11月7日は、今年の秋の特別公開の最終日。「わ~なんかバタバタしてる内に終わちゃっう~」と、慌てて出かけたミモロ。いろいろ見たいところはあったようですが、その中で、ミモロが選んだのは、今回、初公開された場所。
それが「京都ハリストス正教会」です。
キリスト教から枝分かれしたロシア正教会。ハリストスとは、キリストのことだそう。十字架のほか、イコンと呼ばれる美しい絵画を崇敬するのが特徴です。イコンには、聖書の物語や聖人たちの姿が描かれています。
「この教会にも美しいイコンがたくさんあるんだって~」
ミモロは、教会の前の写真を見て、実際にそれを目にすることを楽しみにしています。
さて、京都で正教会が活動を開始したのは、明治になってから。日本にロシア正教会の教えを広めた聖ニコライという人が、京都に教会を立てることを切望し、明治30年にかつて観世流能楽師 片山九郎右衛門の能舞台があった柳馬場二条上ルのこの地を購入。その3年後に、大聖堂の建設がスタートします。
現在、周囲をマンションなどに囲まれた場所ですが、昔は、比叡山、愛宕山、西東の本願寺が、鐘楼から眺められたそう。
「さぁ、中に入ってイコンを拝もう~みんなにリポートするんだ~」とミモロは、意気揚々と受付へ。でもその脇に、「撮影禁止」の看板が~
「がっかり~みんなにお伝えできない…」。特別公開の場所は、ほとんどが撮影禁止です。
「シンガポールの美術館のように、SNSやインスタグラムなどで世界中に拡散してくださいっていうのとは違うね。もっと多くの人に知ってほしいのにね~」と残念がるミモロでした。
教会内のイコンは、ロシアから運ばれたもの。明治36年の教会の完成時には、信者をはじめ、千人を超える人たちが訪れたそう。
運ばれたイコンの中には一部破損したものもあり、それを修復したのが、日本初の女性聖像画家、山下りん。
彼女の作品も公開されています。
太平洋戦争の折は、鐘の供出や解体計画も進む中、終戦を迎えたそう。
1967年には、京都市有形文化財に指定されました。
教会の内部は、正面に30枚のイコンを配した美しい壁が。「なんか外国にいるみたい~」とその美しさに見惚れるミモロです。天井から下がるシャンデリア、宗教儀式に使う品々なども見どころとなっています。
内部の様子をお伝えできないので、建物についてお話しましょう。
教会の建物を設計したのは、松室重光。京都府庁本館なども彼の設計によるもの。
正教会の教会は、ビザンチン様式で、屋根に、玉ねぎのようなドームがあるのが特徴です。
教会の建物は、木造建築で、白い壁は、漆喰によるもの。
建物の随所に施された飾りが、とても興味深いもの。
明治の腕のいい大工さんたちが、手掛けた建物。洋風と和風をミックスした感じが伺えます。
現在のロシアには、ソビエト時代の建物があまり残っていないそう。その意味でもこの建物は、とても貴重なものなのです。
「もっと早く、特別公開見てまわればよかったなぁ~」と、御池通を歩きながら思うミモロでした。
*秋の京都は、ほかにも特別公開や紅葉のライトアップなどが行われています。
詳しい情報は、「京都市観光協会」のホームページでどうぞ
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