石井輝男監督・脚本の'69年作品『徳川いれずみ師 責め地獄』をスカパーの東映チャンネルで見ました。
磔にされた女が腹を刺し貫かれて血がほとばしり、首だけ出して埋められた女は生きながら首をノコギリで斬られ、生首が転がる様子をバックにタイトル。夜、弦造の墓を掘り返し、死体を切り裂いて鍵を取り出した弓はそれで貞操帯を外そうとしますが、鍵が壊れてしまいます。病気の息子をかかえ、借金の形として身を売られた弓は、与力の鮫島(田中春男)の奇妙な間取りの屋敷に連れていかれますが、そこには刺青を入れられた大勢の女たちがいて、緊縛師の弦造が彼女たちを折檻し、それを見せ物にしながら女将が売春を取り仕切っていました。レズる女将。刺青師の秀(吉田照雄)は、兄貴分の辰(小池朝雄)と競い合い、将軍の御前試合で勝った方が師匠の彫五郎の名を継ぎ、その娘のお鈴と結婚することになっていました。刺青をした女の調達を南蛮人のクレードルに頼まれた鮫島は、女囚(由利徹、大泉滉をも含む10人)を脱獄させ、前科を示す刺青を隠すため、上から重ねて刺青をしてやり、2年の年季奉公を承知させます。一方、弦造が弓を縛り上げ犯しているのを見つけた女将は、嫉妬で怒り狂い、弦造の妹・雪を吊るして両目をつぶし、弓には貞操帯をはめ、その鍵を飲み込んでしまった弦造を撲殺してしまいます。秀は御前試合のための刺青を弓に施し、辰は女将に刺青をさせてくれと頼みますが、女将は辰に、申し分のない肌の持ち主である弓に施された秀の刺青に重ねて刺青を彫らせます。御前試合では辰が弓に彫った「責め地獄」が一旦は選ばれますが、秀が弓に酒を飲ませると、弓の肌に観音様が浮かび上がり、将軍は二人の引き分けを宣言します。弓は弦造の墓を暴いているところを捕り物に捕まり、海上火あぶりの刑で死にます。鮫島は彫五郎を殺して辰を仲間に引き入れ、彫五郎殺しの罪を秀に着せて島流しにさせると、女将の元にいた売春婦たちと刺青を施された女囚たち、それに雪とお鈴を船に乗せて、女将とともに長崎に向かいます。船上での売春婦たちと女囚たちの乱闘、そして「長崎」の字幕。クレードルは女たちを引き取ると、早速拷問機械にかけて犯して楽しみながら、女たちを外国に売り飛ばす算段を進めます。自分のものになるはずだったお鈴に彫り物を施していた辰は、鮫島とクレードルらがお鈴も売り飛ばす計画なのを知って、以後協力することを拒みますが、女将に麻薬を打たれ、言いなりになってしまいます。ついに彫り物が完成したお鈴は、雪と脱走し、出島の迷路のような雑踏の中に逃げ込みますが、やがて追いつめられ、秀と約束していた場所で秀と会い、自分のことを伝えてくれるように雪に言うと、自ら囮となって捕まります。雪は人買い(芦屋雁之助)に導かれて、島抜けをしていた秀の元に連れられていくと、秀は雪が持っていたお守りで彼女がお鈴の使いであることに気付き、自分をはめたのが鮫島とクレードルだったことを知ります。お鈴を助けに行った秀でしたが、彼女の元に駆けつけた時、絶望した彼女は既に毒をあおった後でした。復讐の鬼と化した秀は、クレードルの娘ハニーをさらい、彼女に刺青を施します。そしてクレードル主催の見本市で、辰が白人女性に彫った蛍光色の刺青を披露していた時に、秀はハニーを連れて乱入すると、辰は刺青で秀に負けたことを認めます。秀に斬りつけてきた鮫島を返り討ちにした秀は、クレードルに追いつめられますが、辰がクレードルに斬りかかり、二人は合い倒れます。辰は二代目彫五郎の名を秀に譲ると言って死に、秀はクレードルの館が燃え盛る中、死んだ父の元を離れようとしないハニーを見て、自分の犯した罪の重さを知り、ハニーを逃がして自分は炎の中で死んでいきます。女将は捕り物に捕えられ、股割きの刑に処せられ、足をもぎ取られるのでした。
常軌を超えた残酷さ、国籍不明の摩訶不思議な雰囲気に、魅せられるとともに、高橋洋君らが石井監督に惹かれる理由が、この映画を見て、やっと分かったような気がしました。サドの『新ジュスティーヌ』を楽しめる方向きの映画かもしれません。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
