また昨日の続きです。
フランク「彼がアパートにいたぞ」ウィリー「レオが? 俺も行ったのに」「妻が姿を見たと。すぐ手を打たないと」「どうしろと?」「妻がとても心配している。エリカとレオが一緒にいることを妻は嫌がってる」「2人は過去にまずいことが?」「つまり……。知らんのか? 15歳の時に性的な関係に」「初めて聞いた」「彼からエリカ宛ての手紙が来てたけど、まさか……方法を考えないと」。
エリカ、外出する。そこへウィリー。「何してる?」。レオも現れる。「母さんに会いに来た」「母親に? ここへは来るな」「安全は確かめたわ」「黙れ! なぜ戻った? すべてお前のせいだ」「やめて」。ウィリー、エリカを平手打ち。レオも殴る。「何するの? 放して!」。ウィリー、レオを突き飛ばす。「貴様のせいだ!」。ケンカする2人。ウィリー「やれよ。来い! クソ!」。息を荒げるエリカ。パトカーの音。レオ「罪をかぶるのはご免だ」。エリカ、レオを立たせる。レオ「俺を裏切ったな? 裏切り者!」。寝転ぶレオ。エリカ、自分の口を押える。
フランクの書斎。ノック。フランク、エリカに「その顔はどうした? 母さんに見せたか?」。首を振るエリカ。「今まであなたへの尊敬が足りなかった。父親として受け入れようとしなかった。ごめんなさい。あんなに努力をしてくれたのに。どうか私を許して。とてもつらかったの。父を愛していたから。家族の絆が強かったし……。お願いがあるの。レオを助けて。会いたがってるわ。会ってあげて。お願い」。お辞儀をするエリカ。それをハグするフランク。「彼はどこに?」「案内するわ」「車で待ってろ」。
拳銃をバンドに差すフランク。
飛行機の音。フランク「レオ!」レオ「ここにいる」「君のせいでとんだ迷惑だ。刑事も会いに来た」「助けてほしい」「どうしろと?」「偉い人と話をつけてくれ。彼は誰も殺しちゃいないと」「殺したのは誰だ?」。レオ、黙りこむ。「私はできることなら君を助けてやりたい。だが何とか会社も守らないと。家族のためにも。私にはそれしかないんだ」。フランクの拳銃に気付き、逃げ出すレオ。車中のエリカ、涙を落とす。
拳銃に弾を込めるレオ。母「レオ、気をつけるのよ」「長居はできない。皆が探してる。僕を狙ってるんだ」「分かってる。私たちはいつも二人きり。誰にも頼らず生きてきた。他人なんか必要ない。あなたには……手本になる人もいなかった。都会へ働きに行く背広姿の人を見て思ったの。“レオもこうなってほしい”って。背広が似合うはずよ。でも彼らに本性は分からないわね」ハグする二人。「好きだよ、母さん。弱気にならずにね。もう少しいるよ」「いいわ。私は大丈夫」「荷物をまとめるよ」。
眠るレオ。ドアが開く。外にウィリーの車。
レオ「母さん、下の部屋へ連れていく」。
警官「屋上まで行なえ」。非常階段を下りて窓から侵入し、廊下を足音をさせないように歩く男。パーンという銃声。弾が頭をこすり、ケガするレオ。レオ、自分を撃った男に「ウィリーに伝えろ。“この借りは必ず返す”と。俺を見ろ。一人残らず容赦しない。必ずやってやる。撃つな。行け!」。男、車まで逃げ帰り「早く車を出せ!」ウィリー「殺ったか?」「行け!」。
ニュースキャスター「今夜ついに注目の公聴会です。地下鉄関連事業をめぐる汚職疑惑で、マイダニック区長の対策の遅れに各方面から批判が集中。政治家や業界トップの起訴もありえます。先月操車場主任のゴルウィッツ氏が殺され、リフキン巡査が襲われた件に端を発しています。事件がきっかけで抗議デモが多発し、マンハッタンでは暴力と治安妨害で29人が逮捕されました。警察はレオ・ハンドラーを殺人容疑で追っています」。
男と話すレオ。
ポール「フランクがとても気にしてるんだが、奴の始末はどうなった?」ウィリー「実はちょっと手違いがあって。もう一度やり直します」「うまくやれるのか?」「聴聞会は何時から?」「君は来なくていい」「なぜ?」「フランクとも話したが、君は来ない方がいい。捜査のこともある」「彼が来るなと?」「分かるだろ?」「ああ」「それからもう家には電話しないようにと。彼の家の鍵を持ってるな?」「ああ」「返してくれと。いいな?」「でも今は持っていないんだ」「そうか。できるだけ早く返せ。安全面で心配なだけだ。またな」。
公衆電話。ウィリー「ウェルテック社です」「ヘクトル・ガヤルドを」「お待ちください」「ヘクトルだが?」「ウィリーだ」「もう遅すぎる」。
裁判所の前に人の群れ。クラクション。満員の傍聴席。
控室。「関係者の意見や捜査状況を公にするのが目的だ。コメントは後ほど」「待ってくれ!」シーモアに耳打ち。
傍聴席にフランクの家族。「どうも」。男が詰めてもらった席に就く。(また明日へ続きます……)
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
P.S 昔、東京都江東区にあった進学塾「早友」の東陽町教室で私と同僚だった伊藤さんと黒山さん、連絡をください。首を長くして福長さんと待っています。(m-goto@ceres.dti.ne.jp)
