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黒沢清監督『岸辺の旅』その2

2017-02-28 05:42:00 | ノンジャンル
 昨日に引き続き、今度はポール・モーリアについて調べたところ、彼はフランス人で、2006年11月3日に80歳で亡くなっていることを知りました。YouTubeで見た限り、日本には彼の熱狂的なファンがいたようで、何度か来日公演をしていたようです。改めてご冥福をお祈り申し上げます。

 さて、昨日の続きです。
 朝。窓辺にいた瑞希は廃墟と化した部屋に驚く。床に花の写真。2階に行くと、風が吹き、壁からハラハラと花の写真が落ちて来る。
 列車に向かい合って座る優介と瑞希。
 満月。
 町。
 餃子を作る優介。「本当に帰って来たんだな。東京では飾り職人をしてた」。陰で瑞希「飾り職人って何?」
 布団を敷く2人。「初めて餃子を食べた時、とてもうまかった。金がないと言ったら働かせてくれた」「その時、警察に連れていかれてたかも」「陣内さんとハツエさんは普通の人たちだ」。
 繁盛している食堂。2人も手伝う。瑞希「手がつるつるになって不思議」ハツエ「水が合うのよ」。
 市場で若い坊さんに見つめられる優介。坊さんは近づいてくると「~の渡辺さんですか?」と言い、「違います」と答えると去っていく。「優介、なんかすごい。2人でここに住まない? そうなったら……」。
 「久しぶりの宴会だ。ずっと景気が悪かったから」。ピアノがある。ハツエ「自分の音を聞きなさいと習いました」陣内「へえー、面白いねえ」「父と母は音楽はダメでした。随分前に亡くなりましたが」。(中略)
 玉子を落とす優介。瑞希「優介君らしくないな」。
 日帰り温泉からの帰りの2人。「気持ちいい」。夕方。「今が一番好き」。
 宴会の準備。ピアノの上に“天使の合唱”の楽譜。瑞希は何となく、その楽譜をピアノで演奏し始める。そこへハツエが飛び込んできて「勝手に弾かないで」と怒る。「すみません」。気持ちが落ち着いたところでハツエ「ピアノ、結構やってたんだ。8歳年下の妹がいたんだけど、腸が悪くて、あっと言う間に死んで……。あの子、すっかりその曲が気に入って、何度も弾いてたので、すっかり耳にこびりついた。あんまり何回も弾くので、一度ひっぱたいたこともある。10歳の子供に。どうかしてたのね。それからすぐに死んじゃった。だから私もピアノを止めた。そして実家からピアノを引き取った。どうでもいい話ね。ピアノは私の足にからみついて、私を過去につなぎとめて。一瞬でいいから、あの頃に戻りたい。そしてマコちゃんに謝りたい。また天国で会おうね。あれから30年も経った」。マコ、姿を現す。ハツエ「マコちゃん!」マコ「いいですか? ピアノ」「いらっしゃい。座って」。マコ、ゆっくりと弾き始める。ハツエ「もう一度最初から自分のテンポで」。滑らかに弾くマコ。見守る瑞希とハツエ。マコは弾き終わると、2人に笑顔を見せてから、消える。
 「どうもお世話になりました。また来ます」と言って去る優介と瑞希。
 路上を走り、バスに間に合う2人。
 優介のバッグの中から“松崎朋子”から優介に宛てたハガキを見つけ、「何これ?」と瑞希。「お守りだよ」「手紙出したの? この人のところにいるかもしれないと思ったの。あなたのパソコンで見つけた。結構何度も会ってたのね」「相手はどうでもいい女だった」「朋子さんの前でもそう言える? あ、降ります」「ちょっと待ってよ。終わったことなんだから」「私の中では終わってない。私は忘れない」「どこ行くの? 危ないよ」。道路の向こう側で立ち尽くす優介。
 目覚める瑞希。枯れた鉢植え。雑然とした部屋。優介の口座の更新のお知らせ。
 朋子(蒼井優)に会う瑞希。「その後、優介さんは?」「居所は分かった。連絡があったの。元気にしてるって。家にこれがあって、心配させたけど、もう大丈夫。ここには戻らない。薮内先生の奥さんがどんな人か知りたかったけど、想像通りだったので拍子抜けした」「私、朋子さんに励まされた。私の方が先に見つけるっていう力が湧いて来た。他の女に取られるくらいなら、死んでしまえって。私と優介はまっとうな夫婦です」「私も結婚してます。秋には出産も控えてます。病院の勤めも辞めます。平凡だけれど、これ以上何を求めればいいんでしょう?」。
 枯れた鉢植えを捨てた瑞希は、急いで白玉を作る。
 椅子に座り、白玉を見つめる瑞希。優介が現れ、瑞希を立たせると、抱きしめる。
 森の中を進むバス。
 集落で降りる2人。松崎(柄本明)「あー、来た、来た」「松崎さん、変わってないでしょ」「ノートを取ってあるよ。最初は小学生向けの塾だったんだが……。先生に教わるまでは、アインシュタインが人の名前だってことも知らなかったからね。カオル、お茶を出して差し上げて。悪い子じゃないんだけど、気がきかない。好きだけここにいてください。良太、優介先生だよ」「やった! やった! 優介先生だ」村中にふれて回る良太。(また明日へ続きます……)

