gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

私の今年の10大ニュース

2009-12-31 13:29:00 | ノンジャンル
 私事で恐縮ですが、今年がどんな年だったかを振り返りたく思い、私個人の今年の10大ニュースを考えてみました。
 1位「母との2人暮らし1年目」 昨年の10月に父が亡くなり、今年初めて母との二人暮しをしました。母は本当に面白い人で一緒にいるだけで楽しく、そう言った点では今年のプライベート・ライフはとても充実していたように思います。来年は一緒に泊まりでどっかに行けるといいのですが‥‥。
 2位「ニューヨークへの一人旅」 1月の雪に包まれたニューヨークへの旅も思い出深いものになりました。ニューヨーカーの心の暖かさを実感し、また奇跡的に帰って来れたことが未だに信じられない思いです。
 3位「図書館通い、始まる」 今までは読みたい本があるとアマゾンやヤフオクで中古品を買っていたのですが、今年から図書館で本を借りる習慣ができました。おかげで出費が激減。大変助かってます。
 4位「宮崎誉子さんの『派遣ちゃん』を読む」 今年の一番の読書体験です。ラストの息苦しいほどの命のきらめきは忘れられません。
 5位「鎌倉ボランティア協会のイベントに度々参加する」 1月に初めて参加してからほぼ1ヶ月に1度の割合で鎌倉のガイドをしていただきました。個人では絶対に行けないような所にも行かせてもらい、鎌倉の奥の深さを実感させてもらいました。
 6位「万田邦敏監督『接吻』を見る」 映画体験で最も印象深かったのは、再見の「天使の入江」を押さえて「接吻」でした。何回見てもまだまだ見落としていることがあるような気がしてしまう、素晴らしい映画です。自主映画を撮っておられたころから万田さんのファンだったので、余計感慨深いものがありました。
 7位「百田尚樹さんの本との出会い」 「BOX!」でも「永遠の0(ゼロ)」でも泣いてしまいました。本を読んで泣くという体験は本当に久しぶりだった気がします。
 8位「谷崎潤一郎さんの本との出会い」 といっても「細雪」しかまだ読んでいないのですが‥‥。他の著作をこれから読むのが楽しみです。
 9位「テレビ番組『アメリカン・アイドル』との出会い」 山田詠美さんの本で知った番組でしたが、面白いのなんの。かなりはまりました。審査員のサイモンとポーラが特にお気に入りです。
 10位「富士急ハイランドの『ええじゃないか』を体験」 宮田珠己さんがアメリカで乗ったタイプの最新式のジェットコースターが日本にもうあったとは! あまりにすごいので笑ってしまいました。数時間並ばんでコースターに乗るのは2分もないのですが、それでもまた乗りに行きたいと思っています。

 ということで、私以外の方には何の意味もない文章でした。読んでいただいた方がいらっしゃったら申し訳ありません。では、来年が皆さんにとっていい年でありますように!

トッド・ヘインズ監督『エデンより彼方に』

2009-12-30 18:55:00 | ノンジャンル
 蓮實重彦先生が本「映画崩壊前夜」の中で絶賛していた、トッド・ヘインズ監督・脚本の'02年作品「エデンより彼方に」をDVDで見ました。
 マサチューセッツの小都市。キャシー(ジュリアン・ムーア)は大企業の重役である夫のフランクとともに会社のシンボルともなっている有名人で幼い二人の子供と幸せな日々を暮らしています。ある日庭師が死んでその息子のレイマンが継ぐことになります。フランクは映画館で男性同志が待ち合わせているのを見て彼らを追うと、同性愛者らの溜まり場に行きつきます。帰りが遅くなるという電話をフランクからもらったキャシーは夜食を届けに会社に行きますが、そこでは夫が男とキスをしていました。夫は若い頃の病気がまた出たのだと告白します。彼女は医者に相談に行かせますが、医者はこの病気は治らないと言います。展覧会でレイマンと出会ったキャシーは親し気に話をしますが、パーティから帰って夫に顔を殴られ、翌日顔に痣のできた彼女を見たレイマンは彼女を誘って紅葉がきれいな野外を散歩し、黒人専用のバーでダンスします。彼らが一緒にいるのを目撃した女性があらぬ噂を流し、やがてそれは町中のスキャンダルになり、夫が激怒します。キャシーは路上でレイマンに友情の終わりを告げますが、レイマンは彼女の腕をつかんで引き止めようとし、それを見た白人男性から罵倒されます。休職した夫とともに彼女はマイアミに出かけて新年を楽しく迎えますが、そこで夫は若い男性から誘惑を受けます。帰ってくると自分が留守の間にレイマンの娘が石を投げられて負傷したことを知ったキャシーはレイマンに謝りに行きますが、彼は仕事も奪われたので町を去ることを告げ、夫から離婚を申し出されていたキャシーは彼の後を追うと言います。そして彼が乗った列車を駅で見送ったキャシーは子供たちと家路につくのでした。
 緑と青、そして赤の映画です。本来なら緑色ではないような壁や照明の笠などが見事な緑で、緑がないシーンには必ず青があり、レイマンとのシーンにだけ鮮やかな赤があります。その徹底ぶりは感動ものでした。テクニカラーのような美しい色彩を見たい方にはオススメです。

