常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

葛の花

2020年08月26日 | 
散歩道に葛の花が咲きはじめてから旬日が経つ。この花が晩夏に咲きはじめて初秋まで咲くことはすでに知られている。山上憶良は秋の七草を歌にして、「萩の花、尾花、葛花、撫子の花・・・」と葛を七草に数えている。葛は川沿いの至るところによく繁り、その生命力の強さを示しているが、この季節になると赤紫の花を咲かせる。あまりに繁茂力が強いので、絡まれた木々が本体が隠れるほどの大きな葉を開く。この繁茂する力に着目して、砂漠の緑化がを目指す試みが行われたこともある。

人の身にかつと日当る葛の花 飯島 晴子

葛を人の暮らしに活用してきた歴史は長い。地中深く張る根から澱粉が採れる。カタクリに根からも澱粉をとるが、同じような手法と思われる。先ず根は、30年ほど経た古い根が使用される。この根を砕いて何度の何度も水に晒し、澱粉だけを抽出する。これを乾燥させてできるのが葛粉である。葛餅、葛切り、葛湯など日本人に長く親しまれてきた味だ。なかでも吉野で作られる吉野葛は有名で、ネットで検索しても、多くの和菓子が検索できる。

葛根湯と呼ばれる風邪に効く漢方薬は、葛の根の成分を利用しているし、蔓の繊維からは葛布が織られ、若い葉は山菜のような食用にもなった。
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