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フランク・ダラボント監督『ミスト』

2009-10-31 21:46:00 | ノンジャンル
 本日、秦野ビジターセンターの催しに参加してきました。夜の森を歩き動物の気配を探るというものでしたが、メスのシカの警戒音が聞けました。11月の登山も参加しようと思っています。

 さて、WOWOWで、フランク・タラボント監督・脚色の'07年作品「ミスト」を見ました。スティーヴン・キング原作の「霧」を再映画化したものです。
 嵐で別荘に被害を受けたデヴィッドは息子と隣人のノーマンと一緒にショッピングセンターに買い出しに行きます。警報のサイレンが鳴り、血まみれの男が逃げ込んできて迫り来る濃霧の中に化け物がいると言います。一瞬の静寂の後地震が襲い人々はパニックに。倉庫に毛布を取りに行ったデヴィッドはシャッターを何かが強く叩いているのを目撃しますが信用されず、ふさがっている発電機の排気孔を開けるために他の客がシャッターを上げると触手が伸びて来て若者がひとり濃霧の中に引きずられていきます。デヴィッドらは他の人が外に出ないように事実を伝えますがノーマンは信じようとせず、キリスト教の狂信者は生け贄を捧げようと扇動します。結局ノーマンは救助を求めるために数人を引き連れて出て行きますが、そのうちの一人の腰に結んだ縄は途中から猛スピードで引っ張られ、下半身だけが戻ってきます。夜には巨大な昆虫とそれを襲う巨大な鳥がガラスを割って侵入し、それを撃退するために付けられた松明は火災を起こします。火傷を負った者を助けるためにデヴィッドらは隣の薬局に行きますが、そこでは巨大なクモが巣食っていました。そこにいた瀕死の兵士の言葉を不審に思ったデヴィッドらは、スーパーにいた兵士に話を聞こうとしますが、異次元との窓を開く研究をしていた噂を聞いたと言った兵士は狂信者らに捕らえられ、腹を刺されて室外に出され生け贄とされます。デヴィッドらは彼らから逃れるために脱出しようとしますが、狂信者らに阻止されデヴィッドの息子を生け贄にされそうになり、やむなく狂信者のリーダーの女性を射殺し、車で逃亡することに成功しますが、ガスケツとなり、絶望した彼らはデヴィッドに射殺されることを選びます。一人生き残って嘆き叫ぶ彼に近づいて来たのは戦車で、薄れ行く霧の中を火炎放射器で変異生物を掃討する兵士らとトラックで助け出される住民たちを見て、デヴィッドは絶望的に咆哮するのでした。
 スーパーに閉じ込まれるまでの導入部はすばらしいのですが、籠城し始めて狂信者の演説が延々と始まる辺りから不快になりました。手持ちカメラで臨場感を出しているのですが、これも新鮮なのはシャッターの辺りまでで、それ以降はわざとらしさが目立ちました。それにしてもこれほど陰鬱な話だったでしょうか? 変異生物のCGもグロテスクで、同じ原作を持つジョン・カーペンター監督の「フォッグ」の方がずっと良かったように思います。この映画というよりも、原作のキングの小説の方がオススメです。

シリン・ネザマフィ『白い紙/サラム』

2009-10-30 17:46:00 | ノンジャンル
 WOWOWで、瀬々敬久監督の「フライング・ラビッツ」を飛ばし見しました。JALのCAで作られたバスケット・チームを描いた映画でしたが、主演の石原さとみが美しく撮れているのが居酒屋のシーンだけという悲惨さでした。「包帯クラブ」ではあんなに良かったのに‥‥。彼女はひっつめの髪型は似合わないようです。

 さて、シリン・ネザマフィさんの'09年作品「白い紙/サラム」を読みました。今年の芥川賞候補作として話題となった本です。
 「白い紙」は、イラクとの開戦直後のイランで、密かに自分とデートしている医学部志望の青年が、父が戦場で逃亡したために、医学部に合格したにもかかわらず戦場へ旅立つ話。
 「サラム」は、アフガンからの難民申請をして収容されていた少女が、軍の司令官をしている父が死ぬことによって認定への道が開かれますが、9・11のせいで強制送還されるのに立ち合う、弁護士の通訳のバイトをしている大学生の私の話です。
 2作とも中編の長さで、事実の重みによって作品の質が支えられている感じで文章の力はまだまだのような気がしました。今後の作品に期待したいと思います。イランやアフガンの現状に関心のある方にはオススメです。

