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リドリー・スコット監督『プロメテウス』その4

2015-12-11 10:13:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
 デビッド、椅子に座る。「地球に向けて、ここを脱出しようとしてた。生存者はここに」。ショー、苦しみだす。ウォーランド「話せるか?」デビッド「多分」。巨人、目覚める。ウォーランド「通訳してくれ」ショー「呼ばれたから来たと。どこから来たか聞いて」「よせ」「仲間を殺したあの筒は何? あの兵器は人間を殺すためね? なぜ?」「黙らせろ」「あたしたちの何がいけなかったの? なぜ恨むの?」「今度何か言ったら撃て。通訳しろ」。デビッドが通訳すると、巨人はデビッドの首を持って持ち上げ、首をひねりちぎる。乗員、次々と巨人に投げ飛ばされる。逃げるショー。倒れたウォーランド「ここには何もない」デビッド「そうです。よい旅を」。
 ピッカーズ「帰りましょう」船長「出発だ」。
 巨人、ホールの中央に操縦席を出し、そこに座り、宇宙図のホログラムを出し、ヘルメットをかぶる。廊下に気流が発生し、ショーは飛ばされる。
 地面のあちこちから気流が噴出。船長「何だ、あれは?」。
 ショーは穴から脱出。地割れが始まる。宇宙船が姿を現す。船長「船が離陸する」ショー「行かせちゃだめ。止めないと帰る場所がなくなる」「こっちは戦艦じゃない」「でも止めるしかない」「分かった。この船を弾丸にする。(ピッカーズに)40秒でエスケープポッドへ行け! お前たちはどうする?」「船長は操縦が下手だから一人にはできない」「よし、チャンスは一度だ。ポッドを切り離せ」。ピッカーズを乗せたポッドが船から発射され、地面に転がる。「行くぞ、手放しだ!」。プロメテウスは巨人の宇宙船に衝突。巨人の宇宙船は墜落する。ショー「嘘でしょ!」。巨人の宇宙船がショーとピッカーズの上に落ちて来る。必死で逃げるショーとピッカーズ。倒れたショーは横に転がり宇宙船を避ける。ピッカーズは下敷きに。またショーの上に宇宙船の残骸が落ちて来るが、何とか隙間に入り込み難を避ける。
 「酸素あと2分」。ショー、プロメテウスの中に。「あと30秒」。ドアを閉め、ロックする。「空気の組成、元に戻りました」。奥で物音。斧を手にするショー。音楽。画面にバイオリンを演奏する少年。ヘルメットを外すショー。扉の向こうに血のり。そして巨大な触手。デビッド「エリザベス、無事ですか? すぐ外へ。エアロックは突破されました」。巨人が扉をこじ開けて入ってきて、ショーに襲いかかる。「死ね!」。ショーは扉を開けると、触手が巨人に襲いかかる。ショー、絶叫し、外へ。巨人は触手と格闘するが、やがて絡み取られ、巨大なイカは口を開ける。やがて口の周りの細かい触手が巨人をとらえ、巨人の口の中にイカが入ってくる。イカにのしかかられる巨人。
 雲。泣くショー。「ごめんなさい。もうダメ、チャーリー。もうできない。これ以上無理」デビッド「エリザベス、無事ですか? 心配しました。助けてください。脱出するのにあなたが必要です。宇宙船はたくさんあります。しかし操縦できるのは私です」。
 ショー、デビッドの許へ。「十字架は?」「私のベルトに。こんな目に会っても信じるのですね」「宇宙図で飛行できる?」「もちろん」「彼らの星に行きたい」「分かりました。できますよ」。
 ショー、デビッドの体を巨人の宇宙船から降ろす。「人類を創って滅ぼそうとした理由を知りたい」「なぜそう思うのか分かりません」「それが人間とロボットの違いかも」。デビッドの頭を袋に入れる。
 「プロメテウスは大破し、乗組員全員死亡。これを受信しても発信元には来ないで。私もこの死の惑星から脱出する。本日西暦2094年1月1日。私はプロメテウス唯一の生存者エリザベス・ショー。これから真実を探求し続ける」。飛び立つ宇宙船。
 倒れた巨人の腹から頭がイカの人間が飛び出てくる。エイリアンのような口を出し、暗転。

