友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

神様に祈ること

2013年10月02日 18時58分21秒 | Weblog

 今日の新聞は各紙とも、安倍首相が「消費税を法の定めるとおり、来年4月から8%に引き上げる」と発表した記者会見を報じていた。私がヘンと思ったのは、読売新聞のコラム『編集手帳』だった。「米国の大統領がお祈りした。『神様、中東紛争を解決してください』。神様が答えた。『よろしい。でも、お前の任期中は無理だよ』。韓国の大統領がお祈りをした。『神様、北朝鮮との問題を解決してください』。神様が答えた。『よろしい。でも、お前の任期中は無理だよ』。日本の首相がお祈りした。『神様、財政赤字を解消してください』。神様が答えた。『よろしい。でも、私の任期中は無理だよ‥』(ジョーク集より)」

 神様は、米韓の大統領の任期中は無理だが、解決しようと答えたのに、日本の首相には神様の任期中は無理だと答えている。それほど、日本の財政赤字の解消は難問だというのだろうか。コラムは国の借金が1千兆円を超えているから、子や孫を国家衰亡に向かって走る“火の車”号に乗せないためには、(消費税の引き上げは)避けて通れないと、増税を認めている。そして最後に、戦後の焼け野原で復興が出来るだろうかと不安に思っていた日本人に、経済安定策を勧告したアメリカ人の言葉を引用する。<不可能とは、少し余計に時間がかかることに過ぎない>

 コラムの結びは、「神様の代替わりを待ってはいられない」、時間が余計にかかっても財政赤字を解消しなくてはならないということだ。ヘソ曲がりな私は、中東紛争も北朝鮮問題も財政赤字もみな、人間が創り出してきたものだから人間が解決しなくてどうするのか、と思ってしまう。少し時間がかかるけれど、解決することは不可能ではないだろう。世の中には、人間の努力では何ともしがたいものがたくさんなる。何の落ち度もない家庭なのに、父親の会社は倒産し、息子は大学を卒業しても就職先がなく心の病になったり、娘が難病で母親はガンという。

 どうしてこんなに不幸なのかと誰でも思うだろう。これこそ神様に祈るしかない。人間の努力ではどうにもならないことは神様に祈ればいい。けれど、人間が自ら創り出したことを神様にお願いするのは筋違いである。消費税の引き上げは当然のように受け止められているけれど、どういう社会、どういう国家、どういう世界を創っていくのか、政治や税の仕組みをもっと考えなくてはならない時期だと思う。

コメント
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