナサンの妻はジョナサンが姿を消したと言い、自殺の恐れがあると言う。
自殺の名所の岬を探し回る桃次郎とその仲間たち。崖に飛びこもうとするジョナサンに桃次郎「奥さんと9人の子どもはどうする?」「キミエとは桃さんが再婚してくれ」。桃次郎、仲間に「わざと知らんぷりしよう」。桃次郎「早く飛びこめ。こないだ飛び込んだ奴は頭がグチャグチャになったらしいぞ」とはやし立てる。崖から下を見たジョナサンは、恐怖から体がぐらつく。若い娘(森下愛子)はジョナサンを抱き止め、桃次郎らに「仲間なら、何で止めてやらんと? もっと優しくせんと」と言う。彼女にまた一目惚れする桃次郎。
食堂で働く、若い娘が風美子という名と知った桃次郎は薔薇の花束を持って、「おかげで友人が命拾いをしました。彼から礼を言ってくれと頼まれました。この花は僕だけの気持ちです。僕、星桃次郎と言います。今日、帰りに僕のトラックでお送りします」と言う。
風美子の家まで風美子を送る桃次郎。その様子を隣の家から伺う男(大坂志郎)。
風美子は病気で寝たままの母との二人暮らしで、帰宅した後、すぐに用事に出る。そのすきに桃次郎は家に上がり込み、母に自分をアピールするが、母は何も言わない。そこへ隣の男がやって来て、「勝手に人の家に入るな」と言い、喧嘩が始まる。壊れたレコードの破片が尻に刺さる桃次郎。そこへ風美子が帰って来て、母は中気で口がきけなくなったと言う。隣の男は風美子はうちの息子の嫁だと言う。
食堂でやけ酒を飲み、「あんなに清楚だった娘がバージンじゃないなんて」と言うと、店の者が「隣人は行方不明の息子のリュウジが帰ってきたら、結婚させたいだけだ」と教える。
母の髪をとかす風美子。
桃次郎は港で働くリュウジの父に息子のことを尋ねると、息子の噂話ばかり言う。「現在は埼玉の飯能で働いていて、今度こそ本当だ」という父。「必ず帰ってくる。必ず見つかる」と言う父に「帰っても風美子がリュウジを好きになるかどうかは分からない」と言う桃次郎。(中略)
リュウジの父は「あいにく小さい頃の写真しかない」と写真を桃次郎に見せ、左腕に犬の噛み傷があると言うと、桃次郎は「俺が探してやる」と言う。
“香長平野”の字幕。キミエがジョナサンの代わりに運転している。桃次郎がヒッチハイクで乗せたお遍路さんの外人2人は「大日寺に行きたい」と言うが、桃次郎は「トイレの大に行きたい」と勘違いし、結局、大日寺に着く。「寺には尻をふく紙はないぞ」と紙を持って2人の後を追った桃次郎は、そこでお遍路さん姿のユカと再会する。仕事がない昼間は八十八カ所巡りをしているのだとユカは言い、あと3寺でそれが完成し、願い事が叶うと信じていると言う。(明日へ続きます……)
“トラック野郎10本記念映画”の字幕。雪の中を走るトラック。浅草を走るトラック。タイトル。
汽車と並行して走る桃次郎(菅原文太)とやもめのジョナサン(愛川欽也)のトラック。そこへ「よさこい喧嘩犬」「土佐龍馬号」とデコられたトラックが無理に追い越しをする。ドライブインで停まっていたそのトラックの運転手(原田大二郎)に詰め寄る桃次郎とジョナサンだったが、運転手が飼っている土佐犬が桃次郎に襲いかかり、犬が苦手な桃次郎は退散する。
“銚子港”の字幕。カップラーメンを運転席ですすりながら、荷を積むのをせかす桃次郎。ジョナサンは妻(春川ますみ)に公衆電話から長時間電話をかけ、帰るのがまた遅くなったことの言い訳をするが、欲求不満の妻は「じゃあ、トルコ風呂で働くから」と捨て台詞を吐く。