 『エイリアン』の姉妹編のような作りでしたが、かなりエグい映画でした。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/

リドリー・スコット監督『プロメテウス』その3

2015-12-10 10:27:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
 ホロウェイ、顔を洗い、鏡を見ると、目の中で何かがうごめく。船長「これから救出に向かう。頭を見つけたあたりだ。センサーに生き物がいたが、1時間に2、3秒で消えた」デビッド「ではセンサーを探して修理します」。出発する一同。
 デビッド、一人乗りの車で奥へ。ピッカーズ「部屋に映像を」。デビッド、扉を開ける。柱と壁一面にピン。また扉を開ける。正面に巨人の像があるホール。デビッド、映像を切る。ピッカーズ「何するの!」。
 船長ら、ミルバーンを発見。ホロウェイ、ショーに「ちょっと僕を見てくれ」。ミルバーンを見た乗員「ひでえな」。「ヤネック船長、ホロウェイの具合が悪いの。戻って」。ミルバーンの喉から生き物飛び出る。「行くぞ!」。一同、騒然。
 デビッド、柔らかいボタンを押すと、椅子が出て来る。デビッドが座ると、ホログラムが出現し、デビッドに替わって椅子に座ると、椅子が回り、セット。巨人が笛を吹くと、中央に球、周囲に星が現れ、宇宙図になる。デビッドは地球を手に取る。宇宙図は消え、最後に残った地球も消える。装置の中に横たわる巨人。耳をつけたデビッドは微笑む。
 ホロウェイ、奇形化。プロメテウスのドアは開いていない。ピッカーズは火炎放射器を手にドアを開け、「ホロウェイは乗せられない」ショー「助けてあげて!」。ピッカーズ、近づいてきたホロウェイを焼く。
 目覚めるショー。デビッド「お悔みを申し上げます。感染のおそれがあるので」とショーが首にかけた十字架を外す。「ホロウェイ博士と最近親密な関係に?」「ええ」「妊娠してます。3か月です」「ありえないわ。彼と寝たのは十時間前よ」「人間の胎児じゃありません。見ない方がいいです。取り出す処置ができる人はいません」。腹痛が始まるショー。「痛み止めです。すぐにカプセルへ。エボラ出血熱で死んだお父様と同じですね」「何で知ってるの?」「あなたの夢で知りました」。ショー、眠る。
 眠っているショーに「ショー博士、あなたあを感染防止スーツに入れ、カプセルに入ってもらいます。(起きないショーを見て)薬が効いてる」。ショーは突然起き上がり、乗員をやっつける。腹痛を我慢しながらメディカルポッドへ。“緊急措置 腹部帝王切開”と入力。「エラー。このメディカルポッドは男性用です」。“回復手術 腹部の異物を除去”と入力し、麻酔を自ら打ち、手術台へ。「早く!」。腹が波打つ。手術開始。再び麻酔を打つ。イカ状の異物が取り出される。膜が破裂、暴れるイカ。ホチキスで腹閉じる。ショーはポッドから逃れ、イカを閉じ込めて殺す。
 船長「ハイフィールドのモニターを確認しろ。この船のすぐ外にいる。ドアを開けろ。いや、ちょっと待て」。ドアが開くと、ハイフィールドがあり得ない大勢で。立ち上がると変形した頭。乗員はヘルメットを割られる。「何が起きた?」。乗員の絶叫。走るショー。2人目、ハイフィールドに踏み潰され、叩き潰される。船長「すぐそっちに行く」。次々に襲われる乗員。車で轢かれ、焼かれ、銃弾を浴びるハイフィールド。シューは麻酔を打ち、デビッドらの前へ。そこにはウォーランドがいる。「余命が数日しかない。創造主に君たちが会うのを確かめたい」デビッド「1人生きてます」「その生存者に会いに行く。彼を救えるはずだ。そして私も彼に死から救ってもらう」ショー「分かってない。ここは想像した星じゃない。彼らも違う。私たちは間違ってた。早く脱出しないと」「人類の最も意義深い疑問への答えが迫ってるのに」。
 泣くショー。指輪を薬指に。「大丈夫、平気」。薬をガブ飲みし、痛みをこらえて宇宙服を着る。「どこ行く気?」船長「ここはエンジニアの星じゃない。軍事基地だ。あの大量の筒の中が大量兵器だ。作った奴らを殺した。明日帰ろう」「1人生き残ってる。話を聞きたくない?」「興味ない。俺の仕事は船を飛ばすだけだ」「何か興味があるはず」「あの化け物を持ち帰るのは絶対に許さない。そのためなら何でもやる」「必ずそうして」。
 ウォーランドは自動歩行器を身につける。ピッカーズ「来てほしかったんでしょ?」「2人にしてくれ」「あそこに行ったら死ぬわ」「マイナス思考だから君は残るべきだった」「おとなしく重役会議の椅子に座ってろと? あなたが奇跡を追ってるのに? お父様」。
 デビッド「ウォーランドが死んだら自由の身になれる」。
 出発する一同。
 スキャン画像を見てピッカーズ「これは宇宙船よ」。(また明日へ続きます……)

