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私の今年の10大ニュース

2014-12-31 15:31:00 | ノンジャンル
 ジョージ・シートン監督・脚本の’70年作品『大空港』をスカパーのイマジカBSでまた見ました。冒頭のアルフレッド・ニューマンの音楽から血沸き肉踊るという感じで、楽しく見させてもらいましたが、なぜこの映画にこれほど惹かれるのか、私が好きな空港が舞台になっているからか、若きジャクリーン・ビセットが見られるからか(『アメリカの夜』の3年前です)、モーリーン・ステイプルトンやジョージ・ケネディの演技に惹かれるからか、おそらく私の育った60~70代の雰囲気がよく出ていることも一因だと思います。

 さて、今年も私事ながら、私個人の10大ニュースを書き残しておきたいと思います。
 第1位「右手中指を複雑骨折、完全回復不可能に」 5月29日、ソフトボールでピッチャーをやっている時に、打球を取りに行き、右手中指を複雑骨折。1カ月ピンを差し、ピンを取った後も週2回のペースでリハビリに通うも、可動域は完全には回復せず。身体障害者(?)になってしまいました。
 第2位「母と秩父鉄道・SLパレオエクスプレスに乗りに行く」 5月28日、日曜日と祝日にはさまれた日に、ケガをして歩けない母を借りた車椅子で運びながら、おそらく生涯最初のSLに乗ってきました。往復とも幼い男の子と一緒になり、母はとても楽しんでいる様子でした。途中駅だった長瀞へは改めて、また行きたいと思います。
浅草・東洋館に4回(5・9、7・14、12・12、12・25)
 第3位「母と『つか版忠臣蔵』を見に行く」 4月20日、厚木市文化会館に扉座による公演を間近から見ることができ、その迫力に圧倒されました。
 第4位「ポール・オースターの3作品を読む」 『写字室の旅』、『闇の中の男』、『ヒア・アンド・ナウ 往復書簡 2008-2011』を読むことができました。やはり、オースターは面白い!
 第5位「アニタ・オデイを発見」 3月21日に放送された和田誠さんのラジオ番組『スタンダード・ソング』を聴き、それがきっかけで和田さんの本『いつか聴いた歌』を読んだ結果、そこで紹介されている歌のほとんどがYouTubeで見ることができることを知り、ニューポート・ジャズ・フェスティヴァルのアニタ・オデイに魅せられました。
 第6位「東京工芸祭でジャズ研究会の演奏を聴く」 毎年楽しみにしているこの催し。今年も11月1日の初日には私が一通り聴きに行き、2日目の日曜日には母と一緒に行き、ビッグバンドではないジャズの素晴らしさを堪能しました。
 第7位「アニラジに出会う」 9月以降、文化放送の土日の夜に放送されている、いわゆるアニラジという存在を知りました。聴き始めたきっかけは、たまたま土曜の夜9~11時に放送されている『アニスパ!』で鷲崎健さんの話し方を聴いて、「これってナチチャコパックの野沢さんじゃん!」と思ったことです。それ以来、他のアニラジの放送も聴くようになり、特に『喜多村英梨のRadio キタエリあっ!』はお気に入りでした。(残念ながら、『アニスパ!』は来年の3月いっぱいで終了、『キタエリあっ!』は今年いっぱいで終了してしまいました。)これ以外のラジオ番組でも、『吉田照美の飛べ!サルバドール』を録音してでも毎日聴くようになりました。
 第8位「宮崎誉子さんの3作品を読む」 過去の短篇『真夜中』、『春分』、そして新作の『笑う門には老い来たる』を読むことができました。来年こそは長編が読めますように!
 第9位「厚木混声合唱団定期演奏会を聴く」 12月23日、母と厚木市文化会館へ聴きに行き、ソプラノのソロの方の声に魅了されました。
 第10位「すばるの星の美しさに魅了される」 12月19日、厚木市七沢自然ふれあいセンターにおいて「天王星を見る」という催しに参加し、星のきれいに見える空で双眼鏡を使って見える“すばる”の星々の美しさに魅了されました。
 他にも、5/24(土)飯能新緑ツーデーマーチへの参加、7/19(土)小網代の森オープニングセレモニーへの参加、11/14(金)、9回にわたる愛川自然観察会の催しへの参加、3/18~21の『パック・イン・ミュージック』復活放送の視聴、三崎亜記さんの『ターミナルタウン』と『妻の一割』・宮田珠己さんの『いい石を拾いに』・菊池寛の『真珠夫人』と『第二の接吻』との出会い、などがありました。映画ではバズ・ラーマンとの出会いがあった以外は、あまり収穫がなかったように思います。
 ということで、こちらを読んでいただいている皆さま、本年も読んでいただき、本当にありがとうございました。

