みのもんた氏が息子の不祥事で記者会見するのをテレビで見た。そういえば最近、やたらと謝罪するニュースが多い。みずほ銀行が暴力団に融資していた件、大手のホテルでメニューどおりの食材が使われていなかった件、毎回のように出てくる東京電力の汚染水管理の不備の件、過去にも深々と頭を下げる人たちの姿を何度も見た。
和食の老舗「船場吉兆」が、客の手付かずの料理を出していたことが発覚して、謝罪の記者会見をしたが、笑い種にもなった。老女将が息子に小声で答弁する内容を伝え、息子がその通りに述べたけれど、それは全てマイクに拾われていた。年老いた女将も気の毒で滑稽だったが、従順な息子も情けないほどかわいそうだった。
みのもんた氏も初めから「ごめんなさい。私の不徳の致すところ、誠に申し訳ありません」と誤っていればよかったのに、「息子と私は別人格」とか、「私がやったわけではない」などと言ったからますます泥沼に入ってしまった。親と子は別人格であることに間違いないけれど、そう思うなら最後までそれで押し通した方がよかっただろう。
誰かが言っていたけれど、「子は親の鑑」とか「この子の親の顔が見たい」とかの言葉がある。ましてや知名度があるのだから、「別人格」だけではすまない。それに、芸能人の息子が不祥事を起こした時、みのもんた氏は「親はどういう育て方をしていたのか」と批判したという。やはり自分の価値観や倫理観に従って自分がどうするか、身の振り方をキチンとすべきだろう。
それにしても、テレビでの謝罪を見ると、心から謝っている人は少ない。「知らなかった」「隠蔽の意図はない」「現場の認識不足」などなど、自らの責任を真正面から受け止めているなら決して出てこない言葉ばかりだ。「何で、こんな目に遭わなければいけないのか。自分は運が悪い」といった気持ちが現れている。
日本シリーズの第1戦で、楽天の松井選手のレフトへの打球をフェンスいっぱいのところで巨人の亀井選手が見事に補給した。楽天の星野監督は悔しかったのか、「スパープレイじゃーない」と言っていたけれど、ここはやはり相手選手の美技を称えるべきだろう。どうしてもエライ人は、素直になれないようだ。