低気圧が去って、青空がもどってきた。明日からは、春らしい陽気になるらしい。こんな空を目にしていると、戸外へ出たくなる気持ちがつよくなる。ウィルスが広がって人の多い観光地やコンサートなどは避けた方がよい。人の少ない山登りなどは、今の時期もっとの気を晴らしてくれる運動ということか。
山を登っていて少し登りが急になると、息が苦しくなってしまう人を見かける。高齢になると、この傾向がつよくなる。これには、血中乳酸が関係している。血液は元来pH7をやや上回る弱アルカリ性である。急な坂道を登るような激しい運動をすると、筋肉中のグリコーゲンが乳酸にまで分解されて血中に放出される。乳酸は酸であるので、血液の酸性度を高め、次第に筋肉の収縮を妨げるようになる。次第に身体を動かし難くする。
山歩きをしながら血中に乳酸がたまってくると、呼吸中枢が刺激され、息苦しくなり、頑張ろうとしても、脳は休めとか、ペースを落せという指令を出す。但し、増えた乳酸は30分ほど休むと半減し、1時間でもとにもどる性質のものである。また、激しい運動でなければ、乳酸がたまることもない。ゆっくり歩くことが、疲れにくい山歩きの必須条件である。
茫々と風吹く月の照る峰に一人息づくわがいのちなり 結城哀草果