晴れたり、曇ったり・・・。
強風が吹いたり、ぱったりと止んだり・・・。
寒い日曜日。
1週間くらい前に、フジテレビでオン・エアの『犬神家の一族』を視聴しました。
金田一耕助役のアイドルさんが、酷評されておりましたので、少し先入観がありましたが・・・。
はい・・・。たしかに・・・。
アイドルさんが、どうこう言う前に、昔の映画化、ドラマ化が、凄すぎたんでしょうかね?
かつては、石坂浩二、古谷一行などが、演じた、金田一耕助ですが・・・。
金田一耕助に限らず、昭和の大女優であった高峰三枝子が、偉大すぎて、黒木瞳は、完全に位負け。
名家の奥様には、程遠く、なんだか、場末のバーのママさん感が否めない。
現在で、犬神松子を演じることのできる女優って、誰かいるかな・・・?と思う。
演技がどうの・・・というより、あの大財閥の長女で、品格を備え、鬼なる・・・という・・・あの凄みというか・・・。
TBSのドラマの京マチコも負けてなかったよなぁ・・・(それだけ、過去の女優は、重厚さ、格調たかさが、あったということだろうか・・・)
そう、『犬神家の一族』の主人公は・・・犬神松子でなければならない・・・。
野々宮珠代は、添え物にすぎないし、その野々宮珠代が、(言い方が悪いけれど)まるで、ガキ。
学芸会の延長・・・と評されるのも無理ならぬこと・・・(これは、主役の金田一耕助のアイドルさんに集中砲火だったのだけれど・・・彼だけではないと思います)。
脚本も、野々宮珠代が、犬神佐兵衛の本当の孫だという・・・たぶん・・・ものすごく重要な設定もすっ飛ばし、犬神三姉妹の母親の待遇も映像化されていなかったので、青沼菊乃、静馬親子への恨みの動機付けも薄い。
全てにおいて、中途半端なんですけど・・・。
そして、極めつけ・・・。
原作の横溝ワールドの・・・あの、おどろおどろしいまでの・・・旧家の因縁の重さと品格が、まるで、無く、薄っぺらな・・・あのだだっ広いだけの犬神家の大広間が、物語の全てを象徴しているかのように思えるのでした。
時代背景も、衣装も、全て、作り物感がつよく、切り貼り感とハリボテ感満載の安物の『犬神家の一族』でありました。
ドラマでも、昭和も遠くなったなぁ・・・と思ったりしました。