黒沢清監督『岸辺の旅』その1

2017-02-27 06:00:00 | ノンジャンル
 昨日書いたフランシス・レイのネタですが、YouTubeで『パリのめぐり逢い』を検索すると、次から次へと当時“イージーリスニング”と呼ばれていた音楽がかかり出し、レイモン・ルフェーブル楽団、ポール・モーリア楽団などのメロディアスな音楽を聴くことができました。レイモン・ルフェーブル楽団の『シバの女王』はラジオの深夜放送「ナチチャコパック」のエンディング曲としてもかかっていた曲です。若い方でまだ聴いたことがない方にはオススメです。

 さて、黒沢清監督・共同脚本の’15年作品『岸辺の旅』をWOWOWシネマで見ました。
 ピアノを弾く少女。先生の瑞希(みずき)(深津絵里)「もう一度最初から」。
 食卓。母娘と瑞希。「先生は悠長すぎます。もっとリズムを速めないと」。
 スーパーで白玉粉を買う瑞希。
 白玉粉を捏ね、アンを入れて、湯に。振り向くと夫の優介(浅野忠信)が立っている。「お帰りなさい」「何年になる?」「3年よ。優介、靴」「あ、ごめん」「白玉、食べる?」。
 「ありがとう。熱っ」「気をつけて」「うまい。急に来て驚いた? 俺、死んだんだよ。富山の海で。だから体はカニに食われてもうない。俺は病気だった。仕事に追われてる気がして、アップアップして。でも苦しまずに死ねた。ご馳走様」「随分探したのよ。お寺や教会や。それしかなかったんだから。探してほしくなかった? 部屋はそのまま残してるわ」。ソファに腰かけ「ここがいい。いいからこっちに来て。ここまでは長い道のりだった。途中で疲れて1か所に住みついてしまう者もいる」。
 翌朝。目覚めた瑞希「変な夢」。優介いる。「いたの? 私のこと恨んでる? 優介の病気に気づけなかったから」「俺自身突然錯乱して、運が悪かった」「また靴を履いたままよ。いつまでもここにいて」「あちこち綺麗な場所がある。ここに来るまで世話になった人も大勢いる。長い旅になるよ」。
 荷造りする2人。「何これ?」「稲荷神社の祈願書よ」「持ってけば?」「帰りたくなったら燃やせばいいわ」。
 「レンタカーで行く?」「免許証、燃やしちゃった」。
 駅で駅員に質問する優介。
 並んで座る2人。子どもが優介の脚に触り、優介は微笑む。
 駅。
 「この辺なんだけど」「分からないんだったら戻ろう」。通りすがりの新聞配達員を追いかけ「島影さん!」。バイクを停めた島影(小松政夫)に「こっちが妻の瑞希です」。
 島影、パソコンを叩き、「またこいつが」「機械との相性ってありますから」「小さな新聞屋だけど、優介くんが来てくれた時は地獄に仏だったなあ。今晩は泊まっていきなさい」「じゃあ私が夕食の支度をします」。
 テレビを見ながら夕食。島影、テレビ消し「最近のテレビはちっとも分からん」と新聞を読みだす。「彼女、どうです?」「似てない」。