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レン・グリーンウォルド『暴露 スノーデンが私に託したファイル』その2

2014-12-30 15:26:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 それから十週間は音沙汰がなかった。が、4月18日、講演のため、リオデジャネイロの自宅からニューヨークに向かったときのことだ。ジョン・F・ケネディ空港に降り立つと、ドキュメンタリー映画作家のローラ・ポイトラスからメールが届いていた。「来週、アメリカに来る用事はない? ちょっと話したいことがあるの。できたら直接、顔を合わせて」私はすぐさま返事を送った。「実はちょうど今朝、アメリカに着いたところだ」ホテルで私たちは会い、盗み聞きされていないことが確信できると、ローラは本題に入った。なんでも匿名の人物、それも率直で“本気”と思える男から、数通のメールを受け取ったということだった。自分は合衆国政府が国民や世界の人々に対しておこなっているスパイ活動に関する、極秘かつ犯罪的な文書にアクセスできるというのが、その人物からのメールの内容だった。彼はそれらの文書をリークすることを申し出ており、文書を公表、および記事にするに際しては、私の協力を仰ぐようにと明確に要求していた。しかしこのときには何カ月も前に送られてきたままずっと忘れていたメールとは結びつけようもなかった。
 ローラはバックパックから書類をいくつか取り出した。その匿名の情報提供者から送られてきたメールのうちの2通だった。衝撃的な内容だった。
 そして私はプログラムをインストールすると、彼からおよそ25の文書を含むファイルが送られてきた。ファイルを解凍して、文書のリストを眺め、でたらめにひとつを選んで、クリックしてみた。開かれたページの上部には赤い文字で、“通信諜報関連”“外国に配布してはならない”という意味の用語が書かれてあった。その下には、世界で最も大きな力を持つ政府の超極秘機関であるNSAの極秘のやりとりが記されていた。60年以上にわたるNSAの歴史において、これほど重大な文書が漏洩したことはない。そんな文書が私の手元に数十もあるのだ。それだけではない。この二日間、チャットをともにして長い時間を過ごした彼は、もっともっと多くの文書を渡すと言っているのだ。
 私はローラに連絡を取った。香港にいるという情報提供者に会うため、一緒に香港に行くことになった。私が記事を載せることになる〈ガーディアン〉紙はユーウェンという記者を同行させることを要求し、私は徹底的に抵抗したが、結局、私とローラが香港に着いた数日後にユーウェンが合流することで妥協した。
 香港行きの機内で読んだのは、裁判所の判決文だった。アメリカの大手通信業者に、(1)アメリカと海外とのあいだでの通信、および、(2)市内通話を含む、アメリカ全土の“詳細な通話記録”のすべてをNSAに提出するように命じていた。つまり、NSAは秘密裏に、そして無差別に、少なくとも数千万のアメリカ人の通話記録を収集していたというわけだ。オバマ政権がそんなことをしているとは、誰も夢にも思っていないはずだ。判決文を読んだ私は、その事実を知っただけでなく、証拠である極秘の裁判所命令書まで手に入れたわけだ。
 それだけではなかった。その裁判所命令書には、こうしたアメリカ人の通話記録の大規模な収集活動は愛国者法第215条により認められていると明記されていたのだ。
 ローラはNSAによる監視について、もう何年も取材していた。そして彼女自身、幾度も彼らの権力濫用がもたらす脅威について書き、NSAの違法行為と急進主義に対して警告し続けてきた。そういった点で私と彼女は協力関係にあった。
 香港で会ったスノーデンは語った。「人間のほんとうの価値は、その人が言ったことや信じるものによって測られるべきではありません。ほんとうの尺度になるのは行動です。自らの信念を守るために何をするか。もし自分の信念のために行動しないなら、その信念はおそらく本物ではありません
 私たちは、NSAが全国民の電話やEメールの内容傍受やメタデータ(発信先、受信先など)の傍受から、マイクロソフト、グーグル、アップルなどインターネット大手の積極的な協力によるNSAの傍受の実態を知り、プライヴァシーの尊重を回復するために、その実態を発表し、政府と一体となったメディアと戦っていくのだった。

 ブッシュ政権下ならまだしもオバマ政権下でも、国民ひいては全世界に対するNSAの監視が続いていることがショックでした。単なるノンフィクションというだけでなく、サスペンスあふれる読み物です。

