今日の朝日新聞の朝刊で若いアスリートを特集した記事の冒頭文を「一瞬の風になれ」で一気にメジャーになった佐藤多佳子さんが書かれていました。朝からラッキーな一日でした。
さて、「キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか」が面白かった北尾トロさんが編集者たちと作ったレオナルド調査隊が著者の'97年の作品「出版業界裏口入学」を読みました。
内容は題名とは全く関係なく、本に関するいろんなことについて調査するという内容です。では、実際にどんなことを調べているか目次の項目とその内容を列挙していくと、「あなたはなぜ、その本を買ったのですか」(本屋で本を買った人にどうしてその本を買ったか聞く)、「自費出版の世界に明るい未来はやってくるのか?」(自費出版の現状を調べる)、「エロ漫画の“今日まで、そして明日から”」(エロ漫画雑誌の現状を調べる)、「国立国会図書館と末永くおつきあいする方法」(国立国会図書館の実態を調べる)、「あなたの本棚にあるイチバン“恥ずかしい本”を教えてください」(そのまんま)、「調査隊がインドで見つけた真実『あなたもサイババになれる!?』」(実際にインドに行き、サイババの奇跡が本物かどうか調べる)、「聖地“神保町”古本屋オヤジへの挑戦!」(神保町の古本屋で本がいくらぐらいで買ってもらえるか調べる)、「『趣味は読書』っていったいなんだ?」(履歴書の趣味欄にやたら多く書かれている「読書」の実態を調査する)、「秋の夜長は本当に読書向きなのか?」(そのまんま)、「ラムブックセンター芳進堂店長 武藤浩平の一日」(そのまんま)、「ああ絶版! いつまでもあると思うな親と名作」(絶版になっている文庫本を調べる)、「神戸復興のシンボルは書店だった!?」(阪神大震災の一年後の神戸の書店の状況を調べる)、「地獄のラッシュアワー読書術」(ラッシュアワーの中でいかに本が読まれているか調べる)、「読書感想文と課題図書」(課題図書をどこが決め、どのくらいの読書感想文が書かれているか調べる)、「旅人の友は一冊の文庫本だった!?」(本当に一人旅をしている人は文庫本を持っているのか調べる)、「決定! 世界『イヌ・ネコ本』人気番付」(著者が犬派、猫派に分かれて、番付を発表する)、「本を売るのもガッツだぜ!?」(フリーマーケットや古本屋で本をいくらで買ってくれるか調べる)、「本読みに引退なし」(老人の読書事情を調べる)、以上です。
内容は今一面白くありませんでしたが、一番インパクトがあったのは、絶版になった文庫本を調べるという企画で、'64年と'94年を比較した場合、例えば川端康成は40册から29册へ、谷崎潤一郎は33册から12册へ、武者小路実篤は41册が11册へ、石坂洋次郎は24册が1册へ、というように有名な明治時代の作家は軒並みすごいダウンぶりで、尾崎士郎、織田作之助に至っては、19册、8册あったのが、0册になっていました。全集が出ているような大作家であれば、文庫本でなくても読めるでしょうが、すごい絶版ぶり。大手の出版者では単行本は出版してから3年、その後文庫本にしてから3年は出版するといいますから、3年以上生き残る新しい文庫本が出現する度に、今まで出されていた文庫本が消えて行くということになるらしいです。これは明治の作家だけに言えることではなく、最近の人気作家でも代表作が文庫から消えていくことは珍しくないようでした。
そしてもう一つ、阪神大震災の時に本は役にたったか、というアンケートがなされたのですが、結果はまっぷたつ。本を読むどころじゃない、と本をまったく読まなかった人と、本を読むことによって現実逃避でき、心が休まったと言う人とに完全に分かれました。この辺も聞いてみないと分からないなあ、という感じです。
ということで、「キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか」ほどではありませんが、ほどほどに楽しませてくれる本でした。
さて、「キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか」が面白かった北尾トロさんが編集者たちと作ったレオナルド調査隊が著者の'97年の作品「出版業界裏口入学」を読みました。
内容は題名とは全く関係なく、本に関するいろんなことについて調査するという内容です。では、実際にどんなことを調べているか目次の項目とその内容を列挙していくと、「あなたはなぜ、その本を買ったのですか」(本屋で本を買った人にどうしてその本を買ったか聞く)、「自費出版の世界に明るい未来はやってくるのか?」(自費出版の現状を調べる)、「エロ漫画の“今日まで、そして明日から”」(エロ漫画雑誌の現状を調べる)、「国立国会図書館と末永くおつきあいする方法」(国立国会図書館の実態を調べる)、「あなたの本棚にあるイチバン“恥ずかしい本”を教えてください」(そのまんま)、「調査隊がインドで見つけた真実『あなたもサイババになれる!?』」(実際にインドに行き、サイババの奇跡が本物かどうか調べる)、「聖地“神保町”古本屋オヤジへの挑戦!」(神保町の古本屋で本がいくらぐらいで買ってもらえるか調べる)、「『趣味は読書』っていったいなんだ?」(履歴書の趣味欄にやたら多く書かれている「読書」の実態を調査する)、「秋の夜長は本当に読書向きなのか?」(そのまんま)、「ラムブックセンター芳進堂店長 武藤浩平の一日」(そのまんま)、「ああ絶版! いつまでもあると思うな親と名作」(絶版になっている文庫本を調べる)、「神戸復興のシンボルは書店だった!?」(阪神大震災の一年後の神戸の書店の状況を調べる)、「地獄のラッシュアワー読書術」(ラッシュアワーの中でいかに本が読まれているか調べる)、「読書感想文と課題図書」(課題図書をどこが決め、どのくらいの読書感想文が書かれているか調べる)、「旅人の友は一冊の文庫本だった!?」(本当に一人旅をしている人は文庫本を持っているのか調べる)、「決定! 世界『イヌ・ネコ本』人気番付」(著者が犬派、猫派に分かれて、番付を発表する)、「本を売るのもガッツだぜ!?」(フリーマーケットや古本屋で本をいくらで買ってくれるか調べる)、「本読みに引退なし」(老人の読書事情を調べる)、以上です。
内容は今一面白くありませんでしたが、一番インパクトがあったのは、絶版になった文庫本を調べるという企画で、'64年と'94年を比較した場合、例えば川端康成は40册から29册へ、谷崎潤一郎は33册から12册へ、武者小路実篤は41册が11册へ、石坂洋次郎は24册が1册へ、というように有名な明治時代の作家は軒並みすごいダウンぶりで、尾崎士郎、織田作之助に至っては、19册、8册あったのが、0册になっていました。全集が出ているような大作家であれば、文庫本でなくても読めるでしょうが、すごい絶版ぶり。大手の出版者では単行本は出版してから3年、その後文庫本にしてから3年は出版するといいますから、3年以上生き残る新しい文庫本が出現する度に、今まで出されていた文庫本が消えて行くということになるらしいです。これは明治の作家だけに言えることではなく、最近の人気作家でも代表作が文庫から消えていくことは珍しくないようでした。
そしてもう一つ、阪神大震災の時に本は役にたったか、というアンケートがなされたのですが、結果はまっぷたつ。本を読むどころじゃない、と本をまったく読まなかった人と、本を読むことによって現実逃避でき、心が休まったと言う人とに完全に分かれました。この辺も聞いてみないと分からないなあ、という感じです。
ということで、「キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか」ほどではありませんが、ほどほどに楽しませてくれる本でした。