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/

リドリー・スコット監督『プロメテウス』その2

2015-12-09 10:52:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 一同、奥へ。凹みにネトっとした液体。デビッドは凹みを押す。光が洞内を照らし進む。音。巨人のホログラムが通り過ぎる。「あれは何だ?」「武器を持ってくればよかった」。一同、ホログラムを追う。1人の巨人、扉に挟まれて倒れる。現場には巨人の遺体。「ドアに挟まれて首がちぎれたんだ」。ピッカーズ「何てこと? 彼らは正しかったんだわ」船長、笑い「間違っててほしかったか?」。「俺は降りる」「どこに行くの? ハイフィールド」「俺は地質学者だ。巨人の死体に貢献できない。船に戻る」生物学者のミルバーン「僕も戻る」。「年代測定器で測って」「死後大体2千年前後だ」デビッド「ドアを開ける」「待って。向こうに何があるか分からない」。ドア開く。「見て、フォード。頭よ。獣の頭のような形。驚くほどいい保存状態ね。持ち帰りましょう。人間とそっくり」。乗員の足跡でうごめく芋虫。「美しい壁画です」。ボーリングのピン状のものが林立。デビッドに「ダメ。触らないで」。デビッド「これは汗をかいてる」。ピンの表面に芋虫うごめく。「液体だ」「嘘でしょ? チャーリー、壁画が変化している。私たちが入ってきた影響だわ。フォード、頭を急いで袋に」。
 「ボス、嵐が近づいてる」「すぐ船に戻れ。風速55メートルの砂嵐だ。宇宙服が焦げるほどの静電気だ」「15分後に外部扉を閉めるわ」。
 「死体だらけだ」。デビッド、ピンを一つ持ち出す。ピンの根元の液体中に多数の芋虫。
 「時間がない。急いでくれ」「よし、出発」。山の上にドクロ。車に迫る嵐。頭を落とし、ショー拾いに。嵐に吹き飛ばされるが、デビッドが何とか回収。
 船長「ミルバーンとハイフィールドは?」。
 ミルバーンとハイフィールド「ここ、さっきも来た」船長「砂嵐のせいで迎えに行けない。そこで待て」。
 「頭部、殺菌しました」「絶滅したの?」「え? 何が?」「エンジニアたち」「さあ、スキャンして」「これは外骨格じゃない。ヘルメットよ」「外せるかしら」「この頭のブツブツは?」「新しい細胞みたい」「これから何かに変化する?」「そう」「神経組織はまだ生きてると勘違いさせるために電気を流しましょう」。顔が動き出す。「フォード、止めて!」「止まらない」「デビッド。隔離して! 早く!」「すごい臭い」。顔、破裂する。「調べましょう」。