フランク「彼がアパートにいたぞ」ウィリー「レオが? 俺も行ったのに」「妻が姿を見たと。すぐ手を打たないと」「どうしろと?」「妻がとても心配している。エリカとレオが一緒にいることを妻は嫌がってる」「2人は過去にまずいことが?」「つまり……。知らんのか? 15歳の時に性的な関係に」「初めて聞いた」「彼からエリカ宛ての手紙が来てたけど、まさか……方法を考えないと」。
エリカ、外出する。そこへウィリー。「何してる?」。レオも現れる。「母さんに会いに来た」「母親に? ここへは来るな」「安全は確かめたわ」「黙れ! なぜ戻った? すべてお前のせいだ」「やめて」。ウィリー、エリカを平手打ち。レオも殴る。「何するの? 放して!」。ウィリー、レオを突き飛ばす。「貴様のせいだ!」。ケンカする2人。ウィリー「やれよ。来い! クソ!」。息を荒げるエリカ。パトカーの音。レオ「罪をかぶるのはご免だ」。エリカ、レオを立たせる。レオ「俺を裏切ったな? 裏切り者!」。寝転ぶレオ。エリカ、自分の口を押える。
フランクの書斎。ノック。フランク、エリカに「その顔はどうした? 母さんに見せたか?」。首を振るエリカ。「今まであなたへの尊敬が足りなかった。父親として受け入れようとしなかった。ごめんなさい。あんなに努力をしてくれたのに。どうか私を許して。とてもつらかったの。父を愛していたから。家族の絆が強かったし……。お願いがあるの。レオを助けて。会いたがってるわ。会ってあげて。お願い」。お辞儀をするエリカ。それをハグするフランク。「彼はどこに?」「案内するわ」「車で待ってろ」。
拳銃をバンドに差すフランク。
飛行機の音。フランク「レオ!」レオ「ここにいる」「君のせいでとんだ迷惑だ。刑事も会いに来た」「助けてほしい」「どうしろと?」「偉い人と話をつけてくれ。彼は誰も殺しちゃいないと」「殺したのは誰だ?」。レオ、黙りこむ。「私はできることなら君を助けてやりたい。だが何とか会社も守らないと。家族のためにも。私にはそれしかないんだ」。フランクの拳銃に気付き、逃げ出すレオ。車中のエリカ、涙を落とす。
拳銃に弾を込めるレオ。母「レオ、気をつけるのよ」「長居はできない。皆が探してる。僕を狙ってるんだ」「分かってる。私たちはいつも二人きり。誰にも頼らず生きてきた。他人なんか必要ない。あなたには……手本になる人もいなかった。都会へ働きに行く背広姿の人を見て思ったの。“レオもこうなってほしい”って。背広が似合うはずよ。でも彼らに本性は分からないわね」ハグする二人。「好きだよ、母さん。弱気にならずにね。もう少しいるよ」「いいわ。私は大丈夫」「荷物をまとめるよ」。
眠るレオ。ドアが開く。外にウィリーの車。
レオ「母さん、下の部屋へ連れていく」。
警官「屋上まで行なえ」。非常階段を下りて窓から侵入し、廊下を足音をさせないように歩く男。パーンという銃声。弾が頭をこすり、ケガするレオ。レオ、自分を撃った男に「ウィリーに伝えろ。“この借りは必ず返す”と。俺を見ろ。一人残らず容赦しない。必ずやってやる。撃つな。行け!」。男、車まで逃げ帰り「早く車を出せ!」ウィリー「殺ったか?」「行け!」。
ニュースキャスター「今夜ついに注目の公聴会です。地下鉄関連事業をめぐる汚職疑惑で、マイダニック区長の対策の遅れに各方面から批判が集中。政治家や業界トップの起訴もありえます。先月操車場主任のゴルウィッツ氏が殺され、リフキン巡査が襲われた件に端を発しています。事件がきっかけで抗議デモが多発し、マンハッタンでは暴力と治安妨害で29人が逮捕されました。警察はレオ・ハンドラーを殺人容疑で追っています」。
男と話すレオ。
ポール「フランクがとても気にしてるんだが、奴の始末はどうなった?」ウィリー「実はちょっと手違いがあって。もう一度やり直します」「うまくやれるのか?」「聴聞会は何時から?」「君は来なくていい」「なぜ?」「フランクとも話したが、君は来ない方がいい。捜査のこともある」「彼が来るなと?」「分かるだろ?」「ああ」「それからもう家には電話しないようにと。彼の家の鍵を持ってるな?」「ああ」「返してくれと。いいな?」「でも今は持っていないんだ」「そうか。できるだけ早く返せ。安全面で心配なだけだ。またな」。
公衆電話。ウィリー「ウェルテック社です」「ヘクトル・ガヤルドを」「お待ちください」「ヘクトルだが?」「ウィリーだ」「もう遅すぎる」。
裁判所の前に人の群れ。クラクション。満員の傍聴席。
控室。「関係者の意見や捜査状況を公にするのが目的だ。コメントは後ほど」「待ってくれ!」シーモアに耳打ち。
傍聴席にフランクの家族。「どうも」。男が詰めてもらった席に就く。(また明日へ続きます……)
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
P.S 昔、東京都江東区にあった進学塾「早友」の東陽町教室で私と同僚だった伊藤さんと黒山さん、連絡をください。首を長くして福長さんと待っています。(m-goto@ceres.dti.ne.jp)