ミカエル・ハフストローム監督『1408号室』

2009-10-29 18:11:00 | ノンジャンル
 WOWOWで、ミカエル・ハフストローム監督の'07年作品「1408号室」を見ました。スティーヴン・キングの短編を映画化したものです。
 オカルト作家のエンズリンは心霊現象がある場所を訪ねて本を書いています。ある日ニューヨークのドルフィン・ホテルの1408号室には入るなと書かれた葉書を受け取り、ホテルの支配人の抵抗にもかかわらず出版社の弁護士の助けで部屋を借りることになりますが、支配人は過去に56人もの宿泊者が死んだことを告げます。部屋に入ってしばらくするとラジオが勝手に鳴りだし、デジタル時計が1時間のカウントダウンを始めます。窓で手をはさんで負傷し、覆面をつけた男に襲われ、亡くなった娘の姿が度々現れ、子供の声の幻聴や飛び下りる男女の幻覚に襲われます。外壁を伝って隣室に逃げ込もうとすると、建物には自室以外の窓が一切なく、自室に戻ると扉と窓の向こうが壁で塞がれます。パソコンで別居中の妻につながりますが、スプリンクラーからの水でパソコンがやられ、換気口から出ようとすると男に襲われ別の口から降りるとまた自室に戻っています。部屋は凍り付き、凍死寸前でパソコンに妻がまた現れますが、パソコンが勝手に自分を語って妻をここに誘き寄せようとします。やがて部屋は崩壊し始め、嵐になり、動き出した海の絵をたたき壊すと大量の水が流れ込み溺れます。やっと浮き上がると、そこは以前に溺れた海辺のシーンに戻っています。回復して郵便局に行くと、急に従業員たちが壁を壊し始め、壁が壊れるとまたあの部屋が現れます。現れた娘は腕の中で砂塵と化し、怒りで暴れると電話がかかってきてホテルのフロントが追体験をするかどうかを聞きます。部屋には首吊り用の縄が下がり、墓穴が掘られていますが、エンズリンは部屋に放火し、部屋が咆哮しながら燃える中、消防士によって助け出されます。そして障害者になったエンズリンがレコーダーで部屋での娘とのやりとりを再生すると、妻は茫然とするのでした。
 ドンデン返しの繰り返しの割には、あっさりした最後でした。主役のジョン・キューザックはトム・ハンクスを少しつまならくしたような顔をしていて、もっと魅力的な役者であればもっと面白い映画になったと思います。それでも悪夢のような展開が結構楽しめました。キングの小説が好きな方にはオススメです。

山田詠美編『幸せな哀しみの話』

2009-10-28 16:07:00 | ノンジャンル
 先日、三浦半島の岩礁の道というのに行ってきましたが、聞きしに勝る危険な道で、ぬるぬるの岩を踏み外せば骨折もやむなしといった所や、ジャンプしないと対岸に届かないところなど多数で、干潮の時間を狙っていったにもかかわらず派手に波をかぶりビショビショになりました。これから行く方はかなりの覚悟が必要だと思います。

 さて、山田詠美さん編の'09年作品「幸せな哀しみの話 心に残る物語―日本文学秀作選」を読みました。詠美さんが選んだ短編集です。
 中上健次「化粧」は、別居している妻子と法事で久しぶりに会い、飼っていた鳥の話をする物語。
 半村良「愚者の街」は、夜の新宿で20年ぶりに会った同級生から、高校を卒業した後バーテンを経て小説家になった話をされる物語。
 赤江瀑「ニジンスキーの手」は、ニジンスキーの再来と言われた日本人の舞踏家をめぐる話。
 草間弥生「クリストファー男娼窟」は、ニューヨークの男娼が客の男根を切り落とす話。
 河野多恵子「骨の肉」は、別れた男の残していった荷物を燃やすまでの話。
 遠藤周作「霧の中の声」は、退屈な夫との毎日を過ごしている妻が予知夢を見るようになり、夫の胃ガンの手術の後、夢の通りに夫によって車の前へ突き飛ばされて殺されてしまう話。
 庄野潤三「愛撫」は、主人公の女性が今までに受けてきた愛撫の話。
 八木義徳「異物」は、足首のひび割れ、妻の足首の脂肪の塊、自分にとっての斜視の女、同僚にとっての蛇の刺青を入れている女という異物についての話です。
 最後まで読むことができたのは「愚者の街」「霧の中の声」「異物」だけでした。ここでもやはり詠美さんの好きな小説というのは「文学」している小説だと思いました。これと言った共通点はなく、詠美さんが好きな短編を単に集めたといった印象を受けましたが、私が一番好きだったのはやはり遠藤周作さんの短編でした。「文学」が好きな方にはオススメかも。

大原三千院、三十三間堂、法隆寺と斑鳩の里

2009-10-27 10:50:00 | ノンジャンル
 昨日まで父の一周忌の法要のため京都に母と京都に行き、次いでに奈良の斑鳩の里にも行ってきました。京都では大原三千院に行きましたが、予想とは反してすっかり観光地化されていて、参道に店が軒を連ね、おみやげものがたくさん売られていました。三千院自体は見事に苔むした庭を持っていて、苔に埋もれたお地蔵さんがかわいくて印象的でした。紅葉が進んだ頃には素晴らしい景色になることでしょう。
 翌日行った三十三間堂は1001体の千手観音が並ぶさまは確かに壮観でしたが、建物自体の大きさにも度肝を抜かれました。縦の構図で見た千手観音は思わず写真を写したい衝動に駆られる見事な遠近法でした。
 さて、最終日に行った奈良の法隆寺と斑鳩の里。事前の印象は田舎のひなびた景色の中に佇む五重塔というイメージでしたが、実際の法隆寺の敷地はばかでかく、参道もはばが数十メートルもあるもので、圧倒されました。宝物殿にある仏像は飛鳥時代や白鳳時代の保存状態のいいものがごろごろ並び、頭がくらくらしました。そして何より驚いたのが斑鳩の里が単なる住宅地であったこと。のどかな田園風景を歩いていくと向こうに三重塔が見えて来るといったイメージをもっていたのですが、車道がガンガン通り、新しい住宅もガンガン建っていて「斑鳩の里」のイメージは皆無でした。来年行こうと思っている飛鳥村のことが心配です。ということで、これから行こうと思っている方の参考になればと思い、書きました。