 デビッド、機械に「私が処理します。申し訳ありません。幸い少し未成熟でした。分かりました」。ピッカーズ「何て言ったの?」「内密の話です」「教えないとあなたの生命線を切断してやる」「もっとしっかりやれと」。
 デビッド、ピンを取り出す。
 ショー「遺伝子を分析して」。
 デビッド、ピンを開ける。
 ショー「人と比較して」「DNA一致」「嘘!」。
 デビッド、ピンからイカ状のものを4つ取り出す。1つをひっくり返すと、中で黒いものが落ちて来る。
 ショー「死因は?」。
 デビッド、中身の黒いものを指に取る。ホロウェイのところへ行き、「エンジニアが全滅して残念でしたね、博士」「答えを見つけるまでとことんやるよ」「では乾杯しましょう」。
 ミルバーンとハイフィールド「また死体だ。山になってる」「こいつ、体の内側から爆発したみたいだ」。
 船長「現在地は?」ハイフィールド「~だ」「そこから1km西に生命体の反応だ。動いていない。いや、いなくなった。ポッドの誤作動かもしれない。おやすみ」「東に行こう」。
 ショー「ホログラムの映像を分析しましょう。伝染病かしら?」ホロウェイ「お呼び?」「私たち正しかったのよ。彼らは人の祖先よ」「やったな。彼らが人を作った。人の命を創造するのは特別なことじゃない。DNAと脳みそさえあればいい」「でも私は子供を産めない」「ユリー、僕たちとは関係ない。愛してる」。2人、体を合わせる。
 ピッカーズ、地図を見て触る。船長「ダメだ」「これの分析はいつまでかかるの?」「詳しいのは操縦だけだ」「死にそうな猫の鳴き声みたい」「こいつはスティーヴン・スティルスが持ってた。あんたひょっとしてロボットか?」「後で部屋に来て」。
 ミルバーンとハイフィールド、ピンが林立しているところへ。水の中を何かが進む。「あ、何だ?」。水からナマズのようなものが頭を出す。「細長い爬虫類のような生き物発見。体長は80cmから1m。皮膚は透明」「2匹いる!」「いい子だ」。ナマズの頭、左右に開き、ミルバーンの手に食いつき、巻き付き、しめつける。やがて腕が折れる。「切り落とせ!」。切り口から酸が飛び散り、ハイフィールドのヘッドギアごと頭を溶かす。切り口から新たな頭ができ、ミルバーンのヘッドギアの中に入り込み、やがて口に入る。(また明日へ続きます……)

