祇園、八坂神社のそば、四条通を歩いていたミモロ。「素敵だな~」と言いながら、ガラスケースを覗きこんでいます。




暖簾がかかる古いたたずまいのお店は、「金竹堂」。江戸時代末期から、祇園の舞妓さんや芸妓さんなどの髪飾りや花かんざしを製造、販売する専門店です。
「ちょっと入ってみよう…」と、ミモロは、お店の中へ。「ごめくださ~い。ちょっと見てもいいですか?」



「はい、いらっしゃいませ。どうぞ、ごゆっくり…」

店の中には、つげの櫛、ヘアピンなどさまざまな髪を整える品、そして花かんざし、飾り櫛など髪を飾る品々が並んでいます。


祇園が、華やいだ明治から昭和初期。このお店は、祇園の女性たちの憧れ。舞妓さんや芸妓さんたちが通い、お気に入りの品々を求めたお店で、一般の人たち向けの品々が登場したのは、戦後になってからだそう。

舞妓さんの髪飾りは、毎月その季節を代表する花があしらわれています。「舞妓は、1年で13種類のかんざしをつけます。2月は、梅、8月はススキなど、月ごとにシンボルとなる異なる花のかんざしと、祇園祭の時は、お姫様のように大きな髪飾りをつけるんです」と。先ほどの写真のかんざしは、お正月のおめでたい松竹梅をあしらったものと、8月のススキです。
舞妓さんは、サンゴやヒスイでできた大きな立派な帯留をしています。それは、舞妓さんが修業する置き屋さんに代々伝わるもの。一方、花かんざしは、布をつまんで作ったもので、それぞれの舞妓さんが自分のかんざしをもっているそう。「毎日のように使うものですから…」と。
「ホント、いろんな花のかんざしがある…」と、ガラスケースの中を覗きこむミモロ。
梅、桔梗、朝顔、菊などつまみ細工で作れた花のかんざしです。




「これは、舞妓のかんざしの普段着の時につけるものです。だから小さいんですよ。また、これを趣味で集められている方のいらっしゃいます」「京都に来るたびに、1つ集めたら楽しいかも…」とミモロ。
「あ、8月のススキもある…。でも、ススキのイメージって、もっと地味な感じだけど、これって雪の結晶みたい…」

「これも舞妓さんの?」ユラユラゆられる花かんざし。


「いいえ、それも一般向け…舞妓さんのは、もっとずっと大きいですよ」
花かんざしの一般客のニーズは、七五三、成人式が大部分を占めるそう。
一般客も、憧れるのは、本べっ甲や漆、サンゴなどの髪飾りです。


「べっ甲は、もう材料が手に入りませんから、在庫があるだけ…」最近は、安価なプラスチックのべっ甲風の品が多いようですが、やはり本物は、つや、色合いに風格が漂います。また、蒔絵や螺鈿が施された髪飾りは、まさに芸術品。
「わー細かい…」1ミリ四方にも満たないような細かい螺鈿で作れれた髪飾りは、どこかモダンな雰囲気で、洋髪にも似合いそう。

真珠が連なったものも、シンプルで、こちらも洋髪の夜会巻きにピッタリ。

「それらは人気がありますね。結婚式の留袖や、訪問着、付け下げなどに合わせられる方が多いです」
「かわいい色のサンゴのかんざし…」

親から子へ、そして孫へと、親子3代で、ここの品を使っている方も…。
ミモロは、自分に合う品を店の中を歩き回って探しています。
「これいいかも…」


「こんなのもいいなぁ~舞妓さんみたいでしょ」

和服用に、ひとつ自分好みの髪飾りを持つと、素敵かも…。
「髪が短いからつけられない…伸ばそうかな…」とミモロ。そういっても、無理じゃない…。
ミモロにとって、髪飾りは、いつまでも憧れの品です。
*「金竹堂」京都市東山区祇園町北側263 電話075-561-7868 10:00~20:00 木曜休み

ブログを見たら、金魚をクリックしてね。ミモロより
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