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清水祟監督『輪廻』

2006-12-31 16:21:12 | ノンジャンル
 報告が遅れましたが、一月のスカパー、707チャンネルの東映チャンネルで、マキノ雅弘監督の「日本侠客伝」シリーズが全作一挙放送されます。私も大学生の頃、オールナイトでこのシリーズを見て興奮し、肩いからせて劇場から出てきた記憶が鮮明に残っています。一ヶ月1575円とちょっと値段は張りますが、めったに見られない映画なので、オススメです。

 さて、WOWOWで清水祟監督の'05年作品「輪廻」を見ました。理由は、主演が優香であること、それのみです。
 ホテルで大学教授だった男が妻、幼い長男、長女の家族を含めて11人を惨殺し自分も自殺した事件を映画化するために集められたキャストとスタッフは、監督がリアルさを追求したいと、現場のホテルを訪れます。優香演ずる主役は、大学教授に最後に殺された彼の5才の長女を演じるのですが、その場で当時の惨劇の様子が幻覚となって見えます。前世が殺された人たちだったと言われた人は次々と行方不明になり、最後に残された優香は迫りくる少女の霊と彼女の人形の恐怖に耐えられず、発狂してしまいます。
 作品自体、そんなに恐くありませんでした。登場人物の後ろを何かがサッと通り過ぎたり、鏡に霊が映ったり、怖がらせる手法も「リング」以来使い古されたもので、新鮮味はゼロでした。問題の優香は、開巻間もなく絶叫してひどい顔を見せられてから、この映画に出たのは失敗だったな、と思いました。演技はとてもうまいと思いましたが、映画の性質上、顔をゆがめる必要があるシーンが多くあり、せっかくの美しさも台なしでした。彼女には、普通の恋愛ドラマとか、家族ドラマとかにこれからは出てほしいと思う私なのでした。
 さて、これをご覧くださっている皆さん、今年はありがとうございました。来年もぜひ、いらっしゃってください。お待ちしています。では、皆さんが良いお年をお迎えになりますよう、心よりお祈り申し上げ、今年最後のブログとさせていただきます。本当にありがとうございました。

アルツハイマーについて

2006-12-30 16:33:03 | ノンジャンル
 昨日の書き込みの中で「アルツハイマー」という言葉が出てきて、意味の分からない方がいらっしゃったかもしれません。
 「アルツハイマー」は昔は痴呆症とも呼ばれていた時期があったようですが、現在では認知症の一部として広く認識されています。
 認知症とは、記憶障害を主とした症状とする進行性の精神病で、初期は物忘れがひどくなったり、同じ事を何度も人に聞いたり、という症状で現れます。それが、次第に進行していくと、良く知ってる人を別の人だと言い張ったり、死んだ人が今そこにいた、と言ってみたり、今日の曜日、今いる場所がどこか分からなくなったり、と幻覚が現れ、時間・空間の記憶も失われていきます。もっと進行すると、トイレがどこか分からず、トイレ以外で用を足したり、汚物を壁に塗りたくったり、急に怒リ始めたり、と人格崩壊(今までと人格が変わってしまう)を起こしたり、1人で用をたせなくなったりしてきます。
 認知症は進行性の病気のため、悪くなる事はあっても、良くなる事はありません。ただ、現状を維持させることはできます。
 認知症で一番問題になるのは、介護する人のケアです。一日中同じことを聞かれ続け、それに答え続ける毎日では、普通の人なら精神的に参ってしまいます。そこで、そうしたことがないよう、行政では介護認定を受けた認知症の人なら、通所介護といって、バスで迎えに来てくれ、施設で一日楽しく過ごした後、またバスで送ってくれるサービスを提供し、施設に認知症の人がいる間、家で介護している人が自分の時間を作れるようにしています。またショートステイといって、何日間か施設に滞在してもらう、というものもあります。
 以前に書いたかもしれませんが、私の父も認知症で、母の憔悴ぶりをほっておけず、介護認定をすぐに受けて通所介護を週3回受けています。現在は人工透析が始まったので、通所介護はお休みしていますが、人工透析に慣れてくれば、また通所介護を再開するかもしれません。認知症の方を家族にお持ちの方、お互いに頑張りましょう。

荻原浩『明日の記憶』

2006-12-29 16:58:48 | ノンジャンル
 今日も朝日新聞の特集記事「2006年 この一冊」の対談から、荻原浩氏の「明日の記憶」です。
 物忘れがひどく、念のため病院を訪ねたサラリーマンの主人公は若年性アルツハイマーと診断されますが、その事実を会社に隠し、数々のミスを犯しながらも、聞いた事は何でもメモ書きし、ポケットはメモで膨れ上がります。やがて、病気のことが会社に知れることになり、現在のポストも失い、結局彼は会社を辞めてしまいます。彼はふと大学生の頃に訪れた山奥の陶芸家のもとを訪ね、アルツハイマーが相当進んでいるにも関わらず、1人で陶芸を続けている陶芸家の姿を見て、アルツハイマーであることを恐れずに生きて行こう、と思い、山を降りると、そこには彼を受け入れる決心をした妻が待っていたのでした。
 朝日新聞の対談によると、この小説は映画化され、それを期に本が売れた、とのことですが、小説自体はそれほど大した出来ではありません。この程度の小説ならごまんとありますし、もし、映画化の後に売れたのなら、売れた原因は映画化されたこと、それのみでしょう。
 映画のサイトを見ると、感動的な静かな音楽が流れ、主演が渡辺謙と樋口加奈子というのですから、おそらく夫婦愛を中心とした感動作なのでしょうが、原作はユーモラスなもので、原作と映画はかなりギャップがありそうです。映画を見て、原作を買った人はおそらく読んでがっかりしたのではないでしょうか?
 この本が売れるのなら、もっと売れてほしい本が山程あるのに。そして、映画を見てこの本を買った人が、最近の日本の小説はこの程度なのか、と思ってほしくない。そんなことを考える私なのでした。