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/

リドリー・スコット監督『プロメテウス』その1

2015-12-08 18:33:00 | ノンジャンル
 本『映画の生体解剖』で紹介されていた、リドリー・スコット監督・製作の’12年作品『プロメテウス』の吹替え版をYouTubeで見ました。
 上空から雲、岩山、川。滝の上に巨大な円盤。ローブを着た巨人。半球を取り出し、中の物質を飲むと、円盤は雲間へ。巨人、苦しみだし、変形しだす。カメラ、巨人の皮膚の中へ。DNAが粉々になり、体は崩れ、滝の中へ。水に溶け、DNAが再生され、細胞分裂が始まる。
 岩が崩れ、裂け目から懐中電灯の光が。「チャーリーを呼んで」「ホロウェイ博士!」。“2089年 スコットランド スカイ島”の字幕。岩の中に入り込むショーとホロウェイ。「年代は?」「3万5千年かもっと前」。壁画。「嘘だろ? 同じ図柄だ。他より千年以上古い」「自分たちを見つけてほしいのよ」。空のいくつもの円盤を指さす巨人の壁画。
 星空。流れ星。“宇宙探索船プロメテウス号”“乗組員:17名”“日付:2093年12月21日”“地球からの距離:3.27×10の14乗キロ”“目的地:極秘”の字幕。眠っているショーの夢を探るデビッド。「あの人はどうしたの?」「死んだんだ」「パパは手伝わないの?」「必要ない。神様が違うから」「なぜ死んだの?」「皆いつかは死ぬ」「ママみたいに?」「そう」「どこへ行くの?」「天国。美しいところ。パパはそう信じてる。ユリーはどう思う?」。
 別室。音楽が流れる。「おはよう、デビッド。メッセージ送信中。返信ありません」。
 自転車に乗りながらバスケをするデビッド。テレビを見ながら食事。
 「アラビアのロレンス」を見る2人。衝撃。傾く室内。「目的地の周辺に到着」。装置を起動させる乗員。正面に輪のある天体。汗をかき運動するピッカーズ。「バスローブを取って。今日で何日?」デビッド「2年~日~時間~分です」「犠牲者は?」「全員無事です」「じゃあ起こして」。装置から起き上がり、体から水が滴り、吐く乗員。「私はデビッドです」。食事する乗員。ピッカーズ「すぐブリーフィングよ」。
 乗員たちの前でピッカーズ「ここを住めるように」「なぜ極秘に?」「私は仕事を監督するピッカーズ。では映像を」。ホログラム。「私はウェーランド社のピーター・ウェーランド、君たちの雇い主だ。これは2091年に録画している。つまり私はもう死んでる。デビッドは息子同然だが、人間ではない。心がないのだ。人類はどこから来たのか? 何のために生きているのか? 死んだらどこへ行くのか? それに答えてくれる人を見つけた。ホロウェイ博士とショー博士だ。どうぞ、立って。この2人が指揮を取る。任務を説明してくれ」。ホログラム消える。「これらは地球各地で発掘された遺跡です。お互い何の交流もありませんでしたが、どれも上空の星を指さす巨人を人があがめています。これと一致する銀河系は地球から遠すぎます。その銀河には太陽に似た星があり、月を持つ惑星もあり、そこには生命体が存在する可能性があります。そこが目的地です。私はエンジニアたちからの招待状だと信じています」。
 ショーに「ミス・ピッカーズがお話ししたいそうです」。「ここは救命ボート。リスクは冒したくない」「これはメディカルポッドね。世界に12台しかない。バイパス手術用ね。なぜ必要なの?」「ウェーランドはあなたたちの発見を尊重し資金を出したが、私はエンジニアなんてただの原始人が描いた絵だと思ってる。見つけても接触せず報告するだけ」「極秘計画でも?」「会社は1兆ドルも出してる。あなたは雇われた身」「ではなぜ連れて来たの?」「ウェーランドは迷信深いから縁起を担ぎたかったの」。
 「まもなく着陸。宇宙服なしだと2分で死ぬ」。雷。船長「無人。谷間を抜ける」ホロウェイ「あれだ! 神は直線を作らないはず。この谷だ」。宇宙船着陸。ピッカーズ「エアロックに集合」。船長「まもなく夜だ」ショー「すぐクリスマスプレゼントをあげたい」。
 宇宙服を着るショーら。「武器はいらない。科学調査よ」。車発進。ホロウェイ「人類にとっては小さな一歩だ」ショー「本当?」。「あの山を分析してくれ」船長「中は空洞だ」。車を降り、岩のすき間に入っていくショーら。「通路みたいだ」「俺の子犬たちが地図を作ってくれる」。乗員の一人がセンサーを放ち、センサーは通路の先へ飛んでいく。「かなり深そう」「どっちだ?」「ワン子たちはこっちだって」。水の音。「太陽よ。水を温めてる」「ここは呼吸できる」「チャーリー、やめて」「心配するな。きっと中で空気を作ってる」。ホロウェイ、ヘッドギアを外す。声がこだま。ショーも外す。(明日へ続きます……)

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石川美子『ロラン・バルト 言語を愛し恐れつづけた批評家』