“東京湾フェリー埠頭”の字幕。“サンフラワー号”の看板。甲板で腕立て伏せをしていた桃次郎は、妻のことを心配しているジョナサンに声をかけ、「たとえトルコに行っても俺が予約を入れまくってやるから」と言って慰める。聞こえて来た歌に誘われて上甲板に桃次郎が行くと、背中を見せて歌を歌っている女性(石川さゆり)がいた。歌が終わると桃次郎は拍手をし、振り向いた彼女の顔を見て一目惚れしてしまう。女性は小野川ユカと名乗り、土佐周り中でレコードもまだ出していないという。「今のレコード業界はダメですね。私は武蔵野音大の演歌部でしたが」と言って、ベンチに二人で座り、ユカの肩に手を回す桃次郎。風でユカの楽譜が吹き飛ぶと、それを追って桃次郎は海に飛び込む。
“高知”の字幕。「南国土佐を後にして」が流れる中、かんざしを頭に当てる坊さん(由利徹)。“横浪スカイライン”の字幕。
夜。センターラインが二重に見え、車を蛇行させるジョナサンは、トラックをパトカーにぶつけて停まる。「目が変だ」とジョナサン。
昼。桃次郎が病院に電話すると、ジョナサンの妻はジョナサンが姿を消したと言い、自殺の恐れがあると言う。
自殺の名所の岬を探し回る桃次郎とその仲間たち。崖に飛びこもうとするジョナサンに桃次郎「奥さんと9人の子どもはどうする?」「キミエとは桃さんが再婚してくれ」。桃次郎、仲間に「わざと知らんぷりしよう」。桃次郎「早く飛びこめ。こないだ飛び込んだ奴は頭がグチャグチャになったらしいぞ」とはやし立てる。崖から下を見たジョナサンは、恐怖から体がぐらつく。若い娘(森下愛子)はジョナサンを抱き止め、桃次郎らに「仲間なら、何で止めてやらんと? もっと優しくせんと」と言う。彼女にまた一目惚れする桃次郎。
食堂で働く、若い娘が風美子という名と知った桃次郎は薔薇の花束を持って、「おかげで友人が命拾いをしました。彼から礼を言ってくれと頼まれました。この花は僕だけの気持ちです。僕、星桃次郎と言います。今日、帰りに僕のトラックでお送りします」と言う。
風美子の家まで風美子を送る桃次郎。その様子を隣の家から伺う男(大坂志郎)。
風美子は病気で寝たままの母との二人暮らしで、帰宅した後、すぐに用事に出る。そのすきに桃次郎は家に上がり込み、母に自分をアピールするが、母は何も言わない。そこへ隣の男がやって来て、「勝手に人の家に入るな」と言い、喧嘩が始まる。壊れたレコードの破片が尻に刺さる桃次郎。そこへ風美子が帰って来て、母は中気で口がきけなくなったと言う。隣の男は風美子はうちの息子の嫁だと言う。
食堂でやけ酒を飲み、「あんなに清楚だった娘がバージンじゃないなんて」と言うと、店の者が「隣人は行方不明の息子のリュウジが帰ってきたら、結婚させたいだけだ」と教える。
母の髪をとかす風美子。
桃次郎は港で働くリュウジの父に息子のことを尋ねると、息子の噂話ばかり言う。「現在は埼玉の飯能で働いていて、今度こそ本当だ」という父。「必ず帰ってくる。必ず見つかる」と言う父に「帰っても風美子がリュウジを好きになるかどうかは分からない」と言う桃次郎。(中略)
リュウジの父は「あいにく小さい頃の写真しかない」と写真を桃次郎に見せ、左腕に犬の噛み傷があると言うと、桃次郎は「俺が探してやる」と言う。
“香長平野”の字幕。キミエがジョナサンの代わりに運転している。桃次郎がヒッチハイクで乗せたお遍路さんの外人2人は「大日寺に行きたい」と言うが、桃次郎は「トイレの大に行きたい」と勘違いし、結局、大日寺に着く。「寺には尻をふく紙はないぞ」と紙を持って2人の後を追った桃次郎は、そこでお遍路さん姿のユカと再会する。仕事がない昼間は八十八カ所巡りをしているのだとユカは言い、あと3寺でそれが完成し、願い事が叶うと信じていると言う。(明日へ続きます……)