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グレン・グリーンウォルド『暴露 スノーデンが私に託したファイル』その1

2014-12-29 17:12:00 | ノンジャンル
 朝日新聞が紹介していた、グレン・グリーンウォルドの’14年作品『暴露 スノーデンが私に託したファイル』を読みました。
 2005年の秋、私はある政治ブログを立ちあがることにした。ブログをつくった主な理由は、9・11以降にアメリカ政府が採り入れたラディカルで極端な権力論に対して、私自身、少なからず警戒心を募らせるようになっていたからだ。〈ニューヨーク・タイムズ〉紙が爆弾スクープを報じたのは、それから七週間後のことだった。2002年、ブッシュ政権は関連刑法で必要とされる令状を取ることなく国民の電子通信を傍受するよう、国家安全保障局(NSA)に命じていたというのだ。同紙がスクープした時点で、この令状なしの傍受はすでに4年もおこなわれており、少なくとも数千人の国民がターゲットになっていた。
 私はそれから2年を費やし、このNSAの盗聴スキャンダルに関するあらゆる側面を取り上げた。ブッシュ大統領が指揮した違法な傍受は犯罪行為であり、傍受された人々に対して大統領は説明責任がある、ということだ。アメリカでは強硬な愛国主義と抑圧的な政治が台頭しつつあり、私のこうした姿勢は賛否両論を招いた。
 それでもその数年後、エドワード・スノーデンが私を選んでくれたのは、そういう背景があったからだ。彼はNSAが空前の規模で不正行為に手を染めていることを最初に打ち明ける相手として、私を選んだ。彼はそのときこう言った。あなたならこの大規模な監視と国の極端な秘密主義に危機感を抱いてくれるだろう、と。さらに、政府からの圧力にも、メディア及びそれ以外の場所にいる政府支持者からの圧力にも、屈することはないだろう、と。
 ちなみに、合衆国憲法修正第四条には、アメリカでは政府が全国民をひとくくりにした疑念なき監視権を持つことを永遠に禁ずる、と書かれている。
 エドワード・スノーデンから最初の連絡があったのは、2012年12月1日のことだった。連絡はEメールによるもので、以後の連絡はPGPという暗号メールを使用するように促していた。しかし、すぐに私は何も行動を起こさなかった。現在抱えている仕事で手一杯だったからだ。
 3日後、また連絡があった。最初のメールを受け取ったかどうかの確認だった。今度は早々に返信した。「受け取っています。PGPは使い方も分かりませんが、知恵を貸してくれる人間を探してみます」その日遅く、返信があった。PGPの使い方を一から順を追ってわかりやすく解説したガイドがついていた。
 2013年1月28日、私はメールを出して、暗号化について知人に手伝ってもらおうと思っていることと、その作業は翌日か数日のうちに完了させたいと考えている旨を伝えた。このとき、私たちは同じジレンマを抱えていたことになる。彼は私が暗号化ソフトウェアをインストールしないかぎり、自分がどんな情報を持っているのか、あるいは、自分が何者でどんな仕事をしているのかといったことさえ教えたがらなかった。一方、餌の中身がわからない私としては、彼の要求を優先させる気になれず、ついついプログラムのインストールを先延ばしにしていたというわけだ。私が重い腰をあげないと見るや、彼は“本気モード”にはいった。「ジャーナリストのためのPGP」と題した十分間のビデオを作成したのだ。機械音声生成ソフトでつくられた声が、順を追って暗号化ソフトウェアの簡単なインストール方法を教えてくれた。ご丁寧に図表までついていた。
 それでもやはり私は何もしなかった。のちに彼が語ったところによると、彼はこの時点から私に対して苛立ちを覚えはじめたらしい。「自分はこうして自分の自由を、いや、おそらく生命さえも危険にさらして、この国の最も大きな秘密を抱えた機関の、数万にも及ぶ最高機密文書を渡そうとしている。数百とは言わないでも、数十の大きなスクープを生むであろう情報をリークしようとしている。それなのに、この男はたかが暗号化プログラムひとつをインストールする手間すら惜しむのか?」(明日へ続きます……)

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ウディ・アレン監督『ブロードウェイと銃弾』その3

2014-12-28 15:47:00 | ノンジャンル
 今日は、ビル・エヴァンスとスコット・ラファロが最初にレコーディングをしてから、ちょうど55年目に当たります。改めて、彼らが生んでくれた音楽を祝福したいと思います。