 「優介、ここで働いてたの? 信じられない」「規則正しい生活は気持ちいいよ」と2人でベッドメイク。「似てないって?」「出て行った奥さん。似てるので今度本人を連れて来るって言ったんだ。奥さんは行方不明のまま。島影さんも俺と同じで、もう死んでる。大抵分かるんだ。ただあの人は自分の死に気づいていない。ある夜、強烈な夢を見て、それであの人の死が判ったんだ」。階段を上っていく島影。「寝よう」「うん」。
 朝。瑞希の隣で眠っている優介。
 配達された牛乳を手にする瑞希。
 広告を新聞にはさむ島影。「手伝いましょうか?」「じゃあ、この手袋使って。ゆっくりでいいよ」。
 店で買い物をした瑞希は、通りがかった島影に声をかけるが、無視される。呆然とした後、走り出す瑞希。
新聞屋に飛びこみ、優介がいるのに安堵する瑞希。「お帰り」「ただいま」。
 3人で夕食。
 満月。
 「優介が帰ってきたのはどうして?」「みっちゃんが好きだから」。眠る優介。
 新聞屋。島影が花の写真を切り抜くのを瑞希が見る。「しばらく生きる意欲がなかったけど、これはいい。趣味だよ。これが人生」。
 パソコンを直している優介。
 「パソコン、ダメでした」「こいつはよく働いたと思う」「後でバラバラにして資源ごみで出し、新しいパソコンを買いますか?」「なくてもいいんじゃないか?」「じゃあ、送別会をやろう」。
 料理する瑞希。島影「何ですか? これは!」「勝手にお借りしてすいませんでした」「前にすき焼き好きだって言ってたのに」「そんなこと言ってません。あれは油が沁みる。歴史ですよ。私は鍋を投げたことがある。それがあいつの頭にバーンと当たって……。家族だってブッツリ切れたらそれまでです」。島影去る。「止める?」「ううん」。
 夕方。道でしゃがみこんでうなだれる島影。優介「島影さん、うちに帰ってすき焼き食べましょう」「何でこんなにややっこしいことに? このところ呼ばれているような気がする」「おんぶしましょう」。
 「女房には悪いことをした。ゆーさんがまた来てくれて助かった」。
 瑞希に「島影さん、寝ちゃった」。瑞希に尻を押され、何とか2階に島影をおぶって運ぶ優介。島影をベッドに寝せて、靴を脱がせる2人。壁に貼られた花の写真を見て「かなり増えたな」。
 仰向けに寝る2人。「またいつか奥さんに会えるよね」「やりたいようにやっても、安らかになれるのかも」。優介、瑞希に背中を見せて寝る。瑞希もそちらを向いて誘うが、優介に拒まれる。「こういうこと、しちゃいけないの?」「ごめんね」。
 仰向けに眠る島影。(明日へ続きます……)

ロバート・アルトマン監督『ウェディング』&J・J・エイブラムス監督『スターウォーズ/フォースの覚醒』他

2017-02-26 08:03:00 | ノンジャンル
 昨日の朝日新聞にフランシス・レイに言及した記事が載っていたので、さっそくYouTubeで検索してみたところ、クロード・ルルーシュ監督の『パリのめぐり逢い』の音楽がヒットして、その音楽の素晴らしさに改めて感心してしまいました。調べてみたところ、60年代後半の映画で、他にも『男と女』『白い恋人たち』がフランシス・レイだったことを改めて思い出しました。ルルーシュはどうも、という方でも曲はとてもいいと思います。興味のある皆さん、YouTubeで是非聴いてみてください。

