「きれいなお庭~」とミモロがいうのは、「泉涌寺」の塔頭のひとつ「新善光寺」のお庭。
「このお寺に参拝したことなかった~」と、
すでに何度も訪れている真言宗の「泉涌寺」。現在8つあるという塔頭のひとつ「新善光寺」は、その名が示すように、信州の「善光寺」を、後嵯峨天皇のときに、京都に勧請したもの。そして、応仁の乱のときに、一条大宮から、この場所に移ったのだそう。浄土宗のお寺である「善光寺」ですが、ここに移った時に、真言宗のお寺に…。ご本尊は、阿弥陀如来さまです。
さて、この日、ミモロはここにメンバーとなっている「京都の観光文化を考える会 都草」のボランティア美化活動のためにやって来ました。
まずは、門のところで、検温。「はい、大丈夫です」
すでに美化活動のための箒や熊手などが用意されています。
「泉涌寺」の多中の中でも広い敷地を有する「新善光寺」。敷地内には、本堂を囲むように4つのお庭があり、そこには、四季折々の花や木が植わっている、まさに「花の寺」。
敷地内の至る所に、ご住職やそのご家族の花を愛するお心が伺えます。
「いろいろな植物が植わっている庭なので注意しながら、今日は、落ち葉を掃除したり、またスギゴケの中に生える草を抜いてください」と、掃除の仕方を教わります。
「ミモロちゃん、頑張ってね~」と「都草」の会長さん。
「はい、久しぶりの美化活動…楽しみに来ちゃいました」とミモロ。「都草」では、京都の文化、観光のお手伝いのひとつに、神社仏閣の美化活動が、毎月のように行われ、多くの会員さんたちが参加しています。でも、このところの緊急事態宣言で、その活動もしばしお休みで、今回は、会員のワクチン接種も進んだこと、および十分なコロナ対策をすることで、久しぶりに行われました。
コロナ対策だけでなく、蚊に刺されないように蚊取り線香の用意も。
「これ、お寺さんがご用意くださったんだ~」
ミモロも小さな熊手を手に、スギゴケの間に生えた草を摘みます。
「なんか可憐なお花付けてる~摘むのかわいそうだけど…」
でも、今は、小さな芽でも、やがて大きくなり、スギゴケの育つ場所を奪ってしまうので…。
チ~ン・・・お座敷の方から、鈴の音が響きます。見れば、そこでは、このお寺に併設された幼稚園の園児たちが、坐禅をしています。
「わ~ちゃんと座って、坐禅してる~」まさに京都らしい幼稚園。
ミモロは、草取りの手を休め、しばしその様子を見つめます。
京都のお寺には、よく幼稚園が併設されているところがあります。実は、昭和28年に、私立幼稚園の新設が30園に及び、また翌年には、「京都府私立幼稚園協会」には、すでにあったところと共に、100園を超える幼稚園が加盟しています。この園児の急増は、戦争から戻った人たちが家庭を持ち、子供たちが就園時期を迎えたことのニーズから…。
もともと日本には、子供を教育する「寺子屋」があり、お寺は、敷地の余裕もあったことから、幼稚園開設が行われたそう。
「確かに、お寺に子供預けるの親としても安心かも…」とミモロ。
ここ「新善光寺」の幼稚園も、その時期にできたのだそう。
さて約1時間…みんなで草取りをして、美化活動は終了。
「お疲れ様でした…どうぞ、本堂の方にお上がりください」と、ご住職。
美化活動に参加した人の楽しみは、お寺の方からお話を伺うこと…。
本堂に距離を置きながら並べられた椅子に座って、ご住職からお寺の歴史やご本尊のお話などを伺います。
ご本尊の阿弥陀如来さまは、鎌倉時代の作で、信州の「善光寺」と同形のものだそう。左手の人差し指と中指を前に出し、右手は上に構える「善光寺型」といわれる阿弥陀如来像です。
ミモロ達は、順番に、ご本尊をすぐおそばで拝みます。「やさしいお顔だね~」と手を合わせるミモロ。
皇室とゆかりの深い「御寺」と呼ばれる「泉涌寺」の塔頭らしく、菊の御紋が随所に見られ、その格式の高さが伺えます。
普段は本堂のお庭だけが公開され、御朱印がいただけます。また、特別公開の時期には、本堂などの公開も…。
「ここの御朱印、毎月スタンプが変わるんだって…」。御朱印ファンには、見逃せない場所。
公開されているお庭には、大きな鯉がおよぐ池などが…
お庭だけでもぜひ参拝したいもの。
本堂でのお話の後、ご住職のご案内で、江戸時代の天皇や皇后が眠る「月輪御陵」へと向かい、参拝を…。
「ここって、何度もうかがっているけど、本当に美しい…」とミモロ。
*「泉涌寺塔頭 新善光寺」御朱印の受付時間は、10:00から16:00
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