未熟なカメラマン さてものひとりごと

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瀬戸田の春を訪ねて 平山郁夫美術館の陶板「風神雷神図屏風」の見所を探る

2022-04-20 23:49:59 | 美術館・博物館
訪問日:令和4(2022)年4月4日(月)

(平山郁夫美術館)



海を見たくて、しまなみ海道を南下、尾道市瀬戸田町(生口島)を訪ねました。目的地は、平山郁夫美術館と西日光「耕三寺(こうさんじ)」です。
自宅からの所要時間は、ちょうど1時間でした。平日でしたが観光駐車場は、8割方埋まっていました。
まずは、平山郁夫美術館を訪ねます。

平山画伯揮毫の美術館看板、和風の門を潜ると、美術館玄関への道はいったんクランク状に折れ、右側は高い塀で仕切られて、入館者はその中の様子をうかがい知ることはできません。
館そのものも和風の数寄屋風です。受付を済ませロビーまで来ると、ここで初めて庭園が眺められるという趣向です。手前は瀬戸内海を表現した砂で覆われ、背後に島が配置されています。
その中央にあるのが「ひょうたん島」だそうです。なるほど人形劇で見た「ひょっこりひょうたん島」の形にそっくりです。
楽しみにしていたのは、建仁寺の俵屋宗達筆の国宝「風神雷神図屏風」です。陶板へ転写したものですが、実物と変わりません。その技術には感心するばかりですが、この感動は以前、徳島県鳴門の大塚国際美術館で十分に味わいました。

また、今回の展覧会では、尾形光琳の模写も同時に展示されているとのことで、ますます興味がわきます。
有難いことに、カメラOKとなっていました。



瀟洒な入館口


まだ何も見えません


やっと建物らしいものが先に見えてきました


続くアプローチ


花壇の白い花


受付を抜けると広いロビー


ここでやっと庭園を見ることができます


広いロビーです

風神雷神図とは

風袋から風を吹き出し風雨をもたらす風神と、太鼓をたたいて雷鳴と稲妻をおこす雷神の活動の姿を描写する絵画です。俵屋宗達の屏風画有名で、琳派の絵師をはじめ、多くの画家たちによって作られた模作や模写が多数あります。



俵屋宗達 風神雷神図屏風(陶板による複製) 2曲1双 国宝 京都建仁寺蔵(京都国立博物館寄託)

俵屋宗達(たわらやそうたつ)元亀元(1570)年~寛永20(1643)年
見どころ
・金箔の天空を背景に、緑と白で躍動感あふれる二神を描き分けた宗達の最高傑作
・見事な画面構成で(大胆な余白、絶妙の構図)
・はみ出した太鼓の輪、ねじれた腕、湧き立つ雲の表現、思い切りのいい大胆な曲線
・三十三間堂の風神雷神像を参考にしたといわれる



尾形光琳 風神図雷神図屏風(陶板による複製)2曲1双 重要文化財 東京国立博物館

尾形光琳(おがたこうりん)万治元(1658)年~享保元(1716)年
見どころ 
・俵屋宗達が描いた国宝「風神雷神図屏風」を忠実にトレースした作品
・雷神の視線の向きは風神をまっすぐ見ている
・ぴったりと息のあった風神と雷神は一体感がある
・雲の表現、宗達画より濃いめ


広い第3展示室 屏風の大きさがよくわかります


最後にもう一度庭園を見る 中央の小さな島がひょうたん島

有名な風神雷神図屏風、他に尾形光琳の風神雷神図屏風を模写した酒井抱一の風神雷神図屏風(出光美術館)があります。
この3点を見比べてみることができれば、さらに面白いと思いました。
GW中、瀬戸田の平山郁夫美術館を訪ねられてはいかがですか。


陶板再現!風神図雷神図屏風展 会期:令和4年3月19日~5月29日 平山郁夫美術館












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