 さて、WOWOWシネマで、ロバート・アルトマン監督・製作・共同原案・共同脚本の’78年作品『ウェディング』を久しぶりに再見しました。運送業を営む富豪の娘と、マフィアから成り上がった富豪の息子の結婚式で映画は始まり、その後、親族だけが花婿の家でのパーティに参加する1日を描いた映画で、冒頭、花婿の祖母(リリアン・ギッシュ)が清らかな姿で亡くなるところから、「この映画は映画自身に対するオマージュなのだな」と気づかせ、その後は、花嫁の姉(ミア・ファロウ)が色情狂ゆえに花婿の子供を妊娠したと言い張ったり、花婿側の中年男性が花嫁側の既婚の中年女性に言い寄ったり、突然の竜巻で皆が地下室に退避したり、花婿が両刀使いだということが最後に花嫁に判ったりと、次から次へと邸宅の中で物語が語られていくという典型的な“グランド・ホテル形式”の中で、ベルイマンとかジェニファー・ジョーンズとか、『慕情』のテーマ曲とか、様々な映画史上の固有名詞が散りばめられた映画でした。また、結婚式当日の数々の儀式のコーディネーター役をジェラルディン・チャップリン(彼女は最後に同性愛者だということが判ります)、花婿の父役をヴィットリオ・ガスマン、神父役をジョン・クロムウェル、ビデオ撮影のチームの一員の役をローレン・ハットンが演じていて、特にローレン・ハットンの美しさに目を奪われました。
 また、WOWOWシネマで、J・J・エイブラムス監督・共同製作・共同脚本の’15年作品『スターウォーズ/フォースの覚醒』を見ました。「遠い昔、はるかかなたの銀河系で」の字幕。タイトル。「ルーク・スカイウォーカーが消えた。その間に帝国軍の残党からファースト・オーダーが生まれた。彼らは最後のジェダイ、ルークの抹殺を狙っていた。レイア・オーガナ将軍は共和国の支援のもと、レジスタンスを率いていた。彼女の目的は兄ルークを見つけ、銀河に平和と正義を取り戻すこと。レイアは最も勇敢なパイロットに秘密任務を与え、ジャクーへと送った。そこでは古い盟友がルークの居場所の手掛かりを得ていた……」の字幕。老人(マックス・フォン・シドー)からルークの居場所を示す地図を渡されたボーは、帝国軍の襲撃を受け、地図をロボットのbb-8に託し、帝国軍のベンに捕らえられ、フォースの力でbb-8に地図を託していることを知られてしまいますが、帝国軍の歩兵のフィンの手助けによって、帝国軍の基地か脱出します。bb-8は砂漠を越え、ジャンク屋の若い女性レイに出会います。帝国軍の最高司令官はレンに何としても地図を入手するように命じ、レンはレイを襲いますが、そこにレジスタンスのハン・ソロ(ハリソン・フォード)が現れ、助けられます。帝国軍とレイア率いる共和国軍との激しい争いの後、レンはハン・ソロとレイアとの間に生まれた子だったことが明らかになりますが、レンはハン・ソロを殺します。しかしルークがいなくなってからスリープモードになっていたロボットR2-D2が目覚め、ルークの居場所が分かり、レイはルークに会いに行き、年老いたルークに出会ったところで映画は終わります。戦闘シーンの躍動感あふれる長めのショットが特に印象に残る映画でした。
 また、WOWOWシネマで、ロバート・ゼメキス監督・共同製作・共同脚本の’15年作品『ザ・ウォーク』も見ました。110階あるニューヨークのワールド・トレード・センターの北棟から南棟まで綱渡りをした男の話で、“……これは実話である”という字幕から始まり、主人公のナレーションで物語が語られ、幼い頃にサーカスの綱渡りに魅入られ、大道芸をしているときに知り合った路上のシンガーソングライター、アニーの協力を得て、また主人公が練習している時に彼の芸に魅せられたカメラマンも仲間に加わり、綱渡りの名手、ジャン=ルイ(ベン・キングスレー)に師事して、最終的にチームを組み、綱渡りに成功するまでを描いていました。情緒に流れる場面はいただけませんでしたが、スリルとサスペンスの場面に限って見れば、かなりいい線を行っていると思いました。
 また、山根貞男さんが朝日新聞で推薦していた、アンドリュー・ラウ&アンドリュー・ルー監督、アンドリュー・ラウ共同製作、アンドリュー・ルー共同脚本、マーティン・スコセッシ共同製作総指揮の’14年作品『リベンジ・オブ・ザ・グリーン・ドラゴン』をWOWOWシネマで見ました。孤児としてニューヨークに密入国したサニーは、友人のスティーヴンとともに選択肢も与えられずに、地元の中国人ギャング“青龍(グリーン・ドラゴン)”に入らされ、中国人ギャング同士の抗争に巻き込まれて、スティーヴンと恋人のティナを殺され、最後に警察とFBIに密告していたポールに復讐を果たす寸前まで行っていながら、逆に殺されてしまう、といった物語で、壮絶な暴力描写が記憶に残る映画でした。

