昨日の続きです。
二段ベッドで寝る泉水と春。春「レイプって何?」「なぜ?」「みんなが言ってるから」。少し間があって「ファンタグレープだよ。レイプッレイプッファンタグレープ」。二人で歌い、やがて笑い合う。
葛城の部屋からの帰り道、泣き出す泉水。
うつ伏せに倒れている母。警官「ブレーキ痕があるので、事故だと思いますが、一応自殺の可能性もお聞きしたいと思って」父「自殺するなんてありえません」。高校生になっている泉水と春。
親子鑑定をする泉水。
父「話しておくことがある。本当は二人が成人してから言おうと思っていたんだが。レイプ犯の子どもが春だ。お母さんが妊娠した時、神様の声が聞こえた。怒鳴り声だった。“自分で考えろ”って。神様のあり方としてこれは正しい。私は即座に決断した。私たちは最強の家族だ」。
泉水、「殺人 方法」で検索をかけ、殺人サイトに行くと「溺死」のところをクリックする。
車を買う泉水。
葛城に電話をする泉水。「レイプした相手の写真を買い取りたい。私の知り合いの外人でマニアがいる。決して迷惑はかけない」。
泉水が春のベッドから毛髪を採取していると、春が入ってくる。「携帯がつながらなかったから」。
春「新たなグラフィティ・アートが見つかった。明日張り込もう」泉水「明日はダメだ! 犯人探しなんてしてないで、少しは自分の将来のことを考えろ。いつまでもお前のお守りはできない」。
泉水が外に出ると、葛城行きつけのバーにいた女(吉高由里子)が壁にもたれて立っている。泉水に見つかると、彼女は逃げ、やがて泉水に捕まる。「なぜつけまわす?」「私がつけまわしているのは春君です。無言電話や無断で家に上がり込んだりしてごめんなさい」「もしかして夏子さん?」。
「私、整形したんです。でも諦めがつきました。グラフィティ・アートは春君が描いています。火をつけているところも見ました」。
車に火をつける春。近くには「Unforgiven」のグラフィティ・アートが。一方、春を探す泉水。
空き缶を乱暴に踏み潰す春。
春への携帯がつながらない。朝。春の自宅。目覚めた春に泉水「ちょっと寄っただけ」。
泉水「今から車を取りに行きます」。
無人の春の部屋。泉水は貼られたポスターをはがしていくと、その下の壁に放火の地点を示す地図が貼られているのを発見する。(中略)春から電話「新しいグラフィティ・アートが見つかった。また火災が起きる」「写真の頭文字をA、T、C、Gの記号にすると、これで終わりだと分かった。ストップコドンと言って、遺伝子の終了を告げる組合せなんだ。そうだ、君の居場所が分かった!」
葛城「お前、頭おかしいんじゃないか? 俺の子どもなんだって? それを隠さずに生活しているなんて、恥ずかしい一家だな。たかがレイプだ」。春、火をつける。火は一気に周囲を駆け巡る。「浄化が必要だ」「父親を殺すのか?」。たどりついた泉水は窓を破る。春、葛城をバットで何度も殴りつけ、殺す。フェイドアウト。
フェイドイン。目覚める父。ソファーで眠る父。オーバーラップ。
ミツバチの世話をする三人。火災で男の遺体が出たと告げるニュース。
(中略)
泉水「一人でもできただろう?」春「兄貴がいないと不安なんだ」「臆病者だな」「知ってる。警察に行く」「悪いことじゃない」「考えて出した結論なんだ。無茶苦茶だなあ」「俺も殺そうと思ってた。滅茶苦茶だ」。
「体大丈夫?」父「手の施しようがないらしい。死は怖くない。あれは怖かった。お母さんが役所に乗り込んで結婚証明書を出した時、『何でお前だ?』と同僚から糾弾されたんだ。それはそうと話がある。ちょっとこっちに来い。隠れて何かをやったそうだな」春「何もない」「春は嘘をつくとき、必ず唇に触る。俺に似て嘘が下手だな」。
サーカスの空中ブランコ。ピエロが危なっかしく演じる。それを見上げる父母と幼い二人。父「楽しそうに生きれば重力なんて消える」。
青空。蜂蜜を採取する春と泉水。
泉水「甘い」春「甘いな」「次はどうしたらいいんだ?」「父さんの部屋に本があったはずだ」。
春、2階に至り、本を手に取ると「これか、どうすればいいか神様に聞いてた。自分自身がなりたい過去になりなさい、という声が聞こえてきた」。
2階から泉水めがけて本を落とす春。それに続いて、春も2階から飛び降りる。「春が2階から落ちて来た」のナレーションで、映画は終わる。
随所で情緒に流れる場面が多く、また画面構成という点でも特筆すべきものはなかったような気がします。若き日の父の頭のかつらが、あまりにも分かりやすいかつらだったので、それが常に気になりました。そういう点に目がいってしまうというのも、演出の点でやはりわざとらしい部分があったことの証明になるような気がしています。ただ、時制が巧みに変わる編集がなされていて、構成の面ではよくできていたと思いました。
→サイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
P.S. 今から約30年前、東京都江東区で最寄りの駅が東陽町だった「早友」東陽町教室の教室長、および木場駅が最寄りの駅だった「清新塾」のやはり教室長だった伊藤達夫先生、また、当時の生徒の皆さん、これを見たら是非下記までお知らせください。黒山先生、福長先生と私が、首を長くして待っています。(また伊藤先生の情報をお持ちの方も是非お知らせください。連絡先は「m-goto@ceres.dti.ne.jp」です。よろしくお願いいたします。)