川上未映子『世界クッキー』

2009-12-28 13:44:00 | ノンジャンル
 川上未映子さんの'09年作品「世界クッキー」を読みました。'07年から'09年にかけて書かれたエッセイ集です。
 書かれている題材は、自分の髪の毛のこと、部屋の湿度を高めること、肛門期という言葉と子供、ヨガ、体という枠組み、境目、選択、個性の関係性、などなどです。
 上に書いたことからも分かるように哲学的なことを扱っているエッセイも結構あって難しいのですが、やはり川上さん独特の文体で一気に読ませてくれました。たとえば「さっきから静かでうるさい、息はしてるが真空みたいで突き刺さる、思えばもうこの数日、誰とも話す機会もなく音楽もなく、の生活であって、心機一転、ここはひとつテレビでも、つってソファに飛んでぷっと電源をオンにしたらばどばっと即席に光はあふれ、ああ、明るい、音も、電気ってすご‥‥、と感心、せっかくなので画面で起こっている様々なことに注意してみれば、テレビのなかは喜怒哀楽、悩み悩まれ、説教とありがとう、などなどで埋め尽くされていた。」など、非常にテンポがいいというか、詩的というか、読んでいて心地よいものでした。川上さんの小説でまだ読んでいないものがあるので、これから読もうと思っています。オススメです。

レス・メイフィールド監督『アメリカン・アウトロー』

2009-12-27 14:44:00 | ノンジャンル
 蓮實重彦先生の本「映画崩壊前夜」の中で取り上げられていた、レス・メイフィールド監督の'01年作品「アメリカン・アウトロー」をDVDで見ました。
 ジェシーとフランクのジェイムズ兄弟を含む民兵の一団はガトリング銃を持つ北軍と遭遇しますが、見事に相手を全滅させます。翌日彼らは南北戦争の終わりを知り、故郷に帰りますが、そこは北軍に支配され鉄道会社の用地買収の脅威にさらされていました。役人を殺してしまったコールは絞首刑にされそうになりますが、ジェシーらが助けるもジェシーは負傷し幼馴染みのジーに匿われます。ケガが回復して皆で祝っているところへ鉄道会社に雇われた無法者たちが襲いかかり、ジェイムズ兄弟の家も焼き討ちされ母を殺されます。ジェシーらは鉄道会社が金を預けている銀行を襲い、貧しい人たちにも金を分けます。次々に襲撃を成功させる一方、鉄道会社に雇われたピンカートンは彼らの行動パターンを読み罠を仕掛けます。その銀行を襲おうというコールにジェシーは危険だと反対しますが、仲間割れを回避するためコールに従います。待ち伏せに会った彼らは何とか逃げ出しますが、一番年下の仲間を失い、ジェシーはもう強盗からは手を洗うと言ってコールらと別れます。ジェシーはジーとともにフロリダに行って結婚しますが、通報されて逮捕されます。しかし列車での移送中に、列車を待ち伏せしていたジーを含む仲間たちの助けもあって脱出し、列車に乗っていた鉄道会社の社長を殺そうとしますが、ピンカートンから妻も追われることになると聞いて、社長が父から贈られたという金時計を撃ち壊すと、ピンカートンが鉄道が通っていないと教えてくれたテネシー州目指してジェシーとジーは旅立つのでした。
 とにかくストーリー展開が早く、カットつなぎが息せき切って進んでいく一方、時折現れる見事な夕焼けなどの風景もちょっと見せるだけで引き延ばすころのない、ある意味禁欲的な95分の映画でした。ラストの列車のシーンのアクションも見事で、久しぶりに痛快なアクション映画を見た気がします。蓮實先生の書いているように過去のジェイムズ兄弟の映画の記憶が全く感じられないのにもかかわらず、この充実した映画体験はただものではないと思いました。文句無しにオススメです。

スティーヴン・キング『夕暮れをすぎて』

2009-12-26 14:12:00 | ノンジャンル
 スティーヴン・キングの'08年に刊行された短編集「夕暮れをすぎて」を読みました。
 「ウィラ」は、列車が脱線したために他の乗客とともに駅舎で待っていた若いカップルが、町の酒場で鏡に写らない自分たちを発見して自分たちが死んでいることを知り、駅舎に戻ってそこが壊される前に他の乗客に移動するように説得しますが聞き入れられず、二人だけで町の酒場に移り住むことを決意する話。
 「ジンジャーブレッド・ガール」は、娘を突然死で亡くし、心の傷をランニングで癒すことで夫とケンカするようになり、島にある父の別荘に1人で住み始めた女性が、殺人鬼に監禁され、走る能力を生かして脱出し、殺人鬼を撃退する話。
 「ハーヴィーの夢」は、娘が交通事故で死ぬという夫の夢の話を聞きながら、それが現実であることが分かっていくという話。
 「パーキングエリア」は、深夜の無人のパーキングエリアで女性に暴力を振るっている男を止めるために、小説家の人格になり、自分が暴力衝動に襲われてしまう話。
 「エアロバイク」は、検診でコレステロール値が高すぎると医師に脅され、エアロバイクに夢中になり、みるみる数字が改善しますが、自分が描いた絵の中の人々に行き過ぎは止めろと警告され、バイクを壊される話。
 「彼らが残したもの」は、ある日自宅に戻ると、9・11で死んだ同僚たちの持ち物が忽然と部屋に現れていて、捨てても人にあげても戻ってくるので、遺族に届けに行くことを決意する話。
 「卒業の午後」は、ニューヨークに核爆弾が落とされたのを目撃した、卒業したばかりの高校生とその家族たちの話です。
 どれもそれなりに楽しめ、背景の説明も小出しにしていく辺りが凡百の作家とは違うと思いましたが、一番面白かったのは中編の「ジンジャーブレッド・ガール」でした。やはりキングは長ければ長いほどいいと思います。そして何よりすごいと思ったのが、翻訳陣。池田真紀子、深町眞理子、風間賢二、白石朗ら、キングの翻訳者勢ぞろいといった感じでオールスターキャストでした。キング・ファンだけでなく、小説一般が好きな方にもオススメです。