「ミモロちゃん、お好み焼き食べに行かない?」と、ある日お友達に誘われたミモロ。「お好み焼き~。うん、いいよ。大好きだから…」と、自転車に乗って、出かけました。
「あんまりこっちのエリアで食事したことないかも…」と、お友達に連れられてやってきたのは、七条通の三十三間堂の東側の道を南に下がった路地です。
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細い路地の入口には、立て看板でお店の名前が出ていました。
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「う…ここ~?」車、いいえ、自転車も通り抜けるのに、技術がいりそうな細い路地。
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「ネコののれんがかかってる…ネコ好きのオーナーさんかな~」と、ミモロは安心して中へ。
「空いてるといいけど…前、来たときいっぱいで入れなかったの~」とお友達は心配そう。
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このお店の女将さん。お友達は、以前にも来たことがあって、すでに顔なじみ…。
「あんた~お友達なんだ~」「はい、そうです。よろしくお願いします~」とご挨拶するミモロ。
大きな鉄板のカウンター席と鉄板がついたテーブル席…。そこはすでにほぼ満席状態…。かろうじて1つテーブルが空いていました。「ラッキー・・・よかったー」とホッとするミモロです。
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「ミモロちゃん、なんにする?」壁にはメニューが…。
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お店の奥では、女将さんの甥っこさんが、仕込みをしています。
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用意された素材を次々に鉄板で調理してゆく女将さん。
ミモロは、自分の席からカウンターへ。お好み焼きが作られるのを、かぶりつきで見ています。
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ミモロのお好み焼きももうすぐ順番がまわってきそう…。
さて、この「お好み焼き 吉野」は、女将さんが20年以上まえに始めたお店。幼い息子さんを育てながら働いたそう。当時から、ここには、息子さんのお友達も大勢食べにやってきたとか…。三十三間堂という修学旅行生がよく訪れる場所の近くということもあり、東京の修学旅行生が訪れるように…。修学旅行生の口コミで、次々に毎年、同じ学校の生徒が来るようになり、なんと先生までもここを訪れるのが楽しみになったのだそうです。
やがてその学生が、大人になって、関西への出張の時に立ち寄ったり…。そんなこともあるのだとか。
また京都で大学時代を過ごした人も、やはり懐かしそうに訪れるのだそうです。
「わ~いろんな色紙がある~芸能人の来店も多いんだ~」
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やがて、ミモロの前に、お好み焼きと焼きそばが運ばれました。
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「アツアツ…アチッチ~」ネコ舌であることを忘れて飛びついたミモロ。
「ゆっくりお食べなさい…」
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「お好み焼きや焼きそばも美味しいけど、きっと女将さんの笑顔に会いたくてみんな来るんじゃないの?」と思うミモロです。
その日も昔からここに通っているという常連さんと修学旅行生の姿が…。
「きっとあの子たち、後輩に得意そうにこのお店教えてあげるんじゃないの?」とミモロ。
修学旅行で初めて訪れる京都…いろいろな史蹟や神社仏閣に行っても、大人になって記憶に残っているのは、そういう場所ではなく、みんなで食べたお好み焼きや、優しい笑顔の女将さんのいる店…。
私も中学・高校とも修学旅行は、京都奈良でしたが、どこを訪れたか、まったく覚えていません。でも、みんなで宿泊した旅館や、夜歩いた新京極や鴨川べりなどは、今も鮮明に覚えています。
観光立国を目指す日本…史蹟や文化財などの整備とともに、観光客が記憶するそこに住む人たちのもてなしの促進もサポートしてもらいたいもの。なぜなら美しい景色は、テレビや本などで誰でも見ることができますが、地元の人とのふれあいなどは、行った人しか体験できないもの。だからこそ、記憶に残るのです。
「また連れて来てね~」とミモロはお友達に…。「うん、いいわよ~」と、お腹いっぱいになった二人は、また自転車に乗って、それぞれの家に戻りました。
*「お好み焼き 吉野」京都市東山区大和大路通塩小路下ル、上池田町546 075-551-2026
11:00~20:30LO 月・火曜休み
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