ロバート・アルトマン監督『ナッシュビル』

2017-02-25 05:00:00 | ノンジャンル
 ロバート・アルトマン監督・製作の’75年作品『ナッシュビル』をWOWOWシネマで久しぶりに再見しました。
 24人の主だった出演者の紹介が、CMの形で行われる。タイトル。ハル・P・ウォーカー大統領候補の共和党の選挙カー。グランド・オープリーに参加するため、バーバラ・ジーンは多くの人々が迎える中で、飛行機から降りて来るが、すぐに貧血で倒れてしまう。BBCの取材を一人でしに来るオーパル(ジェラルディン・チャップリン)。
レコーディングをする地元ナッシュビル出身の大物カントリー歌手ヘブン。
教会でのゴスペルを聞いて、感激するオパール。
グランド・オープリーで歌ったヘブンは、今日来られなかったバーバラに励ましの手紙を書いて欲しいと皆に言い、彼女の代わりに駆けつけてくれたと言って、コニー・ホワイト(カレン・ブラック)を紹介する。
その後のパーティ。エリオット・グールド(本人)がやって来る。テレビのプロデューサーでウォーカーを応援しているトリプレットは、ヘブンに知事になる気があるなら便宜を図ると約束し、地元の有力者デル・リースとも手を組む。
 屋外の会場。黒人のカントリー歌手、トミー・ブラウンが歌う。
 教会での聖歌。聖歌隊にはヘブンもいて、車椅子に乗ったバーバラも歌う。第二次世界大戦時、南太平洋で息子を失ったという男性は、入院中の妻を見舞った時に知り合った現役の兵士の青年と仲良くなり、ここでも隣り合って座っている。
 廃車置き場で詩を朗読するオーパル。
 自動車レース。ヘブンの車もトミーの車も出場していて、彼らはレースを見物している。車の爆音がする中で、舞台の上で歌う無名の歌手。次に舞台に現われた女は鳥のモノマネをする。
 トリプレットは、ウォーカーを応援するショーに出てくれれば、それがきっかけで売れるようになると、ロックバンドの一人を説得する。バンドのヴォーカルを務める女性は「私は民主党だから」と断るが、トリプレットは「私も民主党員だ」とうそぶく。
 レコーディングのためにナッシュビルを訪れていたトム(ジョン・キャラダイン)は、以前レコーディングの時に知り合ったデル・リース夫人のリネア(リリー・トムリン)に会ってほしいと電話をするが、断られる。
 スクールバス置き場で、また詩を朗読するオーパル。
 バーバラは車椅子に乗ったまま退院するが、息子を第二次世界大戦で失った男性は、妻が今朝亡くなったことを看護婦に告げられ、涙にくれる。
 バーバラの夫で彼女のマネージャーでもあるバーネットは、トリプレットからウォーカーを応援するショーに出てほしいと言われる。
 屋外のショーでバーバラは歌うが、一人のメガネの青年の観客だけは厳しい顔で彼女を見つめる。兵士にオーパルは「ベトナムはどんなところだった?」と聞くと、兵士は「暑かった」と答える。バーバラは2曲を歌った後、長々とMCを始め、なかなか3曲目に行かないので、しびれを切らしたバーネットは、彼女を強制的に舞台から降ろす。ブーイングする客。
