冬晴れが、お休み。雨が続きそうな・・・週明け。
私は、『赤』色に、随分とコンプレックスが、あって、思えば、幼少の頃は、青色や紺色の地味な色の服ばかり、着せられていた。
母親が、会う人達に、
『赤が、似合わない子なんですよ。』
と言っていたので、私は、そのまま『赤の似合わない子』になってしまった(こんな話も、コレ迄、無暗に、累積されたこの拙なブログに何回か、書いてきたと思う)。
幼少の女の子にとって、『赤』が、似合わない・・・ということは、或る意味、致命的でもあった。
青や紺色より、赤色の方が、断然、可愛いし、子供らしいし。
私は、『赤』を忌むようになった。
私は、『赤』を嫌った。
『赤』が、似合わない理由としては、まず、顔の色で、『赤』い服は、顔の色を、青ざめさせてみせるのだった(中学の時の友達に、『青』が、顔色に影響するひとがいて、青い服を着ると顔が、青ざめてみえるので、家庭科の被服製作で、ブラウスを縫うことになって、お互い、逆の色の布地を買った)。
オトコ顔というのも、たぶん『赤』が似合わない理由のひとつだろう。
長いこと、『赤』を嫌ってきたけれど、ある占いの本に、『赤色は、身を亡ぼす色』なんてことも、出ていたので、徹底的に、『赤』を避けるようになった。
その占いの根拠は、書かれていなかったけれど、後に、五行というものを知り、四柱推命などで、水浸しの日(黒)に生まれたので、火(赤)とは、相克の関係らしい・・・(さらに、悪いことに、剋される土(茶色・黄色)も、てんこ盛りな命式と知り、人生において、何もかも、上手くいかないのは、そのヘンなのか・・・と妙に納得もした。そういう訳だけでもなかったが、ずっと『黒』づくめの服ばかり着ていて、毎日が、葬式帰りかと思うほど、黒い服しか持っていなかった・・・)。
忌み嫌っていた『赤』だったのだけれど、何故だか、秋の紅葉・・・カエデの赤には、強烈に魅かれてしまう(それ迄、自宅庭にあることも気が付かなかったカエデの紅葉が、ある日、突然、美しく見えた)。
そして、青白い手に、安物のルビー・リングを買ってあげたとき、なんと!美しいことよ・・・などと、勝手に思った(勝手に思ったというのは、ルビー・リングをして外出しても、誰も褒めてはくれぬので、自分だけにしか、綺麗にみえないのだろう・・・と思っている)。
赤は、赤でも・・・キチガイじみた赤というよりは、黒や青などのまざったような深みのある『赤』が好きである。
カエデの群生するあの森林公園の赤色は、まさに、幽玄の赤・・・であった。
カエデの裏は、登山道(ハイキングコース)の入り口近くになるのだけど、このカエデの群生林を超えてしまうと、違う次元に飛び込んでしまいそうな・・・恐怖感を伴った危険な・・・幽玄の赤・・・。
晴れて、陽光が差し込むのではなく、夕刻の、既に陽が、沈みかけた一瞬に現れたような・・・『幽玄の赤』であった。
あれほど、現実離れした『赤』は、見たことがない。
もしかすると『魔』が潜んでいたのかもしれないが、臆病なので、『魔』に憑かれることもなく、現在、ここにいる。
(↓幽玄の赤では、ありませんが・・・)