 さて、また昨日の続きです。
 『10月12日、ボストンの初日。エレンもヴァレンテも観客席に。オリーブが間違えぬように!』。芝居は絶賛され、ヘレンへはビリー・ローズから蘭が届けられます。ワーナーは友人たちにレストランに先に行き、注文をしておいてくれと言います。オリーブは無理矢理ワーナーを自分の楽屋に引っ張り込み、服を脱がしますが、ヴァレンテのノックで、ワーナーは戸棚に隠れます。店に飲みに行こうと言うヴァレンテに、疲れたと断るオリーブ。そこにイーデンがやって来て、オリーブにいくつかアドバイスをしますが、イーデンの犬は戸棚に吠えかかります。「戸棚に男でもいるのか?」と言うヴァレンテに、オリーブは「一杯だけ付き合う」と言い、「どこの男だ?」と言うヴァレンテに「馬鹿な冗談は止めて」と言います。ヴァレンテが出て行くと、オリーブはワーナーを窓から逃がしますが、外に出た下着姿のワーナーはファンに囲まれてしまいます。
 オリーブが問題だとデビッドに語るチーチ。とにかくヒットしたのだからとデビッドは言い、クビにはできないとも言います。
 『NYの初日が近づくにつれ、皆の緊張が高まった。ワーナーとイーデンが衝突。それが思わぬ結果に』。ドッグビスケットを盗んだわね、とイーデン。侮辱だとワーナー。ワーナーのポケットからドッグビスケットを見つけたイーデンは、ワンちゃんのミルクも盗んだと言います。彼らのケンカに巻き込まれたオリーブは手首を痛め、デビッドから「医者を呼ぼう。マチネーは休演を」と言われます。舞台は成功し、ジュリアンはデビッドに「舞い上がるな。あの役はオリーブのものだ」と言いますが、デビッドは「チーチの言った通りだ。オリーブは替える」と言い、ジュリアンに「ヴァレンテを怒らせるな」と言われます。
 ニューヨークへ向かう列車の中、「ボストンでのテスト公演は瀕死の状態だったのが、奇跡が起きて芸術作品になるのを何回も見て来ている」とデビッドに語るヘレン。「僕らのことをエレンに話す」と言うデビッドに、ヘレンは「優しくしてね。成功は目の前よ。抱いて」と言い、また「何も言わないで」とデビッドの口を塞ぎます。
 エレンは「ヘレンと寝てるの? ゴシップ記事に書いてある。このシガレットケースも何?」とデビッドを追及し、デビッドは言い訳をします。デビッドは脚本家仲間のフレンダーにどうしたらいいか相談すると、フレンダーは「やりたいようにやれ」と言います。
 ヴァレンテはオリーブは大スターなのだから台詞を増やせとジュリアンに言い、好評な芝居はいじらない方がいいとジュリアンが言うと、ヴァレンテは膝に釘を刺してやると言います。
 チーチはオリーブを車に乗せ、埠頭につれていくと、そこで射殺します。
 『10月25日、明日は初日。通し稽古なのにオリーブは現れない。彼女の代役を舞台に上げた』。チーチも現れず、オリーブがやくざ抗争の犠牲として殺されたとの一報が入ります。
 デビッドはチーチにオリーブを殺したことを責めますが、チーチは俺の芝居は汚させねえと答えます。
 デビッドはヘレンに恋していることをエレンに告白すると、エレンもフレンダーと寝ていて、私も恋してると言います。フレンダーは素晴らしい知識人で、自分だけのモラルを持っていると言うエレン。
 デビッドはヘレンの楽屋を訪れ「幸運を!」と言うと、ヘレンは今後は私の別荘で創作をと述べた後、急に役に入り込みます。
 ヴァレンテはチーチを呼び出し、「初日の幕が開いた時間だ。オリーブもスターになれたのに」と言って、オリーブの死についてチーチを追及しますが、チーチは言い逃れて去ります。手下はオリーブが殺された埠頭はチーチのお気に入りで、チーチがオリーブとデキていたのではと言い、ヴァレンテはチーチを始末しろと言います。
 ジュリアンは舞台を見て「素晴らしい出来だ。札束の匂いがする」と言います。チーチは追っ手から逃れますが、舞台裏で射殺されます。デビッドに脚本の最後の台詞を伝えるチーチ。
 舞台は絶賛され、ジュリアンもヘレンも大喜びです。デビッドはフレンダーの部屋の下の路上からフレンダーを呼び出すと、エレンも顔を出し、やがて向かいのアパートに住む女も口論に加わりますが、結局エレンはデビッドの許に戻ることになり、デビッドは「エレン、君を愛してる。僕はアーティストなんかじゃない。結婚しよう」と言うのでした。

