9月29日の東京新聞のコラムで、佐藤優さんが前原元民進党代表の人生に触れる文章を書いていましたので、ここに全文を引用させていただきたいと思います。
「民進党の前原誠司代表が経済・社会政策を変容させていく過程を筆者は間近で見ていた。前原氏は慶応大学の井手英策教授が中心となり二年間行われた少人数の勉強会に筆者も参加し、その結果は三人の共著『分断社会ニッポン』(朝日新書、2016年)で公表されている。
ところで、安倍晋三首相は25日の記者会見で、〈19年10月に予定通り消費税率を10%に引き上げた上で、増収分の使い道を変え、約2兆円を国の借金返済から幼児教育無償化『子育て世代への投資拡充』に振り向けると説明した〉(26日日本紙朝刊)。
何人かの新聞記者と週刊誌記者から電話がかかってきて『あれは前原さんの政策のパクりじゃないか』と筆者の意見を求められた。これに対して筆者はこんな答えをしている。『パクリか偶然の一致かは、僕にもよくわからない。前原さんは中学生の時、お父さんが自殺し、母子家庭で経済的には苦労した。高校大学も奨学金を得て、大学時代はバイト代のいい早朝の魚市場で働いた。井手氏と出会い、意見交換を重ねる中で、前原氏は現下日本社会では自分と同じ境遇の子どもがまともな教育を受けるのは不可能だと認識するようになった。それが今回の政策転換につながった。前原さんの政策には彼の人生が反映されている。血の通った政策だ』。」
うちの母は前原さんのファンで、京都出身という点でも惹かれているようですが、こんなに苦労して勉学してきた人だとは私も知りませんでした。菅直人さんが新人議員の時、選挙資金を集めるため、古新聞を回収する仕事をスタッフとともにしていたという有名な話がありますが、二世議員の多い自民党の議員に比べて、野党は草の根運動から志を持って政治家になった人が多いように思います。私の選挙区の民進党議員だった後藤祐一さんは国会に於いて一番多く質問、および法案提出・修正案を行なっていることで有名ですが、彼も公立の厚木高校を出た後、国立の東京大学法学部に入学し、卒業後は通商産業省に入省し、スタンフォード大学アジアパシフィックリサーチセンター客員研究員、カナダ政府外務国際貿易省交換職員を経て、経産相改革派官僚としての仕事をし、その後、一回の落選を経て、国会議員になったという経歴の持ち主で、やはり志があって政治家になった人で、私は彼の隠れファンです。
二世議員の多い自民党と、志をもって政治家を目指した人が多い野党の人々、どちらかを選べと言われれば、私は文句なしに後者を選びます。
また、希望の党が「寛容な保守政党」と銘打って、「安保法制に反対した人は公認しない」と小池百合子さんは言っていますが、ならば安保法制を白紙撤回させたい人々は社民連、共産党、そしてもしかしたら自由党、それに有志が作る第三の勢力、「寛容なリベラル政党」を立ち上げて、そこで闘えば、多人数区や比例区で一定の票を確保することができると思います。自民・公明勢力、希望の党勢力、リベラル勢力の3すくみとして選挙を戦えば、おそらく自民・公明勢力は惨敗し、希望の党勢力が第一党、リベラル勢力もそれなりの当選者を出し、第二党、もしくは第三党になれると思います。リベラル勢力を作るため、まず民進党の中でもリベラルだった人たち、そして社民連と共産党、自由党が選挙協力の協議に入ってくれること、つまり小沢さんがこれまで言ってきた“オリーブの木”構想の実現を切に願う今日この頃です。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
「民進党の前原誠司代表が経済・社会政策を変容させていく過程を筆者は間近で見ていた。前原氏は慶応大学の井手英策教授が中心となり二年間行われた少人数の勉強会に筆者も参加し、その結果は三人の共著『分断社会ニッポン』(朝日新書、2016年)で公表されている。
ところで、安倍晋三首相は25日の記者会見で、〈19年10月に予定通り消費税率を10%に引き上げた上で、増収分の使い道を変え、約2兆円を国の借金返済から幼児教育無償化『子育て世代への投資拡充』に振り向けると説明した〉(26日日本紙朝刊)。
何人かの新聞記者と週刊誌記者から電話がかかってきて『あれは前原さんの政策のパクりじゃないか』と筆者の意見を求められた。これに対して筆者はこんな答えをしている。『パクリか偶然の一致かは、僕にもよくわからない。前原さんは中学生の時、お父さんが自殺し、母子家庭で経済的には苦労した。高校大学も奨学金を得て、大学時代はバイト代のいい早朝の魚市場で働いた。井手氏と出会い、意見交換を重ねる中で、前原氏は現下日本社会では自分と同じ境遇の子どもがまともな教育を受けるのは不可能だと認識するようになった。それが今回の政策転換につながった。前原さんの政策には彼の人生が反映されている。血の通った政策だ』。」
うちの母は前原さんのファンで、京都出身という点でも惹かれているようですが、こんなに苦労して勉学してきた人だとは私も知りませんでした。菅直人さんが新人議員の時、選挙資金を集めるため、古新聞を回収する仕事をスタッフとともにしていたという有名な話がありますが、二世議員の多い自民党の議員に比べて、野党は草の根運動から志を持って政治家になった人が多いように思います。私の選挙区の民進党議員だった後藤祐一さんは国会に於いて一番多く質問、および法案提出・修正案を行なっていることで有名ですが、彼も公立の厚木高校を出た後、国立の東京大学法学部に入学し、卒業後は通商産業省に入省し、スタンフォード大学アジアパシフィックリサーチセンター客員研究員、カナダ政府外務国際貿易省交換職員を経て、経産相改革派官僚としての仕事をし、その後、一回の落選を経て、国会議員になったという経歴の持ち主で、やはり志があって政治家になった人で、私は彼の隠れファンです。
二世議員の多い自民党と、志をもって政治家を目指した人が多い野党の人々、どちらかを選べと言われれば、私は文句なしに後者を選びます。
また、希望の党が「寛容な保守政党」と銘打って、「安保法制に反対した人は公認しない」と小池百合子さんは言っていますが、ならば安保法制を白紙撤回させたい人々は社民連、共産党、そしてもしかしたら自由党、それに有志が作る第三の勢力、「寛容なリベラル政党」を立ち上げて、そこで闘えば、多人数区や比例区で一定の票を確保することができると思います。自民・公明勢力、希望の党勢力、リベラル勢力の3すくみとして選挙を戦えば、おそらく自民・公明勢力は惨敗し、希望の党勢力が第一党、リベラル勢力もそれなりの当選者を出し、第二党、もしくは第三党になれると思います。リベラル勢力を作るため、まず民進党の中でもリベラルだった人たち、そして社民連と共産党、自由党が選挙協力の協議に入ってくれること、つまり小沢さんがこれまで言ってきた“オリーブの木”構想の実現を切に願う今日この頃です。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)