天童荒太『包帯クラブ』

2006-12-28 16:03:36 | ノンジャンル
 またで申し訳ありませんが、朝日新聞の特集記事「2006年 この一冊」の対談で紹介されていた天童荒太氏の「包帯クラブ」を紹介します。
 ここで、対談の中でどのように言及されていたか、再現します。(ちなみに対談しているのは松田筑摩書房編集員とタレントの真鍋かをりさんです。)松田「真鍋さんが、気になる作者は?」真鍋「天童荒太さん! 「永遠の仔」でものすごく衝撃を受けたんです。『包帯クラブ』は久々の長篇ですよね。」松田「心に傷を負った高校生たちが、どう傷を癒していこうかと考え、包帯を巻くことにするという、感動的な物語。」真鍋「天童さんの作品は、トラウマを抱えた人の気持ちの動きが、ひしひしと伝わってくる。『包帯クラブ』は新書サイズで、持ち歩きやすくていいですね。」
 ということで、読んでみました。何と、その通りでした! 素晴らしいと思いました。文体は読みやすく、無駄な文はまったくなく、構成がこっていて、感動的です。人の心の琴線に触れる作品でした。
 ただ、一言言っておくと、松田さんが言うように物語が感動的なのではなく、作中人物の真摯さが感動的だと思いました。そして構成がこっている、と書きましたが、これは、自分たちが高校時代に経験したことを書く書き手の文章を書いたそばからネット上に公開し、合間合間にその直前に話に登場した現在のその人からフォローのメールが届くという実験的な試みをやっていて、私達は、今ホームページにアップされつつある文章を更新される度に読み進めて行くという役割を果たしていることになる訳です。これは過去の世界の中にいきなり現在が入り込むけれども、違和感を感じさせないという、非常に面白い試みだと思いました。これからも、この形式をまねた小説が書かれるかもしれません。
 ということで、天童さんの「包帯クラブ」はとても気に入ったので、「Favorite Novels」に新たに「天童荒太」のコーナーを新設しました。興味ある方は、ご覧ください。

ホーギー・カーマイケルの命日

2006-12-27 16:22:53 | ノンジャンル
 藤原紀香と陣内智則との会見は、お互いに何と呼んでいるか、の質問に、陣内が「紀香さん」と呼ぶのに対して、紀香は「陣内」と呼ぶと聞いて、そうだろう、と納得させてくれましたが、その大きな記事の隅っこに、男性向けエステの会社が選んだ第1回ダンディ賞の記事が載っていました。
 政治家部門は小泉純一郎、スポーツ部門は新庄剛志、芸能人部門は阿部寛、そして文化人部門は何とリリー・フランキー氏でした。ご丁寧にも4人の顔写真が並んで掲載され、一人だけ、むさ苦しいおじさんが混ざっていました。先日、ミュージックステーションで見た安めぐみとリリー・フランキー氏のコラボもどうか、と思いましたが、今回のこの事態も見逃せないものでした。
 世間の皆さん、皆さんはリリー・フランキー氏に騙されています。「東京タワー」を世の中に流布させた時から、彼のことを無条件に受け入れる精神状態にさせられています。ここで言うのもなんですが、彼はただのオッサンです。どう見てもオシャレじゃないし、どう見ても安めぐみの美しさを前にして対抗するものを何も持ち合わせていません。おそらく来年になれば、このリリー・フランキー・シンドロームも次第に終息に向かうでしょうが、とりあえず、「みんな、だまされてるよ」と警告しておきます。

 と前置きが長くなりましたが、今日はホーギー・カーマイケルの命日です。アメリカの作曲家。1999年に生まれ、1981年に死す。映画にも出演。しかし、何と言っても、彼の名前は名曲「スターダスト」の作曲者として私たちの記憶に残っています。大学時代、彼女のふられた夜、空を見上げているときに浮かんだメロディーと言われていますが、諸説あって、どれが本当かは分かりません。しかし、映画で見る彼の姿はロマンティックで背も高く、曲の魅力を少しも損なうものがありません。
 私たちの世代では、テレビの「シャボン玉ホリデー」のラストでザ・ピーナッツがギターの伴奏一本だけで毎週日曜日の夕方に歌っていて、覚えました。ギターのソロ演奏の素晴らしさも記憶に残っています。
 ナット・キング・コールのバージョンが有名ですが、他にも多くのアーティストに歌われています。「スターダスト」を知らない人というのは少ないと思いますが、もしそういう方がいらっしゃったら、一度でいいから聞いて見て下さい。名曲とはこの曲のことを言うのだ、ということが分かっていただけると思います。