磔にされた女が腹を刺し貫かれて血がほとばしり、首だけ出して埋められた女は生きながら首をノコギリで斬られ、生首が転がる様子をバックにタイトル。夜、弦造の墓を掘り返し、死体を切り裂いて鍵を取り出した弓はそれで貞操帯を外そうとしますが、鍵が壊れてしまいます。病気の息子をかかえ、借金の形として身を売られた弓は、与力の鮫島(田中春男)の奇妙な間取りの屋敷に連れていかれますが、そこには刺青を入れられた大勢の女たちがいて、緊縛師の弦造が彼女たちを折檻し、それを見せ物にしながら女将が売春を取り仕切っていました。レズる女将。刺青師の秀(吉田照雄)は、兄貴分の辰(小池朝雄)と競い合い、将軍の御前試合で勝った方が師匠の彫五郎の名を継ぎ、その娘のお鈴と結婚することになっていました。刺青をした女の調達を南蛮人のクレードルに頼まれた鮫島は、女囚(由利徹、大泉滉をも含む10人)を脱獄させ、前科を示す刺青を隠すため、上から重ねて刺青をしてやり、2年の年季奉公を承知させます。一方、弦造が弓を縛り上げ犯しているのを見つけた女将は、嫉妬で怒り狂い、弦造の妹・雪を吊るして両目をつぶし、弓には貞操帯をはめ、その鍵を飲み込んでしまった弦造を撲殺してしまいます。秀は御前試合のための刺青を弓に施し、辰は女将に刺青をさせてくれと頼みますが、女将は辰に、申し分のない肌の持ち主である弓に施された秀の刺青に重ねて刺青を彫らせます。御前試合では辰が弓に彫った「責め地獄」が一旦は選ばれますが、秀が弓に酒を飲ませると、弓の肌に観音様が浮かび上がり、将軍は二人の引き分けを宣言します。弓は弦造の墓を暴いているところを捕り物に捕まり、海上火あぶりの刑で死にます。鮫島は彫五郎を殺して辰を仲間に引き入れ、彫五郎殺しの罪を秀に着せて島流しにさせると、女将の元にいた売春婦たちと刺青を施された女囚たち、それに雪とお鈴を船に乗せて、女将とともに長崎に向かいます。船上での売春婦たちと女囚たちの乱闘、そして「長崎」の字幕。クレードルは女たちを引き取ると、早速拷問機械にかけて犯して楽しみながら、女たちを外国に売り飛ばす算段を進めます。自分のものになるはずだったお鈴に彫り物を施していた辰は、鮫島とクレードルらがお鈴も売り飛ばす計画なのを知って、以後協力することを拒みますが、女将に麻薬を打たれ、言いなりになってしまいます。ついに彫り物が完成したお鈴は、雪と脱走し、出島の迷路のような雑踏の中に逃げ込みますが、やがて追いつめられ、秀と約束していた場所で秀と会い、自分のことを伝えてくれるように雪に言うと、自ら囮となって捕まります。雪は人買い(芦屋雁之助)に導かれて、島抜けをしていた秀の元に連れられていくと、秀は雪が持っていたお守りで彼女がお鈴の使いであることに気付き、自分をはめたのが鮫島とクレードルだったことを知ります。お鈴を助けに行った秀でしたが、彼女の元に駆けつけた時、絶望した彼女は既に毒をあおった後でした。復讐の鬼と化した秀は、クレードルの娘ハニーをさらい、彼女に刺青を施します。そしてクレードル主催の見本市で、辰が白人女性に彫った蛍光色の刺青を披露していた時に、秀はハニーを連れて乱入すると、辰は刺青で秀に負けたことを認めます。秀に斬りつけてきた鮫島を返り討ちにした秀は、クレードルに追いつめられますが、辰がクレードルに斬りかかり、二人は合い倒れます。辰は二代目彫五郎の名を秀に譲ると言って死に、秀はクレードルの館が燃え盛る中、死んだ父の元を離れようとしないハニーを見て、自分の犯した罪の重さを知り、ハニーを逃がして自分は炎の中で死んでいきます。女将は捕り物に捕えられ、股割きの刑に処せられ、足をもぎ取られるのでした。
常軌を超えた残酷さ、国籍不明の摩訶不思議な雰囲気に、魅せられるとともに、高橋洋君らが石井監督に惹かれる理由が、この映画を見て、やっと分かったような気がしました。サドの『新ジュスティーヌ』を楽しめる方向きの映画かもしれません。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)