 画面を意識することはほとんどありませんでしたが、軽快なコメディとして楽しめました。
 
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ウディ・アレン監督『ブロードウェイと銃弾』その2

2014-12-27 15:30:00 | ノンジャンル
 今日はスタンダード曲『スターダスト』の作詞作曲で知られるホーギー・カーマイケルの34回忌となる命日です。改めてご冥福をお祈り申し上げます。

 さて、昨日の続きです。
 ヘレンはイーデンの悪口をデビッドに言います。オリーブは妥協の産物だと言うデビッドに、「妥協からの解放を夢みて乾杯」と言うヘレン。「ブロードウェイはあなたの町よ」と言うヘレンは、「2幕も自分が中尉を誘惑するように書き直して」とデビットに言います。
 リハーサルでオリーブは自分の台詞に文句を言い、デビッドは怒って休憩を宣言します。ヘレンは公園にデビッドを連れ出して慰め、冬の夕方のここから見える摩天楼は現実を忘れさせてくれると言うと、デビッドは「あなたに恋しそうだ」と言い、ヘレンは「自分を強く持って」と言って、芝居がかった振る舞いを見せます。
 オリーブの首筋にキスし、宝石のプレゼントもし、上物のワインも用意してあると言うヴァレンテに、オリーブは、リハーサルで疲れていると言って、彼のセックスの誘いを断ります。
 『エレンがリハーサルを見に来た。まずワーナーを紹介』。『始まった30分は順調だったが、やがて事件が』。イーデンが台本に文句を言い出し、チーチが新たな提案をすると、ジュリアンもオリーブも、そしてエレンさえも、チーチのアイディアが悪くないと言い、デビッドは「自分は降りる!」と言って去ります。オリーブはワーナーに言い寄り、「チーチはサイコロ賭博に行って2時間は戻ってこない」と言い、ワーナーの上着を脱がせますが、上着のポケットからはチキンが出てきます。
 ヘレンもチーチのアイディを褒め、その日が誕生日であるデビッドに、コール・ポーターからもらったシガレットケースを贈ります。「僕の気持ちを…」と言うデビッドに、「何も言わないで」とデビッドの口を塞ぐヘレン。
 レストランでの会食でエレンはデビッドに財布を贈り、デビッドはたまたまそこに来ていたチーチに謝りに行きます。野球賭博の指示をするチーチは、新たなストーリーを考え、台本を全部書き換えるよう、デビッドに勧めます。
 帰宅途中、エレンから贈られた財布がニセ革だったころから、ニセ革の感触が好きだとエレンに言うデビッド。
 『9月24日、書き直した台本は好評だった』。デビッドは天才だとほめそやすスタッフとキャスト。『夜は第三幕の書き直し。自信がなかったので、チーチに読んでもらった。奴は“オフィスに来い”と…』。ビリヤード場をデビッドが訪れると、チーチはダメ出しをし、誰にも言わないから自分が書き直してやると言います。
 ヘレンは「オニールも真っ青の出来だ」と新たな台本を絶賛し、「今までの作品もテーマは良かった」とデビッドに言います。「私の前でひざまずかないで」と言う彼女に、デビッドは「告白することが…」と言い、「ひらめきを与えたのはあなたです」と言うと、2人はキスし、ヘレンはまた「何も言わないで」とデビッドの口を押さえます。
 『9月28日、芝居は申し分なし。ヘレンはイーデンとも犬コロとも仲直り』。『オリーブとワーナーは怪しい目くばせ。目の錯覚か、彼は太ったようだ。ボストンの初日がプレッシャーなのだろう』。間食し、食べ物を上着のポケットに詰め込むワーナー。
 チーチは新しいアイディアを出し、デビッドに作家になることを勧められます。デビッドに尋ねられ、兄は殺され、この世界に入ったのは親がヤクザだったからだと答えるチーチ。今までに何人か殺してきたが、ボスを裏切ったり借りを踏み倒したりと殺されて当然な奴らばっかりだったと語るチーチは、殺す時の気持ちは普通で、最初の殺しはムショでアイスピックを40回刺したが、これはひどかったので、やめた方がいいと言います。
 『10月1日、ヘレンがパーティを開いた。M・アンダーソン、ガートルード・ローレンス』。デビッドはヘレンの知人に紹介されます。ヘレンは一流の人々との出会いに興奮するデビッドを一室に導き、「退屈なパーティ。抱いて」と言います。
 チーチはオリーブに手を出すなとワーナーに警告します。レストランで馬鹿食いするワーナー。(また明日へ続きます……)

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