二段ベッドで寝る泉水と春。春「レイプって何?」「なぜ?」「みんなが言ってるから」。少し間があって「ファンタグレープだよ。レイプッレイプッファンタグレープ」。二人で歌い、やがて笑い合う。
葛城の部屋からの帰り道、泣き出す泉水。
うつ伏せに倒れている母。警官「ブレーキ痕があるので、事故だと思いますが、一応自殺の可能性もお聞きしたいと思って」父「自殺するなんてありえません」。高校生になっている泉水と春。
親子鑑定をする泉水。
父「話しておくことがある。本当は二人が成人してから言おうと思っていたんだが。レイプ犯の子どもが春だ。お母さんが妊娠した時、神様の声が聞こえた。怒鳴り声だった。“自分で考えろ”って。神様のあり方としてこれは正しい。私は即座に決断した。私たちは最強の家族だ」。
泉水、「殺人 方法」で検索をかけ、殺人サイトに行くと「溺死」のところをクリックする。
車を買う泉水。
葛城に電話をする泉水。「レイプした相手の写真を買い取りたい。私の知り合いの外人でマニアがいる。決して迷惑はかけない」。
泉水が春のベッドから毛髪を採取していると、春が入ってくる。「携帯がつながらなかったから」。
春「新たなグラフィティ・アートが見つかった。明日張り込もう」泉水「明日はダメだ! 犯人探しなんてしてないで、少しは自分の将来のことを考えろ。いつまでもお前のお守りはできない」。
泉水が外に出ると、葛城行きつけのバーにいた女(吉高由里子)が壁にもたれて立っている。泉水に見つかると、彼女は逃げ、やがて泉水に捕まる。「なぜつけまわす?」「私がつけまわしているのは春君です。無言電話や無断で家に上がり込んだりしてごめんなさい」「もしかして夏子さん?」。
「私、整形したんです。でも諦めがつきました。グラフィティ・アートは春君が描いています。火をつけているところも見ました」。
車に火をつける春。近くには「Unforgiven」のグラフィティ・アートが。一方、春を探す泉水。
空き缶を乱暴に踏み潰す春。
春への携帯がつながらない。朝。春の自宅。目覚めた春に泉水「ちょっと寄っただけ」。
泉水「今から車を取りに行きます」。
無人の春の部屋。泉水は貼られたポスターをはがしていくと、その下の壁に放火の地点を示す地図が貼られているのを発見する。(中略)春から電話「新しいグラフィティ・アートが見つかった。また火災が起きる」「写真の頭文字をA、T、C、Gの記号にすると、これで終わりだと分かった。ストップコドンと言って、遺伝子の終了を告げる組合せなんだ。そうだ、君の居場所が分かった!」
葛城「お前、頭おかしいんじゃないか? 俺の子どもなんだって? それを隠さずに生活しているなんて、恥ずかしい一家だな。たかがレイプだ」。春、火をつける。火は一気に周囲を駆け巡る。「浄化が必要だ」「父親を殺すのか?」。たどりついた泉水は窓を破る。春、葛城をバットで何度も殴りつけ、殺す。フェイドアウト。
フェイドイン。目覚める父。ソファーで眠る父。オーバーラップ。
ミツバチの世話をする三人。火災で男の遺体が出たと告げるニュース。
(中略)
泉水「一人でもできただろう?」春「兄貴がいないと不安なんだ」「臆病者だな」「知ってる。警察に行く」「悪いことじゃない」「考えて出した結論なんだ。無茶苦茶だなあ」「俺も殺そうと思ってた。滅茶苦茶だ」。
「体大丈夫?」父「手の施しようがないらしい。死は怖くない。あれは怖かった。お母さんが役所に乗り込んで結婚証明書を出した時、『何でお前だ?』と同僚から糾弾されたんだ。それはそうと話がある。ちょっとこっちに来い。隠れて何かをやったそうだな」春「何もない」「春は嘘をつくとき、必ず唇に触る。俺に似て嘘が下手だな」。
サーカスの空中ブランコ。ピエロが危なっかしく演じる。それを見上げる父母と幼い二人。父「楽しそうに生きれば重力なんて消える」。
青空。蜂蜜を採取する春と泉水。
泉水「甘い」春「甘いな」「次はどうしたらいいんだ?」「父さんの部屋に本があったはずだ」。
春、2階に至り、本を手に取ると「これか、どうすればいいか神様に聞いてた。自分自身がなりたい過去になりなさい、という声が聞こえてきた」。
2階から泉水めがけて本を落とす春。それに続いて、春も2階から飛び降りる。「春が2階から落ちて来た」のナレーションで、映画は終わる。
随所で情緒に流れる場面が多く、また画面構成という点でも特筆すべきものはなかったような気がします。若き日の父の頭のかつらが、あまりにも分かりやすいかつらだったので、それが常に気になりました。そういう点に目がいってしまうというのも、演出の点でやはりわざとらしい部分があったことの証明になるような気がしています。ただ、時制が巧みに変わる編集がなされていて、構成の面ではよくできていたと思いました。
→サイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
P.S. 今から約30年前、東京都江東区で最寄りの駅が東陽町だった「早友」東陽町教室の教室長、および木場駅が最寄りの駅だった「清新塾」のやはり教室長だった伊藤達夫先生、また、当時の生徒の皆さん、これを見たら是非下記までお知らせください。黒山先生、福長先生と私が、首を長くして待っています。(また伊藤先生の情報をお持ちの方も是非お知らせください。連絡先は「m-goto@ceres.dti.ne.jp」です。よろしくお願いいたします。)