2015-12-07 18:21:00 | ノンジャンル
 朝日新聞で紹介されていた、石川美子さんの’15年作品『ロラン・バルト 言語を愛し恐れつづけた批評家』を読みました。
 一部引用させていただくと、「バルトが深くかかわったもうひとつの雑誌、『レットル・ヌーヴェル』の状況は逆であった。1953年に月刊誌として創刊されて以来、質の高い文芸誌という評価が定着して、部数をのばしていた。のちの1959年には、週刊誌として一新して、読者層をひろげることになる」(ちなみに私は1959年生まれです)、「1956年の夏は、彼にとって、さまざまな新旧のできごとが交差した時期だったと言えるだろう。1953年から熱心にかかわった演劇からは離れようとしていた。著書を出す仕事としては、『今月の小さな神話』の時評の連載を終えて、それを『現代社会の神話』の本として仕上げつつあった。それは、『零度のエクリチュール』と『ミシュレ』における文学的な考察から、時事問題の社会学的な分析への移行を意味していた。その変化は、彼が書こうとしていた博士論文にもあらわれた。1950年にはテーマをミシュレから語彙論に変えたが、1956年には社会学的なテーマを具体的に検討しはじめたのである」、「多くの人が無意識のうちに信じこまされて、『自然なこと』として目に映るようになっているものをあばきだすこと。『神話』とは、自然らしさをよそおった社会現象であり、自然らしさを生みだす体系でもあるのだ」、「53編の『神話』をまとめて本にするにあたり、バルトは全体にひとつの方向性をあたえるような解説を書きたいと考えた。そんなときに、ソシュール言語学に出会ったのである。1950年にアレクサンドリアに赴任していたときからバルトはソシュールの名を知っていたという友人たちの証言もあるが、バルト自身は、1956年夏になってはじめて真剣にソシュールを読み、ソシュール言語学の重要性を意識した、と述べている」(ちなみに私が大学の哲学科で勉強していた時、唯一理解できたのはソシュール言語学の授業でした)、「『映像の修辞学』のほうは、具体的なイメージを記号学的に分析したものである。たとえば、パンザーニ社の広告ポスターが取りあげられている。赤地を背景に、買物用の網袋が半びらきになっている。袋のなかにはパンザーニ・スパゲッティや赤ピーマンが入っており、袋からパルメザンチーズやトマトがあふれだしている。パンザーニはフランスの会社の名前であるが、イタリア的な響きを感じさせる。ピーマンやトマトは赤色であり、パンザーニ社のマークは緑なので、赤と緑でイタリアを連想させる。つまり、ポスターのなかの赤色と緑色、パンザーニという会社名は、『イタリア性』というコノテーション(暗示的な意味)をもっているのである」、「1960年代のバルトは、頻繁に外国へ旅をしていた。講演やセミナーを依頼されて出かけることも多かったし、休暇のための私的な旅行もすくなくなかった。パリのさまざまな喧噪から逃れたいという気持ちもあったのだろう。平均して年に少なくとも5回は国外に出かけていた。そのほとんどは、イタリア、イギリス、オランダ、スペインなど、近くの国々が多かったが、北アフリカや北アメリカへ行くこともあった。そのような外国のなかで、なんども訪れて、比較的長く滞在した場所が三つある。アメリカのボルチモアと、モロッコ、そして東京である」、「日本には、1966年5月にはじめておとずれた。東京や京都で講演をおこなって、ちょうど1か月間滞在している。そして翌67年の3月にもおとずれて、やはり1か月間をすごす。さらにその年の12月から1月上旬まで3週間ほど滞在している。バルトは日本に『恋をした』のである」、「もともとバルトは短い形式をこのんでいた。(中略)とはいえ、それが自分のエクリチュールであるとはっきり意識したわけではなかったし、そのような短い形式についても『不連続なもの』という呼びかたをするにとどまっていた。だが俳句を知ることによって、短い形式を意識し、『断章(フラグマン)』という言葉をもちいるようになる。70年代のバルトの大きな特徴である『断章』は、俳句との出会いによって生まれたと言えるだろう」、「快楽のテキスト。それは、満足させ、心をみたし、幸福感をあたえるもの。文化から生まれて、文化と縁を切ることなく、読書の『快適な』実践にむすびついているもの。悦楽のテキスト。それは、喪失の状態にするもの。不安定にするもの(おそらくはある程度うんざりするまで)。読者の歴史的、文化的、心理的基盤を動揺させ、読者の好みや価値観や記憶をゆるがすもの。言語との関係を危機におちいらせるもの」、「『快楽のテキスト』は古典的な作品に結びつき、『悦楽のテキスト』は現代の作品に結びついている」。
 バルトに興味のある方なら楽しく読める本だと思います。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/