 リネアは自分からトムに電話し、その夜に会う場所を指定する。
 その夜、皆が集まったナイトクラブで、トムは壇上に呼ばれ、昔の3人組で1曲披露した後、「ここにいる一人の女性にこの歌を捧げます」と言い、ラブバラードを歌い始める。最初は自分のことかとウキウキしていたオーパルや痩せぎすの女性L・A・ジョーン(シェリー・デュヴァル)だったが、やがて彼の視線がリネア一人に向かっていることに気づく。その後、ウォーカー大統領候補への寄付を募るデル・リース。彼が目をつけていたウェイトレスが、その後にひどい歌を披露し、客のブーイングを受け、退場しかかると、デルは「必ずそのうちバーバラ・ジーンと共演させてやるから」と言って、説き伏せ、客の前でヌードショーをさせる。やんやの喝采を浴びせる客。
 トムとリネアは寝た後、すぐ帰ろうとするリネアに対し、トムはわざとニューヨークの愛人に電話をかけ、嫉妬を買おうとするが、リネアはトムの頬にキスして去る。
 テレビのコメンテーターがウォーカーのことを述べている。芝生の広場には舞台ができて、「次期大統領にウォーカーを」という横断幕が張ってある。やがて車列が登場し、群衆も集まる。横断幕を見たバーネットは激怒し、バーバラを絶対に出演させないと言うが、トリプレットも負けていない。
 妻を亡くした男性の埋葬シーン。
 星条旗からパンダウンすると、ウォーカーの横断幕が見え始め、ヘブンとバーバラがデュエットで歌っている。群衆をかき分けて進むオーパルやジョーンやメガネの青年。舞台上にはトムもいる。バーバラの独唱が終わると、メガネの青年が拳銃を発砲し、バーバラは倒れる。「ナッシュビルは安全だ。皆、歌え!」と言って、自分も傷を負って去るヘブン。すると歌手志望で街を訪れていた女性(バーバラ・ハリス)が、「自由なんてなくたって、気にしない」と歌いだし、聴衆も一緒に手拍子とともに歌い出す。カメラは舞台をズームダウンし、やがてパンアップして青空を映し、映画は終わる。

 複数の会話が同時に行われるというアルトマン映画の一つの特徴がよく出ていた映画でした。

ミシェル・ルグランさんの誕生日!

2017-02-24 07:43:00 | ノンジャンル
 今日は、『シェルブールの雨傘』や『ロシュフォールの恋人たち』など、ジャック・ドゥミ監督の作品の多くを作曲したミッシェル・ルグランさんの85歳の誕生日です。2007年に来日し、またその後も、生誕80周年記念として、2013年に来日し、ブルーノート東京でライブを行ったようですが、まだ健在なのでしょうか? 2007年の時は6年振りの来日だったということなので、6年周期で来日してくれてるのであれば、2019年、これから2年経ったら、また来日してくれるかもしれません。それまでどうかお元気で、また元気な姿を見せてくれることを心から願っています。